目次
日本の抱える人口減少という社会問題からもわかるように、今後日本のマーケットは年々縮小していくと言われています。
そこで販路拡大や新規顧客の獲得に向けて、海外進出を検討する企業が増えています。
中でも経済成長が著しく、地理的に日本とも距離の近いアジア諸国は、日本企業の進出先として有力候補であると言えます。
日本企業によるアジア進出の成功事例があるように、アジア進出は近年重要視されています。
しかし、アジア進出を検討する際は気をつけなければならないこともいくつかあります。
今回の記事では、アジア進出が重要視される理由だけでなく、成功ポイントや進出前に準備しておきたいことなど、具体的にご紹介していきます。
海外進出の重要性
現在、グローバル化に伴い多くの日本企業が海外進出を果たしています。
日本企業が海外進出を検討する理由はいくつかありますが、市場の大きさなど日本が抱える将来的な問題も要因となっています。
他にも、インターネットの発達によりあらゆるサービスがグローバル化した結果、自社サービスの海外展開が容易になったという点も要因として挙げられます。
このように、売り上げを伸ばし続け持続的な企業経営を可能にするためには、海外進出を視野に入れる必要があります。
世界にはあらゆる国・地域がある中で、アジア進出に着目するとどのようなメリットがあるのか、続いてご紹介していきます。
アジア進出の背景
日本企業のアジア進出が重要視される理由として、主に3つご紹介します。
国内市場の縮小
まず1つ目に、国内市場の縮小です。
日本は現在、少子高齢化で人口が年々減少しています。
総務省によると、2021年12月時点で1億2547万人いる日本の総人口は、2050年に9515万人にまで減少すると言われています。
人口の減少は消費量の減少を示すため、喫緊の課題としては日本市場の縮小があると言えます。
ところが、アジアの国々の人口は年々増加しています。
人口が多い分マーケットが大きいため、広く販路拡大が可能となります。
広くアプローチできることで自社ブランドや製品の認知度を高め、商品購入に繋げることができます。
参考:総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html
https://www.soumu.go.jp/main_content/000273900.pdf
日本の文化が馴染みやすい
2つ目に、日本の文化が馴染みやすいということです。
企業の海外進出において、現地の商習慣を把握しその地域に合ったサービス展開やマーケティングを行うことがとても重要となります。
日本と同じアジア圏に属する地域は、地理的に日本と近いため文化や生活習慣、宗教など日本と似ている点が多くあります。
そのため、日本国内で行われているマーケティング戦略であってもアジア地域に比較的馴染みやすく、ローカライズの手間が少なくなります。
また、新日国家が多いのもアジア諸国ならではと言えます。
例えばマレーシアでは、日本語を話せる人が多く日本人特有のビジネスマナーを心得ている人も多くいます。
他にもフィリピンやベトナムなど、多くのアジアの国々が日本に対して好感を持っています。
日本への好感は、日本企業の製品やサービスへの好感や信頼に直接繋がっていきます。
そのため、既に日本に対して好印象を持っているという事実はアジア進出にとってプラスとなるでしょう。
経済成長を遂げる地域が多い
3つ目に、アジア圏には経済成長を遂げる地域が多いということです。
アジアと聞くと、中国を筆頭に経済成長が活発な国をいくつか思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
特に近年、タイやシンガポールを含む東南アジアの地域では経済成長が著しく、新型コロナウイルス流行後も経済成長し続けている国が多くあります。
他にも、ラオスなど経済やITの分野で著しい成長を遂げる開発途上国が多くあります。
日本企業にとってメリットとなる点は安定的な経済成長だけではありません。
例えば、 今後インフラ整備が拡大していく中、交通インフラ、通信インフラ、エネルギーインフラ、特別経済区といった整備が各国政府主導で計画されていきます。
