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インバウンドとデータの絡み方とは?
高橋:まずアイスブレイクとして、どんなことを今までやられていたのかをお訊かせください。
深澤(以下敬称略):ちょっと変わり種でして、僕は立教大学出身なんですけど、大学在学中からセミプロのギタリストをやっていたんですよ。それで食えるかもしれないという勘違いをして、新卒後しばらくやっていたんですが、芽が出ずですね。中途採用で、マーケティング・リサーチをやる会社に入りました。そこでマーケティング・リサーチをやっている時、広告会社に声をかけてもらって、広告会社に出向しました。人手が足りなかったので、マーケティングで入ったのに、SP、広告コピー、デザインも見ろみたいな、便利屋みたいな仕事をしていました。これが結構いいスキルになったようで、そういうスキルがある人がほしいとか言われて、変わり種なんですけど、その後SIベンダーに入ったんですよ。そのSIベンダーで、システム開発の裏づけ資料作成みたいなことをしていたんですね。これでちょっと飽きてきちゃったところにまた広告畑にいた人から声がかかって、その人に紹介してもらってNTTアドに移って、そのまま結構長くいる感じですね。
高橋:NTTアド時代で手掛けてきた代表的な、これは1番よかった施策などは?
深澤:結構古いんですけども、海外向けの広告をやりまして、新聞広告をニューヨーク・タイムズなどで出したんです。それがニューヨーク・フェスティバルというカンヌと並ぶ広告賞でファイナリストになったんですね。これは実績としては1番大きいですね。あとは企画を考えたカレンダーがイタリアのデザイン賞をとって。賞とりはこれぐらいですね。 マーケティングから入ったんですけど、実績はクリエイティブの方が多いという。変わったスキルかなと思っています。
高橋:おそらく、ご本業がインバウンドということは当然ないと思うんですけど、インバウンド業界と関わり始めたのはいつからかでしょうか?
深澤:5年ほど前ですかね。主にインバウンドの動態分析やSNS分析からの施策提案を手掛けています。
高橋:うちの場合、収集するデータが豊富ではないので、感覚頼みな部分はありますね。
深澤:でも実際、感覚は非常に大事でありまして。我々は逆にデータを持っているから、データに寄り過ぎちゃうんです。データというのは普通に分析をすると、当たり前の結果しか出ないんですよね。例えばある観光地で「真ん中に山があって、分断されているから、その先には観光客は行かない」ということを地元の人は全員知っているんですけど、それをあたかも発見したかのように、データで見るとここ行けませんよって言ってしまったりするわけなんですよ。これがやっぱり間違いの元で、僕はデータと勘と、両方が必要だなと思います。同じデータを見ても、高橋さんみたいに勘の鋭い方が見たら、違うものが見えると思うんです。
高橋:僕の勘が鋭いかは置いておいて、インバウンドでそれこそずっと、観光に携わっていた方とかが見たら違うかもしれないですね。
深澤:そうですね。やっぱり立ち位置によって見えるものが違うので。感覚を磨いて、インバウンドの最新の状況を常に掴んでやっていないとだめですね。
インバウンド攻略の武器になる「データ」と「感覚」
高橋:結構核心的なところに触れちゃいそうな気がするんですけど、逆にデータならではのインバウンドの活用法はありますか?一般的に定量調査とかでイメージされる内容と、深澤さんがやられていることって若干違うと思うのですが。
深澤:そうですね。オーソドックスなお話をすると、データというのは定量と定性と両方あって。日本人は会社で稟議を通して、自治体さんでも上に上げなければいけないという課題があるので、どうしても定量だけに寄りがちなんですけど、やっぱり定量だけだと、前例を踏襲したものしかできないんですよ。前例を超えるものを作ろうとしたら、定性が必要なんですね。私がやっているのは、普通のマーケティング調査とは違いまして。インバウンド観光客の行動履歴をペルソナで追いかけるので、そうすると人気な観光スポットも分かるんですけど、5人ぐらい変なところ行っているぞというのも分かるんですよね。
