News&Blog

アメリカビジネス・マーケティングの成功法則!成功のコツや戦略について解説

目次

ユニクロ、ソニー、キリンなど日本の名だたる企業が参入しましたが、失敗しました。
その一方で、メルカリや福利厚生サービスを提供しているFOND社など中小・ベンチャーがアメリカビジネスで成功を収めています。
この違いはなんなのでしょうか?
アメリカビジネスで失敗した企業と成功した日本企業の特徴を知れば、アメリカビジネスで成功する確率がグンと高くなります。
この記事では、アメリカビジネスで成功、失敗している日本企業を紹介した後に、アメリカビジネスの事例をご紹介します。

アメリカのWebマーケティングの実態

ここでは、アメリカのWebマーケティングの実態について、4つのポイントに分けてそれぞれ紹介していきます。

市場競争が激しい

まず、市場競争が激しく、日本で現在行っているマーケティング手法の2年から3年ほど先を進んでいるとされています。競争が激しくなっている理由にはさまざまなものがあり、国・地域・市場の規模、人種や文化の多様性などがあります。

そのため、アメリカ国内でも地域やターゲットによって適したマーケティング手法は異なり、アメリカ全体に同じ手法でマーケティングを行おうとしても、認知されづらいことが特徴です。

この激しい市場競争に勝ち残るためには、地域やターゲットに合わせてマーケティング方法を模索していくことが欠かせません。

若者のスマートフォン利用率が高い

続いて、若者のスマートフォン利用率が高いことが挙げられます。スマートフォンなどの端末を使っている国や地域は、所持していない地域に比べて収入や教育のレベルが高い傾向にあります。

また、Pew Research Centerの調査によると、アメリカにおける携帯電話の所有率は世界6位の94%であり、日本の88%を少し上回る結果となっています。

参考:Smartphone Ownership Is Growing Rapidly Around the World, but Not Always Equally

アメリカ国内を見てみると、スマートフォンの利用率は81%であり、18歳から34歳の若者層に限定すると95%もの国民が利用しているようです。

世界全体で見ると、日本もスマートフォンの利用率が高い傾向にありますが、アメリカは国や地域の規模も大きいため、より多くの利用者数がいるといえます。

SNSの利用人口が世界首位

次に、SNSの利用人口が世界首位であることも特徴です。

DataReportalの調査結果を見ると、アメリカ人が1日あたりSNSに費やしている時間は2時間7分となっており、日本の平均値である30分を大きく上回ります。

アメリカでは数あるSNSをさまざまな用途で活用している人が多く、若者の使用率が高いことはもちろん、60歳以上のネットユーザーも積極的にSNSを利用して情報収集したり娯楽に活用したりしています。

60歳以上のスマートフォン利用率が高いことも特徴であるため、幅広い年齢層がインターネットを利用していることが分かります。

出典:datareportal.com

検索エンジンはGoogleが主に使われている

Webのアクセス解析サービスであるstatcounterのサイトによると、アメリカにおける検索エンジンのシェアは圧倒的にGoogleがトップとなっており、そのシェア率は76.88%です。

続くBingは16.25%、Yahooが3.87%と急激にシェア率が低くなっており、他の検索エンジンも利用されてはいるものの、Googleの市場が大きいことが分かります。

YouTubeなどをアプリではなくブラウザからログインしたり視聴したりする場合には検索エンジンを使うことが多く、Googleのシェア率を高めている一つの要因といえます。

出典:Desktop Search Engine Market Share United States Of America Nov 2021 – Nov 2022 Edit Chart Data

アメリカで人気のWebマーケティング4選

ここでは、アメリカで人気のWebマーケティングについて、4つの手法を紹介します。それぞれの特徴を押さえて、理解していきましょう。

動画マーケティング

動画マーケティングは、自社のWebサイトやSNSなどの動画媒体を使って行うマーケティング手法です。個人のユーザーだけでなく法人に向けたコンテンツ発信も効果的であり、多くの企業が取り入れています。

注目されている理由は、動画のほうがテキストよりも多くの情報量を伝えられるからです。商品やサービスの宣伝は、従来は新聞や雑誌、Webメディアなどを通したテキストで発信されていましたが、動画で伝えられる情報量はその5,000倍と言われています。

動画コンテンツを活用することで、自社の商品やサービスを効率的に認知してもらい、購入へと繋がりやすくなるでしょう。

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングは、SNSでフォロワーの多いインフルエンサーを広告塔として起用し、企業の商品やサービスをPRしてもらうマーケティング手法です。

