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快手ってそもそも何?訪日中国人向けマーケティングに有効?

中国向けのマーケティングを考える上で、快手(kuaishou)は必須ともいえるツールの一つです。とはいえ、快手(kuaishou)について「そもそも何なのかよく分からない」「どうやって使えば良いの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、快手(kuaishou)の特徴やビジネス利用するメリット、快手(kuaishou)を使ったマーケティング事例などについて解説します。中国人向けに効果的なアプローチを仕掛けていきたい際は、ぜひ本記事の内容をご覧ください。

中国の快手(kuaishou)とは?

「快手」と書いて「クアイショウ」と読みます。日本語訳で「仕事の早い人」を意味しており、名前の通り短い動画撮影・編集・共有が可能です。

中国の「北京快手科技有限公司」が展開している、動画共有アプリです。

2012年にGIFイメージの編集アプリ「GIF快手」としてサービスをスタートしてから、現在「快手」としてショートビデオの編集・共有アプリにアップデートされました。

中国で市場調査を実施しているQuestMobileのデータによると、快手はショートムービーアプリランキングで2位に選ばれています。

中国では「快手」のほか、動画共有アプリとして「抖音(TikTok)」が人気です。

「快手」は地方の都市や農村地帯をターゲットとしており、ライフスタイルに合わせた役立つ情報を発信するコンテンツが多い傾向にあります。一方、「抖音(TikTok)」はバズらせることを重視し、若者を中心としたエンターテイメント性の高い動画が人気です。

それぞれのサービスで特性が異なりますが、両者ともトップを争うサービスとして成長し続けています。

また、快手には、中国版の「快手」アプリと国際版の「kwai」アプリの2種類があります。国際版の「kwai」は日本を含め世界中で利用されており、7億人以上のユーザーが登録しています。

デジタルマーケティングのプラットフォームとして、広告運用やECに活用する企業も増えており、上手く使うことで商品やサービスのプロモーションに有効です。

ユーザーの特徴について

快手の主なユーザー層は地方都市に住む人々であり、庶民的なライフスタイルが特徴です。

同じく動画共有アプリとして人気な抖音(TikTok)のユーザー層は、都市部である第1線都市が全体ユーザーの4分の1を締めるのに対し、快手では10分の1程度となっています。

また、地方部に多い第4線都市の場合は、抖音(TikTok)のユーザー数よりも快手のユーザー数が多い傾向にあるようです。

快手のユーザー数は、2020年以降1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)が3億を超えており、月間にすると5億人を超えるほどのユーザーが活動しています。

農村部に住むユーザーの投稿に万単位のフォロワーやいいね、コメントが集まることもあるため、素人でも動画がバズる可能性があります。

使える機能について

快手では、動画の明るさ調整やBGMなどの編集機能が使えます。

アプリには、フォロー・発見・近くの3つの機能があり、フォローしているユーザーの動画を見るほかに、アルゴリズムをもとにしたおすすめ動画の発見や現在地の近くにいるユーザーを表示可能です。

また、商品リンクの貼り付けやライブ配信者に対するプレゼント送信なども行えます。

快手(kuaishou)とTikTok(Douyin)の違いは

快手(Kuaishou)とTikTok(Douyin)は、方針とバズりやすい動画の点で異なります。

快手は、日常的な生活や個人的な瞬間を共有することを重視し、ユーザーがオリジナルなコンテンツを手軽に投稿しやすいことが特徴です。一方、TikTokはよりエンターテインメント性に重点を置き、音楽やダンス、ユニークな挑戦などのトレンドがバズりやすい傾向があります。