これら一つひとつが日本企業にとって大きなビジネスチャンスであり、アジア圏に進出する魅力と言えます。
今後、日本マーケットの縮小という厳しい現状は残念ながら変わることがありません。
しかし周辺のアジア地域に目を向けることで、年々拡大するアジアマーケットに広くアプローチすることが可能となります。
アジア進出のメリット
続いて、アジア進出のメリットについてご紹介します。
年々アジア地域のマーケットが拡大している
1つ目のメリットは、年々アジア地域のマーケットが拡大しているという点です。
先述したように、アジア圏の経済は著しい高成長を遂げており、年々市場が拡大しています。
例えば東南アジア地域のASEANでは、名目GDPが10年間で2倍以上になるなど、経済成長の著しさが伺えます。
総人口についても、6億5千万人と日本の約5倍もの人口を抱えています。
また一部の国だけでなく全体として、実質GDP成長率は安定的な成長を維持しています。
そのため、日本国内でマーケティングを事業拡大を検討するよりも、アジア進出をすることで販路拡大や認知度向上の可能性が高まると言えるでしょう。
参考:外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/asean/page25_001325.html
人件費の安さ
2つ目のメリットは、人件費の安さです。
日本と比較し多くのアジアの国々では人件費が安く設定されています。
そのため、安価な事業コストであっても価値の高いビジネスが展開しやすいと言えるでしょう。
しかし、海外展開を行う日本企業は年々増加しており、加えてアジア圏の国々では賃金上昇が活発に行われています。
賃金上昇のペースは国によって異なりますが、近年賃金がどの国でも上がっていることは間違いありません。
今後も賃金水準は高まっていくと考えられるため、賃金の動向も掴みながらアジア進出に最適なタイミングを逃さないよう気をつけましょう。
また、現地に店舗を構え現地スタッフを多く雇う場合は、スタッフの育成にも注意が必要です。
例えば賃金水準の低さをメリットとしてある特定の地域をターゲット国としたとしましょう。
事業展開前には事業コストを抑えつつ、収益を上げられると予測していたとしても、賃金が低い分スタッフの教育水準も低く、スタッフ育成にかなりの時間と労力がかかってしまうといったデメリットもあるでしょう。
このように、人件費の安さのみでターゲット国を絞るのはリスクも伴うため、様々な観点を総合的に見て自社に合ったターゲット国を検討しましょう。
親日国の多さ
3つ目に、親日国の多さです。
アジア圏には親日国が多く存在し、多くの人にとって日本の製品には安心感や信頼感があると言えます。
そのためアジア進出をする際に、日本ブランドであるという点も競合との差別化に繋がるでしょう。
またアジアの人々が親日である要因は、技術面や製品のクオリティに対する評価の高さだけではありません。
日本の文化そのものに憧れを抱き、好感を持つ人も多く存在します。
もちろん多くの日本企業が進出する中で、日本ブランドであるという点のみで他社と差別化を図ることは難しいです。
しかし、親日国の多いアジア圏では自社のことを知ってもらう認知の段階で、日本企業であるということは大きなアドバンテージとなるでしょう。
言語の障壁が低い
4つ目に、言語の障壁が低いということです。
先述したように、日本語が通じる新日国家もあるほどなので、欧州圏など他の地域に比べてコミュニケーションが苦労に繋がることは少ないでしょう。
ちなみにASEAN地域などの国々では、他の非英語圏の国と比べてビジネス層がある程度高い英語力を有しています。
そのため、英語を通じてビジネスに関するコミュニケーションを行う事が可能となっています。
このように、多くの地域で英語を共通語として言語の壁を乗り越える事ができるため、アジア進出は他の地域よりもハードルが低いと言えるでしょう。
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アジア進出成功のポイントとは?
