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WeChatミニプログラムの機能や使い方は?導入メリットや費用も解説

WeChat(微信)は2021年現在、中国で最も利用されているSNSです。

普段使いに最適なメッセンジャー機能が人気なだけでなく、他にも様々なWebサービスと連携しているため、日々のインターネット利用における重要なプラットフォームとしての役割を果たしています。

そんなWeChatですが、この度登場した新サービス、「WeChatミニプログラム」によって、さらなる利便性の向上を果たしています。

今回は、そんなWeChatミニプログラムの機能や、運用のメリットについてご紹介します。

関連リンク:Wechatはなぜ重要?中国マーケティングに欠かせない理由

WeChatミニプログラムとは

Wechatミニプログラムとは、従来のWeChatの機能を踏襲しつつも、様々な面で軽量化を果たした新しいサービスです。

WeChat傘下の軽量アプリ

WeChatミニプログラムの機能については、基本的にWeChat本家と変わらないパフォーマンスを発揮するものです。

メッセンジャー機能やライブ配信機能などを扱えるサービスでありながら、インストール不要で使え、開発も簡易になっているなど、ユーザーと企業の両者にとってメリットの大きなサービスです。

ダウンロード不要&アプリ以下でも高い能力を発揮

出典:中国・上海日本語フリーペーパー『上海ジャピオン』ウェブサイト

WeChatミニプログラムはアプリケーションではなく、Webサービスの一種です。

そのため、アプリのダウンロードは不要でありながら、WeChatアプリと同等のパフォーマンスを発揮します。

この特性を生かし、WeChatミニプログラムWeChatアプリにはないメリットも発揮するのですが、この点については後述します。

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WeChatのユーザーデータ&ミニプログラムの注目度

ここで、WeChatのユーザーデータについても確認しておきましょう。現在、中国においては14億人を超える人口が存在しますが、WeChatユーザーの数は12億人を超えています。

一人で複数のアカウントを所有しているケースもあるため、正確な割合についてはなんとも言えません。しかしそれでも、WeChatがいかに中国へ浸透しているかがわかるデータではないでしょうか。

参考:statista “Number of monthly active WeChat users from 2nd quarter 2011 to 4th quarter 2020”
https://www.statista.com/statistics/255778/number-of-active-wechat-messenger-accounts/

また、WeChatミニプログラムの利用率について、2020年5月にはブランド企業で63%に達しており、半数以上のWeChatユーザー企業がその可能性に注目していることがわかります。