そのため、快手はより親しみやすい個人的な内容が、TikTokは洗練されたエンターテインメントがバズる傾向にあります。

快手をビジネスで始めるメリット

動画を簡単に作成・投稿できる

快手は、動画の作成にあたって必要な撮影や編集機能がついています。動画の明るさ調整やBGMの挿入、スタンプの使用も可能なため、簡単に動画を作成できるでしょう。

動画の撮影から編集、投稿までが1つのアプリで完結できることが特徴です。

一度に多くのユーザーへアプローチできる

快手は登録ユーザーが多いため、一度の動画投稿で多くのユーザーにアプローチできます。

また、快手のほかにWeiboなどの外部SNSとも連携して共有できるため拡散性が高く、より多くのユーザーへの集客効果が見込めるでしょう。

ショート動画のため最後まで見られやすい

快手に投稿できる動画は最長でも57秒までとなっており、ショート動画であることが特徴です。

ユーザーは気軽に視聴できるため動画を最後まで見てもらいやすく、新規参入の場合でも効率的に認知を伸ばしやすいといえます。

認知や信頼性を高めやすい

動画媒体を活用することで、商品やサービスについて生産者の顔や生産工程などを具体的に表現できます。

そのため、ノーブランドの新規参入企業であっても、適切な動画を投稿することで信頼を獲得し、売上に繋がりやすいでしょう。

快手の広告について

快手で活用できる広告には、以下の3種類が挙げられます。

  • 動画視聴中に配信されるインフィード広告
  • 動画再生後に配信される動画広告
  • インフルエンサー広告

企業はこの3つの広告を活用できるため、費用対効果を考慮し適切な方法を選ぶことがポイントです。

快手のライブECについて

ライブECとは、ECサイトとライブ配信を組み合わせた販売方法のことです。このライブECは中国のネット業界で注目を集めており、快手でも導入する企業が増えています。

快手でライブECを始めるためには、次の設定を進めていきましょう。

  • ビジネスアカウントを作成する
  • カートを設定する
  • 動画プロモーションを活用する

まずは個人アカウントを開設し、ビジネスアカウントの紹介ページから申請を行います。認証ビジネスアカウントを作成する際は、さらに認証費用と手続きが必要です。

また、快手のアカウントで商品を販売していくためには、カートを設定しなければなりません。売り手ホーム画面から設定を行います。

そして、効率的に商品を宣伝・販売していくためには、動画プロモーションの活用がおすすめです。ターゲットを絞り、適切な広告を出稿しましょう。

快手を使ったマーケティング方法

企業の公式アカウント運用

快手では企業の公式アカウントを作成できるため、中国で公式アカウントを持っている企業は多くあります。また、アカウントは無料で申請できます。

新商品や限定品のリリース告知だけでなく、自社の商品を使った動画を投稿したり、ストーリーに載せて動画で商品を紹介したりといったやり方で活用している企業もあるようです。日本にも進出している中国のコスメメーカーも公式アカウントを運用しており、新着コスメの紹介や、コスメを使ったメイクについて解説する動画を投稿しています。

短い動画尺を活かし、ユーザーが興味を持ちやすいコンテンツを投稿することがポイントです。

ライブコマースによる販売

中国では、ライブコマースがトレンドになるほど多くの企業が取り入れており、有効な販売方法の一つとして挙げられます。

中国のライブコマース市場は年々拡大傾向にあり、今後も需要が高まっていくと考えられます。クーポンや複数点購入による値下げや、ライブ配信ならではの抽選や合言葉を活用したセールス方法が効果的です。

特に、衣類はライブ配信者が実際に着用することでリアルな着用感が伝わるため、多く取引されているようです。

快手でも、ライブコマースを活用してインフルエンサーがECライブを行っています。セールスを行うインフルエンサーは、「KOL(Key Opinion Leader)」や「KOC(Key Opinion Consumer)」と呼ばれ、影響力や信頼性などが商品の販売数・売上高に影響を与えます。

インフルエンサーを起用したプロモーション

快手には影響力を持つユーザーが多く存在するため、そのようなインフルエンサーを起用した商品のプロモーションも、マーケティング活用例の一つです。

ライブコマースも有効なマーケティング方法ですが、KOLやKOCなどのインフルエンサーを活用して動画を投稿してもらうことで、抖音(TikTok)とは異なるターゲット層に絞ってアプローチできます。

起用する際は、快手の公式取引プラットフォーム「快手快接单」を使い、インフルエンサーを選んで依頼をしていきます。インフルエンサーの特性とターゲットのライフスタイルを理解し、起用していくことがポイントです。

関連リンク:中国のインフルエンサーとKOLの違いは?起用するメリットや選ぶポイントも解説

快手を活用したマーケティング事例

快手を活用している中国マーケティングの事例には、電気自動車で有名なテスラの進出が挙げられます。2021年10月にテスラは快手のチャンネルを設置し、専門ページから市場予約や価格検索を行えるようになりました。

動画をメインとした自動車のプロモーションにより、多くのフォロワーを獲得しています。中には100万回再生を超える動画もあり、ショート動画を自動車マーケティングに上手く活用している例の一つといえます。

快手の具体的な投稿方法


まずは快手の投稿方法をごく簡単に記載させて頂きます。

快手の登録方法

1.QRコードを読み取る。
2.リンクされたアドレスから、アプリをダウンロード。
3.新規にユーザー登録。(他のSNSのIDと連携させることも可能)
4.パスワードとニックネーム、性別を設定します。
以上の操作で快手への登録が完了します。

快手の動画投稿方法

次に快手への動画投稿の方法についてです。
1.アプリを開く。
2.右上にあるビデオカメラのマークをタップ。
3.赤い丸の下の「视频」(日本語で「ビデオ」)をタップ。
4.赤い丸をクリックして撮影を開始。撮影が終われば、右下のチェックマークをタップ。
5.スタンプや音楽の追加など、動画を加工して投稿。
6.WeChat(微信)、Weibo(微博)などにも一括でコメントを付けてアップすること可能。
動画の長さは基本的には7秒までですがカメラマークを長押しすると17秒まで、カメラマークを3回タップすると57秒までの動画を投稿することができます。

