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現代のWebマーケティングにおいて、SNSは外せないツールです。もちろん海外向けのプロモーションでも必須で、SNS大国アメリカとなればなおさら。大統領選挙の結果にも大きく関係しており、SNSの影響力の強さが伺えます。
では、アメリカではどんなSNSが主流なのでしょうか。
日本とはSNSのシェア率が異なるため、現地進出やインバウンド対策をするなら必須の知識です。
本記事では、アメリカのSNS利用率ランキングと、ランキング上位のサービスを解説した後、他に注目すべきSNSも紹介します。現地事情を把握するための参考にどうぞ。
アメリカのSNS利用率シェアランキングTOP5!
アメリカのSNS利用率のシェアランキングは以下のとおり。TOP5をまとめました。
1位:YouTube
2位:Facebook
3位:Facebook Messenger
4位:Instagram
5位:Twitter
ここからは、1位から順に概要等を解説していきます。
1位:YouTube
1位は動画共有サービス・YouTubeです。アメリカでの利用者数は、2億4500万人以上を誇ります。
ユーザーの年齢、性別、世帯年収、子供の有無、興味関心など属性を絞り込めるため、該当するターゲットへの広告ツールとしてもYouTubeは使用されます。
また、広告に類似しているサービスや商品を見込み客に対して、動画でのリーチが可能です。
5Gの台頭によりユーザーが増加する可能性が高く、今後ますます重要になる媒体だと言えます。
2位:Facebook
2位はFacebookです。
eMaketerが行った調査によると、2019年3月時点で1億7,150万人に利用されており、2023年には1億7,980万人にまでユーザー数が伸びるとのこと。(*)
伸び方こそ鈍いものの、日本の総人口を優に超える人々に利用されているのです。Facebook離れも話題になってはいますが、アメリカでのSNSマーケティングにFacebookは欠かせないといえます。
オーガニックな投稿による情報発信はもちろん、ターゲットを細かく絞れる広告も積極的に利用したいですね。
*:eMarketer Trends, Forecasts & Statistics
3位:Facebook Messenger
3位のFacebook Messengerはチャットアプリの一種で、Facebookを開かなくてもメッセージのやりとりができます。アメリカでは、プライベートでもビジネスでも、シーンを問わず1億8000万人以上に利用されています。
2020年3月、従来と比較すると起動速度が2倍、アプリの容量が1/4になったことをFacebookが発表しました。ユーザビリティの向上により、さらに利用者が増えるでしょう。
4位:Instagram
4位はInstagram。スマホのカメラで撮った写真や動画をシェアできるSNSで、アメリカでは1億7000万人以上に利用されています。
Instagramに投稿したコンテンツは、ユーザーが削除しない限りストックされます。そのため過去の投稿からもエンゲージメントを得ることも可能です。
またRIVAL IQの2019年の調査によると、Instagramのエンゲージメント率の中央値は1.6%で、Facebookの0.09%よりも17倍高いとされています(*)。観光や小売等、Instagramと相性の良い分野は多岐にわたるので、幅広い業種・業界におすすめです。
*:2019 SOCIAL MEDIA INDUSTRY BENCHMARK REPORT
5位:Twitter
5位はTwitterです。アメリカでは、1億5500万人以上のユーザーが利用しています。