参考:36Kr Japan「WeChat、5月の月間利用者数が全世界で12億人に到達」
https://36kr.jp/78148/

WeChat単体で利用することは当たり前になっているため、ミニプログラムも活用することで、さらなる競合との差別化や、新しい活用法の開拓が進んでいます。

トップブランドのミニプログラムユーザー数も、同年1月に比べてピーク時には386%の増加を見せており、急激に注目度が高まっているサービスでもあります。

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WeChatミニプログラムの機能

WeChatミニプログラムは様々な機能を有しています。ここでは、実際の機能の一例を確認しましょう。

ニュース配信

ニュース配信機能は、WeChatミニプログラムユーザー向けに情報を発信するためのツールです。

会社の活動情報や、新商品の案内、Webコンテンツの配信など、様々な配信に最適な機能となっています。

企業の積極的な活動をアピールする場として機能するでしょう。

EC機能

消費者向けのビジネス進出を考えている企業にとって、EC機能は重要です。

自社オンラインショップへ再び案内する必要はなく、WeChatミニプログラムから直接ショッピングを楽しんでもらえる設計となっており、購入意欲の促進に役立ちます。

国内向けのECはもちろん、越境ECにも対応しているため、活用機会は非常に多いでしょう。

サブスクリプションサービス

物理的な商品だけでなく、デジタル商品の販売も実施できるのがWeChatミニプログラムの特徴です。

定期購入商品の販売や、会員制サービスの提供を行うためのサブスクリプション機能が搭載されているため、定額制の導入を検討している場合には活用したいサービスです。

チケット購入・予約サービス

オンライン空間はもちろん、航空券やツアー予約、コンサートのチケット販売にも対応しています。

週末の天気予報や観光地の案内を確認できるポータルサイトとしての機能が備わっているため、これらと連携しながらチケットを販売し、相乗効果を得ることができます。

専用のサイトを訪問する必要がなくなるので、非常に高い利便性を発揮します。

WeChatミニプログラムの企業側のメリット

WeChatミニプログラムを運用することによって、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。

ここではそのメリットについて、確認しておきましょう。

端末への負荷が小さい

WeChatミニプログラムは、WeChatアプリとは違ってWebサービスであるため、端末への負荷が小さいのが特徴です。

そのため、ユーザーはWeChatよりも気軽に利用することができ、利用に際してはアプリインストールの必要がなく、QRコードを読み取るだけで完了します。

通信データの容量も抑えられており、表示にも時間がかからないので、あらゆるユーザーが気軽に利用できるサービスです。

それゆえ、拡散力についてはWeChatよりも大きくなることが期待できます。

開発コストが小さい

WeChatミニプログラムは、WeChatに比べて動作が軽快なだけでなく、開発コストも小さく抑えられるのが特徴です。

同サービスはとにかく軽量性を重視したサービスであるため、リッチなUIなどは備えていません。その代わり軽量で実用性が高く、基本機能の開発に集中ができます。

優秀なエンジニアやデザイナーが不足していても、スピーディなサービス展開を実現できるでしょう。

WeChatユーザーの母数を活かせる

WeChatミニプログラムは本家と別サービスとは言え、本家WeChatとの連携機能にも優れています。

そのため、12億人を超えるWeChatユーザーへのアプローチも可能であり、新規サービスとはいっても集客の期待値が高いサービスであることも特徴です。

あらゆる業種で利用可能

WeChatは様々なユーザーや企業が利用するアプリですが、WeChatミニプログラムでも同様です。

飲食や小売、宿泊、流通、医療、そして官公庁に至るまで、あらゆる業種に向けてサービスを展開しているため、それぞれのニーズに合わせた運用を実現します。

中国人のニーズに最適化された設計

WeChatミニプログラムのユーザーの多くは中国人であるため、彼らのニーズに最適化された設計となっている点も特徴です。

中国では海外のSNSやWebサービスが利用できない代わりに、WeChatなどの少数のSNSをプラットフォームとしたインターネット利用が盛んです。

そのため、あらゆるニーズを一つのSNSが満たしていることも求められますが、WeChatは中国最大のユーザーを抱え、求められる全てのサービスを提供しています。

WeChatミニプログラムにおいてもその点は踏襲しており、高い利用率を維持しているため、自社で提供しているサービスに触れてもらう機会も多いと言えます。

WeChatミニプログラムのユーザー側のメリット

時は金なりの無料写真

スマホの容量を少なく抑えられる

ミニプログラムは、ユーザーのスマホに直接ダウンロードする仕組みではありません。そのため、スマホの容量を使わずにアプリを使うことができます。

さまざまな便利アプリの登場によって、スマホの容量が圧迫されがちなスマホ事情を考えると、ミニプログラムの存在は、ユーザーにとってありがたいものとなるでしょう。

いつも使っているアプリから簡単にアクセスできる

日本人は、スマホに入れたアプリはおよそ3〜4割程度しか使っていないことがわかっています。その中でも、毎日使うアプリはさらに数少ないでしょう。ミニプログラムは、自動的に毎日使うアプリの中に組み込まれます。

ミニプログラムを使うと、ホーム画面に2〜3個だけのアプリを置いておく、というだけで事足りてしまいます。スマホのホーム画面をシンプルにしたいという人は、試してみる価値があります。

いつも決済やポイント活動に使っているアプリに連携できる

決済サービスアプリに設置したミニプログラムは、ECモールのミニプログラムや、サービス予約の支払いに、対応アプリのみ親アプリの決済サービスとの連携ができます。これによって、すでに登録している支払い情報からスムーズな決済ができるようになります。

