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日本はこれまで国内需要と、国内消費で完結している市場を長年形成してきました。しかし、様々な理由が噴出したことで、半世紀以上を支えてきたこの市場のあり方は、終わりを迎えようとしています。
そこで日本企業の多くが次に目を向けているのが、海外の市場に目を向けたグローバル進出です。
今回は、海外進出が重要な意味を持つ理由や、どのような課題を解消し、海外に進出すれば良いのかについて、ご紹介します。
海外進出が重要な理由
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海外進出が重要視されるようになった理由としては、以下の3つが挙げられます。
日本国内消費の落ち込み
一つには、日本国内における消費の深刻な落ち込みが原因です。日本は80年代から90年代にかけて、経済成長と盛んな消費を経験して以来、一貫して右肩下がりの消費減退傾向が続いています。
物価が下がってばかりのデフレーションから脱却ができず、熾烈な価格競争が長期化し、体力のない中小企業は撤退を余儀なくされてきました。
そんな中、日本の消費減退をさらに加速させることになったのが、新型コロナウイルスです。総務省が発表した2020年の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は月平均で27万7926円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年から5.3%減となりました。
参考:日本経済新聞「20年の消費支出、落ち込み最大5.3%減 月27万7926円」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF048AV0U1A200C2000000/
ワクチンの普及やテレワーク体制の整備などにより、消費動向についてはある程度の回復が見込まれるとも期待されています。
しかし、バブル崩壊後少しずつ進んできた消費支出の落ち込みを取り戻す決定打は見つかっておらず、ポストコロナの時代においても落ち込む消費がV字回復する兆しは見られません。
少子高齢化
消費の停滞が続く要因の一つに、少子高齢化が挙げられます。日本では出生率が低下の一途を辿っており、平均寿命の上昇により、高齢者の占める割合が増加しています。
将来的に労働人口を今の割合を維持することができず、社会福祉にかかる費用が増大することで、さらに消費支出に回せる余裕はなくなることが懸念されています。
消費意欲の高い若年層や働き盛りの20~40代の層も薄くなり、消費できる人間が減少が顕著になっている以上、日本市場にこれ以上の期待ができなくなっているわけです。
周辺国の経済成長
多くの企業が海外進出を目指しているもう一つの理由は、周辺国の経済成長です。東アジアや東南アジアを見渡しても、日本以上に高い経済成長を遂げている国ばかりが目立ちます。
中国ではその広い国土と人口を武器に、ここ10年で驚異的な経済成長を遂げ、世界第2位の経済大国に上り詰めています。シンガポールやタイ、ベトナムなども成長は著しく、若者の数や世界から集結する投資額は日本のそれを越えようというところです。
平均年齢も日本に比べて遥かに若く、消費意欲も成長力もあることから、日本企業もこういった国をターゲットに動き始めています。
海外進出のメリット
海外進出を実現することによって、いくつものメリットが期待できます。ここでは、以下の3つに注目してみましょう。
新しい販路の拡大
一つ目のメリットは、新しい販路の開拓と拡大です。これまでは日本向けにしか販売していなかったものを、海外の需要に焦点をあて展開していけば、単純計算で売り上げを大きく伸ばすことが可能です。
もちろん、輸送コストやローカライズの必要もありますが、うまく需要を喚起できれば、それを差し引いても大きな利益を期待できます。
新しいビジネスの創出
日本と同じ需要を海外に見出すだけでなく、日本では発揮できなかった自社の強みを海外で活かすチャンスを得られます。
海外進出は単に販路を拡大するだけでなく、新しいビジネスアイデアを創出する場としても役立ちます。
特に上記にあげた成長の著しい国では、新しいものにお金を出したいと感じる消費者や投資家が続々と登場しています。彼らにとって魅力的な価値を提示できれば、本格的に海外で事業を大きく展開していく機会を掴めるでしょう。
競合との差別化
日本国内で競合とシェアを競い合い、疲弊している企業にとっても、海外進出は魅力的です。例え海外に大きなシェアを見出せない場合でも、グローバルに事業を展開しているという事実は、国内向けのブランディングにも大いに貢献します。
日本企業の海外進出が増えているとはいえ、まだまだポピュラーな動きには至っていないのが現状です。競合の海外展開が遅れている場合、先駆けてグローバルにマーケットを拡大することで、日本でもグローバル企業として高く評価するきっかけを作ることが可能です。