Twitterは情報の拡散性がSNSの中でもピカイチで、1つのツイートがバズれば大きな認知を獲得できます。
ただ、140文字以内という字数制限がネックになることも。ツイートを分けてもよいのですが、それだと投稿が煩雑になりやすいので、伝えたいメッセージは可能な限り端的にまとめる訓練が必要です。
ランキング外で押さえておきたいアメリカの人気SNS
上記でご紹介したSNSの他にも、アメリカで人気のアプリはまだあります。
今回はランキング外のSNS3つについて、それぞれ特徴、ユーザー、マーケティングへの活かし方の切り口でご紹介します。
Snapchat:最大10秒で消える投稿
Snapchatは、投稿の寿命が10秒しかない、一風変わった写真・動画共有サービスです。
「保存はされたくないけど共有したい!」という理由から、18~24歳の若者の間で74%と高い利用率を誇ります。同世代では、Instagram(45%)よりも利用率が高いのです。
マーケティングでは、あえて情報を”チラ見せ”することで、「10秒で消えてしまう」という限定性をもってユーザーの期待感を高められます。クセはあるものの、使い方によっては面白いプロモーションが打てるでしょう。
Pinterest:未来の行動の情報収集に使う画像収集サービス
Pinterestは、Web上にあるさまざまな画像をブックマークとして収集できるサービスです。
「ここに行きたい」
「こういう服がほしい」
「こんな家具を揃えたい」
「この料理を作ってみたい」
などなど、未来の行動のための情報源として活用できます。
マーケティング的には、行動や商品購入に結びつきやすく、コンバージョン率が高い傾向が。ECサイトや小売業と相性の良いSNSだと言えます。
LinkedIn:ビジネスマンのマッチングを支援するSNS
LinkedInは、ビジネスの生産性を上げるマッチングに特化したSNSです。プロフィール欄に経歴や経験、スキルなどを記載してオファーを待ったり、逆に検索してオファーをかけたりもできます。
2020年3月現在、アメリカで1億6500万人以上のユーザーがLinkedInを利用しています。
これをマーケティングに活用する方法は2つ。
- 自社のコンテンツを公開することで、関心度の高い見込み客の流入を促す方法
- 広告機能を使い、見込み客になりそうなターゲットに対してプッシュのアプローチをする方法
どちらの施策にせよ、LinkedInはビジネスを前提としたユーザーが多いため、自社のPRや営業をしやすいSNSだと言えます。
【最新】アメリカで今注目のSNSアプリは
アメリカで現在注目されているSNSアプリは、次の通りです。
- BeReal
- TikTok
BeRealは近年注目を集めている新SNSであり、今まであった「インスタ映え」でおしゃれな写真を投稿する風潮に対し、「映えないSNS」として人気のようです。2022年8月時点ではApp Storeの無料SNSアプリでトップのダウンロード数を達成し、多くのアメリカユーザーが使っていることが分かります。
主な特徴として、1日に1回だけしか投稿できない仕組みとなっており、写真にフィルターをつけられないことが挙げられます。
また、投稿できるのはアプリから通知が来た1日に1度のタイミングのみで、原則として通知から2分以内に投稿しなければなりません。(2分を超えても、日付中であれば投稿可能です。)
ただし、BeRealは現在収益化できておらず、今後のビジネスモデルに期待が集まります。
そのほかのSNSとして、TikTokがアプリの特性を変化させつつ利用するユーザーが増えています。
これまではダンス動画や歌った動画を投稿しているユーザーが多かったのに対し、現在では金融関連の学習動画をはじめ、さまざまな分野で知識を持っているユーザーが動画を投稿しているようです。
アメリカの既存のSNS事情は?