ECサイトによくある途中離脱を防ぐことができるため、売上げアップへの施策としても有効です。

シームレスな決済を実現したいと考えている事業者の方は、ミニプログラムの有効活用を検討してみてはいかがでしょうか。

WeChatミニプログラムの活用ポイント

WeChatミニプログラムの運用において、重要なのが以下の2点です。

自社サービスとSNSの連携強化に活用可能

WeChatミニプログラムは軽量で使いやすく、ユーザーが気軽に企業と接点を持つことができるサービスです。

そのため、同サービスをきっかけに自社サイトやECを訪問し、認知度向上や商品購入につなげることも可能です。

また、こちらのサービスは軽量なだけにSNS上での拡散力も高く、SNSでシェアしたいと思わせるコンテンツを配信すれば、口コミによる情報拡散も期待できます。

中国向けにSNSを積極的に活用したい場合、WeChatミニプログラムはその第一歩として非常に有効です。

SNS運用のノウハウを習得しておく

SNSの運用を進めていく場合、必要になるのが現地でのSNS運用ノウハウです。

WeiboやWeChatなど、中国向けのSNSは運用アプローチこそTwitterやLINEに似てはいるものの、そのユーザーは中国人であるため、異なる文化を形成しています。

トレンドの傾向やキーワードも当然異なるため、どのような運用が効果的なのか、あらかじめ把握しておく必要があります。

情報発信においても適切なローカライズを行わなければならないため、WeChat専用のSNS運用体制を整備しておきましょう。

WeChatミニプログラムに向いているサービス

ホテルや飲食店などの事前予約

旅行先で利用する施設の予約に、観光客向けのアプリとして有効活用できます。現在、多くの予約サービスや予約アプリがありますが、中国のインバウンド観光客向けにサービスを提供したい場合、中国人観光客が旅先でも利用する、「WeChat」や「Alipay」の中にミニプログラムを設置しておくと良いでしょう。

WeChatは、旅行の同行者に直接予約情報の共有ができますし、Alipayは事前予約の時にオンライン決済もできるようになります。

大幅なユーザビリティの向上は、次回の旅行の際も優先して利用してもらえるでしょう。一度掴んだチャンスは逃さないように、ユーザーを確保していきましょう。

公共交通機関の予約やルート検索ができる

すでにLINEアプリ内に実装している事業者も存在し、有効に機能しているサービスです。日本人だけでなく、海外観光客、特に中国からの観光客に向けてミニプログラムをリリースするのがおすすめです。

中国からの観光客はほとんどのケースで、日本で車を運転できません。中国の国際免許はウィーン条約に基づくものであり、日本で運転できる国際免許はジュネーブ条約に基づいたもののみだからです。

地方へ行くほどに、交通機関が不便になり、分かりにくくなる点も気になるポイントです。このようなことから、ミニプログラムを通じたルート案内がとても価値のあるものとなるのです。

ECサイトなど

現在、中国のミニプログラムでよく利用されているのはECサイトの拼多多(ピンドゥオドゥオ)です。拼多多は、複数で同じ商品を購入することによって、一人あたりの単価を下げる共同購入が可能です。

親アプリのWeChatのチャット機能ととても相性が良く、価格も安いのでミニプログラムのメインとなる利用層の20代〜30代のニーズにもマッチしています。

日本では、LINEがすでにいくつかのECショップと提携し、内部アプリとして実装されています。チャットアプリやSNSなど、人と共有できるサービスは、ECサイトと相性が良いため、ミニプログラムとして実装されやすいのでしょう。

WeChatミニプログラムの活用事例

白と緑のリモコン

中国での事例

先述の拼多多(ピンドゥオドゥオ)は、ミニプログラムをうまく使いこなしているECモールの一つです。

拼多多(ピンドゥオドゥオ)は、2015年に元Googleのエンジニアが立ち上げました。地方都市に住む低所得者をターゲットにしたECモールです。

ユーザーが欲しい商品をWeChatやQQでシェアして、一緒に同じ商品を購入してくれる人を募る、共同購入というシステムがアピールポイントとなっています。

一定の共同購入者を集めることができれば、商品を激安で手に入れることができます。チャットサービスのWeChatとの相性は抜群です。

SaaSの収益化やマーケティング、顧客獲得などをサポートするサービスを展開している、创客匠人(チュアンカジャンレン)もうまくミニプログラムを使いこなしています。

中国では、知識の習得や学習に課金することがトレンドとなっており、動画や記事などさまざまな形でユーザーにコンテンツが提供されています。

创客匠人(チュアンカジャンレン)では、ミニアプリを立ち上げるとチャットやビデオ通話を使った相談ができるようになっています。導入から運用までの流れは、BtoBビジネスでミニアプリを使いこなしている好例といっても良いでしょう。

