目次
私たちの生活に深く浸透しているSNS。日本ではTwitterやFacebook、Instagramなどがメジャーですよね。
これらは海外でも人気ですが、ことビジネス用途においては事情が異なります。欧米やアジアの各国では「LinkedIn」というサービスが主流になっているのです。プライベートではなくビジネスを目的とした世界中のユーザーとつながりを持てるため、企業・求職者どちらにとっても有用です。
昨今の日本でも徐々に利用者が増えており、活用に興味のある国内企業の担当者も同じく増えています。ただ、具体的な用途や使い方がよく分からないという方も多いはず。
そこで本記事ではLinkedinについて、サービスの概要、できること、機能、活用方法などを解説していきます。
LinkedInとは??
LinkedInとは、世界最大級のビジネス向けSNSのこと。利用目的としては、求職者の就職・転職活動や、企業の採用・情報収集・販路拡大などがあります。
TwitterやFacebookもビジネスに活用できますが、これらは日常の他愛もない話をするといった私的な要素を多分に含む一方、本サービスはビジネスに特化しているイメージです。
そんなLinkedIn、日本ではあまりメジャーなサービスでないものの、2003年5月から18年も続く歴史を持ち、世界中に7.9億人ものユーザーを抱えています*。海外(主に欧米)のビジネスシーンではLinkedInアカウントを所有しているのが一般的になっており、それが名刺のような役割を果たしているほどです。
*:DataReportal/LINKEDIN STATS AND TRENDS
***
LIFE PEPPERでは、Linkedin活用の参考になる成功事例集を公開しています。実際にどんな取り組み例があるのか見ることで、自社のイメージも膨らむはず。資料は、下記リンクよりダウンロードしていただけます。
LinkedInの読み方
「リンクドイン」と読みがちですが、LinkedInの日本法人は「リンクトイン・ジャパン」となっているため、日本語では「リンクトイン」という読み方が正しくなります。
「ド」ではなく「ト」だと覚えておきましょう。
LinkedInのユーザー数
前述の通り、2021年現在、世界のLinkedinユーザーは7.9億人にものぼります。Twitterの世界総ユーザー数が4.3億ということで、これの1.8倍ほどもあるわけです*。LinkedInの規模がいかに大きいか、お分かりいただけると思います。
利用者の多い国は、
1位:アメリカ(1.8億人)
2位:インド(8千万人)
3位:中国(5.4千万人)
4位:ブラジル(5千万人)
5位:イギリス(3.2千万人)
など。アメリカでは全人口の54%が利用していることになります。人口の対象をビジネスパーソンにまで絞ると、Linkedinを使っているのが当たり前という状況なのです。
一方、日本のLinkedinユーザーは300万人**。Twitterユーザー数が5千8百万人なのとも比べると、国内ではイマイチ普及していないのが分かりますね。
もっとも、Linkedinは日本のユーザー獲得に力を入れており、じわじわと認知度も利用者数も増加しています***。同日本法人がメディア露出やセミナーを積極的に行っているのもあって、この流れは今後も継続されるでしょう。
*:DataReportal/TWITTER STATS AND TRENDS
**:DataReportal/LINKEDIN STATS AND TRENDS
***:DataReportal/DIGITAL 2021: JAPAN
LinkedInの特徴
次に、Linkedinの特徴を解説していきます。
ビジネス特化であること
繰り返しになりますが、やはり「ビジネス特化であること」は大きな特徴です。
これには、もともと採用メインのプラットフォームとしてスタートし、徐々にビジネス向けSNSとして成長してきた歴史が関係しています。よってLinkedinには、プライベートとしてではなく、求職者や企業関係者として使う人が圧倒的に多いのです。
プロフィール内容を充実させ、こまめに情報を発信するという使い方自体は、ほかのSNSと変わりません。ただ、Linkedinの特徴上、求職者は就職用のアピールを、企業はリクルーティングや新規ビジネスのための関係構築を、大きな手間とコストをかけずにできるわけです。
情報の信憑性や安全性が高いこと
2つめの特徴は、他のSNSサービスと比べ、発信されている情報の信憑性や安全性が高いこと。
この点について、米eMarketer社が実施したユーザー調査では、Linkedinは他のSNSサービスよりも信頼が持てるという結果が出ています*。
Linkedinは実名・顔出しとなっており、もしデタラメな活動をすれば、それがリアル世界の自分へ跳ね返ってきやすいのです。素性がはっきりしたアカウントとつながりやすいというのは、企業にとっても求職者にとっても有用ですね。
ただし、全部が全部そうとは限りません。サービスの規模拡大とともに、なりすましアカウントや詐欺アカウントも増加しています。
信頼しやすいプラットフォームなのは間違いありませんが、情報の裏取りは必須です。
【参照】
Web担/LinkedInで偽物が社長をかたって業務依頼、アルプス電気が注意のリリースを発表
DIGIDAY/LinkedIn にはびこる、「偽プロフィール」問題
