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中国で人気のアプリには、どんなものがあるのでしょうか。
「人気のアプリは日本や他の国と同じだろう」と思う人もいるかもしれません。しかし、中国ではネット規制がされているため、Googleやfacebook、Twitterなどを利用できないのです。
代わりに、同国国内にいる人は規制されていない自国産アプリを使っています。したがって、人気のアプリは日本や他の国とはまったく異なります。具体的な現状についてはよく知らない人も多いでしょう。
そこで今回は、中国で人気のスマホアプリランキングTOP10と、各アプリの特徴をご紹介します。また、近年同国で伸び率の高いアプリのジャンルも解説しますので、「現地のWeb事情を知りたい」という方はぜひ参考にしてみてください。
中国スマホアプリダウンロードランキング!1位~5位
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それでは、中国のスマホアプリのダウンロードランキングを10位までご紹介します。まずは1位~5位の発表です。
1位:WeChat
2位:QQ
3位:AliPay
4位:TaoBao
5位:iQIYI
知っているアプリはありましたか?1つずつ概要や特徴をみていきましょう。
1位:WeChat(微信)
1位は、中国のSNSの代表といえる「WeChat」。
仕様は日本で人気のLINEに似ていて、無料通話やチャットはもちろん、モバイル決済(WeChatPay)も付随しています。スマホ以外のデバイスからの利用も可能です。
LINEと異なるのは、リアルタイムで位置情報の共有ができるところ。待ち合わせ場所にみんなが集まっていく様子がアプリ上で分かるという面白い機能を持っています。お互いに今いる場所がひと目でわかるので、道に迷っても落ち合える利点があります。ただ、この機能を使うと通信料がかかるので、使いすぎには注意が必要です。
2位:QQ
2位の「QQ」は、WeChatと同じくテンセントが開発したアプリ。もとはPC向けのチャットツールとして世に輩出。その後電子メールサービスの「QQ郵箱」を展開していきましたが、スマートフォンの普及に伴い、スマホ向けアプリのQQを誕生させました。
機能はWeChatとほぼ同じです。加えてQQは、アバターを作成したり、インターフェースをカスタマイズして好きな背景画像を設定したり、さまざまな楽しみ方ができます。QQの歩数計機能で毎日の運動量をチェックする人も多いですね。
人によっては、WeChatをビジネス用、QQをプライベート用に使っているようです。
3位:AliPay(支付宝)
3位は「AliPay」です。日本のお店のレジでも、AliPayのマークを見たことがある人は多いのではないでしょうか。
中国では、キャッシュレス決済の中でもモバイル決済が主流。そしてAliPayは、中国で最も人気のモバイル決済アプリです。
決済機能の他にも、資産運用やローン、投資などのサービスも展開しているため、「AliPayアプリは重い!」と感じる人もいるようです。この点は、シンプルなWeChatPayに軍配が上がります。
4位:TaoBao(手机淘宝)
3位の「TaoBao」は、中国最大級のネットショッピングサイトで、その規模はAmazonの約2倍とも言われています。
TaoBaoの大きな魅力は、画像での商品検索機能。通常は商品に関する情報、例えばメーカーやブランド名、カテゴリーなどを入力して検索をしますが、TaoBaoではその他に写真やスクショでも商品検索ができるのです。
ただし、中国語のみの対応となっており、価格は¥マークで表示されているものの全て人民元ですので、通貨単位を間違えないようにしましょう。
5位:iQIYI(爱奇艺)
