ハラル食品とは?コーヒーが禁止!?食品マークの有効性なども解説 

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新型コロナ騒動により大打撃を受けている観光・インバウンド業界。渡航制限がなされている現状、PRやプロモーションなどは効果薄です。

では、今できることは何でしょうか。ひとつに、受け入れ体制の再整備があります。状況が好転した後、すぐにでも誘致施策を打てるようにするためです。

そこでターゲットとして検討してみてほしいのが、ムスリム(イスラム教徒)の人々。経済発展の著しいインドネシアとマレーシアが中心で、両国から年間約40万人ずつ訪日しています。伸び率も10%弱となっており、インバウンド市場における彼らの重要性は年々高まっているのです。

本記事では、ムスリム対策の入り口となるハラル食品」について、その概要やOK・NGな食品のほか、ハラルマークの効果、実際に適合したメニューを提供する店舗の事例などをご紹介します。今後のインバウンド戦略の参考にどうぞ。

ハラル対応食品・ハラルフードとは?

ハラル対応食品(ハラルフード)とは、ムスリムが食べることを許されているもののこと。

イスラム教では、食事に関する厳しい制限が戒律で決められています。なので、ほとんどのムスリムはハラルフード以外を口にしません。

イスラム圏の国や地域では、ハラルに対応した食品を簡単に見つけられますが、イスラム教になじみのない国に旅行したムスリムは、ハラルフードであるか判断できず、食事の面で苦労をしているようです。

ちなみに、ハラルはアラビア語で「許されている」という意味ですが、その反対の「禁じられている」は「ハラム」といいます。ハラムであることを、ノンハラルという人もいます。

なぜハラルやハラムがある?理由は?

なぜ、ハラルやハラムがあるのでしょうか?その理由を理解するには、イスラム教を知ることが近道です。

イスラム教を信仰する人々は、この世で唯一の神アッラーの教えに従い生活をしています。アッラーが開祖ムハンマドに下した啓示をまとめた聖典クルアーンには、

「アッラーがあなたがたに授けられた、合法にして善いものを食べなさい」

「あなたがたに禁じられたものは、死肉、(流れる)血、豚肉、アッラー以外の名を唱え(殺され)たもの、絞め殺されたもの、墜死したもの、角で突き殺されたもの、野獣が食い残したもの、(ただしこの種のものでも)あなたがたが止めを刺したものは別である」

「誠に酒と賭け矢、偶像と占い矢は、忌み嫌われる悪魔の業である。これを避けなさい」

引用:宗教法人日本ムスリム協会/ハラールについて

というように、生活において許されるもの、禁じられるものについて書かれています。

ただOKかNGかという話ではありません。ムスリムにとってハラルやハラムは、人間にとって有害であると神が禁じたものであり、それを信じ日々行動している信仰心の表れなのです。

ハラルな食品の例

ハラルな食品の代表例として、次のようなものが挙げられます。

野菜、果物、魚、卵、牛乳、鶏、牛、羊
*肉は、イスラム法に沿った食肉処理が行われていることが条件

ハラム以外のものと考えると覚えやすいでしょう。

ただハラルな食品でも、後述のハラムが含まれた調味料を加えてしまうと、たちまちアウトに。調味料の主成分チェックは必ず行いましょう。

ハラムな食品の例

ハラムな食品の代表例として、次のようなものがあげられます。

・豚、犬、死んだ動物の肉、血液、酒
・遺伝子組み換えの野菜や畜産など、自然に育っていないもの

また、豚は肉さえ食べなければOKかというと、そうではありません。豚に由来するものを一切摂取してはいけないのです。

ゼラチン、動物性油脂、グリセリンをはじめ、豚はさまざまな製品に加工されています。これらを日常生活で避けるのは大変ですよね。

意外なところだと、コーヒーにも注意しなければなりません。コーヒーは豆からできるため、問題ないと思いませんか?ところが、缶コーヒーなどの成分表示を見ると乳化剤が含まれていることがあります。これが、豚からできている可能性があるのです。

ハラムには、触れることすら嫌がる人もいるほど。豚やアルコールは、食べ物や飲料、調味料などにも成分として入っているかもしれないのを頭に入れておく必要があります。

ハラム食品に触れた食器もNG!

ハラム食品に一度でも触れた食器で、ハラル食品を提供するのはNGです。

ムスリムにとって、ハラムなものを口にするのは罪であり神に背く行為と考えられます。食べるだけではなく、ハラム食品に触れたまな板や包丁などの調理器具、食器を使用することすら避ける人も。

さらに、食品の保管をハラム食品と区別したり、キッチン清掃のアルコールもハラル対応用のものを使用するなど、徹底的にハラルであることを望む人もいます。

どの程度ハラムを回避するかは、地域や慣習、個人による違いがあるので、全てのムスリムに完璧に対応するのは難しいです。ただ、調理器具や食器の区別はしておく必要があるでしょう。

ハラル食品マーク(ハラル認証)は取るべき?