*:eMarketer/Digital Trust Benchmark Report 2021
LinkedInのユーザー層と利用目的
Linkedinのユーザー層は、大きく分けて以下の3つです。それぞれがどんな目的で利用しているのかも合わせて見ていきましょう。
若者:就職や転職、インターンシップのために
Linkedinユーザーの75%は34歳以下の若年層であり*、彼/彼女らの利用目的のひとつが、就職や転職、インターンシップです。
日本とは違い新卒一括採用のような仕組みがない欧米では、LinkedInに登録して、興味のある企業のHRにコンタクトを送るケースが一般化しています。
Linkedinのプロフィールは履歴書や職務経歴書としても使えるため、求職者は応募の手間を大幅に減らせるのです。また、プロフィールを見たリクルーターやエージェントからスカウトが来ることも。この場合、すぐ面接へ進める確率が高まります。
SNSという性質上、企業と求職者の距離が近い分、ミスマッチが起きにくいのもメリットです。
*:DataReportal/LINKEDIN STATS AND TRENDS
ビジネスマン:情報収集・交流・新規ビジネスのために
ビジネスパーソンも情報収集や交流のために利用しており、Linkedin上のつながりから新規ビジネスへ発展するケースは少なくありません。
プライベートな情報も混じるFacebookやTwitterなどと違い、ビジネスの関わり合いをメインに持てるのがポイント。世界中の企業やビジネスパーソンと接することができ、日々の仕事へ反映できる点も見つかるでしょう。
情報収集で使いたいのが、Linkedinグループという機能です。
メンバー同士で知識を共有したり人脈を形成したりするコミュニティで、マーケティングや採用、事業運営、同級生、関心事など、さまざまなジャンルのグループが存在します。有益な交流が日夜行われているため、最初は緊張するかもしれませんが、飛び込んでみるのをおすすめします(使い方は後述)。
人事:リクルーティングのために
求職者と同じく、企業の人事担当者も、当然よく利用しています。パナソニックの北米法人が、キャリア採用の80%をLinkedinにて行っているという事例もあるほど*。
人事にとっては、求職者へ向けて広告を出したりダイレクトにメッセージを送ったりと、求める人材を効率よく募集できる上、外国の人材にも手軽にアプローチできるのが大きな魅力です。
また、リクルーター機能(有料)を使えば、さまざまな項目に基づきユーザーをフィルタリングしたりトラッキングしたりして、全世界数億人の候補者の中から自社に合った人材へピンポイントにリーチできます。
*:リンクトイン・ジャンパン/パナソニック株式会社 LinkedIn導入事例 (2014年3月)
企業:製品アピールやブランディングのために
個人だけでなく、企業単位での活用も可能です。主な目的は、製品アピールやブランディングなど。
先ほど述べた利用者の属性上、LinkedinはBtoBに最適です。さらに、ユーザーの5人中4人は社内で何らかの意思決定権を持っており*、Linkedinを通じて、迅速に事を進められる可能性が上がります。
逆にBtoCには向かないかというと、そうではなく。海外では最近、BtoCマーケターも活発に利用しています。
忘れてはならないのが、ビジネスパーソンも仕事以外の場面だと一般消費者である点です。また、仕事中であっても私生活についての何かを、例えば気になる映画や食べ物、あるいは育児のことなどを考える時はありますよね。
Linkedinでは、このような仕事以外の関心事まで活用できるのです。それに、ビジネス情報の収集がメインのLinkedinという媒体で見るBtoCの情報は、多くのユーザーにとって意表を突くもの。フィードで目立ち、印象に残りやすくなるのです。
LinkedInを企業が活用するメリット
ここまでの内容を振り返りつつ、企業がLinkedinを活用するメリットをまとめていきます。
①採用活動の幅が広がる
メリット1つめは、採用活動の幅が広がること。具体的なポイントは以下の4つ。
1.世界中の人々をターゲットにできる
全員が求職者ではないにせよ、Linkedinのユーザーは世界各国に7.9億人もいます。属性ごとにユーザーをフィルタリングする機能もありますし、これほど多くの人々へ効率的に採用のアプローチができる媒体は、ほかにありません。特に、海外の人材も採りたい企業にとって魅力的です。
2.日本のユーザーを対象とする際にも有用
日本のユーザーはさほど多くないからといって、候補者を国内に絞っている企業には不要というわけではなく。日々Linkedinを使うユーザーは、情報感度が高く能動的で優秀な場合が多く、こういったハイクラスな人材と関わりを持てるのは大きな利点といえます。
3.潜在層もターゲットにできる
ここでいう潜在層とは「転職サイトに登録するといった積極的な行動はしていないが、転職に関する話が来れば前向きに検討する人」のこと。
実は、Linkedinを使っていて転職に興味のある人の76%は、この潜在層なのです。加えて、92%は採用担当者によるアプローチを歓迎しているというデータも。*
こういった人には、転職サイトや人材紹介だとリーチできません。Linkedin経由でなら、転職市場の表に出てこない優秀な人材を採用できるチャンスが広がるわけです。
*リンクトイン・ジャパン/2016年 日本タレントトレンドレポート
