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日韓関係が悪化している昨今、日本を旅行する韓国人の数が著しく減少しています。2019年8月の韓国人旅行者の数は、前年同月比48%減の30万8700人と、ほぼ半分程度になりました。
日本のインバウンドにおける重要な客層であっただけに、2020年、今後の動向が気になる担当者も多いのでは。
このような状況で韓国人客を再び獲得するには、どんな対策が有効なのか。本記事では、訪日韓国人旅行者数の推移や減少の背景、韓国人のホンネ、人気の旅行先などを踏まえたうえで、企業が今やるべきことを解説していきます。
このような厳しい状況においても、適切なマーケティング戦略による韓国人集客は可能です。さらに詳しい対策や事例を知りたい方は、ぜひ当社の厳選された事例集を含む【会社概要・対応可能な国&施策まとめの3点資料セット】をダウンロードしてご覧ください。
難しい現状において、韓国人集客の方針を立てるきっかけにしていただければと思います。
韓国人の日本旅行者数が激減!2019年をおさらい
まずは前提知識として、訪日韓国人旅行者数の推移と、減少の背景を確認しておきましょう。
2019年 訪日韓国人旅行者数の推移
日韓の関係が悪くなる前、2018年の訪日韓国人客数は753.9万人でした。同年の訪日外国人総数の1/5以上であり、大きな割合を占めていたことがわかります。
しかし、日韓関係が本格的に悪化した2019年7月は、前年同月比7.6%減の56.1万人に。これ以降、8月は48%減の30万人、9月は58%減の20.1万人、10月は65.5%減の19.7万人、11月は65.1%減の20.5万人、12月は63.6%減の24.8万人と、どんどん減少していきました。(*)
最終的に、2019年全体の訪日韓国人客数は、前年比25.8%減の558万4600人となりました。大幅に落ち込んでいるのが分かりますね。
*:国籍/月別 訪日外客数(2003年~2019年)┃JNTO
韓国人客減少の背景〜ボイコットジャパンの原因〜
2019年に訪日韓国人旅行者数が減少した原因は、日本政府と韓国政府の関係悪化です。
具体的には、2019年7月1日、日本政府が韓国への輸出要項の厳格化を公表したことが、一つのターニングポイントになります。韓国の徴用工裁判の結果を受けて、日本政府が報復措置として実施したという見解もあり、これにより日韓関係が決定的にこじれました。
すると、韓国国民の間でも日本への嫌悪感が高まり、日本製品の不買運動が起こったのです。そして、日本への旅行を避けることにも繋がりました。
2020年はどうなる?韓国人の日本旅行
2020年も、訪日韓国人数は前年同様の低調な状態を維持するのでしょうか。見通しを詳しく解説していきます。
訪日韓国人旅行者 今後の見通し
2020年の訪日韓国人旅行者数は、若干の回復が期待できるという意見が見られます。時間経過や情勢変化により、日韓の関係修繕が見込めるからです。
背後にいるのはアメリカ。地政学上、日本と韓国はアメリカにとって重要な同盟国であり、両国の現状は看過できるものではありません。アメリカは政府高官を派遣して日韓の関係修繕に尽力しており、その効果は早晩表れるのではないかと言われています。
また、2020年の東京オリンピックも、回復の要因に挙げられます。(…と思いきや、2020年2月現在流行している新型コロナウイルスの影響により、日韓関係とは別のところで暗雲が立ち込めてきました)
確実な見通しは立てられませんが、日韓関係は、厳しい状況の底は脱した可能性が高いのです。
「本当は行きたいけど…」見え隠れする韓国人のホンネ
韓国人が日本への旅行を避ける理由の1つに、同調圧力があります。
今回の韓国での不買運動は、参加率70%超の、今までにない規模です。SNSによって高速で大量の人にメッセージが伝播し、加速度的に運動が大きくなったからです。
このような状況では、日本へ旅行したのがバレたら、親日派と見なされ社会的制裁を受けかねません。
そのため、心情的に特定の偏りを持ち合わせていない人も表面上は反日を謳い、日本への旅行を見合わせている側面もあるのです。
参照:私たちが一番の被害者…「SNS日本不買運動」に苦しむ韓国の親日家たち┃FNNPRIME
韓国人に人気の旅行先はどこ?”ウケるポイント”を見極めよう
厳しい中でも韓国人旅行者を獲得するために、まずは韓国人に人気の旅行先を把握しましょう。何がウケているのかを知る参考にどうぞ。
今回は、平成28年に観光庁が発表した「訪日韓国人観光客の詳細分析 ―20代以下の若者に着目して―」を参考にします。訪日韓国人は20代以下が大きく数を伸ばしており、彼らを取り込めれば、長年の継続的なリピートにまで繋げられるからです。
大阪府:20代以下の約半数が訪問
