目次
海外マーケティングにおける Facebook ページ運用の重要性と活用方法について解説していきます。
Facebook ページとは?
Facebook は 2016 年時点で、全世界で 16 億のアクティブユーザー(活動しているユーザー)を有する世界 No.1 のソーシャルネットワークサービス(SNS)です。その内、訪日外国人が多いアジア主要国の Facebook 利用率(対人口)を見てもかなり多く、アジアだけでも 5.4 億のユーザーを有していることから、Facebook のビジネス的な価値が伺えます。
(画像引用元:http://blog.members.co.jp/article/19645)
Facebook ページとは、Facebook 内の「ホームページ」みたいなモノと認識してもらえば差し支えありません。企業が Facebook ページを開設すれば、Facebook 上で情報配信ができ、自社の活動をユーザーに届けることができます。
また、Facebook 上のユーザーは気に入ったページを「いいね」することができ、「いいね」されたページで更新される情報は、「いいね」をしたユーザーに定期的に届くようになります。これは「メルマガ」と似たような機能で、メルマガより優れているのは、ユーザーは届いた情報を気に入れば、「コメント」や「シェア」したりすることで、「いいね」をしていないユーザーにも拡散されるということです。つまり、良質な情報はどんどん拡散されて認知される仕組みなのです。
Facebook ページに期待できること
優良な顧客・見込み顧客(ファン)の獲得
イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見したパレートの法則(80:20の法則)では、売上における 8 割は 2 割のファン(リピーター)によって生み出されると言われています。
そのようなファンの創出・育成で、絶大な効果を発揮するサービスが Facebook なのです。Facebook は皆プライベートで利用しているので、気に入った音楽、映画、趣味、グルメ、そしてサービスや商品などをシェアします。自社のサービスや商品の魅力を正しくファンに発信できれば、それらは彼らのプライベート生活に溶け込み、相互コミュニケーションが生まれるわけです。
どんな国のどんな人に自社商品やサービスが人気かを知れる
Facebook では分析ツールが内蔵されています。自社の Facebook ページに訪問したユーザーや「いいね」などのアクションをおこしたユーザーの性別、年齢、出身国などが分かります。また、Facebook の広告を運用することで、どの国のどういったユーザーが貴社商品に特に関心があるのかを知ることができます。つまり、ライトなテストマーケティングがいつでも気軽にでき、予算が数万円でも Facebook を活用するとしないとでは雲泥の差が生じます。
ファンからの意見収集が簡単にできる
Facebook の最大の特徴は、SNS であるがゆえのユーザー間の双方コミュニケーションです。「いいね」がついたり、コメントされたりすることで、ユーザーが自社の投稿、自社の商品やサービスに対してどう思っているのかが分かります。それだけでなく、活用方さえ心得れば、Facebook 上でイベントを開催したり、プレゼント企画を行ったり、色んな手法で、ユーザーの参加を促し、そこからユーザーの意見を吸い取ることができるのです。
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Facebook ページの基本「BCEI」を知ろう!
Facebook ページを始める上で絶対に理解すべき「BCEI」という概念について解説します。
BCEIとは
Facebook マーケティングの BCEI とは「Build(構築)」「Connect(つなげる)」「Engage(交流)」「Influence(広げる)」の4つのアクションのことを指します。これは、Facebook を活用するマーケティングにおいて、とても基本的なフローです。ちなみに、BCEI の覚え方は「B(びっくり!Facebook まだやってないの?)C(ちゃんとやらないと)E(えらい)I(痛い目にあうぞ!)」
1.Facebookページを開設する(Build)
世界中の顧客を獲得するには、まず彼らを囲い込むための土台をつくることから始めます。それが、Build、つまり Facebook の開設です。世界中の人々が行き交う国際空港で、オシャレなカフェをオープンすることをイメージしてみてください。 店名はどうするか、どの場所にするか、壁紙はどんな模様にするか、メニューをどうしようか、接客のルールは…など、基本的な部分を考えますよね? Facebook でも同じです。ページ名、URL、アイコン画像、ヘッダー画像、運用ポリシーなどがそれにあたります。 一点気をつけないといけないのは、お店を開くと同様、これらは一度作ると、変更が難しい部分があるので、きっちりとした全体構想をねってから開設することをおすすめします。(特に、ページ名、URL などは、変更が難しいです。)
2.世界中のファンをつなげる(Connect)
Facebook ページを開設したら、いよいよ集客をします。Facebook ページでは、ページに「いいね!」をクリックしてもらうことで、ファンになってもらいます。(カフェで会員カードを作ってもらうイメージです。) ファン獲得について、重要なのは先ずは「既存のファン」に知ってもらうことから始めます。自社のホームページで告知したり、メルマガを講読しているファンに告知したり、または、手紙を郵送して告知したりなど、既存のファンとのコミュニケーション手法を活用して、自社ブランドを既に理解や愛着をもっとくれる人を、巻き込みます。 例:「ファンの皆様とのより良いコミュニケーションを実現するため、この度 Facebook ページを開設いたしました!面白いコンテンツや、商品の新情報などを配信しますので、良かったらぜひいいね!してください!」と、こんな感じです。 既存ファンを獲得するフェーズを経たら、次のステップは Facebook 広告を活用して「いいね!」を獲得します。色んな広告素材を用意し、ターゲット国に合わせて複数パターンで広告を運用し、効果をどんどん高めていきます!Facebook 広告については今後の記事で詳細にご紹介します。
