目次
はじめに
SEOとは、Search Engine Optimizationの略語で、検索エンジン最適化と訳されます。SEOとは、ウェブサイトの設計、コンテンツ、リンク、および他の要因を最適化することで、検索エンジンの検索結果でウェブサイトを高い順位に表示するための取り組みのことを指します。
具体的にいうと、SEOには内部対策、外部対策、コンテンツSEOなどの要素が含まれます。
本記事では、日本企業がマーケティング施策としてグローバル向けのSEO実行するにあたっての前提やコンテンツ制作の具体フロー、注意点、成功事例までを解説します。
グローバルSEO対策の他の手法と比較したメリットデメリット
SEO対策は、Webサイトを検索エンジン上位に表示させるための手法ですが、他にも様々なデジタルマーケティング手法があります。以下に、主なデジタルマーケティング手法との比較を行い、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
・SEO対策:一定期間投資を続け、成果が出始めると比較的低コストで顧客獲得を継続できる。しかし、成果が出るまでの期間と投資がかかる遅効性の施策。通常、変更を加え始めてから効果が現れるまでに 4 か月から 1 年かかります。
・リスティング広告:費用をかけることで短期間で上位表示ができるため、顕在層との接点を最も早く・確実に作れる。一方で、投資対効果は改善されるものの、一定のラインで頭打ち = 最適化され、以降は最適化された状態で費用がかかり続ける。
・SNSオーガニック運用:無料でできる施策で、非認知層へのアプローチや興味関心層の興味を高めることに役立つ。一方で、コンテンツ企画力・クリエイティブ力によって大きく成果が異なり、運用工数もかかる。
・SNS広告運用:SEOやリスティング広告では接点を持つことができない顧客層(比較的、非認知層や興味関心層)に対してアプローチできる。文字情報でなく、動画や画像で魅力を伝えられる。
以上のように、SEO対策と比較して、それぞれの手法にはメリット・デメリットがあります。企業が目指す目的や、予算に応じて、最適な手法を選択することがビジネスの拡大に必要になります。
グローバルSEO対策の優先度が高い企業の業種および商品・サービスのカテゴリ
SEO対策の優先度が高い企業の業種および商品・サービスのカテゴリについては、競合が激しい領域であることが挙げられます。そのため、特に検索ニーズが多岐にわたる、
- 金融
- 医療
- 法律
- 保険
- 不動産(物件探しなど)
などの業種ではSEO対策が必須となっています。これらの業種は、購入者にとって重要な情報が多く、また、一般的に競合が激しく、検索結果での上位表示が重要となるためです。
また、商品・サービスのカテゴリにおいては、大手ECサイトなどのように、膨大な商品数を抱える場合や、特定の分野での専門知識が必要となる商品・サービスである場合も、SEO対策が重要となっています。
例えば、旅行商品・サービスを提供する企業の場合、海外旅行先の情報など、購入者にとって重要な情報を提供することが必要であり、SEO対策が必須となっています。
一方、競合が少なく、商品・サービスの情報量も少ない場合、SEO対策があまり必要とされない業種や商品・サービスもあります。しかし、こうした場合でも、SEO対策を行うことで、検索エンジンからの流入量を増やすことができ、検索エンジンからの認知度向上に繋がることがあります。
例えば、米国のバッグメーカー「Timbuk2」は、メッセンジャーバッグなどを販売するブランドとなりますが、製品情報だけでなく、自転車通勤者に向けた情報も提供し自転車通勤者のニーズを満たすキーワードにも対応したSEO対策を行いました。
その結果、「メッセンジャーバッグが欲しい」と直接欲しいと考えているユーザー以外からの検索流入を獲得でき、ビジネスの拡大に繋がっています。ですが、まずはペイド広告により「商品が本当に消費者のニーズを満たすものなのか(=投資対効果が合うのか)」を検証したのちに行っていると推定できます
Googleのアルゴリズムの変遷と現在重視されるポイント
SEO対策において最も重要なポイントの一つが、現在世界的なシェアを持つGoogleのアルゴリズムに合わせた対策を行うことです。Googleは、常にアルゴリズムの改良を行い、検索結果の品質を向上させています。以下では、Googleのアルゴリズムの変遷と現在の重視されるポイントについて解説します。