SNSのフォロワー数が数十万、もしくは数百万以上のユーザーをインフルエンサーと呼び、YouTubeやInstagramなどそれぞれ多くのフォロワーを持っている媒体で宣伝してもらいます。

フォロワーの多いインフルエンサーにPRを依頼することで、インフルエンサーは自分のチャンネルのコンセプトに合わせて商品やサービスを紹介するため、そのインフルエンサーを見ているフォロワーに向けた認知や購入のきっかけとなるでしょう。

バイラルマーケティング

バイラルマーケティングは、情報がウイルスのように広がっていくことを意味し、日本では「バズ」を連想させるマーケティング手法のことです。名称は、英語の「バイラル:viral=ウイルス」から来ています。

バイラルマーケティングでは、YouTubeやInstagram、TikTok、Twitterなどの投稿を活用し、ユーザーにとって興味を引くコンテンツを発信して拡散を狙っていきます。そのため、驚くような衝撃的な内容が好まれる傾向にあります。

自社の投稿を拡散したユーザーをフォローしているユーザーに情報を届けられるため、拡散性を活かせるとマーケティングの費用対効果を高められるでしょう。

リスティング広告

リスティング広告は、GoogleやYahooなどの検索エンジンの検索結果画面において、記事よりも上に表示させる広告のことをいいます。

リスティング広告はキーワードを指定して出稿でき、ユーザーが入力したキーワードに合わせて広告が表示されることから、別名検索連動型広告とも呼ばれます。

ユーザーが広告をクリックすると費用が発生するため、適切なキーワード選定をすることで費用を最小限に押さえて集客を行えるでしょう。アメリカではGoogleの利用率が高いため、リスティング広告の運用効果は高くなることが予想されます。

アメリカで人気のSNSアプリは?

アメリカで人気なSNSは、次の通りです。

  • YouTube
  • Facebook
  • Facebook Messenger
  • Instagram
  • Twitter

日本でもこれらのSNSは多くのユーザーが利用していますが、アメリカは規模が大きな分ユーザー数も多く、YouTubeは2億4,500万人以上、Facebookは1億7,000万人以上が利用しているようです。

そのほかのSNSもさまざまなユーザーが活用しており、先進国ならではの情報に対する積極的な姿勢が見られます。

アメリカビジネスで失敗する日本企業


まず最初に紹介するのが、アメリカビジネスで失敗している企業の特徴です。
・現地に詳しい人がいない
・アメリカの法律を知らない
・アピールをしない
特に、懲罰的損害賠償対策はアメリカビジネスをやる上で大事になるので、しっかりと抑えるようにしましょう。

現地の商習慣に精通している人材の確保・育成の欠如

日本企業がアメリカにおけるビジネスに失敗してしまう大きな要因として、
特に戦略と組織作りにおいて適切な人材配置ができていないことがあげられます。
戦略部分で人材の配置を間違えてしまうとはどういう意味なのでしょうか?
現地の習慣や、リアルな生活を知っているメンバーを組織作りと戦略に上手く巻き込んでいくことはとても重要です。
なぜなら、現地のリアルなライフスタイルを知らないのに、消費者のインサイトを読み、ビジネスとして成功させるのはほぼ不可能と言っても過言ではないからです。
また、インサイトだけではなく、他にも通信状況、人脈法律の知識といった、現地のビジネスマンが知っている習慣を日本人がゼロからキャッチアップするのはかなり不効率な部分が沢山あります。
現地でビジネスをするなら現地の人を雇うということは、世界を代表する企業であるGoogleも行っています。
Googleはインドの市場の規模と成長度合いを見越しているので、インド人を沢山雇っているのです。
また、組織作りにおいても現地の人と初期から協力する必要があります。
コミュニケーションのハードルが低いからといって海外経験のない日本人を上のレイヤーで固めるなどをすると、後々育成にも支障が出てきてしまうのです。
後々の採用まで見越して適切な人材の配置を考える必要があります。