続いて、アジア進出成功のポイントについてご紹介します。
ローカライズを意識した戦略立て
1つ目は、ローカライズを意識した戦略立てです。
まずはターゲット地域の言語や文化を把握しましょう。
アジア圏の国々をターゲットにする場合であっても、日本とは異なる点が多い可能性があります。
そして宗教や生活習慣などの文化背景が違えば、人々のライフスタイルやニーズは異なっていきます。
そのため、ターゲット地域と日本では言語や文化において異なる点があると理解した上で、現地調査をしターゲット顧客のニーズを探っていきましょう。
直接現地にいくことが難しい場合、ターゲット地域の言語や文化に詳しい現地パートナーやサポート企業の力を借りましょう。
調査結果から、次はアジア進出において利用するインターネットサービスや言語をローカライズしていきます。
提供する商品・サービスだけでなく、それらの提供方法までローカライズしなければなりません。
ターゲット地域によって日常的に活用する検索エンジンやソーシャルサービスは異なります。
効果的にターゲットユーザーへ情報提供するためにも、商品・サービスの内容だけでなくマーケティングやプロモーションに活用するメディアもローカライズするようにしましょう。
市場調査で現地のニーズを把握する
2つ目は、市場調査で現地のニーズを把握するということです。
市場調査は、事前にデータ収集を通して調査する方法と、実際に現地に赴き現地の人の生の声を聞きながら調査する方法があります。
今回はそれぞれの方法に関して、重要なことや注意点を解説していきます。
まず市場調査では、アジア圏の国々の特性を掴むことが重要です。
人口の多さや経済格差、日本企業の優位性などそれぞれの軸で各国は様々な特徴を持っています。
そして、自社が売り出したい商品・サービスによってターゲットとして相応しい地域は変わってくるでしょう。
例えば、日用品や化粧品のような一般消費財を商品としている日本企業は、多くの人にアプローチするため人口が多い地域にまず焦点を当てます。
また、一般消費財はどの国でも既に多くのブランドから製品が出回っていると考えられます。
その中でも、日本企業としての優位性が比較的通用しやすい地域をターゲットとすると効果的だと言えます。
このように、現地に行かずとも得られるデータによって、ターゲット国をある程度絞り込むことができます。
他にも、実際に現地へ赴き、インタビュー等で最新トレンドを把握するということも大切です。
最新トレンドは例えば、現地消費者の興味関心や、活用するサービスなどが挙げられます。
例えば世界中で様々な種類のSNSが利用されている中で、ターゲット国はどのSNSを利用するユーザーが多いのかなども重要な観点です。
自社ブランド認知向上のためのアプローチ方法として、 SNSによる広告配信を行うとしましょう。
その際に、自社がアプローチしたい人々が多く活用しているSNSを選ばないと効果が小さくなってしまいます。
また、現地消費者の興味関心に合わせてプロモーション内容を変更するなど、現地のトレンドを知ることでより効果的にマーケティングを行うことができます。
さらには、現地の人に刺さる言い回しやデザイン、セールスポイントを考慮することも大切です。
このように、常に現地の最新トレンドを把握し、広告の配信方法やクリエイティブなど自社のマーケティング戦略に生かす必要があります。
現地パートナーと提携を組む
3つ目は、現地パートナーと提携を組むということです。
現地パートナーにお世話になる際は、提携を組む前に事前に連絡をとり、対面でお会いすることで雰囲気や仕事に対する姿勢、専門性を確認できると良いでしょう。
そして実際に現地パートナーの提携を組んだ後も、気をつけるべきことがあります。
それは、現地パートナーとの関係性構築です。
日本企業側の対応としてよくある失敗例は、売上など結果のみを追求し、その間のプロセスを現地パートナーとのコミュニケーションで明らかにしないということです。
本来であれば、どのように販売し売り上げを伸ばしていくか、企業と現地パートナーの双方向のコミュニケーションによってディスカッションをする必要があります。
しかし、関係性が築けていないと円滑で質の高いコミュニケーションをすることは難しく、企業側は結果ばかりを求めるようになってしまいます。
あくまでも対等な立場でコミュニケーションを取り、企業側も結果だけでなくリアルタイムの現地の状況を把握できる仕組みを作りましょう。
他社との差別化
4つ目は、他社との差別化を図るということです。
これは言い換えると、自社の強みを明確化するということになります。
アジア進出において、これまでにご紹介したような市場調査やローカライズはもちろん重要な準備です。
しかし、大前提として自社の強みを企業側が理解していないと海外進出は成功しないでしょう。
他社には真似することのできない、自社の核の部分となるコアコンピタンスを明確にすると、アジア進出の目的やビジョンも明確化されます。
まずは自社の強みが、技術、価格、デザイン、ビジネスモデルなどのどの部分にあるのか、社内でディスカッションしましょう。