ネットリテラシーの高さとハイレベルな情報選択
アメリカは、モバイル・インターネットがくまなく普及しているインターネット大国です。固定ブロードバンドの普及率やアクセス世帯数は、世界2位となっています。
スマートフォンのデータ使用量は世界で最も多く、10歳〜24歳という若年層のスマートフォン所有人口が多い点も特徴的です。
検索エンジンの利用率はGoogleが圧倒的。yahooも使われていますが、ほとんどがGoogle検索です。
近年では、Googleの検索結果が恣意的なものだと考えられたり、広告のブロックが日常的に行われるなど、インターネットによる安易な情報操作を嫌う傾向にあります。
ネットリテラシーの高さは、インターネッとやSNS先進国のアメリカならではです。
SNS利用人口の比率は世界一
アメリカは、全人口に対するSNS利用者数の割合が世界一です。アクティブユーザーの1日あたりのSNS平均使用時間は約2時間。日本の2倍以上です。
アメリカでもっとも人気が高いSNSのFacebookを見ると、60代でも62%の利用率となっています。日本に比べると高齢世代でも、SNSを使っていることがわかります。しかし、50代や60代では、娯楽とあわせてビジネス目的での利用も多いようです。
以前では10代にもFacebookは人気でしたが、近年では、You TubeやInstagram、Snapchatのほうが人気となっています。新しいSNSの登場とともに、シェア率にも変化が見られるでしょう。
アメリカ人のSNSの利用時間
DataReportalの調査結果によると、アメリカ人のSNSの利用時間は1日あたり2時間7分となっています。以下の資料をご覧ください。
これはアメリカの16歳から64歳を対象に行われた調査であり、1日あたりインターネットやスマホに使う時間について、種類ごとの集計値を示したものです。
最も時間を費やしているのがインターネットで7時間11分、次いでテレビが4時間42分、その次にSNSとなっており、アメリカ人はSNSに対して比較的多くの時間を費やしていることが分かります。
SNSを手放せない人が多数
アメリカのピュー研究所(Pew Research Center)で10代を対象に行われた調査によると、SNSを辞めることが容易だと答えた人は、やや易しい(Somewhat easy)・易しい(Easy)を合わせて全体で46%(NET easy)となりました。
一方で、SNSを手放すことが難しいと回答した人は、非常に難しい(Very hard)・やや難しい(Somewhat hard)を合わせて54%(NET hard)となっています。
出典:Teens, Social Media and Technology 2022
全体を通して「SNSを辞めることが難しい」と回答した人の方が多く、利用時間が増えていることもあって、SNSを手放せない人が増えているといえます。
アメリカで人気のWebマーケティングは?
アメリカで人気のWebマーケティングで代表的なものとして、次の4つが挙げられます。
- リスティング広告
- インフルエンサーマーケティング
- 動画マーケティング
- バイラルマーケティング
それぞれの概要について見ていきましょう。
関連リンク:海外向けマーケティングの手法と戦略、成功のポイントをご紹介! – (株)LIFE PEPPER
①リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでキーワード検索したときに、通常のWebサイトよりも上に表示される広告のことです。リスティング広告は、ユーザーが検索するであろうキーワードを指定して広告を表示させられることから、検索連動広告とも呼ばれます。
広告費はユーザーが広告をクリックすることで発生し、アメリカで出稿する場合は、利用率90%を占めるGoogleでの効果が高いと言われています。
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②インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、数十万人や数百万人といった多くのSNSフォロワーを抱える、影響力のある人物を起用したマーケティングのことです。インフルエンサーは、Instagramであればインスタグラマー、YouTubeであればユーチューバーと呼ばれます。
インフルエンサーは消費ユーザーにとって身近な存在であり、インフルエンサー自身のアカウントやチャンネルで企業の商品・サービスを宣伝することで、フォロワーの購買意欲を高める効果があります。
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③動画マーケティング
動画マーケティングは、企業が自社のWebサイトやSNSなどのコンテンツで動画を活用することで実施されています。この手法はBtoCだけでなく、BtoBや求職者向けなど、ターゲットに適したコンテンツを配信可能です。
動画はテキストよりもはるかに多くの情報を伝えられるため、商品やサービスの宣伝や説明に適しています。実際に、動画はテキストよりも約5,000倍の情報量を提供できると言われているため、魅力的な情報を伝えて認知度を高め、商品の購買に繋げられるでしょう。
さらに、アメリカでは2018年に5Gのサービスが開始されました。5Gの高速通信環境によって動画広告はより効果的に配信され、視聴者の関心を引きやすくなることが考えられます。
④バイラルマーケティング
バイラルマーケティングは、ウイルスのように広がるという意味で、日本では「バズる」とも呼ばれるマーケティング手法です。あらゆるプラットフォームで衝撃的な出来事や驚くようなコンテンツを投稿し、拡散させることを目指します。
この手法はユーザー同士の間で自然に情報が広まる特性を活かしており、ユーザーに響くコンテンツがあれば、自発的に共有され、拡散されることが特徴です。そのため、低コストで効果的な広告を制作することが可能です。
人気の理由は、ユーザー自身が共有したいと感じられるコンテンツの提供により、広告メッセージがより効果的に伝わることにあります。また、ソーシャルメディアの普及により、情報の拡散が迅速かつ広範に行われることや、口コミや共感を通じて広がることが特徴です。
アメリカのSNSシェアは日本とどう違う?