高橋:それもおもしろいですよね。
深澤:5人ぐらい変なところへ行っているぞというのは、定性になるんですね。言い換えれば、兆しの発見と言ってもいいかもしれないですね。その5人いた場所が、次の年に100人になっていたりするんです。要するにイノベーターの人が先に発見をして、5人くらいで見ていたやつがインスタで広まって。次の年にここはいいところだって言って、100人ぐらいになって。3年後に1000人になっているという、こういうケースがあるんですね。これは定量調査だと、1000人なってからじゃないと分からないんですね。すると、もう遅いわけですよ。最初の5人みたいな、定性的なものを掴めるというのが、今のGPS調査のおもしろいところですね。逆に言うと、これは高橋さんたちみたいに勘のある人が見たら、宝の山になると思うんですね。
高橋:そうだと思うんですよね。勘があるかは置いておいて。僕が何をするかと言うと、直接地方に行って、現地の人たちと徹底的に話すんですよね。そうすると、先程おっしゃられたような内容が結構出てきたりとか。あとはトレンドに鋭い人たちにも、直接話を訊いちゃうとかってすると、結構それが見えてきたりするんですよ。現地の声や鋭い声がデータのエビデンスになり得るだろうし、ネクストトレンドとかに結構早く気付けるんだろうなというのは思いますね。
深澤:素晴らしいと思います。フィールドに出向いて掴んでらっしゃるというところですが、これは私が最初にスキルを積んだマーケティング・リサーチの世界で言いますと、デプス・インタビューというやつですね。徹底的に深く掘って訊くという。これはエビデンスとしては定量と同じか、それ以上のものがあるはずなんですけど、なかなか認めてくれないんですよね。数が足りないじゃないかって、「何人に訊いたんだ?」「5人です。」「5人じゃ少ない」みたいなね。この常識感は打開したいですね。100人が丸つけた回答より、5人に深く訊いた回答の方が、絶対にエビデンスとしては上ですから。
視点を変えろ!現地至上主義が集客成功のカギ
嶋田:ここ2年ぐらいで外国人目線を謳うところは増えたなと思います。
深澤:そうですね。しかし、その目線にも落とし穴というわけではないんですけど、僕もバンド関係の知り合いで日本在住のイギリス人がいて。そいつの友だちがイギリスから日本に遊びにきたことがあって、みんなでどこへ観光に行こうとか話したんですが、感覚が違いますね。日本在住のイギリス人の感覚と、初見で来た人で、全然違う。同じイギリス人なんですけど、びっくりするほど違いますね。おもしろいですよね。
高橋:そうですね。目線を変えるというのはすごく大事ですよね。やっぱり複眼で見ないといけないでしょうね。インバウンドの関しては、在住の人、初めて来た人、リピーターで慣れている人。いろいろなタイプがいますから。あとは国籍ごとの好みも、結構分かれていますね。
嶋田:そういった複眼的視点をその地域の人だけで持つということ自体、結構難しいかなと思って。外からの刺激で、データを活かして、これをやってみませんか?というので刺激をして。普段田んぼしかないじゃんと思っていたところに、こんなのがあるのかという気づきなどを弊社や御社などが活性化させていくということは1個大きな動きだと思います。
深澤:そうですね。あとは最近よく相談されるのは、自治体さんなんですけど、「うち観光資源0なんだけど」ってよく言われません?
高橋:言われます。
深澤:「インバウンドがこんなに流行っていてみんな観光客を取りあっているけど、うちは観光資源0だからどうしようもなくて……」って言われません?そういうときはどうしていますか?