最終的には現地にローカライズすることが必要となりますが、まずは今まで日本国内でどのように成功してきたか、そしてその要因は何だったのか分析してみましょう。
そしてそれらの要因を整理し、自社の強みを明確化できると他社との差別化できる点も見えてくるでしょう。
コミュニケーションを大事にする
5つ目は、コミュニケーションを大事にするということです。
コミュニケーションの大切さは、業種や会社の規模に関係なく、全ての事業者に共通して言えることです。
デジタル技術の進歩によって、多くの業務において自動化が進み、非対面・非接触での業務も増えてきました。
また、直接コミュニケーションを取らずともデジタルの世界でお互いに情報共有をし、意思疎通することが可能になりました。
しかし、アジア進出など事業の海外展開を目指す際は、普段以上にアナログなコミュニケーションの重要性を企業全体で共有するべきです。
海外進出を果たした企業の中には、社内外問わずメールや文書のみでコミュニケーションが完結してしまっている企業や、社外の現地スタッフとのやり取りで通訳に頼りすぎている企業などがあります。
このようなケースでは、十分に双方向でのコミュニケーションができているとは言えません。
そしてこのようなコミュニケーションを続けていると、お互いに伝えたいことが伝わらなくなってしまいます。
例えば社内では、事業戦略が円滑に進まない要因となってしまったり、社外ではコミュニケーションの不一致によってトラブルが発生する恐れもあります。
これらのリスクを少しでも減らすために、アナログなコミュニケーションも定期的に行うようにしましょう。
また、言語の不一致が直接的なコミュニケーションの障壁になっているのであれば、共通して話せる言語があるという状況をいかに作り出すかが大切です。
例えば言語に強みを持つ人材を採用する、学習費を会社で負担し従業員に言語を学ばせるなどが解決策として挙げられます。
やはり通訳やメディアを通したコミュニケーションは、直接コミュニケーションを取るよりも意思疎通が希薄になってしまいます。
今まで行われてきたコミュニケーションの在り方を見直し、ぜひ従業員が直接コミュニケーションを取る頻度を増やしましょう。
アジア市場に進出する際の成功のポイントはさまざまですが、より具体的な戦略を立てるためには、過去の成功事例を学ぶことが不可欠です。我々の事例集を含む3点セット資料をご活用いただき、充実した戦略を練る一助としてください。
アジア進出した日本企業の事例
最後に、アジア進出を果たした日本企業の事例についてご紹介していきます。
株式会社ギフティ
1つ目の事例は、株式会社ギフティです。
「eギフトを軸として、人、企業、街の間に、さまざまな縁を育むサービスを提供する」ということをビジョンとした企業です。
主な事業内容としては、オンライン上で気軽にギフトを贈ることができるカジュアルギフトサービス「giftee」の運営を行っています。
「giftee」ではスターバックスやミスタードーナツなど、人気ブランドのギフトが600種類以上展開されています。
そんなギフティは2018年9月に、ASEANでの本格的な事業展開を目的として、マレーシアに完全子会社となる現地法人を設立しました。
eギフトサービスはスマートフォンなどの電子機器を用いて購入・利用できるものなので、海外進出を検討する際にまず、ターゲット地域のスマートフォン普及率や利用率の高さが必要となります。
また、eギフトサービスの競合他社が多く存在しないこと、日常的にeギフトを利用できるくらい経済的に豊かな国であることなどが進出先検討の条件となるでしょう。
スマートフォンの保有率が高く、一日あたりのSNS平均利用時間が他国と比べて長いマレーシアは、今後eギフト文化を浸透させていくのに非常にマッチした地域でした。
やはり同じアジア圏とは言えど、日本と東南アジア地域は類似点ばかりではありません。
例えば、日本ではキャッシュレス決済サービスが様々な企業によって展開され、支払い方法はキャッシュレスが主流になりつつあります。
しかし、東南アジア地域では銀行口座やクレジットカードの保有率が低く、依然として現金決済が主流です。
eギフトはオンラインでギフトを購入し相手に送るという特性上、通常は送り主のオンライン決済が必要です。
しかし、このようなターゲット地域の現状やニーズを踏まえ、サービスを一部改良しながら現地の人にとって1番使いやすいサービスを提供することが必要です。
また、言語が共通していても微妙なニュアンスが伝わらないこと、商談の際にコミュニケーションが上手くいかないことなど、これらは全て文化や慣習の違いによるものです。
このような気づきは、進出前から現地に入って早めのうちに肌で感じることができると良いでしょう。
ギフティは今後も、マレーシアのみならずASEANを中心によりeギフト事業を拡大展開していく計画をしています。
参考:株式会社ギフティ
https://giftee.co.jp
株式会社デジタル・ナレッジ
2つ目の事例は、株式会社デジタル・ナレッジです。