ハラル食品やハラル対応店舗であることを証明するマーク、通称「ハラル認証」は、取得したほうが良いのでしょうか?

結論からいうと、ターゲットによって異なります。ハラル認証による訴求効果の大小は、国や地域によってまちまちだからです。

そもそも、ハラル認証には世界的な統一基準はありません。宗派や宗教指導者によってハラルについての解釈が違うため、多くの国や地域ではそれぞれの認証機関が独自で基準を定めている状況です。

たとえば、ハラルかどうかを食品の最終成分で判断する国もあれば、ハラムのものと保管倉庫が同じだけでアウトな国もあります。このような違いがあるため、ハラル認証によるアピール効果は一律ではありません。

ただ、訪日ムスリムの多くを占めるマレーシアとインドネシアでは、国がハラムを規定しています。これにより人々の意識が高い分、ハラル認証の訴求効果は高くなりやすいです。

つまり現状を考えると、可能であれば取得したいといえますね。

参照:日本フードバリアフリー協会/ハラル認証の実態

ハラル食品マークの取得方法

ハラル食品マークを取得するには、認証機関の審査に合格しなければいけません。

国内外に認証機関が複数あり、基準はさまざまですが、審査の大きな流れは同じです。

申請

書類審査

施設審査

審議

この4ステップを経て、認証されればハラル食品マークを取得できます。

審査のポイントは、原料から製造・流通・保管のそれぞれの段階で、ハラル以外のものが混入する可能性がないこと。また、イスラム教徒を3名以上雇用するか、難しければハラル委員会を社内に設置し、研修や管理者講習を受けた者が複数人、現場に常駐することが必要となる認証機関もあります。

申請から認証まで、期間は半年〜1年ほど、費用は十数万〜数十万円と、申請する機関により変動します。

このように、認証機関によって細かな違いがあるため、どこに申請をするかなどは専門家に相談して適切に決めていきましょう。

日本でハラル食品を提供するお店の事例

ここからは、実際にハラル認証を取得し、ハラルメニューを提供しているお店の事例をご紹介します。

日本を訪れるムスリムが楽しみにしていることのひとつに、「和食」があります。旅行で海外を訪れるからには、現地の料理を食べてみたいですよね。それはムスリムも同じです。

飲食店側は、どのような配慮や工夫をしているのでしょうか。さっそくみていきましょう!

徹底的にハラル対応して安心安全で本格的な寿司を!浅草・すし賢の事例

本格的な寿司を、ハラル認証の店舗で安心して食べられると人気の「浅草すし賢」をご紹介します。

寿司といえば、醤油、すし酢、みりんなどアルコールを含むものを使用するため、ハラル対応は難しいと考える方もいるでしょう。ところが、すし賢ではムスリムにも本場の新鮮な寿司を楽しんでもらえるよう、ハラル醤油ハラルすし酢を使用するなどの対応を徹底的に行いました。

そして、日本の寿司屋としてはじめてハラル認証を取得。ほかにも、イスラム教徒の従業員を採用したり、礼拝スペースを設けるなど、イスラム教の戒律を理解した店作りも。

すし賢は、訪日ムスリムの間で「ハラル寿司」として知られています。アルコールの使用が心配される寿司でも、ハラル認証があれば安心して入店してもらえますね。

参照:Halal Japan.jp/ムスリム対応レストランを求めて浅草へ–シリーズ④浅草すし賢

いつでもどこでも誰でも食べれる宅配でハラルを提供!東京・サムライキッチン

ハラル認証のお弁当・オードブルの宅配専門店、「サムライキッチン」をご紹介します。

食材もキッチンも完全にハラル対応しており、ムスリムは全てのメニューを安心して食べることができます。お弁当箱やおしながきにもハラル認証マークのシールを貼るなどし、安心をアピール。

そして、「宅配」という形態をとることで、ビジネスで訪日したイスラム教徒のクライアントに、ムスリムの団体旅行客に、国際大会が行われているサッカースタジアムにと、どんなシチュエーションでもハラル食品を届けることができます。

1つ目の事例と共通するのは食品マークです。どちらもハラル認証で安心をアピールし、さらに、それぞれのお店ができるムスリムへの最大限の配慮に努めています。

日本を訪れるイスラム教徒に対しては、ハラル認証ときめ細かな心配りが、大きなアピールポイントといえるでしょう。

*:サムライキッチン

まとめ

本記事ではハラル食品について、その概要や食材の例、ハラル認証の訴求効果、店舗の事例などを解説しました。

ハラルへの対応は難しいと感じましたか?しかし、ムスリムを理解し、ひとつずつ課題をクリアしていけば参入できることも分かっていただけたと思います。ぜひ、ハラル認証の食品マークも取得して、ムスリムに安心をアピールしていきたいですね。

新型コロナ騒動が落着き、またインバウンドが活発になる日に備えて、いち早く訪日ムスリムを誘致できるよう対策をしておきましょう。


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