高橋:そういうときはいくつかのステップでやるようにしていて、1番結構最初に訊くのが現地の人に、日本人の友だちが来た時におすすめする場所とかを結構訊くんですけど、それでも結構出てこなかったりするんですよ。その場合はその人自身の週末の過ごし方とか、そういうのを訊いてみると、意外と地元で自分たちが楽しんでいるところが出てくるので。そういうところから結構始めていったりしますね。
深澤:本当にリアルなペルソナ作りなんですね。非常にいい方法だと思います。僕も大体同じでして、フィールドワークしかないんですよね。そういうときは。自分で行ってみて、回ってみます。それでいろいろな店でいろいろ話しかけて訊いてみます。夜、地元の人が飲みに行くところへ飲みに行って、訊いてみます。タクシーの運転手さんにも訊きますね。
高橋:タクシーの運転手さん、めちゃくちゃ詳しいですよね。
深澤:ええ。そういうところから見つけてきてやるというのはあるんですね。
高橋:もし予算があれば、その地域でインバウンド集客したい国の留学生とかを連れて行って、携帯で写真を撮りまくってもらうんですよね。自由散策で。その画像を回収して、どんなところを撮影したのか地元の人とレビューをすると、かなり視点が変わるというか。
深澤:そうですね。LIFE PEPPERさん、やられていますけど、僕もあれいいなと思ってやりたいなと思っていますね。そのやり方は1番いいですよね。視点が違うので、日本人だと撮らないような場所を、撮ってきますよね。
高橋:予算の問題はありますけどね。お金がないと。
深澤:あとは留学生を使うというお話がありましたけど、まだここはすごく広がりがある、ビジネスチャンスがある世界ですよね。留学生の方の視点を使ってやるというのは、あまり掘られていない分野ではあります。
高橋:そうですね。留学生って今はボランティアというか、学業の一環的な使われ方をしていると思うんですけど、僕は結構プロモーション的な協力の仕方を最近やっていて。その国でしか知られていないニッチな媒体って、結構あるんですよ。掲示板サイトでDPとか、台湾では出身大学の人しか見られないディーカードというツールみたいなのがあるんですけど。そういう媒体に自分の口でその地域のおすすめのものを投稿してもらったりすると、やっぱりなかなか市場に出ない情報ですし刺さりますよね。意外とそういう情報を今台湾だと求められていたりするので。
深澤:それはすごくいいですね。
高橋:調査もプロモーションも一緒にやれるので、予算も出しやすいですし、意外と効果高いのかなと。
深澤:マーケティング業界でもプロモーショナルアンケートと言って、プロモーションとアンケートがセットというスタイルがありますから、これは使えますね。
動画を作っても効果が出ないのは「アレ」が足りないから
嶋田:地方のインバウンドどこから始めますか?というところでお話しいただきたいのですが、お金はあるんだけど、何をしたらいいか分からない自治体さんも多いと思うんです。最低限YouTubeで動画を出してます。広告はちょっと出してます。というように、お金は使っているんだけど観光客は全然来ない、というところにはどうアプローチしますか?
深澤:大体お金があるということになると、「お金を使いましょう!」という会社が現れます。1000万を100万ずつ細かくいろいろなプロモーションをしましょうというよりも、1000万で1本かっこいい動画を作りましょうと言った方が儲かるんですね。これで上手いこと言って、1000万の動画を作らせるわけです。ものすごく綺麗で、上手くいけば賞もとるわけですね。すごい動画作ったな、3日で再生回数が何百万なんて場合もあります。でも誰も来ない。なぜかって、イメージビデオだから、誰にも刺さらないんですよね。ターゲットがないんですよ、結局。オールターゲットというのはターゲットがないということですね。どうしてもマスメディアと同じ作りになってしまうんです。ウェブ動画って本来ニッチな媒体だと思うんですよ。YouTuberだってそうじゃないですか。ウェブはニッチなのに、テレビ広告と同じスタイルで作るから刺さらない。ニッチということはターゲットを明確化しろということなんです。だから、そうやってお金はあるけど、なにか始めましょうよというときは絶対辞めた方がいいのはマスをターゲットにすることですね。ニッチでやりましょうと。お互い1番来そうな可能性があるペルソナというのはどこの国の何十代の男女どっちだろう。そしてその人に刺さる観光資源に当たるものを洗い出してみましょうと。結局、最初にするのは洗い出しとターゲットの設定というマッチングの作業なんですね。
嶋田:先入観で動画を作ろうとか、闇雲に広告を打てば来るだろうみたいなところはありますね。