快手でライブ放送を行う方法

1.アプリを開く。
2.右下に表示される「直播」(日本語で「ライブ」)をクリック。
3.イブ放送の許可を受け入れる画面になるので、「下一歩」(日本語で「次へ」)をクリック。
ライブ放送はスマホのアプリからだけでなく、パソコンからでも行うことが可能です。
■参考
快手 https://www.kuaishou.com/

快手を使用するメリット


快手を使用するメリットとしては、まず以下の点が挙げられます。
・投稿時間が短いので、ユーザーに全て見てもらえる可能性が高い。
・「いいね」や「ハッシュタグ」を付けることができ、他のSNSにシェアすることができる
・撮影から投稿まで操作が簡便
・動画単体ではなく、写真を組み合わせた動画作成が可能
・インスタグラムやYouTubeなどの利用制限がある中国で、動画を見せることが可能
快手では一発芸的なインパクトの強い動画の再生回数が増える可能性が高いため、社会的倫理に欠ける動画も投稿されていました。
しかし2018年に行政指導の介入があり、そのような作品は削除されています。また著作権も保護されるようになりました。
快手には日本に関する投稿が少ないのが現状ですが、「日本では「微信(WeChat Pay)」が使えない」という内容の動画などが投稿されています。

アプローチできる中国人の母数が多い

他に快手のメリットとして挙げられるのは、利用者数が多いだけでなく他のSNSにシェアされることもあるので、中国人の目に触れやすい、という点です。
中国のモバイルインターネットユーザー数は、2018年に約11億人を越えました。ミニ動画の利用者は2017年の1月には前年比35.4%、12月には116.5%と急成長しています。これから益々利用者の増加が予想されます。
中国のインターネット使用率は世代別ですと1980年代生まれ(80后、バーリンホウ)が最も使用していて46%、1990年代生まれは(90后、ジ ョウリンホウ)28.7%となっています。
アプリの使用率やインターネットの使用時間は2000年代生まれが一番多く、次に1990年代が続いています。
2014年調査の訪日中国人の性・年齢別構成によると、訪日中国人は20~30歳代が最も多くなっていて、インターネットの使用世代とマッチしています。
また全般的に、男性よりは女性のほうが日本を訪れる割合が高いようです。地域別ですと中国国内でインターネット使用率が高いのは、主要都市よりも地方都市や農村などで快手についても同様です。中国には都市ごとのランキングがあるのですが、インターネット利用率が高いのは、二線都市や四線都市などです。
二線都市には、昆明、大連、厦門(アモイ)、温州、長春など、四線都市には、黄山、牡丹江、安順などがあります。
四線都市は地方都市ではあるのですが、2016年時点でホテルチェーン・マリオットがすでに注目していたほど発展の見込まれる地域となっています。
■参考
crosscBLOG
中国華東地区、地方都市のリアル ~江西省南昌市から二級都市の様子を知る/2018年10月~
http://x-c.co.jp/blog/rank_china_city/

快手を効果的に使用するためには?


快手をインバウンド対策として使用する場合、自社で動画を撮影してアップロードする方法もありますが、中国のネットアイドルや快手のインフルエンサーなど、すでに中国で知名度の高い人物をアサインする方法もあります。
そうすることで動画に注目が集まりやすくなり、多くのユーザーに動画を届けることが可能です。
また観光スポットや飲食店の方が、訪日観光客に向けて人気のアトラクションやメニューなどを撮影することも有効でしょう。
例えば、東京スカイツリーをかたどったパフェを撮影したり、特盛りメニューを大食いの方が完食する動画などは話題になるかもしれません。
現在、インバウンドプロモーションは大都市向けに行われることが多いですが快手を使うことで中国の地方都市にも情報を届けることができます。
また、富裕層には知られている日本の観光地であっても中流層には知られていないと言うことが多いので知名度アップにつなげることが可能です。
中国では、日本での知名度に限らず最初に進出した企業が日本を代表するブランドと思われるケースが多く、早めに動画を投稿するほど他の企業や店舗、観光スポットよりも認知度を高めることが可能です。
日本の高度成長期のように、何事もスピードが速い現在の中国。
次々に動画が投稿されるので、情報を埋没させないように頻繁に投稿して露出を増やすことも重要です。

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まとめ

これまでご紹介してきたように、快手は訪日中国人マーケティングに有効なミニ動画プラットフォームと言えるでしょう。
即効性は無いかもしれませんが、多くのユーザーの目にとまることで訪日した際に立ち寄ってみよう、という中国人ゲストが増えるかもしれません。
登録や投稿は無料でできるのでインバウンド集客の増加を狙う方はぜひ活用してみてください。

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