Googleのアルゴリズムは、大きく分けて
「ページランク」
によって構成されています。ページランクは、他のサイトからのリンク数によってページの評価を行うアルゴリズムであり、検索品質評価ガイドラインは、人間が行う評価を模したものであり、コンテンツの質やページの信頼性などを評価する指標です。
Googleのアルゴリズムは、年々進化しています。2011年には、「Panda」と呼ばれるアルゴリズムが導入され、低品質なコンテンツを排除することを目的としています。2012年には、「Penguin」と呼ばれるアルゴリズムが導入され、スパムサイトやリンクファームなどを排除することを目的としています。また、2015年には、「Mobilegeddon」と呼ばれるアルゴリズムが導入され、モバイルフレンドリーなサイトを優先的に表示するようになりました。
参照:Search Engine Journal|Google Algorithms & Updates Focused On User Experience: A Timeline
現在のGoogleのアルゴリズムでは、以下のポイントが重視されています。
- ページの質:コンテンツが独自性があり、価値があるものであること
- E-E-A-T:「経験(Experience)」「専門家(Expertise)」「権威性(Authority)」「信頼性(Trustworthiness)」の4つの要素に基づくページの評価
- ユーザビリティ:ユーザーが快適に閲覧できるサイトであること
- モバイルフレンドリー:モバイル端末での閲覧に対応していること
- ページ速度:ページの読み込み速度が速いこと
上記を総合すると、「キーワードを検索するユーザーにとって利益になるコンテンツを発信する」ことになります。これらのポイントを考慮しながら、Googleのアルゴリズムに合わせたSEO対策を行うことが、上位表示を狙う上で非常に重要です。
グローバルSEO対策の種類 – 3つの重点
SEO対策は大きく
- 外部対策(リンクの獲得など、自社サイトの評価を上げる対策)
- 内部対策(サイト構造・サイト内のコンテンツの質など、自社サイト内でできる対策)
- コンテンツSEO(サイト内のコンテンツがユーザーのニーズを満たすものであること)
の3つに分けられます。
この中で重視されるのはGoogleのアルゴリズム上、コンテンツSEO>内部対策>外部対策の順となります。ですが、コンテンツだけを制作すれば良いのではなく土台となるサイト構造、ページのテーマ性などの内部対策を整備した上に積み上げてゆく必要があります。
グローバルSEO対策の具体的な対策方法 – 外部対策について
当社の詳細な海外向けSEO対策は、『サービス紹介資料:海外向けSEO対策』にてご覧いただけます。
現在のアルゴリズムでは外部対策はそこまで重視されませんが、GoogleのアルゴリズムであるPageRank(ページランク)の重要な要素の一つです。
PageRankは、ウェブページの重要度を示す指標で、そのページへのリンク数やリンク元ページの重要度に基づいて算出されます。つまり、多くの外部サイトからリンクを受けることで、自社サイトのPageRankが高くなり、検索結果上位に表示されやすくなります
1.バックリンクの獲得
バックリンクは、他のWebサイトから自社サイトにリンクを貼ってもらうことです。Googleのアルゴリズムでは、高品質なサイトからのバックリンクが多いサイトほど評価が高くなります。そのため、自社サイトに対して高品質なバックリンクを獲得することが重要です。例えば、自社サイトに関連するテーマのあるブログやメディアに、自社サイトを紹介してもらうことが有効です。
2.ソーシャルメディア活用
ソーシャルメディアは、海外SEOにおいても非常に有効なツールです。SNS上で自社サイトを宣伝することで、アクセスアップやバックリンクの獲得が期待できます。また、SNS上での情報発信は、SEOに関する情報の発信としても有効です。例えば、自社サイトのコンテンツをSNS上でシェアすることで、多くの人に知ってもらうことができます。
3.ローカルSEO対策