深澤:そうですね。まず方舟の方から始まっちゃっているんですよ。ウェブ動画は先ほども言いましたけど、方舟に何を乗せるのか最初に決めないと。乗せるものが違えば、方舟の形も変わるはずなんです。全部同じ方舟に載っけて、YouTubeでも動画何百万再生になるわけですよね。でもこれは間違っているんですよ。綺麗に作っているんですよ。賞もとっていますけど、どうやって行ったらいいか全く分からないんですよ。動画を観ても。
嶋田:そこで終わりってことですよね。
深澤:ええ。だから、せめて泥臭く、アクセス方法、QRコードでここにアクセスをしたら、観光案内所のなんとかに繋がりますとか、英語のホームページに繋がりますとかって、せめてそれぐらいの動線でも作ればいいんだけど。クリエイターが拒否するわけですよ。それは美しくないって。大金使って、クリエイターのわがままに付き合うことになりがちなんです。
嶋田:綺麗なんですけどね。
深澤:ええ。泥臭い動線がなくて残念ですよね。大きなお金を使っているのに。
嶋田:一視聴者の目線ですけど、見る側としては壁を感じてしまうところがどうしてもあるかと思います。公式YouTubeとかって一歩引いて見るじゃないですか。中を見てみたら、たしかにすごく綺麗な映像。だけどやっぱりすごいなって終わっちゃうなというところがあって。壁をいかに取ってきてくれるようにするかというのは、おっしゃっていたみたいな泥臭さが重要ですね。
深澤:その泥臭さがマッチングのポイントですね。それがないと、動線は貼れないですもんね。
高橋:めちゃめちゃおもしろいな。まさに今話があった自治体の方々が作るようなイメージビデオがおもしろくないというのって、所謂外国人の目線で言うと、最初の数分間とかって結論から入らないとつまらないと思うんですよね。
深澤:結論からって、それはすごく鋭くて。僕は今やっていないですけど、いろいろなマーケティングの講師としてマーケティングを教える機会が結構あったんですよ。そこで言ったのは、日本人は起承転結の順番を意識しがち、ということ。けれども、ここもう10年ぐらいは企画書でも、テレビ広告でも、ウェブ広告でも最初に結論の結、その後に起承転に転換しているんですよ。なぜならこういう話法じゃないと、通用しないんです。今の時代全てそうですよね。特に見るものが多くて、時間もないですから。YouTubeでも最初の10秒くらいでおもしろくなかったら、見るのやめますよね。結論を最初に持ってくることは鍵になると思います。
深澤:これはちょっとネタだから、言わない方がいいかなあ。でも出し惜しみはしないということで言うから、これみんなあまり思いついてないと思って。アイディアは使われなかったら、一銭にもならないから言ってしまうけれども、マッチングなんです。要するにA店は台湾のお金持ちに行ってもらうようにして、B店は韓国の学生さんが行ってもらってというようなことになるように。お店の特徴とインバウンドの思考をマッチングさせて、というロジックはすごい説得力があると思いますね。そのロジックを体現する手法については、僕はちょっとストックがあるのですが、それは言うわけにはいけない。まだ採用されていないので。どこかで採用されたら、広まると思うので。そうしたら申し上げますけど。(笑)基本はマッチングですよ。
嶋田:そこはさっき深澤さんがおっしゃっていた、方舟の中を先に決めようということと似ていますよね。ターゲティングにあった中身をというところが、地域とか関係なく、小売店でも刺さるということですね。
深澤:そうですね。例えば、某巨大ショッピングモールさんで、空港の近くにあるお店さんなんかは店内マッチングをやっているんですね。例えば、キットカット抹茶味って、中国人の方が箱買いするから、中国語に簡体の表記中心にするとか。それぞれの国の人が買いやすいようにやっている。これは上手いやり方ですよね。
データからフィールドワークへ。事前仮説を忘れるな
嶋田:集客に関するまとめのところに移らせていただくのですが、先ほど観光資源を発見するところも含めてのフィールドワークというお話をいただいたと思うんですけど、じゃあそこからどういう風に発見するの?だったりどう気づくの?というフィールドワークの感覚と、分析の絡め方というところで、何か実際にやってらっしゃることがあったら、お訊かせいただきたいのですが。