3.つながったファンを巻き込む(Engage)
ファンが関心をもつようなコンテンツを投稿します。通常、コンテンツの投稿は週2〜3回が適切で、重要なのは「タイムリー」と「継続」です。 タイムリーが重要なのは、トレンドな話題を投稿することで、自社ブランドがファンにとってとても身近だと感じでもらうためです。また、継続することで、ファンはなにに関心を持ってくれているのかを把握することができ、より良いコンテンツを届けることができます。 各投稿に対するファンの反応は、Facebook のインサイト機能によって詳細に把握することができますので、継続的なタイムリーなコンテンツをどんどん配信して、PDCA サイクルを回していきましょう。
4.影響の輪をどんどん広げる(Influence)
ファンを中心に、さらにファンの家族、友達、知人たちへコンテンツを広げることができるのが Facebook マーケティングの醍醐味です。通常のコンテンツ投稿だけでなく、「スポンサー記事」という広告を活用して、ページに対して「いいね!」をしている人だけでなく、さらに広く自社ブランドに対して興味がある可能性がある潜在顧客にたいしてもアプローチできます。 みんなが興味をもちそうな記事、例えば期間限定キャンペーンなどを、スポンサー記事という形を通して爆発的に拡散させることができます。
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まとめ
以上、Facebook マーケティングの基本である BCEI について解説させていただきました。いかがでしょうか? 世界中のファンにたいして、自社ブランドを広めるには単なる広告では、難しくなっています。顧客は情報に溢れているなか、自社ブランドを選択する「理由」が必要なのです。Facebook を通して、継続的にファンとコミュニケーション(BCEI)をすることで、自社ブランドを理解してもらい、国境を超えた絆を築くことはできるのです。
Facebook 広告について徹底解説
Facebook 広告とは
Facebook を使ったことあるユーザーであれば、一度は見たことがある Facebook 広告、そう、タイムラインに表示される「あれ」です。この広告を Facebook 広告と言います。Facebook 広告を使えば全世界の Facebook ユーザーをターゲットに、貴社のビジネスを拡散させることが可能です。では、Facebook 広告は、どんな特徴があって、どう利用すべきか、解説させていただきます。
Facebook 広告の特徴
Facebook広告とは、Facebookのタイムライン(ニュースフィード)やアプリ内、及び Instagram(Facebookグループサービス)などに表示される広告です。1つの Facebook 広告を出稿する際には以下の内容を決めなければ行きません: 1.広告の目的 2.ターゲット 3.広告の配置 4.予算と掲載期間 5.フォーマット 6.ページとリンク
1.広告の目的
手始めに広告の目的を決めなければいけません。つまり、「これから打つ広告でどんな結果を期待するのか」です。以下のキャプチャが実際の Facebook 広告を作成する際に表示される最初の画面です。目的に合わせて、適切な広告を選びましょう!
2.ターゲット
次に広告のターゲットを決めます。Facebook 広告では「オーディエンス」と呼びます。例えば、住んでいる地域、年齢、性別、話す言語、趣味関心などでセグメントできます。あなたの商品やサービスを届けるペルソナに近づけるよう、ターゲットをどんどん絞ってみましょう。 注意しなければいけないのが、ターゲットが広すぎても狭すぎても広告の効果は下がってしまいます。適切なセグメントで、先ずは余裕を持たせて、徐々にターゲットを絞り込んでいくのが Facebook 広告のコツです。
3.広告の配置
ターゲットを決めたら、今度は広告の表示位置を決めます。「自動配置」か「配置を編集」を選ぶことができます。「自動配置」では、Facebook 曰く自動的にパフォーマンスが高くなるよう最適化してくれるとのことですが、実際多くの場合その通りです。広告の運用に慣れてきたら、配置を自身でカスタマイズして、最適化することもできます。(例えば、モバイルユーザーにしか表示させないなど)
4.予算と掲載期間
そしていよいよ一番肝心な「広告予算と掲載期間」を決めていきます。ここで決める予算とは、「1日あたりの最大消化金額」です。予算が高ければ高いほど、金額に応じた多くのコンバージョン(クリック、いいね!、お問い合わせ、購入など)を取得しようと、Facebook はその広告を多く表示させます。 しかし、広告は表示されるだけでは予算を消費しないので、Facebook が頑張って予算を消化させようとなるべく多くの人に表示させても、時にはコンバージョン率が悪い場合には、予算を全て消費しない場合も多々あります。
5.フォーマット
もう一つ重要なのが、広告を表示させるフォーマット(形式)です。広告目的によって選べるフォーマットは異なりますが、大きくわけて4種類あります。カルーセル形式(スクロール可能)、画像形式、動画形式、スライドショー形式です。どんな広告にどのフォーマットが適しているなどについては、後ほど別記事で詳細に解説させていただきます。
6.ページとリンク
最後に実際コンバージョンした際の飛び先を指定して、広告設定は完了です!これで、Facebook 広告が開始されます!
