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海外進出を行う上で、欠かせないのが事前の現地調査です。海外市場は日本と異なるトレンドや文化を備えているため、それを理解するプロセスは欠かせません。
海外の市場調査をスムーズに行うためには、いくつかのポイントを押さえておくことも重要です。海外リサーチはどのように進めていくことが重要になるのでしょうか。
海外市場調査を行う目的を明らかにする

海外の市場調査を行う上で、まず大切なのはその目的を明らかにしておくことです。
海外の消費者の動向を知りたい
海外リサーチの目的としてポピュラーなのが、消費者の動向を調べるというものです。
現地ではどのようなブランドが人気なのか。スマホはどこの機種を使っているのか、どんな病気のリスクを警戒し、健康増進のために何を買っているのかなど、調べることは様々あります。
また、調べられることが多岐にわたる分、無作為に調査をしていては時間と予算が無駄に削られてしまうことになります。
海外展開を考える自社商品やサービスの特徴を把握し、適切な動向を探れるよう備えておきましょう。
海外の競合他社の動向を知りたい
海外進出を本格的に考えるとなると、やはり気になるのが競合他社の存在です。
現地ではどんな企業がシェアを握っているのか、どんな魅力が現地で受け入れられているのかを理解し、自社の強みで勝負できるマーケティングを考えていく必要があるでしょう。
また、複数の国を調査対象とし、競合他社となり得る企業が少ないところを選定する上でも海外リサーチは有効です。
商品の需要と供給のバランスが取れていない地域を探し、積極的に進出していきましょう。
自社商品に現地ニーズがあるかを知りたい
海外市場調査を行うことで、そもそも自社商品にどれほどの潜在ニーズがあるのかを知ることも可能です。
例えば、アルコールを摂取する文化がないインドネシアなどのイスラム教圏において、日本の地酒を輸出することは不可能に近いビジネスです。
しかしインドネシアに近い国であっても、飲酒の文化があるシンガポールやマレーシアなどであれば、現地の人たちにも十分に受け入れられえる可能性があります。
東南アジアなどはいくつもの国が密集している地域であるため、それぞれの市場動向を明確にしていく作業を、リサーチを通じて行うと良いでしょう。
目的に合った海外市場調査の方法を検討する
海外の市場調査を行う目的が明らかになったら、次は適切なリサーチ手法を検討する必要があります。
海外の市場調査にはいくつかの種類があり、それぞれの特徴を理解しながら使い分ける必要があります。
デスクリサーチ
一つ目の方法は、デスクリサーチです。その名の通り、インターネットを用いて様々な公開情報を特定のテーマに合わせて収集、分析する手法で、基礎的なリサーチ方法となっています。
その国大まかな市場動向や人口動態、基本的な慣習や文化を把握するのに有効で、まだその国についての理解が進んでいない段階で行っておきたい手法です。
ただ、数ヶ月単位での最新のトレンドなどは把握しづらく、正しい公式情報を集められるスキルも必要になるため、高いリサーチ能力が必要とされる点には留意しておきましょう。
現地調査
現地調査は、実際に現地に調査員を派遣し、街頭アンケートや写真の提供などをお願いするというものです。
現地の最新の情報を把握するために有効な手法で、生の声を得やすいため、感覚的な情報を得たい際には活用したいところです。
ヒアリング
ヒアリング調査は、現地や日本を問わず行える手法です。
自社商品についてのユーザーインタビューや、普段の生活に関するアンケートなどに答えてもらい、企画のブラッシュアップや商品の改善を進めていくことができます。
会社が解決すべき課題、強みにできる部分などを現地の人から聞くことができるため、新しいビジネスチャンスを創出する機会人もなり得ます。
調査結果を有効活用するためのノウハウを知る

海外市場の調査によって得られたデータは、正しく活用することで初めて価値を持つようになります。
経営戦略の策定
海外市場調査から得られた結果を元に、海外進出の戦略を固めていくことができます。
日本での戦略とどのように差別化していけば良いのか、潜在的な顧客のスケールはどれくらいなのかなど、入手したデータから様々な予測を立てられるでしょう。
商品のローカライズ
自社商品についてのヒアリングを行えば、現地へ商品を輸出する際、どのように改善すればさらなる集客が得られるのかを考えることが可能です。
ネーミングを現地でもわかりやすいように改善したり、パッケージデザインを現地向けに変更したりと、消費者に寄り添うローカライズを実現しましょう。
おわりに
海外の市場調査は、直接企業の利益にはつながらないものの、そこで得られるデータには確かな魅力が存在します。
得られたデータを有効活用するためのアプローチを考え、最大限リサーチを活用していきましょう。