4.採用担当から直接アプローチできる
Linkedinでは、求職者と直接連絡を取り合うこともできます。
オーガニック投稿や広告によるアピールも可能ですが、これらは従来の採用活動と同様、待ちの姿勢です。重要なのに変わりないものの、待ちだけでは自社の求める人材を逃してしまいがち。
そこで、直接アプローチもするのが有効なのです。いわゆるダイレクトリクルーティングというもので、Linkedinなら前述の通り潜在層もターゲットにできるため、この機能を使わない手はありません。
連絡を取り合う中で求職者の”人となり”が見える分、ミスマッチを防ぎやすいもの良いですね。
【関連記事】
LinkedInで「成功採用」が加速する?活用ポイントと企業の採用事例をご紹介
②販路拡大ができる
2つめのメリットは、販路拡大ができること。
アメリカではBtoBマーケティング担当者の89%が、リード獲得のためにLinkedinを活用しています*。そして、SNSマーケティング全体のリードのうち、80%がLinkedin経由というデータも**。
従来の展示会や代理店だけでは獲得できない層をカバーできるのは、SNSマーケティングならではの利点です。
また、BtoBだけでなくBtoCにも重宝します。実際、スターバックスやNetflixのほか、アウディなどもLinkedinにてBtoCのマーケティングメッセージを発信しています。
Linkedinを使っている層は家庭内での決定権も持っていることが多く、自動車のような高額商品のアピールも可能です。
販路拡大のメリットを受けるのに重要なポイントは次の3つ。
*:Wpromote/2017 State Of B2B Digital Marketing
**:SPENDMENOT/LinkedIn Revenue Statistics That You Can Learn From
1.製品やサービスの紹介
広告やオーガニック投稿で製品やサービスを紹介し、ユーザーの購買意欲を高めます。
【例:Microsoft Surfaceの新製品アピール(オーガニック投稿)】


「いいね」を押したり、質問などをコメントしたり、ほかのユーザーへ情報をシェアしたりもできます。このへんはTwitterやFacebookと同じですね。
【関連記事】
Linkedin広告のメリットとは?活用のポイントをご紹介
2.特定の企業・職種・業界へのターゲティング
広告出稿の際には、企業名や業種・業界、会社の規模、ユーザーの経歴、地域、興味関心など、さまざまな項目でターゲティングが可能です。
海外では名刺代わりに使われていることもあり、Linkedinユーザーのプロフィールには仕事に関するあらゆる情報が詳細に記載されています。これをターゲティングに活用できるため、自社に合う相手へピンポイントに、精度の高い配信ができるのです。
3.フォロワーの属性分析
自分のフォロワーはどんな人かを分析するのも、SNSマーケティングには欠かせないですよね。これによって、フォロワーに刺さりそうな投稿を作成したり、広告のターゲティングを調整したりして、新しい機会の創出をより確実にしていきます。
【分析画面の例:①フォロワーの業界】
【分析画面の例:②フォロワーの職種】
***
LIFE PEPPERでは、Linkedinの海外向け活用事例集を公開中です。国内各社の取り組みと結果を、解説付きでまとめました。
「自社はどんな投稿をすれば良いんだろう」といった疑問を解決する上で参考にしていただければと思います。
④企業ブランディングができる
メリット4つめは、企業ブランディングができること。
利用目的が採用であれ商談機会の創出であれ、まずは「話を聞いてみたい」と相手に思ってもらわなければなりません。そのためには、商品やサービスの機能的価値を知ってもらう以上に、自社そのものへ良いイメージを持ってもらう必要があります。
ここで重要なポイントは以下の3つ。
1.オーガニック投稿と広告
先ほど触れた部分ですが、LinkedinもSNSですから、オーガニック投稿と広告はブランディングにも不可欠です。
さまざまな企業が、IRやプレスリリース、トレンド情報などのありとあらゆる情報発信を行っています。
【広告の例:Microsoftの年次報告】
2.ハッシュタグ活用
重要な語句にハッシュタグ(#)を付けて、ユーザーに検索されやすくするのも大事です。
【例:ANAのフードロスをなくす取り組みについての投稿】
ハッシュタグの付いたキーワードは青色で表示されるため、視覚的に分かりやすく、また覚えやすくなるといった効果も。
そして、LinkedInには「ハッシュタグをフォローする」という概念があります。ハッシュタグをフォローすると、そのハッシュタグの付いた投稿がフィードに表示されるようになるのです。
このように、ハッシュタグにはさまざまな利点があるので、積極的に活用していきましょう。
3.フォロワー獲得とファン育成
・投稿や広告を通じてフォロワーを獲得する
↓
・彼/彼女らに自社への理解度を深めてもらう
↓
・最終的にファンになってもらう
SNSでは企業とユーザーの距離が近い分、上記の流れを狙いやすいといえます。熱心なファンになればなるほど競合他社が選択肢に入らなくなるため、日ごろの情報発信と交流がLinkedinでも重要になります。
【関連記事】
日本で個人・企業がlinkedinを使うべき理由を海外マーケのプロが解説!
