日本の夫婦における名字問題(独現地ニュース)

14855848101_b01dc68ac5_k
Pocket

ドイツの現地ニュースのうち、日本に関して話題になっている記事を翻訳してお届けします。
今回のテーマは「夫婦の姓名問題」です。ドイツでは、夫婦間の名字は夫婦で相談して決めることができますが、日本ではどうでしょうか?日本の姓名文化は、ドイツ人から見てあまりにも融通が利かない制度と思われているようです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

姓と闘うおぐにさん

通訳者である おぐに かおりさんは結婚後の現在も、引き続き自分の旧姓を用いることを望んでいます。ドイツでは、夫婦間で共通の姓を持つかどうかは夫婦で決めることができますが、こういった自由さは日本にはありません。多くの日本人女性がこの件に関して悩んでいて、そのうちの5人が現在の憲法に対する苦痛の訴えをおこしました。

結婚式の数日前はかおりさんにとっては耐え難いものでした。彼女は結婚することを望んではいたものの、自分の苗字を失うことで、アイデンティティーの一部を失うのではないか、という懸念を抱いていました。
「もし苗字を失ってしまうならば、私は誇りを失ってしまう。それはまるで自分自身の一部が消えてしまうようなものだ。」とかおりさんは言います。

日本では複合名(二つの名または、姓からなる)を持つことは認められていません。1896年に制定された法律では、夫婦がひとつの姓を決定することにより、夫婦として認められることになっています。現在の日本では妻が夫の苗字を名乗ることは96パーセントにのぼります。

かおりさんは現在、残りの4パーセントの、同じ状況下にいる当事者と同様に日本政府に告訴しました。彼女は、結婚はしたくとも苗字はそのまま自分のものを保持することを望んでいます。

しかし、現在の法律では不利であり、夫婦間における市民権に違反すると彼女は言います。

この訴えに対し12月16日に判定が下る予定です。
安倍総理率いる保守党の多くの議員は憲法を変えることを強く否定しています。姓の規則が変わるのであれば、家族の連帯感は弱まり、社会を危機にさらしかねない、という意見があります。

つかもと きょうこさんは“つかもと きょうこ”として亡くなりたい

原告であるかおりさんは上記の状況にあきれています。

「姓を変えることが簡単であるにも関わらず、男性は全く変えないの?」

現在のシステムでは、”名を変える準備ができていない人はだれも結婚すべきでない。”という状況にあります。

一部ではこういった理由から結婚に踏み込むことのできない夫婦がいます。野党議員である福島みずほ氏と彼女の夫がその一例です。

しかし、この件において、さらなるもつれが生じています。例えば保護権や相続財産の問題です。かおりさんはそれゆえに、夫の姓を受け継ぎ、その一方で自分の姓を引き続き使用しています。

かおりさんのように多くの女性が、日常生活の中では自分の姓を用い、公式な姓名では夫の姓を使用する、というように巧みに姓を操っています。

アンケート調査によると、日本人女性の半数以上が姓の規則を変えることにおいて肯定しています。それにもかかわらず、二つの裁判所においては最終的に厳格な日本の命名権に同意しています。

日本で定期的にジェンダーと家庭をテーマにした問題においてコメントしてきた、せりざわしゅんすけ氏は「世界は個性化してきた」と言っています。

「姓を分離することは自然と広がりつつあり、これは離婚する際にも有効である」とつかもときょうこ氏は主張しています。

つかもときょうこ氏は、第一子を出産した1960年に夫と結ばれました。それから彼女は離婚しましたが、新たに誕生した第二子のために元夫と再婚しました。再婚後、夫婦間の関係が壊れた際も、彼女の夫は二度目の離婚をあきらめたそうです。

今日80歳代になった彼女は、「私はつかもととして生まれ、つかもととして死にたい。」と言っています。

記事元
http://www.spiegel.de/panorama/gesellschaft/japan-frauen-klagen-gegen-strenges-namensrecht-a-1067363.html

Pocket

この記事は参考になりましたか?