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台湾のイマドキ女子に現在流行っているSNSと、シーンごとの使い分けをご紹介します。さらにそこから日本企業が活用するべき台湾女子向けのSNSマーケティング方法をお届けします。訪日インバウンド集客、越境 EC 集客に活用できます。
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はじめに
台湾在住の女性と弊社の台湾担当でディスカッションしながら、イマドキの台湾女子のSNS事情を解明していきます。
今回の記事では、台湾人 32 歳 台北在住の陳さん、34 歳 台中在住の林さんの2名に記事の制作に協力してもらいました。
両名共台湾でSNSマーケティングの仕事をしているので、マーケッター目線でのコメントをしてくれました。単に「今のトレンド」ではなく、現地の女子マーケッター目線でのノウハウに満ちた記事なので、今までにない切り口に仕上がっています。
そもそもSNSは「情報取得用」と「連絡用」の2つがあり、それぞれで全く違うものが使われているということが前提としてあげられました。そういう意識は日本でも台湾でも変わらないんですね。本記事では「情報取得用」のSNSにフォーカスをしていきます。
それでは早速見ていきましょう。
台湾ではFacebook。しかし、少しずつ変化も
陳さんと林さんの両名から、「流行っていると言うよりも生活の一部」とコメントがあったのは、やっぱり「Facebook」です。台湾で使われているSNSといえば、真っ先に名前が上がります。
林:私にとって、Facebookは本当に生活の一部。スキマ時間は、Facebook を見て過ごすことが多いですね。日本人は多分理解できないと思うけど、台湾では働きながらスマホをいじってもいいから、仕事中に見たりもする。暇なときはFacebookを見ます。色んなSNSがあるけど、やっぱりちゃんと定着してるのはFacebookですね。
陳:私もそう。離れて暮らしているお母さんとお父さんの近況もわかる。家族とか親戚のコミュニケーションの場としても使ってます。両親が行きたい場所が SNS で流れてたりします。友達の近況とか、どこに旅行に行ったとか参考にしますね。写真を見て、「いいな」って思ったりとか。
ただしFacebookも、最近は使い方に変化が起こっているようです。
陳:最近、タイムラインで流れる情報が変わり、動画のシェアが多くなった印象がありますね。
林:私もそれは感じています。有名なブロガーさんも動画を多用してます。ブロガーさんといえば、ライブ動画も増えてきてますね。これは、台湾人のニーズに合わせている。今後はますます動画が発展していきそうだなって思います。
ただ、この風潮には問題もあると話す陳さん。台湾のSNS事情とはちょっと論点がズレますが、本質的な意見だと思うので書いておきます。
陳:確かにFacebook上の拡散だけで見ると動画の方がシェアされやすくなっているし、Facebook上のリーチも上がりやすいです。けど、検索エンジンマーケティングの観点からいうと、ブログが絶対に重要なんです。台湾人は「知りたいこと」を検索エンジンで調べ、検索結果に出てきたブログを見て意思決定をします。ブログに比べて動画では意思決定をしにくいんです。それは昔からあまり変わっていません。
ただし、SNS + 動画 あるいはYoutube(ユーチューブ)の力も見過ごすことはできません。多くの人に見られたい場合は有効だと思います。
台湾人向けに何かをしたい企業さんは、「今自社はどの位置にいて、どういう結果を得るべきなのか」というところで媒体を選ばれるといいと思いますね。
Instagram(インスタグラム)は、検索エンジンとECを大きく変えるか?
次に二人があげたのは「Instagram(インスタグラム)」です。
陳:Instagramも伸びてきてますね。やっぱり台湾人は写真を撮るのも見るのも好きですから。もともと台湾人はFacebook上でも写真をシェアすることに価値を見出していた人が多いので、Instagramが流行るのは当たり前だなって思います。
林:私は最近、Instagramで調べ物をすることが多いです。例えば先月山梨県の富士急リゾートに行ったんですけど、3日目の予定を何も考えてなくて。
とりあえず湖をオススメされましたが、あの辺りってたくさん湖がありますよね?どこに行けばいいのかわからなくて。そこで、Instagram の「検索」と「#(ハッシュタグ)」を使って、どの湖に、どんな写真が上げられているのかを調べました。結果的に富士山がすごくきれいだったのと、アップされている写真の枚数が多かったので、河口湖を選びました。
では、全く検索をしなくなったのかと言うと、どうやらそういうわけでもないみたいです。
林:検索エンジンでの調べ物は、主に日本に来る前の計画段階で多用します。落ち着いてゆっくり調べられますから。ただ、旅行先で素早く意思決定をしなければならない時とか、すぐに結果を見たいときはInstagramを使うようになったってだけですね。質問されて気づきましたが、同じ情報収集でも、こんなふうに使い分けてます。
ちなみに、Instagramの情報を見てモノを購入したくなったりとかしますか?
陳:あ、これいいな!って思うことは多いです。けど、そこからすぐに意思決定は絶対にしないです。Instagram は写真写りをよく見せることができますし、台湾人はよ〜〜〜く、そのことを理解しています。なのでいいなと思ったら、すぐに検索エンジンでその商品を調べますね。その検索結果にどんなブログがあるのかとか、公式情報を見たりして、もしECページがあれば買います。Instagram上だけで意思決定するのは難しいんじゃないかな?