5位の「iQIYI」は動画配信サービス。映画やアニメを視聴できるNetflixやHuluのようなサービスですが、iQIYIでは同サービスオリジナル動画も配信されています。
中国では、他国の動画配信サービスももれなくネット規制の対象です。しかしiQIYIは、2017年にNetflixとオリジナルコンテンツに関するライセンス契約を結んだため、iQIYIの会員であればNetflixのオリジナルコンテンツの視聴が中国からでも可能となりました。
日本企業もiQIYIのオリジナル動画で、インフルエンサーを起用したり、共同でドラマ制作したりなど、PRに利用している例もあります。
中国スマホアプリダウンロードランキング!6位〜10位
続けて6位から10位までの発表です。
6位:Sina Weibo
7位:Sogou Input
8位:QQ Video
9位:Autonavi Map
10位:baidusearch
それぞれどんなアプリか、詳しく解説していきますね。
6位:Sina Weibo(微博)
6位の「Weibo」は中国語で「ミニブログ」という意味の、中国版TwitterといえるSNSアプリです。日本の芸能人も使っており、最近だと木村拓哉さんの公式アカウントが出たと話題になりました。
1日あたりのアクティブユーザー数は、なんと1億人超。多くの中国人が日常的に利用していることが分かりますね。
Sina Weiboには広告もあり、日本の企業がビジネスとして活用したい場合はオーガニック投稿と合わせて広告も打つと、より効果的なアピールができます。
7位:Sogou Input(搜狗输入法)
7位の「Sogou Input」は、中国語入力ができるキーボードアプリです。文字を間違えてしまったときに指摘をしてくれるので、変換ミスが減るでしょう。
キーボードの装飾といったカスタマイズ機能も充実している反面、シンプルに使いたい人にとっては少し煩わしく思う可能性も。また多言語の切り替えができないので、一度このアプリに切り替えると日本語入力ができなくなってしまいます。頻繁に日本語入力を使う場合は利用しにくいかもしれません。
8位:QQ Video(Tencent Video?)
8位は「QQ Video」。こちらも中国で人気の動画配信サービスアプリで、ドラマや映画など多くのコンテンツがそろっています。対応言語は中国語のみなので、日本人利用者は少ないでしょう。
PCでも視聴は可能ですがスマホと連動しておらず、アカウントを別々に取る必要があります。
VIP会員コンテンツが多く、無料会員だとドラマの3話までしか見られないこともあるため、有料でVIP会員になる人も多いそうです。
9位:Autonavi Map(高德地图)
9位の「Autonavi Map」は、中国で最も使われている地図アプリ。2019年に国内シェアNo.1 となり、2020年現在3.46億人ものユーザーを抱えています。
中国ではGoogleマップが繋がらないので、日本人でも出張や旅行でAutonavi Mapを利用する人は多いようです。
仕様はgoogleマップと似ていますが、地震発生数や大気汚染の数値を表示したり、タクシーの配車アプリやシェア自転車のアプリを開かずとも利用できたりなど、とても便利な機能を持っています。
10位:baidusearch(百度)
10位の「baidusearch」は、GoogleやYahoo!などと同じ検索エンジンのアプリです。中国で1番使われている検索エンジンですが、ただ検索して情報を得るだけのものではありません。
例えば「映画館」を検索すると、半径1.1㎞圏内の映画館が表示され、今上映している映画の情報や上映時間の確認のほか、チケットの予約と座席指定までできるのです。
このようにbaidusearchは、「ユーザーが欲しい情報を与える」だけでなく、「その先にある要望に答える」ことも実現しています。
中国のスマホアプリ事情┃伸びているジャンルは?