LinkedInラーニングでオンライン学習もできる
Linkedinにはオンライン学習サービスも用意されています。
営業やマネジメント、Web開発、UXなどなど、さまざまなジャンルのプロフェッショナルによって講座が作成されていて、日本語のコンテンツだけでも1,000以上のコースと3万以上の動画があります。英語ならなんと50万動画以上。国内はもちろん海外でも最大規模のオンライン学習サービスです。
【例:ビジネス関連のコース】
企業研修での導入事例も増えていて、LEGOやケロッグ、HP、JTといった大企業をはじめ、中小ベンチャーも含めた世界中の12,000社以上が活用しています。
Linkedinラーニングの特徴は、個人の課題に合わせたカリキュラムを組める点。従来の一斉研修では解決できない部分をカバーできます。オンライン学習ですので、通勤中などの隙間時間に学習可能なのもメリットです。
働き方が多様化している中で、コロナ禍により大規模な研修を組みにくい昨今、社員のスキルを高めるのにLinkedinラーニングはもってこいですね。
ただし、1ヶ月間の無料デモ期間が終わると、受講は有料になります。料金は人数などによって変わるため、本格導入の際にはLinkedinへ問い合わせてみましょう。
LinkedInの企業向け機能一覧
Linkedinにはさまざまな機能がありますが、企業が押さえておきたいのは以下の7つです。
会社ページ
会社ページとは、Linkedin上に設置する公式サイトのようなもの。
【例:LIFE PEPPERの会社ページ】
会社の概要や投稿一覧、所属ユーザーなどを表示できます。また、求人を掲載できる点は、他のSNSと大きく違う特徴です(詳しくは後述)。
自社に興味を持ったユーザーは十中八九、会社ページを見ますから、特に概要の部分には魅力的な内容を充実させるのが大事です。
***
より具体的に活用方法をイメージしていただくために、LIFE PEPPERではLinkedinの活用事例集を公開中です。企業の投稿例を海外マーケティングの専門家が解説していますので、ぜひご覧ください。
フォロー機能とつながり機能
Linkedinには「フォロー機能」と「つながり機能」という、似ているようで違う機能があります。それぞれの概要は次のとおり。
フォロー機能
Twitterと同じく、フォローした相手の投稿がフィードに流れるようになるのがフォロー機能です。相手の承認は不要ですが、DMは送れません。
つながり機能
つながり機能はコンタクトとも呼ばれ、相手に申請を出し、それが承認されるとできる関係です。相手とつながりを持つと自動で相互フォローをしたことになり(後でフォロー外し可能)、DMを送れるようにもなります。
また、自分との直接のつながりを「1次つながり」、1次つながりとつながっている人を「2次つながり」、2次つながりとつながっている人を「3次つながり」といいます。
フォローとつながりの組み合わせ
フォローとつながりの組み合わせにより、相手と3種類の関係を作ることができます。
相手の投稿 | DM | |
①フォローのみ | 表示される | 送れない |
②相互フォロー&つながり | 表示される | 送れる |
③つながりのみ | 表示されない | 送れる |
基本的には②の状態がおすすめですが、目的に応じて選択しましょう。
足跡
Linkedinでは、閲覧したプロフィールや投稿に足跡が付くようになっています。
自分に付けられた足跡は、自分のプロフィール中段のダッシュボードで確認可能です。足跡を付けたユーザーの確認もでき、新しいつながりを作ったり、コンテンツ改善の指標にしたりするのに役立ちますよ。
Slideshare
「Slideshare」とは、Linkedin提供の、無料でスライド資料を公開できるサービスのこと。
製品やサービスの紹介資料、プレゼン資料、レポート資料などを公開して、自社に興味を持ってもらうきっかけを作れます。
ファイルはPDF・Powerpoint形式、Word形式に対応しており、オフィスソフトで作成したものをそのままアップできるのも利点です。
【無料・有料】求人
Linkedin独特の機能として、求人情報の掲載があります。
