韓国人観光客が急増するグアム。
韓国人観光客向けにレンタカーブランドの確立、予約獲得に挑戦している株式会社アジプロの玉井様へのインタビュー記事をお届けします。
株式会社アジプロについて
弊社)まず始めにアジプロ様の事業内容を教えてください。
玉井様)私たちアジプロは、1992年以来培ってきたノウハウと、最新の技術を取り入れたサービスを提供しています。いわゆる「制作屋さん」なのですが、他社とはひと味もふた味も違うと自負しています。
私たちはお客様の目的を最短距離で達成する為に、Webサイトや印刷物・広告など様々な媒体を用いた企画を実行可能です。
さらに、中国語(簡体字)・台湾語(繁体字)・韓国語・英語など他国語の制作も可能なので、対応可能な業務の幅も広いのも強みです。
レンタカービジネスのあけぼの
弊社)アジプロといえばレンタカービジネスのプロのイメージがありますが、レンタカービジネスについて教えてください。
玉井様)そもそも弊社とレンタカービジネスの関わりは、私の新卒時代まで遡ります。私は学校を卒業してすぐ、レンタカー関係の「マーケティング」を始めました。
そのころは、日本でようやくレンタカーが認知されだした頃で、ウェブサイトどころかインターネットもなく、当時の課題は今で言う「マーケティング」ではなく、「求人」「印刷物」「ノベルティ」を使って、いかにして予約してもらうかでした。
また、バブル全盛時代でもあったので、レンタカーは「若い人にとっても遊びの大事なツール」でした。
ゆえにクラブイベントをやったり、若者が多く集まる場所でおしゃれなビラをまいたりとか、そのような若者向けのマーケティングをやってました。
これが、言ってみれば第1期レンタカーマーケティングですね。
1990年代の後半から、「ホームページ」が登場し、私の支援する領域に「デジタル」が加わりました。
最初はレンタカー各社とも簡単なシステムでホームページを始めました。
どれくらい簡単だったかというと、メールフォームみたいなものをページの落としどころにし、予約はメールで受け付ける、みたいな。
そこから発展し、徐々に大規模なシステム・デザイン変更を行うようになってきて、今のような「予約システム」の原型が出来上がっていきました。
そのような状態を見てこれはいけるなと思って、ポータルサイトである「eレンタカー総合情報」を立ち上げました。
まだ当時、地域名 + レンタカーという SEO キーワードにコンテンツを載せ上位表示させるという発想がそこまでなく、大ヒット。今でいうランディングページを地域ごとに立ち上げ、地域ごとに取る発想です。ただし当時は広告ではなく、検索結果に載せることがゴールでしたが。
その後、大手レンタカー会社さんや旅行会社さんも同様のサービスを始められ、競争が始まりました。ホームページによるデジタル化が第二期だとすると、プラットフォーム化が第三期の入り口です。
2000 年に、とある大手のレンタカー会社が、グアム現地に支店を作るということで、私たちの会社に予約システムやホームページ作成の依頼があったことが、グアムと私の出会いです。
まだこの頃はグアムは日本人観光客がほとんどだったこともあり、日本人観光客にレンタカーサービスを提供している競合企業も多かったのですが、eレンタカー総合情報のノウハウを横展開し、そのレンタカー会社は、グアムで大人気になりました。そのレンタカー会社は 2010 年にグアムから撤退しましたが、グアム側の社長と「オリジナルのレンタカーブランドをグアム現地で」立ち上げました。
オリジナルブランドを作ることは当時では考えられない発想でした。
なぜなら、レンタカービジネスとは「大手ブランドの看板」を背負ってビジネスをするものだったからです。ゆえに大手ブランドの名前がないオリジナルブランドではビジネスにならないと誰もが考えました。
しかし私は、これからの時代は誰でもインターネットで情報を調べ、予約する時代になる。つまりはブランドではなく価格勝負になることから、そこまでブランドは重要ではなくなるだろうという読み、つまりは勝算がありました。
当時の私の読みが正しかったことは、今の時代を生きている我々が良く知っていると思います。
レンタカー第4期の主役は韓国人観光客
弊社)非常に面白いです。玉井さんの経歴 = 日本のレンタカービジネスの歴史という印象です。
玉井様)ありがとうございます。もう少し話をさせていただきます。2015 年に入り、いよいよ韓国人が登場します。
2015年からグアムに韓国人観光客が増え始めました。
当時は韓国人向けの販促物や看板などで集客したほうがいいという話をすると、反発するような店舗さんばかりでした。
しかし日本人観光客が減り、韓国人観光客が増えていったこともあり、徐々にグアム全体が韓国向けのマーケティングに舵を切っていった。
私たちのレンタカーブランドも本格的に韓国人向けに集客を始めました。
弊社)素朴な疑問で、どうやって LIFE PEPPER にたどり着いたのですか?