海外展開する企業にとって、ローカルSEO対策は非常に重要です。現地の言語や文化に合わせたSEO対策を行うことで、現地のユーザーからのアクセスを獲得することができます。例えば、現地の言語で書かれたブログやメディアに自社サイトを紹介してもらうことが有効です。また、現地の地域情報サイトに登録することで、ローカルSEO対策にもつながります。
ただし、単にリンクを多数集めるだけではなく、そのリンク元のサイトの質が重要であることに注意が必要です。Googleのアルゴリズムでは、リンク元のサイトが信頼性が高く、自社サイトのテーマやコンテンツと関連性がある場合、そのリンクの価値は高く評価されます。逆に、無関係なサイトからのリンクや、スパム的なリンクはペナルティの対象となることがあります。
参照:Search Engine Journa|The Complete List of Google Penalties and How to Recover
そのため、外部対策では、自社サイトと関連性が高いサイトからのリンク獲得や、適切なアンカーテキストの使用、リンク元サイトの信頼性の高いサイトへの自社サイトのリンクなどが重要なポイントとなります。また、SNSなどのソーシャルメディアの活用も外部対策の一つとして考慮することができます。
グローバルSEO対策の具体的な対策方法 – 内部対策について
SEO対策において内部対策は、サイト自体の改善を図ることで検索エンジンによる評価を高めることを目的とします。
大きく分けると下記のような要素へ対策していく必要があります。
- 品質の改善
- テーマ性の向上
- UXの改善
つまり、サイト内のコンテンツやHTMLの構造、ページ速度など、自社サイト内で改善できる要素を最適化することで、検索エンジンからの評価を上げることを目的としています。
参照:Word Stream|How to Use Google Search Console (the Right Way!) to Improve SEO
上記の要素を複合的に判断しコンテンツのランキングを評価しています。一つの要素がクリアされていたとしても、「サイトの表示速度が非常に遅い」などの致命的な欠点がある場合画像のように全てのページの品質が「低い」と判断されてしまいます。
下記に説明するような内部対策を行うことでコンテンツSEOを実施していくための土台を整備していきましょう。
品質の改善
低品質コンテンツの排除
低品質なコンテンツとは、ユーザーにとって価値がなく、ただ埋め込まれたキーワードで構成された内容や、転載や重複したコンテンツ、または誤った情報を提供するコンテンツなどです。
これらのコンテンツをそのまま放置した場合、サイト全体のGoogleからの評価が低下し低品質と判断されたコンテンツ以外も検索上位に表示されづらくなります。
SSL化
SSL(Secure Sockets Layer)と呼ばれる暗号化技術を用いて、Webサイトとユーザーの間でやりとりされる情報を暗号化することで、セキュリティを高めることを指します。
- SSL対策されていないサイトURL:「http://~」
- SSL対策されているサイトURL:「https://~」
SSL化を行うことで、GoogleからのWebサイトの信頼性向上やユーザー離脱率の低下などのメリットがあります。
テーマ性の向上
各種タグの使用
タイトルタグはサイトの重要性を判断する上で非常に重要です。タイトルタグは、HTMLコード内のtitleタグで表現されます。検索エンジンはタイトルタグに対して高い評価を与えるため、適切にキーワードを含んだタイトルタグを作成することが重要です。
Hタグは、見出しの大きさや階層を示すために使われます。見出しにはH1からH6までの6つの階層がありますが、一般的にはH1からH3程度までの使用が推奨されます。適切なキーワードを含んだHタグを使用することで、サイト内の構造が明確になり、検索エンジンにとってもサイトの評価が向上します。
メタディスクリプションの最適化
メタディスクリプションは、HTMLコード内のmeta descriptionタグで表現されます。検索エンジンはメタディスクリプションに対しても一定の評価を与えます。適切にキーワードを含んだメタディスクリプションを作成することで、クリック率の向上が期待できます。
サイト構造の最適化
