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シンガポールは、他の東南アジアとは文化や習慣、経済の成長度が全く異なります。
タイやベトナム、インドネシアなど多くの東南アジアの国々は、道路に大量の車やバイクが走り常に大渋滞。まさに典型的な、「アジアの発展途上国」といった光景をしています。
一方シンガポールは道路が渋滞することはなく、街中も綺麗に保たれているのが印象的。
私たちのイメージする「東南アジア」とはかけ離れた国だと言えます。
そこで今回は、経済面で東南アジアのトップを独走するシンガポールでビジネスをするメリット・デメリットをお伝えします。
シンガポールってどんな国?
シンガポールは、マレーシアから南に位置する小さな島国。東京23区ほどの大きさしかなく、そこへ約561万人の人々が生活しています(2017年のデータ)。
多民族国家として知られるシンガポールは、華人やマレー系、インド系など複数の民族が共生していることが特徴です。
また人口の3割から4割がシンガポール国民ではなく外国人であるという事実から、シンガポールは様々な民族、そして様々な国籍の人々が生活する「人種のるつぼ」とも言われています。
多様な人種や国籍の人々が存在するシンガポールの公用語は英語です。
シンガポール人の話す英語は「シングリッシュ」と呼ばれる独特の発音をするため、日本人にとっては少し聞き取りにくいかもしれません。
ただシングリッシュは生活していくなかで自然と特徴がつかめてきますので、シンガポールでビジネスをするうえで過度に心配する必要はないでしょう。
シンガポールでビジネスするメリット3選
他民族国家シンガポールは、ビジネスをするうえで他の東南アジアとは特徴が大きく異なります。
そこでここはまず、シンガポールでビジネスをするメリットを3つお伝えします。
多くの企業がなぜシンガポールに注目するのか、その理由に注目です。
1.魅力的な税制面
シンガポールでビジネスする最大のメリットは、税制面で有利なことが多い点です。
日本銀行による『世界で最もビジネスしやすい国ランキング第1位』を獲得したことがあるシンガポールですが、その理由は税制にあると言っても過言ではありません。
日本の法人税率が30%近くあるのに対し、シンガポールの法人税率は17%。
会社の規模や売上にもよりますが、収益を上げた場合に法人税を支払う額が日本と比べて圧倒的に少なく済むのです。
売上げが大きい企業ほど、日本ではなくシンガポールでビジネスを始めたほうが法人税の面ではお得だと言えるでしょう。
その他シンガポールの税制の特徴として、キャピタルゲインは非課税だという点が挙げられます。
キャピタルゲイン非課税ということは、株式を売却する際に税金を取られないということ。
世界各国の富裕層の中には、こういったシンガポールの税制面に惹かれて移住をする人も少なくありません。
2.整備されつくしたインフラ
道路が整備されず、常に車やバイクで渋滞している。
東南アジア諸国に対してそういったイメージを持つ人も多いかもしれませんが、シンガポールはそれとは全く異なります。
シンガポールは自動車の価格が高いため国民の自動車保有率が低く、そのため他の東南アジア諸国のような渋滞問題が起こらないのです。
それだけでなく、シンガポールは公共交通機関が発達しているためメトロを使えば簡単に街中を移動できます。
ビジネスをする上で交通インフラに問題がないというのは、大きなメリットと言えるでしょう。
交通インフラだけでなく、通信インフラが発展していることもシンガポールの魅力です。
シンガポールのネット速度は世界一との呼び声が上がるほど、通信インフラに力をいれています。
これからのビジネスにおいて、インターネットを活用するのは必須条件。
シンガポールは交通と通信両方のインフラが整備されている、ビジネスしやすい国だと言えます。
3.外国企業に優しい環境
初めにお伝えした通り、シンガポールは東京23区ほどの大きさしかない小さな国です。
そのため、他の東南アジア諸国のような天然資源をほぼ持っていません。
自国に資源を持たないため、シンガポールは今まで外国企業を誘致することに力を入れてきました。
このような背景からシンガポールは、多くの外国企業が集まる都市として成長を遂げたのです。
多くの外国企業が集まるシンガポールは、外国企業が働きやすい環境だと言えます。