海外進出に伴う課題
海外進出を本格的に進めていく上では、メリットと同時に解消すべき課題も現れます。海外進出に伴う課題について、ここでは確認しておきましょう。
言語の壁
海外進出の大きな壁として立ちはだかるのが、言語の壁です。日本は日本語が公用語の国であり、この言語を話す国や地域は他に存在しないので、どこへ進出するにしても言語の壁はうまく取り除いていく必要があります。
最近では機械翻訳などの、気軽に利用できるサービスも増えています。しかし翻訳結果は必ずしも正しいとは限らず、その言い回しが一般的であるとも限りません。
また言語の翻訳に加えて、広告のデザインやロゴ、商品のテイストなど、あらゆるプロモーションにおいてローカライズが必要となります。
現地でも受け入れられやすい商品やサービスを開発するのにも、時間と費用を要します。
国別の市場調査
海外進出実施する前には、丁寧な市場調査をあらかじめ実施しておくことも必要です。体感的に需要の存在を確認できても、その需要はその国でどれくらい存在するのか、そもそも長期的なニーズは見込めるのかなど、進出にあたって検証すべき事項は多々あります。
客観的なデータからその国の特徴やマーケットを把握することで、海外進出の確実性を高めることが可能になります。
競合の有無の確認
実際に海外へ進出する前には、競合の有無や、存在する場合にはその強みを確認することも大切です。
将来的にシェアを奪い合う関係にある会社が存在する場合、競合との差別化についての戦略を立てておかなければいけません。
自社で展開していく予定の商品やサービスに競合するものが現地にあるのか、ある場合にはどんな強みを発揮し、どんな課題があるのかを詰めていくことで、競合との差別化を進めていくためのきっかけを得られます。
海外進出に成功するためのポイント
海外進出を成功させるためには、上記の課題を解消するため、以下の3つのポイントをクリアする必要があります。順番に見ていきましょう。
ターゲットとなり得る国を決めておく
まずは、ターゲットとなり得る国にあらかじめあたりをつけてから、海外進出の準備を進めていきましょう。
海外進出とは一言で言っても、国によって人や文化、形成している市場は全く異なるため、一つの国で通用したことが、別の国で通用するとは限りません。
日本で通用したことが別の国では通用しないのと同じく、海外に対する解像度を高めておくことが重要です。
そのため、いくつかの国についてある程度調べておき、候補地の中から一つの国をピックアップし、そこを目掛けて戦略を立てていくことがおすすめです。
一気に複数の国にトライするのではなく、一つずつ進出を実行することで、余計な手続きの増加やリソースの分散をさくことが可能です。
進出先を決める上では、候補の国や地域の事前調査を深めておくことも大切です。自社と相性の良さそうな国を丁寧に選び、一つを決め抜きましょう。
お選びになる国の検討に役立てていただくために、弊社が対応可能な国と施策をまとめた情報が集約された【会社概要・事例集・対応可能な国&施策まとめの3点資料セット】をご活用ください。戦略的な国選びのためのインサイトが満載です。
自社の強みを再確認する
競合との差別化や、外国でいきなり無名の企業が存在感を発揮するためには、自社の強みを武器に戦うことが重要になります。
品質の良さや価格の安さなど、日本と海外では市場の条件が多くなるため、強みの出し方も変わってきます。
日本では通用しなかった強みが、海外や競合の強みの都合から、突如として発揮されることもあります。
こう言ったケースも想定しながら、自社の強みを再確認しておくことが重要です。
また、進出先選びにおいても自社の強みを活かせる国を選ぶことは大切です。自社の強みの確認と候補地選びは同時に行うくらいがちょうど良いでしょう。
丁寧なローカライズを実現する
候補地と戦略が固まったら、次はその国に馴染むためのローカライズを実行する必要があります。ローカライズのアプローチには、言語的なものから文化的なものに至るまで、多岐に渡ります。
日本のブランドでも海外で展開されているものを見ると、商品のルックスやテイストに大きな違いがある場合も見られます。あれもローカライズの一環で、時としては日本でとても馴染みのないような姿形に変えてでも、現地の習慣に馴染むことが求められます。
現地の人たちがどのような商品を求め、それに応えるためにはどんな変更が必要かを考え、ローカライズを進めましょう。
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おわりに
海外進出は、日本市場の縮小が始まっている今日において、重要な取り組みとなっています。海外進出を実現している企業はまだ少ないものの、だからと言って海外に行けば必ず成功できるとも限りません。
自社の強みを生かし、市場のニーズに応えられる国を選び、海外進出を成功へ導きましょう。
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