ユーザーが求める情報に対してサイトの構造ががわかりづらく、回遊しにくくなっているとGoogleがサイト評価の際に使用するクローラーが十分にコンテンツを検出しづらくなります。
例として、ブランドの中古買取サービスのサイトを挙げると階層が深くなるにつれてユーザーのニーズが具体的になるように設定しています。
サイトの構造はターゲットに設定しているユーザーのニーズに依るため、サイトの構築段階で誰のニーズに何のサービスを提供するのかを明確にすることが重要です。
UXの改善
ページスピードの最適化
ページスピードは、サイトの読み込み速度を示します。サイトの読み込み速度が遅い場合、ユーザーにとってストレスとなるだけでなく、検索エンジンからもペナルティを受けることがあります。ページスピードを改善するためには、画像の最適化やキャッシュの設定などが必要です。
モバイル対応
スマートフォンなどのモバイル端末からのアクセスが増える中で、検索エンジン最適化を行うことで、モバイルユーザーにとって使いやすく、検索順位の向上につながります。
モバイル対応のためには、レスポンシブデザインの採用や、高速なページ読み込み、モバイルユーザーにとって使いやすいナビゲーションの実装などが必要です。
Googleは2018年3月に「モバイルファーストインデックス」を導入し、モバイルバージョンのコンテンツを先にインデックスするようになっています。
参照:Google Search Central|Mobile site and mobile-first indexing best practices
多言語サイトにおける内部対策
多言語サイトにおいて、特に適切なサイトの構造とドメイン選択などの構造は重要となります。
Googleは、サイトの地域性や言語の信頼性を決定するために、サイトの構造とドメイン名を考慮しています。以下は、多言語サイトにおけるサイトの構造とドメインの最適化のためのベストプラクティスです。
ドメインの選択
多言語サイトにおいては、サブディレクトリに翻訳されたコンテンツを配置することが一般的です。しかしながら、サブドメインを使用することで、各言語のコンテンツを別々のドメインとして分離することができ、検索エンジンからの信頼性が高くなります。
参照元:Google Search Central|Managing multi-regional and multilingual sites
ですが、サーバの都合や管理工数など企業様ごとに対応できる範囲に限りがある場合があるため、ドメインごとのメリット・デメリットを理解した上でドメインを構築しましょう。
また、国内向けにSEO対策を行なっているのであれば、サブディレクトリで構築をすると本体ドメインのドメインパワー活用が可能です。
サブドメインの場合、ドメインパワーの影響が弱くなるため、SEOの掲載順位を優先するのであれば、.com等の汎用的に使用できるドメインを取得した上で言語、地域別で「/en」等のサブディレクトリでの構築を推奨いたします。
参照:クックパッド
例えば日本でSEO対策に力を入れているクックパッド社のWEBサイトでは日本サイトを「.com」で構築し、国内で蓄積したドメインパワーを活用し各国のページを「/us」等のサブディレクトリで構築しています。
ccTLDを使用する
地域特化のサービスを展開する場合、ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)を使用することで、サイトの地域性を明確に示すことができます。例えば、.jpを使用することで、日本にターゲットを絞ったコンテンツであることが明確になります。また、各国ごとに異なるドメインを使用することで、検索エンジンからの信頼性が高くなります。
hreflangタグを使用する
hreflangタグを使用することで、検索エンジンに対して、各ページがどの言語であるかを示すことができます。これにより、検索エンジンが正しい言語のページを表示することができるため、ユーザーにとってはより使いやすいサイトとなります。
ユーザビリティを向上させる(言語切り替え)
多言語サイトにおいては、ユーザーが簡単に言語を切り替えることができるようにすることが重要です。メニューやフッターなど、どのページからでも言語を切り替えることができるようにすることで、ユーザーのストレスを軽減し、サイトの評価を向上させることができます。
