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株式会社LIFE PEPPER の高橋が、海外マーケティング、訪日インバウンドのキーマンにインタビューを行い、海外へ挑戦する生き方を選んだ背景や、仕事へのこだわり、今後の展望を聞くことで、今後の日本に必要不可欠なグローバル化のヒントを掴むシリーズです。
第一弾のインタビューは、株式会社ナイトレイの山口さん。
山口さんは多様なロケーションビッグデータを用いた独自のサービスを提供しているナイトレイで、データコンサルティングチームの責任者としてご活躍されています。
まずは山口さんの略歴を教えてください
私は 1988 年に生まれ、大学を卒業後に新卒で WEB 業界で働き始めました。
20 代は自分がビジネスの世界で生き延びるようにという思いが強かったです。
個人事業主としてでも生きていけるよう、リスティング広告とかグーグルアナリティクスとか、スキルセットを上げられるようにしました。
30 歳になるタイミングで自分の人生を振り返り、先々のことを考えたとき、自分の力で生きることだけに虚しさを感じました。それで社会の為になることをしたいと考え、転職先を探し始めました。
そこから今の仕事、職種へ転職されたきっかけはなんだったんですか?
実は学生時代、バックパッカーをやっていました。海外だけじゃなくて、国内旅行もたくさんしました。そのときの、海外に行ったときに感じる面白さ、ワクワクを、多くの人にも伝えたいと思ったため、海外という軸で仕事を探し始めました。
そもそも自分は、多くの旅行経験を通じ、日本は東京ではなく地方に行けば行くほど課題があると感じていました。面白いお店なのに、後継者がいないなど。ということで、地方をよくする、元気にするような仕事をしたいなと考えました。
つまり、
❶ 世の中の課題 = 地域の課題解決がしたい = 地方創生がしたい
❷ 海外「旅行」のワクワク
この2つが掛け合わさると、インバウンドというキーワードが浮かび上がりました。
日本人が減っていく中で、海外からお客様が来て、外貨を落としていってもらうという意味でも非常に意義があるなと感じました。
ナイトレイとは Wantedly で出会いました。地方創生 × データ × インバウンド(= 旅行)という興味のある軸の掛け合わせで、自分にぴったりだなと思いました。
山口さんのデータ分析という仕事について教えていただけますか?
ナイトレイでの私の業務及びミッションは、世の中にデータを見るという文化を浸透させることだと思っています。データはあくまで手段という事を伝えていきたいです。
私は、データ分析をメイン業務としてナイトレイで働いています。
しかしデータ分析とは、社内に散らばるデータを揃えることや、データを見て結論を出す人だと多くの方が勘違いをしている。しかしそれは、データ分析の本質ではありません。
私の考えるデータ分析は、まず仮説を立てること。次にそれをデータで検証し、答えを出していく。まさにこの検証のプロセスが、データ分析であり、醍醐味だと思っています。「データを見ないと答えがわからない」は、失敗することが多いです。
最近では大学でもデータ分析に関する授業が行われる様になってきており、それ自体はいいことだと思います。しかし、上述のとおりデータを見る・揃えることが主題になっている気がしており、それは非常に危険です。データを揃えました、ではなんのアウトカムも得られないんです。
なので繰り返しになりますが、データはあくまで手段という事を伝えていきたいです。
ナイトレイとしても、山口さんとしても今力を入れているプロジェクトはなんですか?
ナイトレイはデータを提供するソリューション企業ではあるけれど、それだけで終わらないところが魅力です。地域に入らせていただいて、地域に根付いた動きに力を入れています。
私として、とある県に力を入れています。その県は、実は「食べ物」がめちゃくちゃうまい。何を食べても美味しい。しかしながら、他の地域にその魅力が届いていないことが課題なんです。
自分たちが名産だと思っているものが他に届いていないことを解消したいと、県の方と協力して頑張っています。
話は少し変わり、山口さんが感じた訪日インバウンド市場の魅力とはなんですか?
コロナ前に、「映画」の文脈で北海道の旭川の分析をしていた際の事をよく覚えていて、なぜか旭川の鰻屋さんに、台湾人観光客が集まっていたんです。なんでそのお店に集まるのかをデータを元に調べてみると、とあるグルメドラマのロケ地として使われていることがわかりました。
このことから、日本だけじゃなくて海外の方に人気が出るという目線でのドラマ作りも面白いと思うようになりました。
いわゆるドラマツーリズムですが、日本の文化を映画やドラマという形で再発進することで、その文化が見直されることがあれば面白いのになと思います。
例えば、銭湯を題材にしたドラマ。銭湯という日本が誇る独自の文化なども広まっていってほしい。まずは海外の方にドラマを見ていただきたいですね(笑)
このように、日本の文化、レガシーとも呼べるものが再び訪日外国人により再定義されることが、文化を守ることだと考えており、そのことに使命感を感じています。
私は昔から、失われている物を守りたいと考えることが多い。日本の文化には、非常に多くの人が絡んでいて、「コア」とも呼べる文化がなくなると、人も大きな影響を受ける。
日本の文化を伝えるべきお客様がたくさんいること、それがインバウンド市場の一番の面白さだと感じています。
これからのインバウンド業界への展望を聞かせてください
私には、こうしたいという展望があり、2つの視点で語れます。
1つ目はお金の視点です。日本は少子高齢化による人口減少で、ますます国力が落ちていく。だから日本に来ていただき、海外の方からお金をいただく。外貨の獲得。
これをやらないと、これからの日本はやばいぞという危機感があります。
外国人の方々が日本にお金を落としてもらう文化の醸成にコミットしていきたい。
2つ目は世界平和の視点です。国連で観光は世界平和へのパスポート と言っている方もいましたが、観光は平和産業で、世界が平和だから成り立つものです。
今回は特殊なケースでしたが、新型コロナウィルスの世界的な流行により、世界中で往来が止まった。戦争していたら、旅行客の往来も難しいですよね。
日本に来てくれた人が、日本はいいところだから日本との戦争は良くない、したくないと思ってもらう。このことが観光の持つ最高の力かなと。だから、この視点は持ってなきゃいけないなと考えてます。
これから世界中から日本に訪日外国人観光客が「戻って」来てくれる。そのことが本当に楽しみです。
編集後記
山口さんとは 2019 年にオフィスに訪問させていただいたときからのお付き合いです。大変失礼ながら、山口さんはもっと年上かと思っていたのですが、今回の企画で同い年ということがわかりました。山口さんはいつもロジカルで冷静なお話をされるのですが、話をすればするほど熱く、リアルを愛している方で、感銘を受けました。今回の記事の本編からは分量の関係で省きましたが、離島巡りが趣味とのこと。
今後も山口さんの考え方を起点に適切な分析がされていくことで、日本の魅力が海外の方に伝わりやすくなると確信しています。ありがとうございました。
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