大阪府には、20代以下の韓国人の約半数が訪問しています。
そして、同年代の女性の17.6%がユニバーサルスタジオジャパンを訪れており、二位の難波に8.7%の差をつける結果に。
平成25年以降「今回したこと」における「テーマパーク」の選択率が大きく伸びていることから、USJを有する大阪の訪問率が高くなっていると考えられます。
東京都:新宿や渋谷が人気
東京都は20代以下の訪問率が大阪に次いで高く、中でも新宿や渋谷を訪れる人が目立ちます。
理由は、この層の訪日目的TOP3である「グルメ・ショッピング・繁華街散策」の3つ全てができるエリアだから。
また、男性は秋葉原への訪問率も高く、「マンガ・アニメ・キャラクター関連商品」の購入が目的と推測されます。
福岡県:リピーターの訪問率が高い
福岡県は、訪日リピーターであればあるほど、訪問率が高くなっています。リピーターは地方に興味を持つ傾向にあり、韓国人は地方の中で距離が近い福岡をよく選ぶのです。
同県はキャナルシティ博多や天神屋台などのショッピング・グルメスポットを多数有しています。観光を楽しむ場所が充実しているのも、訪問される理由と言えるでしょう。
市場の変化に強い戦略を実現するためには、過去の成功事例を活かすことが重要です。私たちがこれまで支援してきたプロジェクトには、多くの学びがあります。これらの事例をはじめ、弊社の対応可能な国と施策の詳細については、こちらの【会社概要・事例集・対応可能な国&施策まとめの3点資料セット】からご覧いただけます。
やっておきたい韓国人向けインバウンド対策
ここでは、訪問者数の多い20代以下の韓国人に好まれる集客施策をご紹介します。
同国の若年層は、「NAVER」のような韓国発のWebサービスで情報収集する傾向にあるため、この行動に適応した対策が必要不可欠です。(*)
では、具体的にどんな施策があるか見ていきましょう。
*:インバウンド 市場動向 2018 【第2回】韓国人旅行者の旅マエ行動 (旅行の決め手/情報収集/予約)┃JTB
NAVERブログ:韓国人の旅行情報源No.1
1つめはNAVERブログ。NAVERブログとは、韓国の検索ポータルサイト「NAVER」が提供するブログサービスです。
旅行の情報収集において、韓国人に最もよく使われるのがNAVER。そのNAVERの中でも、ブログは特に利用されています(*1)。また、韓国人が答えた「役に立った旅行情報源」の1位はブログです(*2)。
同国最大規模の見込み客がいる場所へメッセージを流せますから、使わない手はありません。日本からでも登録できますので、ぜひチャレンジしてみてください。
*1:韓国からの訪日旅行に関する調査研究2017┃JCB
*2:2018 年における訪日外国人の消費動向 【国籍・地域別】┃国土交通省 観光庁
SNS:カカオトークやインスタが人気
二つ目はSNSです。ブログに並ぶ旅行情報源として、韓国ではSNSも広く活用されています。中でも人気なのが、カカオトークやフェイスブック、インスタです。
カカオトークは、韓国のネットユーザーの83%に利用される、同国トップシェアのSNS。LINEのような使い心地で、メッセージのやり取りや通話ができます。
世界最大のSNS・フェイスブックは、韓国でも61%の高い利用率を誇ります。韓国向け特化にせずとも、インバウンド用の広いアカウントとして運用するところから始めるのも手ですね。
若年層に人気のインスタは韓国でも人気で、利用率が46%にのぼります。画像がメインのため、言葉の壁を取り払いやすいのが活用のメリットです。
情報の拡散性に優れ、ユーザーが気軽に問い合わせしやすく、また旅行前・旅行中に関わらず数多くの人々に利用されるSNSは、今や誘致施策に欠かせない存在です。NAVERブログと共に、ぜひ取り組んでみてください。
SNSのデータ参照:DIGITAL 2019: SOUTH KOREA┃We Are Social
まとめ
今回は、「2020年に韓国人旅行者を取り戻すには?」をテーマに解説しました。
最終的な韓国市場の攻略策として、ご紹介したようなインバウンド対策を踏まえることが大切です。詳細な戦略や事例について知りたい方は、当社の完全ガイドをまとめた【会社概要・事例集・対応可能な国&施策まとめの3点資料セット】をぜひダウンロードしてご活用ください。
日本政府と韓国政府の関係悪化に端を発した、訪日韓国人数の著しい減少。まだまだ厳しい状況ですが、関係修復や東京オリンピックなどにより、少しずつ回復の兆しも見えてきています。
彼らの誘致には、やはりWeb対策が欠かせません。まだ取り組まれていないのであれば、今からでも全く遅くなどないので、ぜひとも始めてください。
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