中国ではスマートフォンの利用者数増加に伴い、スマホアプリ市場も著しく成長しています。
では、今伸びてきているのはどんなジャンルのアプリなのでしょうか。さっそく見てみましょう。
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メッセンジャー:WeChatやQQなど
前掲のアプリランキングでもトップに立った、WeChatやQQなどのメッセージ系のアプリは、近年伸びているジャンルの筆頭です。かつてはPCでのEメールが主流でしたが、スマホの普及に伴い連絡手段はスマホのメッセージアプリに移行しました。
ちなみに、WeChatにはアプリ内に「ミニプログラム」という機能があります。ECサイトやゲーム、地図などのアプリを個別にダウンロードしなくても、ミニプログラムを使えばすべてWeChatアプリ内で完結できてしまうため、WeChatとは別にアプリを立ち上げる必要がありません。
この仕組みはECなどにも使え、WeChat内に広告を打ち出しておけば、ユーザーは同アプリ内で情報集から購入まで済ませられるようになります。
一方QQにはSNS機能も充実しており、コミュニティや動画の共有、ブログなど、コミュニケーションの場が多いので、企業のPRにも活用できますね。メッセージアプリ内で情報の共有をされる機会が多く、企業も参入しやすいでしょう。
ショートムービー:TikTok(抖音短视频)や快手など
「TikTok」や「快手」といったショートムービー系のアプリは、中国の若い世代をはじめ世界中で人気を博しています。理由は、動画編集から投稿が誰でも簡単にできるハードルの低さにあります。加えて、自分をきれいに見せられる加工やユニークなお題・音楽があるのも、ユーザーが増えている理由と言えます。
TikTokに関しては中国版とグローバル版があり、中国向けマーケティングに使うなら、中国版のTikTok(抖音短视频)のアカウントを作成しましょう。
なお、ショートムービー系アプリといえば日本では10~20代のユーザーが多いのに対し、中国では幅広い年齢層の人が利用しているので、どんな業界の企業でもビジネスチャンスはありますよ(*)。
*:最前线 | 抖音发布2019年度报告,日活跃用户数超4亿|36Kr
Webショッピング:TaoBaoやpinduoduoなど
TaoBaoやPinduoduoといったECアプリの伸びも、近年著しいですね。日本でもECサイトでの買い物利用者が増えていますが、中国のそれとは比べ物になりません。
中国国内でのBtoC EC取引の市場規模は2018年時点で約1兆5,267億ドル、日本円に換算すると160兆円を超えるほどの規模を誇っており、2位のアメリカの倍以上。特にTaoBaoは中国でのECサイトシェアNo.1を誇り、「中国のAmazon」とも言われているほど。 (*)
また、中国では国内ECだけでなく、越境ECも盛んです。日本の商品は中国でも非常に人気があるので、個人で中国のECサイトに輸出し転売している人もいれば、公式に出店している日本企業もあります。
中国の現地でECサイトを運営するには、ICPライセンスという許可が必須です。しかしICPライセンスは中国法人でないと取得ができないので、日本企業が中国向けに商品を販売するには越境ECを取り入れた方がよいのです。
*:経済産業省│平成 30 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査)
旅行予約:Trip.com(携程旅行)やticket12306(铁路12306)など
旅行予約や列車のチケットも、いまではアプリで済ませるのが主流。旅行会社のパンフレットからホテルを探して、電話で予約するのも減りつつあるようですね。
「Trip.com」はホテルや航空券、列車のチケット予約ができるアプリで、英語や日本語にも対応しています。仕様は日本で使われている旅行予約アプリと似ており、旅行者から使い勝手がよいと言われています。
さらにこのアプリは、旅行者へのサポートも充実しています。旅先で万が一トラブルがあったらと不安になることもありますよね。そんなときに便利なのがサポートチャット。「e-ticketが送られてこない」とチャットで問い合わせたところ、日本語で迅速に対応してくれて、助かったという人もいました(*)。
「ticket12306」は、中国国鉄の公式アプリで高速鉄道の予約ができるアプリです。旅行で中国に行くときはあらかじめチケットを予約しておかないと、売り切れで列車に乗れないこともあるようなので、事前に準備した方がよさそうですね。
*:あるがままケセラセラ|【中国旅行】CtripとTrip.comアプリで列車・バス・ホテルを簡単予約!
まとめ
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今回は、中国で人気のアプリをランキング形式でご紹介してきました。
中国ではスマートフォン利用者がどんどん増え、それに伴いスマホアプリが充実したため、「なんでもスマホでできる」世界になりつつあります。その辺は、日本よりも進んでいると言っていいでしょう。
また、スマホアプリを使いこなしている年齢層が幅広いのも特徴。中国人は日本人に比べて、新しいものや利便性の高いものを受け入れるのが得意なようです。
中国は非常に大きなマーケットなので、日本企業としても無視できないでしょうし、むしろ参入していくべきフィールドです。そのためには、中国のWeb事情を把握しないことにははじまりません。本記事が、その参考になれば幸いです。
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