参照元:Google Search Central|Managing multi-regional and multilingual sites
グローバルSEO対策の具体的な対策方法 – コンテンツSEO について
海外SEO戦略において、コンテンツSEOは非常に重要なポイントとなります。
コンテンツが目的の層に届かなければ、SEO対策をしていても意味がありません。そこで、ターゲット市場とキーワード選定が大切となります。
コンテンツSEO – 市場調査
ターゲット市場の選定とロードマップの策定
まず、ターゲット市場の選定とロードマップの策定についてです。
海外展開検討する日本企業にとって、範囲は非常に広いため、最初にするべきことは、優先度の高い市場を選定することです。その際には、ビジネスモデルや製品・サービスによって異なりますが、調査により需要がある市場や競合状況を踏まえて選定することが望ましいです。
その際に重要なのが
・3C(自社、競合、顧客/市場環境)分析
・SEOを含めたマーケティング施策の優先度の整理
となります。
上記はゲームアカウント売買サービス系の企業様の分析の例になります。
SEO対策は重要なマーケティング施策となりますが、中長期的に効果を発揮する施策であるためまずは「顕在層の獲得(明確に製品・サービスを求めている顧客→ゲームアカウント売買を検索しているユーザー)」をまずは対象にしていきます。
導入意欲が高い顧客は数は少ないものの、ビジネスに繋がる可能性が最も高い = 優先度が高く成果を小さく上げやすいターゲット層のためです。
キーワード選定
次に、キーワード選定についてです。海外市場においては、日本国内とは異なる検索ワードが存在するため、自社が提供するサービスや製品に合わせたキーワードを選定することが必要です。
一般的にSEO対策の際に使用するツールは下記になります。
・Google Keyword Planner
Googleが提供するツールで、世界中で最も広く使われているキーワード分析ツールです。検索ボリュームの推定や競合度合いの分析、関連キーワードの提案ができます。特に、Google広告のキャンペーンに最適なキーワードを選定することができます。
・Ahrefs Keyword Explorer
世界的に有名なSEOツールのAhrefsが提供するキーワード分析ツールです。Google以外の検索エンジンにも対応しており、競合分析やキーワードの動向分析が強みです。また、コンテンツのSEO対策やリンク戦略の立案にも役立ちます。
・SEMrush
世界的に有名なSEOツールのSEMrushが提供するキーワード分析ツールです。Google以外の検索エンジンにも対応しており、競合分析や広告キーワードの選定に特化しています。また、コンテンツのSEO対策やリンク戦略の立案にも役立ちます。
実際にキーワードを整理する際には上位のキーワード調査ツールを使用しながら
・ユーザーニーズ(潜在層〜検討層)ごとのキーワードの整理
・競合サイトが流入を獲得しているキーワードの整理
を通して、ビジネスの優先順位を加味したキーワードの優先順位を決定します。
コンテンツSEO – 記事コンテンツの制作
ここからは整理したキーワード基づいた具体的なコンテンツの制作・改善ステップを説明します。コンテンツ制作の際には大きく下記の3つのステップで進行していきます。
- キーワードジャンルごとのコンテンツフォーマットの整理
- 記事骨子・コンテンツの作成
- 順位計測・改善
キーワードジャンルごとのコンテンツフォーマットの整理
コンテンツの企画を進める際には、Googleの評価軸である「ユーザーのニーズを満たす有益なコンテンツであること」をクリアするために、「ユーザーがどのような意図で検索しているのか」整理する必要があります。
上記はレシピサイトのアメリカ展開の際のニーズの整理の例となります。
- 日本:「味噌汁」など定番のメニューが多くなどの料理名ベースの検索に対して、シンプルに材料と作り方のみを記載しているものが多い。
- アメリカ:多民族国家のためレシピのジャンルが幅広く、料理名より「ディナー」「ランチ」などのシチュエーションでの検索が多い。加えて、レシピの中に「OOとは」などの知識系の段落が入ることが多い
アメリカと日本の民族性、文化の違いにより、「検索の際にどの程度の前提知識を持っているのか」、「どのようなシチュエーションで検索行動が発生するのか」が大きく異なるため、コンテンツとして作成するべきページのレイアウト、目次も変わることとなります。