【例:Microsoftの求人ページ】
企業に興味を持った求職者のユーザーは、会社ページから求人情報をチェックします。目当ての情報があると、それをクリックして詳細を確認し、応募。その後のやり取りもLinkedin上で完結します。SNSの中に求人サイトがあるような感じですね。
無料でも掲載できますが、検索結果に表示されるのみであり、しかも時間経過とともに表示されにくくなります。相手の方から検索する必要があるため、顕在層の中でもごくわずかな人にしかアプローチできません。
したがって、Linkedin経由での採用に力を入れるのであれば、課金をおすすめします。
課金の大きな利点は、自社とマッチしたユーザーのフィードに、求人情報が表示されること。潜在層の掘り起こしにも有用なので、検討する価値はあるでしょう。
料金は1クリックごとに発生する仕組み。ですので「せっかく求人を出したのに、誰にも見てもらえず費用がムダになった……」なんてことは起こりません。予算をあらかじめ設定できるため、費用のかかりすぎも防止できます。
【有料】カルチャー
カルチャーとは、通常の会社概要よりも詳細な情報を掲載できる、有料の機能です。
【例:Microsoftのカルチャーページ】
カルチャーでは、リーダー社員やフォトギャラリー、社員ブログ、企業文化データなどを公開できます。採用向けのコンテンツで、企業の雰囲気や労働環境を求職者に細かく把握してもらえるため、ミスマッチが起きにくくなるのです。
【有料】InMail
つながりのない相手にはDMを送れないと先ほど説明しましたが、InMailという有料機能を使えば、それが可能になります。スカウトメールを送ったり、企業や担当者へ何らかのメッセージを送ったりと、使い道はさまざま。
送信可能な件数は、有料プランのグレードによって変動します。
***
LIFE PEPPERでは、Linkedinの海外向け活用事例集を無料配布しています。自社にとってのヒントが、各社の施策から見つかるかもしれません。ぜひ、下記リンクからダウンロードしてみてください。
LinkedIn│無料版とプレミアム(有料)版の違い
Linkedinは無料でも利用できますが、プレミアム(有料)版を導入すると利便性がアップします。
プレミアム版にすると何が変わるのか、プランごとの内容は以下の通り。
*各プラン、料金は要問い合わせ
プラン1:キャリアアップ
求職者向けプラン。採用担当者の目に留まりやすくする機能や、他の応募者データとの比較機能などが付く。
InMailは月5件まで。
プラン2:ビジネス
ビジネスパーソン向けプラン。足跡の流入経路を確認する機能や、3次つながりまでのプロフィールを無制限に閲覧できる機能などが付く。
InMailは月15件まで。
プラン3:営業
営業担当者向けプラン。検索での高度なフィルタリング機能や、リード・顧客に関する情報のリアルタイム把握機能などが付く。
InMailは月20件まで。
プラン4:採用
採用担当者向けプラン。検索での高度なフィルタリング機能や採用向けデザイン、候補者の自動トラッキング機能などが付く。
InMailは月30件まで。
LinkedInのアカウント登録方法
ここからは、実際にLinkedinを使ってみましょう。まずはアカウント登録からですね。手順は次のとおり。
Step1:メンバー登録
はじめに、LinkedinのTOPページへアクセスします。
アクセスしたら、①メールアドレスか電話番号と②パスワードを入力。その後「同意して登録」を押しましょう。
また、メールアドレスとパスワードの入力は、Googleアカウントの情報で代替できます。
Step2:姓名の入力
次に、姓名を入力して「続行」を押します。
Step3:居住地の入力
居住地の入力を求められるので入力しましょう。市や区の名前を打ち込むと、県も含めた候補が表示されるので、その中から選んでください。
Step4:職種・役職の入力
ここでは、自分の職種、または役職を入力します。すると雇用形態と会社名の欄が表示されるので、ここにも入力してください。
Step5:認証コードの入力
最初に入力したメールアドレスへ認証コードが送られるので、それを枠内へ打ち込みます。
Step6:アカウント登録完了!