次に、日本のSNS事情との違いをみてみましょう。
日本のTOP5は、
1位:YouTube
2位:LINE
3位:Twitter
4位:Instagram
5位:Facebook
となっています。
日本での利用率75.7%のLINEが、アメリカではランキング外。アメリカでは別のメッセージアプリが使われているわけですね。その原因は、
- アメリカ市場でのニーズを把握しきれなかった
- 広報体制の不整備
- FacebookのユーザーとFacebook Messenger、シェア率世界No1のメッセージアプリWhatsAppといった競合のアクティブユーザーの増加
が考えられます。
ただ他のSNSについては、利用率に差こそあれ、ランクインしているものは同じです。これらのサービスを活用して、すでに日本でマーケティングを行っているのなら、アメリカ向けにもノウハウをある程度流用できるでしょう。
アメリカでSNSマーケティングを成功させるには?
抑えておきたい3つのポイント
インターネットインフラが整備され、世界有数のSNS大国アメリカでSNSマーケティングを成功させるために、抑えておきたいポイントは3つです。
- アメリカのユーザーの特徴や嗜好を把握する
- アメリカでもっとも利用されているSNSの自社アカウントを作成し運用する
- アメリカ人インフルエンサーを起用
3つのポイントについて、それぞれ説明します。
アメリカのユーザーの特徴や嗜好を把握する
近年、成人したアメリカ人のネットショッピング利用率は、8割近くにまで拡大しました。一方で、実店舗で商品を見ながら買い物したいと考える人も多く、実店舗での購入は根強い人気があります。
商品購入の際にレビューを参考にする傾向が強く、ネットで価格を調べてもっとも安い店舗で購入するユーザーも多くいます。
インターネットをうまく使いながら、リアル店舗での買い物を楽しんでいるようです。
アメリカでは、広告ブロックが一般的に行われ、Googleの検索結果に疑いをもつユーザーも一定数存在します。
9割以上のユーザーが、インフルエンサーからの情報を信じている点は特徴的です。
アメリカでもっとも利用されているSNSの自社アカウントを作成し運用する
アメリカでは、自国で誕生したSNSに人気が集中しています。アメリカで人気のSNSは日本でも広く利用されているケースが多く、アカウント作成はスムーズに進むでしょう。
アメリカでは、高齢世代でもFacebookなどのSNS利用率が高いため、幅広い年代へのアプローチが容易です。10代の若者は、You TubeやInstagramをよく使う傾向があるので、世代での使い分けは重要なポイントです。
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アメリカ人のインフルエンサーを起用
インフルエンサーマーケティングは、自社アカウントのフォロワーが少ない場合でも、インフルエンサーの影響力を借りて広く宣伝、販促を行う施策です。反響が良ければフォロワーの増加につながる可能性もあります。
新しい市場を開拓する時は、インフルエンサーの力が頼りになるでしょう。
アメリカでは、広告をブロックする運用が当たり前となっているため、インフルエンサーマーケティングが主流になりつつあります。
アメリカでビジネスを展開するには、インフルエンサーの力無くしては難しいでしょう。
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まとめ
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アメリカでは、SNSの利用が盛んです。高齢層まで万遍なく利用しており、人口比でみるSNS利用率は世界で1位となっています。
ユーザーのリテラシーも進んでおり、広告はすべてブロックして利用するのがアメリカ流です。そのため、アメリカではインフルエンサーマーケティング抜きでは、デジタルマーケティングが語れない状況になっています。
アメリカで事業展開するには、アジアや日本国内とはことなる戦略をとる必要があります。
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