これらの背景を無視して日本向けに作成したコンテンツをアメリカにそのまま転用した場合、「コンテンツの質が低い」と評価される可能性が高くなります。
記事骨子・コンテンツの作成
「キーワードを検索するユーザーにとって利益になるコンテンツを制作する」ことがコンテンツ制作の最も重視すべき点です。大きく分けると、下記の3つのポイントになります
- ユーザーのニーズを満たすものであること = Needs Met
- 専門的で情報網羅性が高いこと ≒ E-E-A-T
- 読みやすい(可読性が高い)こと = 画像や動画を活用する
参照:Search Engine Journal|Google Algorithms & Updates Focused On User Experience: A Timeline
ユーザーが検索する際には何かしらのニーズを持って検索しています。SEOで上位表示される( = Googleからユーザーの役に立つと判断される)には背景となる検索意図に応えるコンテンツでなければなりません。
例えば、先ほどのアメリカ向けのレシピサイトで「what is miso soup」というキーワードへのコンテンツを作成するのであれば、味噌汁が何なのか知りたいというニーズだけではなく、どのように作るのか(レシピ)、その中でも簡単に作る方法は何なのか、と複数のニーズが含まれています。
この場合、単純にレシピを紹介するだけではなく、
- 味噌汁とは何か
- 味噌汁のオーソドックスなレシピ
- 簡単な作り方
など、「味噌汁を知らないアメリカの消費者」が「味噌汁が何か?を調べている」時に必要な情報を網羅したコンテンツを作成しましょう。
その際にはどこの誰でも書けるような内容ではなく、オリジナリティを持った情報を盛り込むことが重要です。Googleは公式ブログにて独自のコンテンツや情報を含むことを高品質な記事であると定義しています。
順位計測・改善
コンテンツを公開した後は、施策効果の有無を測るためにも「検索順位」の確認は欠かせません。
記事が「評価されているのか」「評価されていないのか」を効率良くしっかりと確認するためにも、検索順位をモニタリングできるツールを使うことをおすすめします。
無料で使えるツールもありますが、グローバルのSEO対策で使用できるツールには限りがありますし、モニタリングできるキーワードの数や機能は限られます。また手間もかかります。
基本的には「GRC」や「Ahrefs」、「SEMRUSH」などの有料のツールを使うことを推奨します。
公開後に順位が上がっていない場合は、再度他社コンテンツの分析、ユーザーニーズの深掘りを踏まえてコンテンツのリライトを進めます。検索回数の多いキーワードには他社も常に新しいコンテンツを公開してきますので泥臭く順位を確認しながら改善していきましょう。
まとめ:
本記事では日本企業における海外SEO対策の方法について解説しました。具体的な方法と優先度は次のように紹介しています。
SEOには正解がなく、常にアルゴリズムもユーザーのニーズも移り変わるため「確実にこれをしたら検索順位が上がる」といった裏技がもありません。
特に海外マーケティング施策の中でSEO対策の優先度は高くはないですが、中長期的にビジネス拡大を狙っていくのであればペイド広告に頼らないSEOでの検索流入の獲得は大きなメリットとなります。
弊社では海外向けにビジネス展開を検討されている企業様向けに海外SEO対策サービスをご提供しております。SEO対策は投資金額が大きく、スタート時の土台作りにより大きく結果が左右されますのでご検討の企業様は一度専門の支援会社への相談をお勧めいたします。
具体的な海外SEO対策については、当社の無料ダウンロード資料『サービス紹介資料:海外向けSEO対策』が役立ちます。ご興味のある方はぜひご覧ください。
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また、サポート範囲はSEOだけではないため、海外進出を攻略するための戦略設計やマーケティング全般のサポート、広告運用などもお任せください。
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