株式会社デジタル・ナレッジは学校・企業への2000県以上の導入を誇り、eラーニングのシステム構築、教材制作、運用までをトータルにサポートする会社です。
インターネットを通じて情報・知識の流通をより効率的かつ効果的にすること、そしてより良い知識社会の実現に貢献することを会社の使命としています。
そしてeラーニング製品は全て自社開発製品であり、時代のニーズに応えたものから誰もがベーシックに使えるものまで、26年間の実績があるからこそ多くの消費者に選ばれています。
では、具体的にどのような製品を海外にも提供しているのでしょうか。
近年は、キルギス、中国、タイをはじめとしたアジア地域で、日系企業の海外展開のための人材育成プロジェクトにデジタル・ナレッジのeラーニングシステムが活用されています。
つまり海外向けのサービスは、主に海外日系企業スタッフの人材育成に活用されています。
例えば国際標準規格に沿った多言語のシステムや、グローバル人材育成のためのデジタルコンテンツ制作の総合支援などを提供しています。
ユーザー企業の海外進出先に合わせて、eラーニングシステムそのものをローカライズすることで現地のニーズに応えています。
そのためには、社内での情報共有や従業員の理解、そして協力体制が必要不可欠となります。
事業がアジア進出する際は、より社内でのコミュニケーションを重視し、戦略や企業姿勢がブレないようにすることが大切です。
あくまでも国内で成功した事業を基礎に、文化や慣習などの日本との違いを差分として埋めていくことがポイントです。
デジタル・ナレッジは今後も、「海外人材育成支援事業」、「教育事業の海外展開支援事業」、そして「国際開発事業」の3つの軸を通じて、世界中のお客様の学びの架け橋となることを目標にしていきます。
参考:株式会社デジタル・ナレッジ
https://www.digital-knowledge.co.jp
アース製薬株式会社
3つ目の事例は、アース製薬株式会社です。
虫ケア用品や入浴剤、洗口液などで高い国内シェア率を誇る製薬会社です。
1892年の創業以来、時代によって大きく変化する人々のライフスタイルに柔軟に対応しながら、数多くのヒット商品を生み出しています。
例えば、『アースノーマット』や『ゴキジェットプロ』はアース製薬を代表するロングセラー商品で、虫ケア商品のトップメーカーと言えるでしょう。
そして実は、アース製薬の事業は国内にとどまらず、海外でもアジアを中心に広く展開されているのです。
初めは1980年に、アースケミカル(タイランド)株式会社(現アース(タイランド)株式会社)を設立し、そこから積極的なグローバル戦略を推進していきました。
現在は国によって異なる生活習慣や嗜好性からニーズを掘り起こしながら、対象国に合わせて世界55ヵ国に製品を輸出しています。
また、中国でも1990年天津に工場設立して以来、積極的に拠点を広げていき、アジア地域の市場拡大のきっかけとなりました。
現在はクオリティの高い製品をアジア地域のお客様に届けるだけでなく、社会貢献活動も行っています。
例えばタイでは、洪水など災害時の物資提供による支援や、教育施設への寄付活動など、地域密着をキーワードに現地のお客様から愛される企業づくりに努めています。
やはり国内事業のみでは難しい市場の拡大が、アジア地域では人口の多さ故に可能となります。
綿密な市場調査をしながら、国内事業だけでなく海外事業にも力を入れて、年々フィールドを広げています。
社名に掲げられた「Earth(=地球)」には人々の役に立つ商品を世界中に広めていきたいという想いが込められています。
今後も世界中の人々の暮らしに寄り添いながら、製品を通して安全で快適な生活に貢献していくでしょう。
参考:アース製薬株式会社
https://corp.earth.jp/jp/index.html
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おわりに
今回の記事では、日本企業のアジア進出が重要視される理由について、成功のポイントや日本企業の事例を踏まえながらご紹介しました。
アジア圏の国々は、確かに文化や慣習など日本と類似する点が多いですが、実際に市場調査をしてみると異なる点も多くあります。
そのため、進出先の現地の人々のニーズをしっかり掴み、自社製品・サービスに生かしていくことが非常に大切です。
また、今までの国内事業での成功を基礎に、自社製品の特徴や強みを再確認することも重要です。
自社の強みを再確認することは、他社との差別化ポイントを明らかにすることにも繋がります。それを元に、現地の人々へ提供できる価値を社内全体で考えてみましょう。
アジアの国々の経済成長は著しく、これは日本企業にとって大きなチャンスです。
しかし今は開発途上の国々も、年々発展していきます。
そのため、時間がたてばたつほどビジネスチャンスは減少していき、やがて事業を展開するコストも上がってしまいます。
だからこそ、慎重な判断も大切ですが、アジア進出を検討している方は早めに社内で話し合い戦略を立てていくようにしましょう。
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