玉井様)LIFE PEPPER との出会いは、コンテンツマーケティングの罠にハマったことです(笑)
元々私も独自で韓国向けのマーケティングを1年ほどやってましたが、わからないことも多く、結果も出にくかった。
Google とかで検索をして韓国向けのマーケティングの情報を収集していたら、どの記事を見ても LIFE PEPPER 発の情報だったんです。
これは一度話を聞いてみようと思い、LIFE PEPPER のオフィスにお伺いしました。
LIFE PEPPER のオフィスに行った印象ですが、いろんな国の人がいて驚きました。
そこから5年以上のお付き合いになるのですが、LIFE PEPPER は色々なことに挑戦していて、面白いなと思います。会うたびに違うことに挑戦していて、それも世界規模でやっている。そしてその経験をマーケティングに反映しているので、常に新しい知見がある。
当時はまだそのことはわからなかったのですが、LIFE PEPPER に提案された「韓国 × コンテンツマーケティング戦略」がいいなと思い、お願いすることにしました。eレンタカー総合情報時代に日本語で似たようなことをやっていたので、実に合理的だなと。
弊社)最初に実施させていただいたとき、あまりいい結果が出ず、リカバリープランを必死に考えたことを覚えています。しつこさには自信があるので。
結果が出なかった原因を一言で言うと「認知がない」なんですが、そういう曖昧な言葉に逃げたくなかった。
グアムで韓国向けのレンタカーサービスを提供しているほとんど全部のサービスを調べ、価格と提供オプションの比較を行ったところ、かなり価格が高かったし、オプションの種類も韓国人ゲストに寄り添ってなかった。
そこまで調べたので、逆に開き直って「価格をこれくらいまで下げ、オプションもこういうのをつけ、その上で一気に市場を取るべく、こういうことをやりましょう」と具体的な戦略施策を提案させていただきました。
これは韓国向けのデジタルマーケティングにおいて、弊社でよくやる「Naver ジャック戦略」なんですが、それを採用いただいたことで、予約数が一気に伸びました。
競合からしたら嫌な方法だったと思います。その証拠に、この当時やっていたマーケティング手法が、韓国の現地マーケティング会社も模倣してやってますから。
複雑化する時代、必要なのはプロモーション < マーケティング
弊社)今後、レンタカービジネスはどうなっていくと思いますか?
玉井様)私はレンタカービジネスが日本に入ってきてから、様々な時代で、様々なターゲットに向けたマーケティングを経験してきましたが、ついにグローバル視点でマーケティングをしなければならなくなっています。
ほかにも、原材料の高騰によるレンタカーの調達難、SNSの隆盛、デジタルコンテンツの動画化、Open AI 、メタバース、新型コロナウィルスの流行など、時代がどんどん複雑化しています。この困難な時代に、どうやってマーケティングをしていくか。
2017年からご一緒させていただいた時代がレンタカー第四期だとすると、これからが新時代。
この新しい時代においては、「この媒体でこういうことをやろう」というプロモーション的な発想ではなく、「こういう目的に向かって、こういう戦略で行きましょう、実行もします」という、マーケティング的な発想を持つ LIFE PEPPER さんのような会社はいいパートナーになり得ると思っています。
今後も、一緒に作ってきた Naver 上での「認知」を頼りにする方法だけではなく、新しい戦略で大きく仕掛けていきたいですね。
続きは飲みながら、ゆっくりお互いお勉強しましょう(笑)