深澤:毎回できているわけじゃないんですけど、理想論だけ話しますね。理想論で言うと、まず事前仮説を立てるべきなんです。その事前仮説というのは、この地域をネットで見られる範囲の情報から、この地域は現状何人のどういう層が来ていて、どういう層が来ていない。これからどういう層が来そうなんだというデータから事前仮説を立てます。その仮説を持って、フィールドワークにいきます。そうすると、その仮説が合っているところと、間違っているところがフィールドで発見できるんですね。例えば、お花が好きな人がいっぱい来ているだろうと思ったら、案外少なかったとか。実際に行ってみるとそういうことがあるんです。事前仮説が1番としたら、2番がフィールドで、仮説修正を図るわけですね。修正した仮説に基づいて、データで調べるお金があれば、それを検証する。データを取るときに仮説がないままデータを取ろうとする人がすごく多いんですけど、絶対何も出てこないんですよ。とりあえずやってみよう。やってみて、出た結果を見て、ああでもない、こうでもないって言うんです。結局データを取っているのに事前仮説がないから、見たデータを好みでって言うわけですよ。僕はここが気になる、私はここよ。って言うけど、もうそうなったらグチャグチャじゃないですか。何がしたいのかさえ見えなくなってしまうんです。
事前仮説があれば、こんなことにはならない。仮説によってものさしができるから。事前仮説というものさしを作って、スケールを作って、フィールドワークをしたりとか、データを取るというのは、そのスケールの振れ幅を見るという活動なんですよね。もちろん、その事前仮説に固執しすぎるのも間違っているんですね。データとフィールドが違うと言うならば、そこは負けを認めないと。事前仮説が間違っていたという負けを認めて、素直に仮説を修正していくということが1番成功への鍵だと思いますね。そしていかに事前仮説というものさしを利害関係者全員が共有できるかでしょうね。これは本当に僕の課題、自戒を込めて言っているんですけどね。
嶋田:頭で聞くと分かるじゃないですか。どこにターゲティングするのか決めるところから始めないとだめだよねって話は。でも実際にお金が目の前に多少なりともあって、じゃあ始めようよってなったら、結局打つ方から先に始めちゃいがちというのは多くの企業さん、自治体さんいっぱいあると思うので。
深澤:それはすごく鋭い指摘ですね。
嶋田:だからこそ改めて仮説は非常に重要だなと感じます。耳では分かっているんだけど、結局お金に目が眩んでさっさと施策始めるところから考えてしまいがちですよね。
高橋:事前仮説の話はすごく心に刺さります。ライフペッパー内でも、それがだんだんできなくなってきているので。案件が殺到すればするほど、私もどんどんできなくなっていく。そういう時こそ1回立ち止まって仮説から考える意識の徹底ですね。
深澤:そこはぜひ会社で共有化できるように事前仮説構築メソッドを作ってほしいですね。
「インバウンド大航海時代」を生きている私たち
高橋:インバウンド集客を行おうとしている人へのメッセージというのを。最後にお願いしたいと思います。
深澤:インバウンドは市場としてはまだ相当若いですね。全く成熟していないです。何百万人来ているとかって言っていますけど、全然成熟していないですよね。だから、参入をお考えの方にとっては宝の山だなと思います。仕掛け方と、気づきの与え方によって、ものすごく大きなマーケットがまだまだ出現しますね。それがまだ我々にも見えていない、インバウンドをやっている我々にも見えていない部分が、非常に大きい。8割ぐらい見えていないと思います。だから、仕掛けだけではなくて、自然発生的なところの兆しを発見するというのが、1番大事だと思いますね。もうマスとして多くの人が行くところは、誰でも分かっているので。誰も知らないところで、かつ宝の山になりそうなところというのを発見する嗅覚を持っていただきたいと思いますね。毎日ネットをちゃんと見て、インバウンドの動向を見てほしいんですよ。というのは、去年流行っていたものが、今年流行らなくなったりしていますから。乗り換えも早いんですね。インバウンドの方々ってとにかく生き物だというところが醍醐味だし、おもしろいところ。我々のような会社でもチャンスがあるんですね。だからこそインバウンドというところにチャンスがあるんですよ。チャンスに満ちた、それこそ大航海時代とか、西部のゴールドラッシュみたいなものがインバウンドだと、厳然としてまだ言えると思います。それはみんなの後を追っていたんじゃ、絶対取れない。1番先を走って、兆しを見つけて、誰も気がついていないところを総取りする。こんな発想でやっていただきたいと思います
プロフィール
深澤慶人(フカザワ ヨシト)
株式会社NTTアド コミュニケーション・ディレクター
インバウンド分析からの観光コンサルティング
広告会社勤務、システムインテグレーター勤務を経て現職。
インバウンド分析を入口に、マーケティング、コピー、デザイン、SP、イベント、Webまでの幅広いプランニング経験を生かし、インバウンドに関するトータル・ソリューションを提供。
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