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台湾進出のメリットは?知っておくべき課題や成功のポイントをご紹介

海外進出を志す企業の多くが、初めての進出地としてよく候補に挙げているのが台湾です。

日本からも地理的に近く、親日家が多いということで選ばれやすい台湾ですが、他には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

今回は台湾の進出を検討している方に向けて、台湾進出のメリットや、気をつけておくべき注意点、そして台湾進出成功のためのポイントをご紹介します。

台湾の市場規模について

まずは、台湾の市場規模について見ていきましょう。台湾進出の方法の中で、最もポピュラー手段が越境ECです。

台湾におけるオンラインショッピングの市場は、年々拡大傾向にあります。2015年は11.6兆円だった台湾におけるEC市場規模は、2018年には約14.7兆円にまで成長を遂げており、依然として右肩上がりの増加率を維持し続けています。

参考:訪日ラボ「市場規模14兆円の台湾EC:最新版人気ECランキング、進出を検討する上で知っておきたい基礎知識」
https://honichi.com/news/2020/10/31/taiwanec/#taiwanec-2-2

また、2020年は新型コロナウイルスの影響により、国外旅行や直接店舗での購入が激減し、その反動でECを通じたオンラインショッピングが世界的に増加した年でもありました。

台湾から日本に訪れる観光客も激減した一方、日本の製品を購入したいという需要がそれで途絶えたわけではありません。越境ECを台湾向けに展開することで、彼らの需要を満たすことができるでしょう。

2021年以降も、ECで商品を購入する文化が定着したことで、継続的に高いEC利用率が維持されると考えられます。これからの需要増大に向けて、早いうちから進出しておいて損はないでしょう。

台湾進出のメリット

台湾に事業を展開することによって、様々なメリットが期待できます。ここで主な強みを確認しておきましょう。

海外進出のハードルが低い

台湾進出のメリットは、なんと言っても海外進出のハードルが低いことが挙げられます。東南アジアや欧米に比べて距離が近く、人やモノの移動がしやすいので、迅速な進出を実現できます。
移動に伴うコストは他の地域に比べて安く抑えられるので、物流などのコストを抑えて海外展開したい方におすすめの地域です。

また、すでに多くの日本企業が台湾には進出しているため、日本企業向けのサービスや、土壌が整っていることも強みです。これまで日本企業が全く進出したことのない場所では先行事例に従うことができず苦労も増えてしまいますが、台湾であれば事例も豊富なので、失敗のリスクを小さくすることが可能です。

また、台湾は親日的な国と文化を持っているため、日本企業やサービス、商品に対する印象も良いケースがほとんどです。すでに日本製の商品が生活に馴染んでいるケースも豊富で、警戒心を解きほぐすところから始めなくて良いのはアドバンテージです。

交通インフラが整っている

台湾は日本よりも小さい島国でありながら、経済的に発展し、隅々までインフラが行き届いているのも強みです。

そのため、モノや人の流れが滞ってしまったり、通信環境が阻害され、現地と日本でコミュニケーションが取れなくなってしまうリスクも小さい国です。

開発の進んでいない国に進出するのはチャンスも大きいぶん、こう言った困難を乗り越える必要がありますが、台湾ではそのような負担が小さい点は強みです。

飛行機も定期便が飛び、人や物資も予定通りに行き交わせられるので、日本国内でのビジネス同様、予定通りの進捗管理が実現します。

中国などのより大きな市場の足がかりになる

海外進出は1カ国ずつ進めるのがセオリーですが、今後複数の国に向けた進出を考えている場合でも、台湾を初めの第一歩にするのは良い選択肢だと言えます。

特に、今後中国本土や香港への進出を考えている場合には、台湾での進出経験が大いに役立ちます。言語や人種、生活など、文化的に近しい関係にある台湾と中国では、多少の制度の違いなどはあるものの、全く別の国として考える必要がないのが特徴です。

台湾での経験を生かし、中国向けに戦略を最適化させることで、香港や中国本土におけるビジネス進出を成功に導くことができます。

中国はマーケットが大きいためチャンスも無限大ですが、その分競合の進出も激しく、世界中の企業とシェアを競わなければならないケースもあります。

このような世界に身を投じる前に、台湾で様子見をするというのは悪くない手段です。

台湾進出の課題

このように、台湾進出には様々なメリットが期待できる一方、あらかじめ注意しておくべき課題も存在します。以下、3つの課題を確認しておきましょう。

市場成長に限界がある

まず、台湾は非常に小さな島国であるため、市場の成長には限界があります。市場規模の大きさは、それを形成する人口や国土面積にも大きく依存するため、高度に発展し、開発が行き届いている現在の台湾では、その成長力が近い将来限界に差し掛かってしまう可能性も考えられます。