メリットの1つ目でお伝えした税制面だけでなく、ビジネスを展開するうえで業種の制限がないこともメリットです。
つまり「この業種でビジネスを始めたい!」と思った時に、外資100%でビジネスを始めることが可能です。
その他最低資本金の規制がないことなど、シンガポールは外国企業がビジネスするのに優しい環境だと言えるでしょう。
シンガポールのメリットを活かしてビジネスを行う方法についての詳細は、[会社概要・事例集・対応可能な国&施策まとめの3点資料セット]をご参考にしてください。
シンガポールでビジネスするデメリット3選
それでは逆に、シンガポールでビジネスをするデメリットを考えてみましょう。
先進国であるシンガポールには、他の東南アジア諸国にはないビジネス面での難しさがあります。
シンガポールでビジネスを考えるなら、このデメリットについても知っておく必要があります。
1.物価が高い
先進国シンガポールは、物価が高いというデメリットを抱えています。
食費や消耗品などの生活必需品はさほど高くはありませんが、自動車や不動産の価格が高いことがシンガポールの特徴です。
シンガポールは交通網が発達しているため、自動車を購入する必要はないかもしれません。
ただ事務所を借りる場合は、日本より格段に高くつくことを覚悟しておく必要があるでしょう。
またシンガポールでビジネスをするうえで考えなければいけないのが、人件費について。
物価が高いシンガポールでは、他のアジア諸国のように「人件費を下げコスト削減する」という手法が使えません。
シンガポールでビジネスをするなら、予算面の計画を念入りにしておくことが重要です。
2.マーケットが小さい
国の規模が小さいということは、マーケットも小さいということを意味します。
シンガポールは歴史が浅く、独自の芸術や文化はまだまだ育っていません。
もちろんそういった「シンガポールの歴史が浅い点」を狙ってビジネスを展開するのもありですが、国が小さく国民の数も少ないシンガポールでは大きな売上げを見込むのは難しいでしょう。
シンガポールでのビジネスは、シンガポール国内で完結するものではなく近隣諸国へ展開する前提で始めることをおすすめします。
実際に現在シンガポールで活躍している外国企業の多くは、シンガポールを『ハブ』としてインドネシアやマレーシアなど隣国へ進出しているケースが多く見受けられます。
日本の大手メーカーや商社なども、シンガポールに統括部門を置いてアジア全土のビジネスを仕切っているという形態が多いです。
シンガポールでビジネスをする場合は、最終的にはシンガポールの外へ出るイメージを持っておくと良いかもしれません。
3.すでに国が発展しつくしている
シンガポールはすでに国が発展しつくしているため、今から何か全くの新しいビジネスを始めることが難しいです。
街には日本よりも豪華で大型なショッピングセンターが存在し、そこへ行くための公共交通機関も整備されています。
他の発展途上国であれば今から道路を整備したり、新たに新幹線を開通させたりといったビジネスチャンスが見つかりますが、シンガポールにはそのような必要性がないのです。
すでに国が発展して豊かなシンガポールは、「今から何か新しいビジネスを始めて一発当てたい!」と考えるには、あまり向いていない国だとも考えられます。
これらのデメリットをどのように克服し、ビジネスチャンスへと変えるかは、[こちらの資料]でご確認いただけます。
最後に
さらに弊社の支援実績や、具体的なビジネス戦略立案の参考事例が知りたい方は、[会社概要・事例集・対応可能な国&施策まとめの3点資料セット]をダウンロードしてお役立てください。
東南アジアのトップを走るシンガポールは、外国企業の誘致をすることで国を成長させてきました。
そのため、日本企業にとってビジネスしやすい国だと言えるでしょう。
特に日本にはない有利な税制は、税金対策を考える企業にとって大きなメリットとなり得ます。
ただその反面、高い物価や小規模なマーケットがデメリットとして挙げられるのも事実。
そのためシンガポールでビジネスを考える場合は、隣国インドネシアやタイなど現在発展途上にある国と同じ感覚で考えるのではなく、シンガポールならではのメリットを活かしたビジネスを展開することが肝になってきます。
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