現地の視点に立ったマーケット・リサーチをしている

アメリカでビジネスを成功させている会社は、必ず現地の視点に立ったマーケット・リサーチを念入りに行っています。日本で培ったマーケティングの感覚や直感を用いるのではなく、現地の人の属性と彼らのニーズを正しく捉えて、彼らに対して正しい手段と表現でサービスを売っているということです。
アメリカの市場規模や、ターゲットとする人の属性・ニーズ、販売手法などの要素を考慮しながら、戦略的なマーケットリサーチすることが大切です。
アメリカで物やサービスを売るということは、アメリカの消費者の感覚に沿ったものを出さなければいけません。
「made in japan のものだから売れる」「良いものは売れる」といった感覚や古い思い込みを持ったままアメリカで勝負を仕掛けていくのはとても危険なので注意しましょう。
また、アメリカと一口に言ってもその土地は371.8万平方マイルと広大で地域によって多様なエスニシティの偏りと文化があります。
アメリカで物を売る時は、アメリカの事をよく知ることが成功の秘訣です。
成功している企業にならって、現地の視点に立った徹底したマーケット・リサーチを行いましょう。

アメリカの法律を知らない

アメリカは日本では考えれないくらいの訴訟大国です。
アメリカでの10万人当たりの訴訟件数は3,095件と日本の約6倍にのぼります。
また、金額も桁違いで日本円で約2兆4,000万円の支払いを命じた判決もあります。

米大手たばこ会社RJレイノルズ・タバコを訴えた女性に対し、236億ドル(約2兆4000億円)の懲罰的賠償支払いを認める評決を下した。米メディアが19日報じた。
出典
2・4兆円の懲罰的賠償を命令されたタバコ会社 : 国際 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

なぜこれだけの訴訟金額になるのでしょうか?
これは、アメリカの懲罰的損害賠償という考え方に基づくものです。

不法行為に基づく損害賠償請求訴訟において、加害者の行為が強い非難に値すると認められる場合に、裁判所または陪審の裁量により、加害者に制裁を加えて、将来の同様の行為を抑止する目的で、実際の損害の補填としての賠償に加えて、上乗せして支払うことを命じられる賠償のことをいう。
参照:wikipedia

懲罰的損害賠償では将来同様な事故や事件が起きないように、損害以上の金額を支払うこと命じられる賠償のことをに言います。
日本企業も例外ではなく、日立オートモティブシステムズが56億円の罰金を支払うなどの事例もあります。
日本社会では考えられないほどの罰金を支払うリスクがあるので、弁護士を雇うことや海外進出の支援業者に相談するなどの対策を事前に打っておくことを強く推奨いたします。
海外進出支援業者の選び方などについては以下の記事で紹介しています。

アメリカビジネスで失敗する日本企業の特徴3つ

日本の多くの企業がアメリカに進出しています。
実は…アメリカに進出して失敗している企業は沢山あるのです!
ユニクロ、ソニー、キリン、といった日本の名だたる企業が、アメリカでのビジネスに失敗しています。
日本で大成功を収めていても、アメリカでも同様に成功できるわけではないようです。
その失敗の原因は何なのでしょうか?
今回はアメリカビジネスで失敗する日本企業の特徴を3つに絞ってご紹介します。

現地の商習慣に精通している人材の確保・育成の欠如


日本企業がアメリカにおけるビジネスに失敗してしまう大きな要因として、
特に戦略と組織作りにおいて適切な人材配置ができていないことがあげられます。
戦略部分で人材の配置を間違えてしまうとはどういう意味なのでしょうか?
アメリカでビジネスを成功させたいのであれば、現地視点の適切なマーケット・リサーチが必要だと前述しました。
現地の習慣や、リアルな生活を知っているメンバーを組織作りと戦略に上手く巻き込んでいくことはとても重要です。
なぜなら、現地のリアルなライフスタイルを知らないのに、消費者のインサイトを読み、ビジネスとして成功させるのはほぼ不可能と言っても過言ではないからです。
また、インサイトだけではなく、他にも通信状況、人脈法律の知識といった、現地のビジネスマンが知っている習慣を日本人がゼロからキャッチアップするのはかなり不効率な部分が沢山あります。
現地でビジネスをするなら現地の人を雇うということは、世界を代表する企業であるGoogleも行っています。
Googleはインドの市場の規模と成長度合いを見越しているので、インド人を沢山雇っているのです。
また、組織作りにおいても現地の人と初期から協力する必要があります。
コミュニケーションのハードルが低いからといって海外経験のない日本人を上のレイヤーで固めるなどをすると、後々育成にも支障が出てきてしまうのです。
後々の採用まで見越して適切な人材の配置を考える必要があります。