林:私も同意見です。けど、このままInstagramが定着していけばInstagram上だけで意思決定する人は多くなるかもしれないですね。ただし、少なくとも私はちょっと怖いかな。
日本人がテレビを見る感覚に近い台湾のYoutube(ユーチューブ)事情
林:あんまりSNSって感覚はないんだけど、Youtube(ユーチューブ)も生活に定着してます。台湾では 50 歳のおじさんがYoutubeで動画を見てたりしますね。うちの両親も、夜はテレビをつけながらYoutubeを見てます。特にうちの母は暇さえあればYoutubeにどっぷりです。台湾のTVはチャンネルが多いし、面白いなって感じる番組が少ないので、TVをじっくり見る習慣がありません。そういう意味では日本人がテレビを見るような感覚でYoutubeを見ているように感じますね。
陳:私はYoutubeを見るのは、自分の趣味に活かすためですね。私は一時期着物にはまったことがあり、自分で着物を着れるようになりたかった。そこで活用したのがYoutubeです。日本人が紹介している着物紹介の動画とかを何度も見て、着れるようにまでなりました。
完全にYoutubeのおかげです。ほかにもうちの両親は観光の動画とかを見るのが好きですね。
林:確かに。うちの母もそうです。たぶん日本の自治体が作ったプロモーションの動画だと思うんだけど、景色も綺麗だし、行ってみたいなって気になる。最近は政府が作った動画も、レベルの高い動画が多くて、見てて楽しいです。ほかにもいわゆる「ユーチューバー」さんが作った観光の動画も見るのが楽しいです。
SNSと言うよりもTVとか教材としてYoutubeを使うんですね。こんなに観光情報が見られているとわかると、日本の自治体さんも作りがいがありますね。
林:けど、認識してほしいこともあります。これはFacebookのときに話をした内容と同じで、単にYoutubeで動画を見ただけでは「よし行こう」って決めて行動に移せない。実際に行く気がある人は、検索エンジンでの検索 を行います。この検索エンジンでの検索で、口コミの記事とそこにアクセスするための予約サイトがうまく見つかれば意思決定に至ることが多いです。
けど、口コミの記事と予約サイトだけではいつまでたっても台湾人が訪れることもない。なぜなら知られてないから。この二つの施策をうまくミックスしていくことが、観光地に台湾人を呼ぶために重要かもしれませんね。
その他のSNS
日本では Twitter(ツイッター)が使われてますが、台湾はいかがでしょうか?
林:台湾ではTwitterがほとんど使われていません。私も使ってません。たぶん今後も流行ることはないでしょうね。
陳:林さんに同じく。それと、日本人にはよく勘違いされがちなんですが、Weibo(ウェイボー)やWechat(ウィチャット)も、あまり台湾では使われてませんよ。ただ、Twitterよりは見られているんじゃないかな?人によっては中国人の友達がいたりしますから。
林:私はむしろ、What’ up(ワッツアップ)を使いますね。オーストラリアの友人が多いので。ただし、少数派なのは自分でも自覚しています。
人により、様々な SNS を使いこなしているんですね。勉強になりました。
では、それぞれの SNS の使い分けはどうされてますか?
陳:特に意識したことないけど、Youtubeは動画を見る専門、写真を投稿するのはFacebookとInstagram で、暇つぶしはFacebook・・・こんな感じかもしれません。
林:陳さんが迷われるの、すごいわかります。Facebook と Instagram の使い方の違いがあんまりないかもしれません。両方とも投稿するものであることはまちがいないけど、その使い方に違いはないかも。ただ、Instagramの方が気軽に投稿できてる。文章がないからかな?
陳:確かに。ただ、Facebookの方がみんなに知ってほしいこととかを「シェア」する場所かも。確かに、Instagram って情報が拡散されない。もっとプライベートな印象がある。
お二人の話は、大変興味深いです。
ここまでの話から見えてきた台湾人の「カスタマージャーニー」
ここまで陳さんと林さんに協力してもらい、台湾でのSNSの使い方、見られ方、使い分け方を洗い出してきました。そこで、今までの話を活かし、台湾向けの SNS を使ったマーケティング手法をまとめました。
・台湾人向けに拡散させたい場合のSNSチャネルは「Youtube」の動画を、「Facebook」で拡散が正解。
・「Instagram」は、「# (ハッシュタグ)」、「チェックイン」を促し、「検索結果」を作っていくことが正解。
SNSマーケティングのうち,認知力、拡散力、お手軽度を比較すると
【認知力】
Youtube>Facebook>Instagram
【拡散力】
Youtube>Facebook>Instagram
【お手軽度】
Instagram>Facebook>Youtube
に分かれており、手軽に着手するることが可能なInstagramの活用が拡大していく見込みです。これは、日本に比べて台湾人はもともとFacebook上で写真によるシェアが活発でinstagramへの親和性が高かったため起きた現象です。
これから台湾向けに SNS マーケティングを取り入れようとされている企業様、自治体 様は多いと思います。ぜひ自社が何に力を入れていくべきで、今どういう状態かを判断した上でSNSを活用してみてください!
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この記事を書いた人
取締役
高橋 佑輔
経済産業省で約6年間勤務し、退官後株式会社LIFE PEPPERに参画。
LIFE PEPPERでは、台湾・韓国人向けの新規サービス開発とチームマネジメントを行う。アジア全般のインフルエンサー、ブロガー広告サービスに精通し、複数の日本企業の海外進出・インバウンド戦略に関わる。妻が台湾人の人気ブロガーであり、実際に台湾現地の最前線でインフルエンサーマーケティングを学び、新たなマーケティング戦略に反映。”その国の国民性”に着目したプロモーション企画で唯一無二の価値を提供している。
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