その後、
・アドレス帳からLinkedinユーザーを自動検索する
・ユーザーを検索する
・顔写真を設定する
・アプリをダウンロードする
の4項目が表示されます。その場で作業を進めても良いですし「後で」を選んでスキップもできます。
以上でアカウント登録は完了です。個人ページが作成されるので、さっそく確認しみてください(基本の使い方は後述)。
LinkedInの会社ページ作成方法
ここからは、会社ページの作成方法を解説していきます。
Step1:「会社ページを作成」をクリック
ホーム画面右上にある「その他」をクリックし、表示されたメニューの最下部にある「会社ページを作成」をクリックしましょう。
Step2:会社規模を選択
ここでは、会社の規模を選択します。「スモールビジネス」か「中規模から大規模のビジネス」のどちらかですね。
Step3:会社情報の入力
会社情報を入力していきましょう。
「ページのアイデンティティ」にある「名前」には会社名を入力します。「LinkedInの公開URL」の空白部分には、アルファベット表記した会社名を入れるのが基本です。
画面をスクロールすると、会社ロゴ掲載とタグライン入力の項目が出てきます。タグラインとは、会社名の下に表示される短い情報のことで、事業内容やミッションを書き込むのが一般的です。
いずれも後から変更できるので、仮のものでも構いません。
最後に、利用規約に同意する旨のチェックボックスを埋めて「ページを作成」をクリックします。
*アカウントを作ってから日が浅かったり、つながりのある人がいなかったりすると、エラーが起こる可能性があります。その際には、日を置いて再度作成する、誰かとつながりを持つなどして対応してください
Step4:自社の情報を充実させる
会社ページを作成したら、そこへ掲載する自社の情報を充実させましょう。
ホーム画面にダッシュボードが表示されます。そこにある「ページの編集」を押すと、自社の概要や所在地の入力、ロゴの変更などが可能です。また、ダッシュボード右上のペンマークのアイコンを押すと、カバー写真の変更ができます。
閲覧者に興味を持ってもらえるかはココで決まるので、必要に応じて更新しながら完成度を高めていきましょう。
管理者として会社ページへアクセスするには
管理者として会社ページへアクセスするには、ホーム画面左下にある会社ページの窓枠をクリックします。作成後すぐには表示されないかもしれないので、時間を置いてから確認してみてください。
LinkedInの基本的な使い方
個人ページと会社ページを作成したら、実際に使ってみましょう。基本の操作方法は以下の通り。
<1>投稿
オーガニック投稿には、以下の画面を使います。
【個人ページ】
【企業ページ】
投稿の文字数は最大3,000字。写真や動画を添付したり、アンケートをとったりもできます。「ブログを書く」からは、より長文(最大125,000字)のブログ記事のアップが可能です。
また、個人ページでは投稿の公開範囲を、企業ページではターゲットにするユーザーを選択できます。
<2>コメントやシェア
投稿にコメントをしたり、投稿をシェアする際には、投稿の最下部にあるメニューを使います。
<3>ユーザーや企業の検索
ユーザーや企業の検索は、ホーム左上にある検索窓から行います。
キーワードに応じたユーザー、企業、求人、投稿が表示されるので、フィルタリングして必要な情報だけを抽出しましょう。
<4>フォロー
検索で出てきた、あるいはフィードに表示された企業やユーザーをフォローするには、それぞれのプロフィールページへ飛んで「フォロー」をクリックしましょう。
【例:Microsoftのプロフィールページ】
フィードに表示される企業名や企業ロゴにカーソルをしばらく当てると、フォローボタンが出てくるので、そこから操作することもできます。
ちなみに、ハッシュタグをクリックすると、ハッシュタグのフォロー画面が表示されますよ。
<5>つながり申請
つながり申請はフォローと同様の操作でできます。
ただし「設定→コミュニケーション」からリクエストを制限しているユーザーには「つながりを申請する」が表示されない点に注意が必要です。
<6>フォローやつながりの管理
フォロワーしているユーザーやつながりの管理は、ホーム上部にある「つながり」から行います。
アクティブでないアカウントを外すなど、定期的にネットワークの整理をすると、フィード情報がスッキリしますよ。
<7>つながりへのメッセージ送信
つながりへメッセージを送る方法は数種類あります。
1つめは、ホーム上部の「つながり」をクリックし、左メニューのこれまた「つながり」をクリック。あとは、送りたい人を選択してメッセージを入力していきます。
ほかに、ホーム画面右下にあるメッセージウィンドウや、ホーム上部の「メッセージ」からも操作できます。
<8>分析
個人ページ、企業ページの両方で、自分の投稿に対する反応やフォロワーの属性などを分析できます。それぞれの方法は次の通り。
個人ページ
①「プロフィール」→「投稿&アクティビティ」の順にクリック
↓
②目的の投稿を選び、投稿の下部にある「分析アイコン」をクリック
会社ページ
会社ページでは、統計データとアクティビティの2種類の分析が可能です。