まとめ
以上で、Facebook 運用の基本的なステップと方法について解説させていただきました。Facebook で広告を打ったことない方や、これから広告を打っていく際の確認の為にご参考頂ければ幸いです。なお、この基本的な6ステップですが、色んなテクニックを活用することで、Facebook 広告の効果は大幅に変わってきます。そのテクニックについては、また別記事にて詳細に解説させていただきますので、ぜひご参考ください!
意外と知らない !? Facebook ページの多言語化
Facebookページがグローバル対応し、複数の言語ページを一つにすることができることを知っていましたか?つまり、国別にページを作って別々に管理する必要がなくなったのです。
これまでのグローバル facebook ページ
世界中にファンを抱えているブランドを有する企業の facebookページ はこれまで各国にローカライズするため、それぞれのfacebookページを持っています。
例)
ユニクロ グローバル https://www.facebook.com/uniqlo
USA https://www.facebook.com/uniqlo.us
タイ https://www.facebook.com/uniqlo.th
フィリピン https://www.facebook.com/uniqlo.ph
マレーシア https://www.facebook.com/uniqlo.my
台湾 https://www.facebook.com/uniqlo.tw
フランス https://www.facebook.com/uniqlo.fr
各地域に向けて別々にローカライズされたページを作り情報発信することは、とても重要なことですが、これでは、幾つかの煩雑さがあります。例えば: ・アカウント管理 ・投稿管理 ・広告運用 ・最新情報の配信 など、別々のページで企業情報を配信したり、管理することは、1つ地域が増える度に運用コストが掛かりますし、また、別々に運用するがゆえに連携が難しくなってきます。
グローバル対応でできるようになったこと
1.ページ(URL)が1つに!
これでは、先程挙げさせて頂いたユニクロのように、国別に異なるページ、つまり URL が存在していたが、グローバル対応になったことで、それが必要なくなりました。1つのページをつくって、そのページ内で、投稿を国別に配信することができます。
2.国別にカスタマイズ
URLが一つになってもそれぞれの国のユーザーにローカライズできる理由は、ユーザーの設定に合わせて自動的に切り替えて表示されます。カバー写真、プロフィール写真、ページアプリ、マイルストーン、基本情報なども表示を切り替えられるため、各ターゲットに最適化することが可能になります。 詳細な方法についてはFacebook公式の解説ページをご覧ください ※ Facebook グローバルページは、Fcebook のアカウントマネジャーを通して申請をする必要があります。 参考: http://jp.techcrunch.com/archives/20121017facebook-global-pages/ http://www.facebook-studio.com/news/item/announcing-a-new-pages-structure-for-global-brands
日本のトップ化粧品ブランド5社の事例紹介
Facebookは海外進出を狙う上でとても有効なプロモーション法であることはご存知でしょうか? ユーザーは日本国内よりも海外の方が普及率は高く、SNSでは16億5000万人とNo.1の利用者数を誇ります。 低コストで、継続さえできれば効率良くリピート率を高めることも魅力の一つです。
上記の図からもわかる通り海外では20代以降を中心に普及し、ネットユーザーの約70%はFacebook利用者であると言われています。 Facebookを始めとする様々なプロモーションチャネルが誕生する今現在、多くの日本企業が海外進出に目を向けています。 特に化粧品業界でその傾向は明瞭であり、日本でNo.1のシェアを誇る資生堂ではついに海外売上が国内売上を上回りました。
そこで今回は日本のトップ化粧品ブランド5社のFacebookページを分析し、これから海外展開をご検討なさる企業様に向けて抑えておくべき海外進出のためのFacebook運用法をご紹介したいと思います。
他のSNSアカウントとシナジーを効かせる資生堂
(いいね:367,832件 ※USA版) まずは国内化粧品業界1位の資生堂です。資生堂は#(ハッシュタグ)やURLを掲載しスナップチャットなどの他のアカウントにすぐリンクするようになっています。 複数のSNSアカウント同士でシナジーを効かせ、見込み顧客をより確実に獲得しています。
