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こんにちは、LIFE PEPPERの都所です。
この記事は海外グローバルマーケティングを提供するLIFE PEPPERが運営する自社サービス「日本恋box(台湾向けお菓子のサブスクリプションボックス)」のマーケティングを内側から赤裸々告白するブログです。
現在、いつもはお客さんのマーケティングお手伝いをしている台湾マーケティングのチームで、恋boxのマーケティングを頑張っています。
この恋boxの赤裸々マーケシリーズでは、「海外マーケティング 成功事例」だとか「施策提案に来た営業マンからは聞けない」ような、マーケティングの話を書いていきます。
まずは成果紹介。高額ボックスが購入される確率が2倍になりました。
恋ボックスでは、699台湾ドルと499台湾ドルの2つの価格帯で、日本のお菓子詰め合わせボックスを販売しています。
もちろん運営側としては、699台湾ドルボックスを買って欲しいのですが、、、台湾に行ったことがある人なら分かるもしれません。
この金額、高いです。
10個入りと7個入りというような違いなのですが、10個入りの699ボックスは、現地のタピオカミルクティー換算だと、およそ14杯分の金額です。
今年話題のゴンチャ(日本の女子に最近流行っている)が、14杯と考えると大体7200円くらいになります。
台湾の方の感覚値はそんな感じです。
実際にレート換算すると2,800円くらいなのですが、あくまでも食べ物やお菓子に使う金額としては、高いという印象を受けます。
じゃあどうやって、コンバージョン率を2倍まであげられたの?
答えは簡単です。
「安い方を買ったら損をしてる気分、安っぽいことをしてる気分」を感じるサイト構造にしました。
こうやってテキストにすると、イヤな奴みたいに聞こえるかもしれません笑
ただ、これはマーケティング手法としてかなり一般的に使われている考え方です。
こちらをご覧ください。
これが恋ボックスを「購入する直前で表示されるページ」です。
中国語だから分かりづらいかも知れませんが、ここに3つの工夫が詰め込まれており、この3つの工夫でコンバージョン率は上昇しました。
1.ボックスの名前で格差をつける。
以前は「ベーシック」「バラエティー」という名前を使っており、どちらを選んでも、損をしたり得をしているという気分はありませんでした。
しかし、リニューアルと同時にボックスの名前も「豪華ボックス」「基本ボックス」という風に変更し、いかにも豪華ボックスを選ぶ事を良しとするような空気感作りを行いました。
2.基本ボックスの中身は、豪華ボックスに比べて劣るんだ。と思わせる変更。
こちらをご覧ください。豪華ボックスを選択すると表示される「中身やサービス紹介」です。
上から
日本のお菓子10〜13種
恋ちゃんオススメ2種
超人気アニメお菓子1種
テーマのお菓子2種
特選お菓子2種
クッキー2種
グミ1種
飴1種
配送料無料
恋ちゃんの手書きラブレター初月のみ
となっています。
たくさんお菓子がもらえそうで、かつ送料無料というフルパッケージですね。
一方こちらは、基本ボックスの「中身とサービス内容」です。
基本ボックスのボタンを押した瞬間に、「豪華ボックスで表示されていた項目を軸」として「差分となる項目=基本ボックスには入っていない項目」に、×印が付き、色が薄くなります。
こう表示されることで、比較しているものは以前と同じですが、感覚的に「豪華ボックスを買わないのは損」という気持ちを抱きやすくなります。
3.選んでもらいたい豪華ボックスは、最初から表示する。
このページに訪れた時の初期選択は、豪華ボックスになっています。
こうすることによって、基本ボックスの中身を知りたい人は、上で紹介したようなフローを確実に踏むことになります。
また、それ以外の可能性(購入ボタンが見つからない、プランの切り替えが見つからない、特に考えずパッと買うなど)に関しても、豪華ボックスを最初に出しておくことにデメリットは少ないだろうと思われます。
以上の3点を実施したことにより、このような成果を得られることができました。
サイトリニューアル前から、サイトリニューアル20日間の高額699ボックスの購入者割合比較
このような施策のおかげで、699台湾ドルのボックスが購入される確率は以前の2倍になりました。
以前のように両者均等に比較する見せ方も可能でしたが、そこを疑ってかかったことによって実現できた効果になります。
これを皆さんのサービスに活かすには?
この施策は、少し抽象的に表現すると「選んでほしいコンバージョンを意図的に選択させる施策」「選んで欲しくないコンバージョンを選ぶハードルを上げる表現」となります。
例えば、Wi-Fiレンタルの運営会社さんであれば、最初から保険加入があるプランや、使用できるデータ数の大きいプランを選択している状態でウェブページを表示させることが考えられます。
さらに、「SNSもできる!使い放題プラン」と「地図表示・緊急時の電話だけでいい方向け!一日〇〇MBプラン」という名前の付け方の変化もできます。
飲食店企業さんもメニュー名、写真の比較、中身の比較で同じようなことができると思います。
このような行動心理をプロスペクト理論と呼びます。もし興味がある方は、海外マーケティングとは関係ない記事ですが、下記の記事に詳しく書いてあります。
https://swingroot.com/prospect-theory/
webサイトの工夫1つでも、これだけ効果の変わってくるものになります。これは事業を回しながら、本気でサービスと向き合ったり、常に今の形を疑い続けることで出てくるアイデアを実験したことによって実現した数字です。
なかなか、こういったマーケティング改善を繰り返せる企業さんは多くないかもしれませんが、「こういった考え方もあるんだ。」と知って頂いて、少しでも事業で気づきがあれば嬉しく思います。
この記事を書いた人
執行役員
都所 遼
LIFE PEPPERで、WEBマーケティングと訪日外国人向けのリサーチ事業を立ち上げ。オウンドメディア運用でのノウハウを元にSEO対策などWebサイトマーケティングを提供している。また、4年以上にもわたる韓国人との関わりをもとに韓国インバウンド事業の中心メンバーとしても活躍している。
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