【統計データ】
①ホーム上部の「統計データ」をクリック
↓
②分析したい項目を選び、必要に応じて期間等で細分化する
【アクティビティ】
①ホーム上部の「アクティビティ」をクリック
↓
②目的の投稿を選び、投稿の下部にある「分析アイコン」をクリック
<9>求人掲載
求人掲載の手順は以下の通り。
①ホーム上部の「その他」から「求人掲載」を選ぶ
↓
②遷移した画面で必要事項を記入
↓
③業務内容、スキル、応募のオプションを入力
↓
④無料か有料かを選び、有料の場合は予算も入力(要クレジットカード情報)
↓
⑤審査に通ると求人が掲載される
③の入力内容については、実際の配信画面をプレビューできます。魅力的な求人かどうか確認しながら作業しましょう。
求人は、一度掲載して終わりではありません。反応を分析して修正を加え、自社の求める人材が来てくれやすいメッセージを作り上げていくのが肝要です。
<10>グループ
情報交換や人脈作りを行う上で、Linkedinグループは欠かせません。操作方法は以下の通り。
グループに参加する
①まずはグループを探しましょう。操作はLinkedin内の検索窓から
検索結果画面でフィルタリングする方法もあります。
②気になるグループが見つかったら、参加リクエストを送信
↓
③リクエストが承認されると参加完了です。さっそく交流を楽しみましょう
グループを確認する
①ホーム右上の「その他」→「グループ」、またはホーム左の「グループ」をクリック
↓
②グループ管理の画面が表示されるので、見たいグループを選ぶ。このページで、グループの退会や新規作成も可能です
LinkedInでやっておきたい設定
Linkedinには、個人情報やビジネス関連の情報をたくさん保存することになります。世の中にはこれらを狙う悪意ある人もいるわけで、情報流出を防ぐための設定は必須です。
最低限、以下の3つはやっておきましょう。
①堅牢なパスワード
1つめは、パスワードを堅牢にしておくこと。
一昔前までは「大小英文字・数字・記号すべてを組み合わせ、8文字以上のパスワードを作る」のが経済産業省から推奨されていました。しかし、技術が発展した今日では、この程度だと瞬時に突破されてしまいます*。
よって、8文字より多くの文字数が必要なのです。FBIは15文字以上を推奨しており、さらに「パスワードには複雑さよりも長さが重要」とも述べています**。長いパスワードの方が文字の組み合わせ候補は多く、その分解析に時間も労力もかかり、結果的に突破されにくくなるからです。
その上でFBIは、単語を組み合わせたパスフレーズの使用を勧めています。例えば「VoicesProtected2020WeAre」「DirectorMonthLearnTruck」など。これだと多様な文字列をムリに混在させる必要はなく、それでいて長さを確保しながら覚えやすいパスワードが作れますね。
これを参考にして、アカウント登録の前に堅牢なパスワードを決めておきましょう。
*:Digital Keeper/パスワード強度の新常識とは?~8文字(8桁)のパスワードは今では危険
**:FBI/Oregon FBI Tech Tuesday: Building a Digital Defense with Passwords
②二段階認証
2つめは二段階認証です。
①ログイン画面でパスワードを入力
↓
②登録した携帯番号に、認証コードの記載されたSMSが届く
↓
③認証コードをログイン画面で入力
このように、①と③で二段階の認証手順を踏む仕組みを指します。もし1段階目のパスワードがバレてしまっても、2段階目の認証で突破を防げるのがメリット。セキュリティ性能を高めるのに有効な手段です。
Linkedinでの設定手順は以下の通り。
1:「プロフィールアイコン」→「設定&プライバシー」→「サインイン&セキュリティ」→「2段階認証システム」の順にクリック
↓
2:認証方法を選択肢、それぞれに応じた必要事項を入力
設定が終わると、すべてのデバイスから自動でサインアウトします。再度ログインが必要になり、その際に二段階認証を求められるので、あらためてパスワードと認証コードを入力しましょう。
二段階認証のデメリットは面倒ということ。ただ、ビジネスにまつわる重要情報の保護のために、ある程度は許容するのが望ましいといえます。
③情報公開やプロフィール特定の範囲
3つめは、情報公開やプロフィール特定の範囲です。
・メールアドレスや自分のつながりといった個人情報を公開するか
・メールアドレスや電話番号で自分のプロフィールを特定できるようにするか
許可すると自社や自分を見つけてもらいやすくなりますが「あまりオープンにするのはなぁ……」と、ためらう方もいらっしゃるでしょう。制限したい場合、以下の手順でできます。
1:「プロフィールアイコン」→「公開設定」→「プロフィールとネットワークの公開範囲」の順にクリック
↓
2:各項目ごとに公開の可否と範囲を設定する
「ビジネスのつながりをつくる」というLinkedinの性質を考えると、制限しすぎるのも考えものです。利用目的やターゲットに応じた設定をしましょう。
LinkedInを効果的に使いこなすポイント