日本での事例

冲绳导狮(沖縄ガイドライオン)は、沖縄の観光施設を事前に予約、決済ができる中国インバウンド向けのミニプログラムです。中国の決済アプリAlipay内から利用できます。

外国人観光客が日本でチケットを予約する時に、言葉がうまく通じずに時間がかかってしまうと、予約につながらず、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。

冲绳导狮は、中国語で作られており、親アプリのAlipayから利用できるため、中国観光客は、本国で予約する感覚で操作できます。

言語の壁は、ちょっとした工夫で簡単に超えることができるのです。ミニプログラムは、読み取り専用コードを持っているため、観光WEBサイトや、施設の紹介ページに掲載しておくと、簡単にアクセスできます。

またLINEでは、ミニプログラムを活用してスシローの受付と予約に連携しています。スシローの受付と予約は、LINEのホーム画面から簡単に利用可能です。

ミニプログラムを使ってスシローを予約すると、受付や予約の完了通知や受付番号、リマインドなどがLINEのトークに送信されます。電話やメールよりも、簡単で確実に確認できるため、従来の会員サービスに連携させることもできます。

WeChatミニプログラムの作り方は?

ここでは、WeChatミニプログラムの作り方について、2つの方法を紹介します。

①自社で作成する

まずは、公式アカウントの開発者登録を行い、WeChat Developer Toolsをダウンロードしてインストールします。開発者ツールから新規プロジェクトを作成し、JavaScript、HTML、CSSを使用してアプリの機能を実装し、デザインをカスタマイズします。

開発が完了したら、プレビューを行い動作確認を行います。公開準備が整ったら、WeChat公式アカウントでプラグインを申請し、審査が通れば公開可能です。

ただし、自社での開発はかなりの時間がかかるため、開発に対応している外部のベンダーに依頼したほうが効率的な場合もあります。

②外部に開発を依頼する

自社に開発ノウハウがなかったり、リソースが不足していたりする場合は、外部にミニプログラムの開発を依頼する方法があります。

中国にはミニプログラム開発に対応できるベンダーが多く存在しますが、国内ではミニプログラム開発ベンダーが限られています。また、中国企業に依頼する際には言語や文化の違いによるコミュニケーションの困難や商習慣の不一致が懸念されるため、依頼の段階で苦労する可能性があるでしょう。

そのため、可能であれば日本国内でのミニプログラム開発に対応している会社へ開発を依頼することがおすすめです。

依頼する際は、WeChatミニプログラムにおける過去の開発実績が豊富かどうか、信頼できるかどうかを見極め、安心して依頼できる会社へ相談しましょう。

WeChatミニプログラムの活用ならLIFE PEPPERにお任せ!

LIFE PEPPERでは、WeChatミニプログラム開発に関するサービスを承っています。

ミニプログラムの開発は、中国の状況やマーケットの背景を把握していない状況でも、ある程度の集客を可能とし、商品の売上増加を狙うことも可能です。難易度が高い中国マーケットへの進出を成功へと導いてくれるでしょう。

LIFE PEPPERのWeChatミニプログラム開発では、まずユーザーの導線に合わせたプロモーションを展開します。ユーザー数が多いWeChatをベースとすることで、ユーザーデータの蓄積と高い拡散効果が期待でき、WeChat上で独自店舗を持つこともできます。

WeChatミニプログラムの活用をお考えの際は、ぜひLIFE PEPPERへ、お声がけください。

おわりに

WeChatミニプログラムは、WeChatユーザーとのさらなるコミュニケーションに最適なだけでなく、自社サービス利用の促進にも活躍するため、非常に利便性の高いサービスです。

誰でも気軽に利用できるサービスなので、新規WeChatユーザーの獲得にも最適です。

機能も中国向けに特化しており、これから中国進出を考えている方は、ぜひ導入しておくことをおすすめします。

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