そのため、10年先、20年先の台湾の右肩上がりの成長に期待するということはやや考えにくいため、ビジネスの展開方法や見通しについてはその点を考慮したものであることが求められます。

中国や東南アジアは、台湾とは異なり未だ高い成長余力を残しています。それゆえ多くの企業や投資家から注目を集めているのですが、台湾はこの点ではこれらの国とは劣る点に気をつけましょう。

ただ、小規模に事業を海外で展開したい、台湾向けの良いビジネスアイデアがある、中国進出の足がかりにしたいという場合には、有効なアプローチであることには変わりません。

市場に全く未来がないというわけでもなく、あくまで他の成長力のある地域と比較した場合の話なので、これが理由で台湾進出を諦めるのは少し早計とも言えるでしょう。

市場調査を丁寧に行う必要がある

台湾進出においては、市場調査を丁寧に実施することが重要です。最新のトレンドや消費動向は変わりやすいため、リアルタイムでリサーチを続ける必要があります。

インターネットやITの活用が盛んなので、ある日突然特定のコンテンツが人気を博すこともあります。

こう言った日々の変化を詳細にとらえるためには、こまめなリサーチや現地の声を継続的に集められる仕組みが不可欠です。

現地調査を行える環境を整備し、市場の繊細な変化にキャッチアップできるようにしましょう。

中国との差別化は必要

台湾と中国は近しい文化圏を共有していますが、海外進出を検討する上では別の地域として捉える視座が大切です。

両国の違いとして、まず大きいのがインターネット環境の差です。台湾は日本とほぼ変わらないネット環境を有していますが、中国ではグレートファイアウォールが構築され、現地のネット環境は独自の発展を遂げています。

そのため、越境ECなどのネットを利用したビジネスを検討している場合には中国に特化した戦略が求められるので、台湾でのノウハウが通用しないケースもあることに注意しましょう。

中国向けにビジネスを展開するためには、中国法人の設立や、現地法人とのコミュニケーションも重要になります。中国進出における現地コネクションの重要性は非常に高く、台湾でのネットワークが役に立たない場合もあるため、気をつけましょう。

台湾進出成功のポイント

このような台湾進出における課題を踏まえ、現地でビジネスを成功させるためのポイントについても確認しておきましょう。

丁寧なローカライズを行う

台湾進出において重要なのは、丁寧なローカライズを実現することです。台湾は中国と異なり、日本語が通じる人も多い一方で、やはり公用語である中国語・台湾語へのローカライズは欠かせません。

台湾では中国本土で話されている中国語だけでなく、台湾の方言を基調とした台湾語の使用も顕著です。すでに中国むけにビジネスを展開していて、中国語に翻訳した広告などをそのまま使いたい場合には、それらの言い回しが通用しない場合があります。

こう言ったケースを回避するためにも、事前にネイティブによるチェックや修正を行うことが大切です。

また、中国と台湾では消費者の趣向も異なるので、中国向けのコピーやマーケティングが通用しない場合もあります。ローカライズにおいては、現地の人々に受け入れられやすいコピーやデザインを採用するなど、高い解像度を持った現地へのすり合わせが求められます。

台湾に詳しい人材が自社にいない場合には、新たにネイティブのスタッフを採用したり、海外コンサルティングを利用することをお勧めします。

台湾進出後のプランにも目を向ける

台湾進出をきっかけに、他の地域への海外展開を始めたいと考える人は少なくありません。台湾市場を海外ビジネスの感覚を掴むための場と考える場合、その後の進出プランについても固めておくことが大切です。

特に中国向けの展開を考えている場合には、台湾の市場の傾向を掴みながら、中国や香港との違いも分析しておく必要があります。
日本企業にも台湾、中国の両方に進出しているところは多くあるため、こう言った企業の分析を進めるのも有効です。

おわりに

台湾では毎年市場規模が拡大しており、様々な商品やサービスにおいて、日本企業の参入の余地があります。

初めての海外進出先としても優れた条件が整っているため、有利な環境を最大限活用できるよう、備えておきましょう。

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