キャンペーンやイベントで顧客を惹きつけるKOSE
(いいね:33,149件 ※シンガポール版) KOSEのFacebookページは他の化粧品会社よりもイベント情報やスキンケア法のハウツー動画などが多く、より身近に感じられる“ユーザー参加型”のものとなっています。 ユーザーは商品の新情報だけでなく、すぐに実践できる美容の知識も得られるので閲覧頻度は高まっていくでしょう。 またKOSEはかわいらしいキャラクターやイラストを使った親しみやすいデザインを使った投稿が多く、イベントの参加権などを商品の購入に付加させることによってリピート顧客を増やすスタイルとなっています。
顧客のリアルな声に耳を傾けるKANEBO
(いいね:52,046件 ※マレーシア版) KANEBOは基本的に商品の宣伝がメインとなっています。しかし時には発売されるリップの色の人気投票の投稿なども行われ、顧客のリアルな声を聞く場としても活用しているようです。
このようなユーザーにコメントを求める投稿は企業と顧客の信頼関係を築くことにつながり、またSNS上の「いいね」などのソーシャルシグナルを多く獲得することができます。 ソーシャルシグナルが多いほどソーシャルメディアからの被リンクも多くつくためSEO検索でも上位になりやすくなるというメリットがあります。
インフルエンサーで支持を集めるFANCL
(いいね:7,734件 ※シンガポール版) FANCLは有名ブロガーなどのインフルエンサーが当ブランドの商品を試供する動画などを投稿し、ユーザーの支持を集めています。 インフルエンサーはユーザーと同じ消費者の立場でありながらモデルや有名ブロガーなどカリスマ性を持つ人物なので商品の宣伝効果はお墨付きです。 インフルエンサーに憧れをもったユーザーはその人と同じ商品を使いたい、真似したいという思いから購買意欲へと繋がりやすいのです。
視覚的インパクトで注目を集めるロート製薬
(いいね:1,592件) ロート製薬の海外版Facebookページは海外らしい色味のハッキリしたユニークなキャラクターやイラストを使い、文章も短いものが多いので視覚的にも印象に残るように作られています。 視覚的にインパクトの大きなものであるほどユーザーの反応率も上がるので効果的です。 視覚的に目立つ投稿は多くのユーザーがFacebookにいる昼〜夕方などに時間に定めて投稿すると反応率が高くなるとされています。 ロート製薬のFacebook投稿もほとんど決まった時間に投稿されています。
まとめ
このように日本の化粧品ブランドは様々なアプローチで海外プロモーションを行っています。 化粧品会社であればその商品を試供する動画をインフルエンサーを用いて投稿したり、他のSNSアカウントとシナジーを効かせてセールやキャンペーンをやったりと本当に様々です。 載せる画像の雰囲気や文章の書き方によっても顧客との距離感も変わっていきます。 ターゲットとなる顧客に合わせて適切なマーケティングを行い、最適なfacebook運用を行えばファンの飛躍的な増加も間違いありません。
その他、海外向けのFacebookページを展開している有名ブランドまとめ
化粧品以外にも、日本の企業でFacebookページを使ったファン囲い込みに成功している例は数多く見られます。そのうちの幾つかを紹介させていただきます。
他言語展開が魅力のWAKUWAKU JAPAN
(いいね:24,267件※インドネシア版)WAKUWAKU JAPANは全世界8か国で展開している日本のテレビ番組を世界に向けて発信している日本の企業です。ここの魅力はなんといってもその豊富な言語力にあります。各国毎にローカライズされた投稿をしているので、かなり運用チームは大変だと思います。この例のように、国毎に異なるコンテンツを配信することが複数言語でのFacebookページ運用の成功には必要です。
引用:WAKUWAKU JAPAN Facebookページより
圧倒的なシェア数!Wow Japan
(いいね:373,928件※繁体字版)ページへのいいねや記事へのいいねは、広告でいくらでも水増しが可能です、が、ファンによるシェアは水増しがしにくいため、本当に力のあるページかどうかはこのシェア数で判断できます。このWow Japanは、クラブツーリズムさんが運営している訪日旅行メディアです。台湾人から圧倒的な支持を受ける本ページの魅力は、日本旅行のプロがお勧めする、今まで知られていない情報を配信しているところでしょう。圧倒的なシェアにより、着実にファンを育んでいます。
引用:Wow Japan !! 玩日本 Club-Tourism Yokoso Facebookページより
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