ここまでLinkedinの基本的な使い方を解説してきました。次に、Linkedinをより効果的に使いこなし、成果を出しやすくするためのポイントを4つ紹介します。
1.ターゲット像を明確にする
1つめはターゲット像を明確にすること。
目的が採用でも商談機会の創出でも「誰にアプローチするか」は最重要です。ここが曖昧だと、何をどう伝えるかも曖昧になり、誰にも刺さらないメッセージができあがってしまいます。フィルタリング機能を使う際にも困りますよね。
また、チームで運営する場合、担当者ごとに異なる基準で業務を進めてしまうかもしれません。これでは連携などとれないでしょう。
こうした事態を防ぐために、具体的なターゲット像を状況ごとに設定しなければなりません。
2.プロフィールを充実させる
2つめはプロフィールを充実させること。
Linkedinのプロフィールが名刺や履歴書の代わりになるのは、これまで繰り返しお話してきました。つまり、プロフィールが魅力的でないと、相手とのつながりを作れないのです。
「この人とつながりを持ちたい」と思ってもらえるよう、内容を詳細に作り込みましょう。定期的にブラッシュアップしていくのも大切ですね。
3.こまめな投稿を継続する
3つめは、こまめな投稿を継続すること。
情報発信が散発的だと、せっかくつながりを持てたとしても、その人の記憶には残りにくくなります。もしかすると、フォロワー整理の対象にされる可能性も。
また、Linkedinのアルゴリズムは、継続的に投稿を行っているユーザーのコンテンツをフィードへ優先表示するようになっています。よって、毎日とまでは言いませんが、できるかぎり継続的な発信が大切というわけです。
はじめのうちは他ユーザーの投稿内容を参考にしながら、誰にどんなメッセージを送るのか検討するのがおすすめです。
4.ユーザーとの交流を積極的にする
4つめは、ユーザーとの交流を積極的にすること。
LinkedinもSNSですから、一方的な発信だけ行うのは良くありません。他ユーザーからのコメントにはどんどん返信し、逆に気になる投稿には「いいね」を押したりコメントしたりしましょう。
加えて、ユーザーが興味を示しやすい投稿がフィードへ優先表示されるというアルゴリズムも、Linkedinには備わっています。ですから、積極的な交流を通じて関係性を育くめば、その分いろいろな人の目に自社や自分が留まりやすくなるのです。
はじめは緊張するかもしれませんが、気軽にリアクションしてみましょう。
LinkedInを利用する際の注意点
次に、Linkedinを利用するにあたって注意したい点を挙げていきます。
怪しいアカウント
前半部分でも述べましたが、企業やLinkedin公式になりすましたり、詐欺目的で架空の会社を名乗ったり、出会い目的で美男美女を偽ったりといった、怪しいアカウントも存在します。
下手に関わるとトラブルになりかねないので、信頼できる相手か吟味しなければなりません。相手のプロフィールや日ごろの投稿を覗いてみる、Googleで検索してみるといったチェックは怠らないようにしましょう。
自動課金
プレミアム版を利用している場合、毎月自動で料金が請求されます。継続利用しないのであれば、更新日の1日前までに解約手続きを行いましょう。
無料トライアルでも注意が必要です。期間終了後には、登録時に使用したカードへ自動的に請求が発生します。利用を打ち切るのなら、意図しない形で料金を支払わなくて良いよう、やはり早めにキャンセルしましょう。
足跡機能
自分のプロフィールや投稿を誰が見たか分かる足跡機能は、ビジネス上のつながりを作るきっかけになったり、文章の効果測定の指標になったりします。
たしかに便利な機能ですが、自分の情報が相手にバレるということでもあります。場合によっては、足跡を残さずに閲覧したいときもあるでしょう。リクルーターが大量の候補者を検索するケースなどですね。
実は、設定を変えると足跡を残さないようにできます。手順は以下のとおり。
1:「プロフィールアイコン」→「設定&プライバシー」→「公開設定」→「プロフィールとネットワークの公開範囲」の順にクリック
↓
2:「プロフィール閲覧オプション」をクリックし、公開する情報を選択
足跡を残したくないのであれば「プロフィールの特徴」か「完全匿名モード」のどちらかにします。前者では企業名や役職といった特徴だけ表示され、後者では何も表示されません。
常時オンにしておくとSNSとしての役割を持たせられないので、必要なときにだけ設定しましょう。
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まとめ
今回はLinkedinについて、サービスの概要やユーザー層ごとの利用目的、機能、使い方などを解説しました。
海外の企業やビジネスパーソン、求職者にとって、Linkedinはもはや手放せないツールになっています。日本でもじわじわと利用者が増えていますから、国外に目を向けている企業以外も利用する価値はあるでしょう。
長々とお話してきましたが、結局のところ、試しに使ってみるのが一番です。SNSとして利用するなら無料ですし、新しい関係を構築するきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
本記事が参考になれば幸いです。