訴訟大国アメリカの法律を軽視している


アメリカが訴訟大国であるのはとても有名な話です。
過去には、コーヒーをこぼした客が店側に賠償を要求し、3億円もの支払いが命じられた例など、数えるときりがない程訴訟が日々起こっています。
日本の企業が進出する際にアメリカの法律をと訴訟文化を甘くみてしまうことがあるようですが、実はそれがビジネスの失敗に繋がることもあります。
アメリカの法律を始め、実際に日本企業が提訴された前例などを踏まえることは非常に重要です。
なぜなら、日本では普通とされていることも、アメリカではセクハラ・パワハラ・雇用の法律に反していることもあるのです。
(日本では顔採用や、身体的特徴をいじるなどの行為が提訴に至っているケースは極めて少ないのが現状でしょう。)
弁護士を雇うにしても、日本よりも訴訟にかかる費用や弁護士への顧問費用は桁違いに高額で、訴えられてから考えるのでは遅いです。
日本とアメリカの感覚の違いを知るために、一例をご紹介します。
アメリカの代表的アーティストである、ビヨンセのサイトが視覚障害者によって提訴された事件が起きました。
「ビヨンセのサイトがバリアフリー前提で作られていないこと」に対する訴訟が起きたのです。日本からするとまだ考えられない話ですが、アメリカではユニバーサルデザイン(誰もが使えるデザイン)になっていないと人権侵害として扱われてしまうのです。
このようにWEBサイト一つとっても、日本と意識の違いが生じています。
しっかりとアメリカの法律を軽視しないことが会社を守ること、ひいては成功に繋がります。

アピールしない


日本において、謙虚さは美徳とされることが多いです。
しかし、自分の論を主張できるかという点において「謙虚」さを間違って使ってしまうと、かえってビジネスでは甘く見られてしまうことにもなりかねません。
アメリカは日本と違って多民族国家です。
黒人、白人、アジア人ど様々な考え方の人や人種で形成されているのがアメリカなので、お互いの共通認識が存在せず、空気を読む概念すらあまりありません。
その上、アメリカ人は幼稚園の頃から人前で話すパブリックスピーキングが授業で行われていて、自己主張が上手な人が多いです。
そのアメリカ社会で自分自身や会社のことをアピールしないと

「使えないやつだ。」

とレッテルを貼られてしまいます。
アメリカでビジネスを行う際は、自分や会社のアピールを積極的に行うようにしましょう。

アメリカビジネスで成功する日本企業の特徴

ここまで、アメリカビジネスで失敗する企業の特徴について

「アメリカでビジネスやるのはちょっと怖いな…」

と思った方も多いと思います。
たしかに、アメリカビジネスはリスクもありますが、なんといってもアメリカンドリームの国なので、成功すれば大金をつかむことができます
アメリカビジネスで成功するためには何が必要なのでしょうか?

現地の視点に立ったマーケット・リサーチをしている

アメリカでビジネスを成功させている会社は、必ず現地の視点に立ったマーケット・リサーチを念入りに行っています。
日本で培ったマーケティングの感覚や直感を用いるのではなく、現地の人の属性と彼らのニーズを正しく捉えて、彼らに対して正しい手段と表現でサービスを売っているということです。
アメリカの市場規模や、ターゲットとする人の属性・ニーズ、販売手法などの要素を考慮しながら、戦略的なマーケットリサーチすることが大切です。
また、アメリカと一口に言ってもその国土は371.8万平方マイル(日本の25倍)と広大で地域によって多様なエスニシティの偏りと文化があります。
ニューヨークやロサンゼルスといった海沿いの地域では、同性愛や差別反対などで盛り上がったりしていますが、アメリカの中地区では中絶の禁止や同性愛の禁止などといった考え方を持っている人が多いです。
同じアメリカといえど、地域によって180度真逆の考え方を持っていたりします。
アメリカでビジネスを行う際には、進出する地域やターゲット層の調査をしっかりと行いましょう。
アメリカで物を売る時は、アメリカの事をよく知ることが成功の秘訣です。

意思決定スピードが早い

アメリカで成功している企業は、決断スピードが早いです。
決断スピードの速さは、従業員や取引先への信頼にも繋がる大事な要素です。
日本の企業とアメリカの企業の1番の違いは決断スピードといえるかもしれません。
日本企業の意思決定の遅さは海外でも有名です。
トップ主導で動く海外企業と異なり、日本はトップに随時お伺いを立てて進行していくからです。
ミスをすると評価が下がったり、最悪左遷などもある日本の企業。しかし、アメリカではメンバーが強いゴール意識と意思決定スピードの速さから、どんどんアグレッシブに進んでいきます。
日本と同じ方法でマネジメントやビジネスの交渉をするのでは他の企業にどんどん差をつけられてしまいます。
アメリカで成功するためには、組織の上位レイヤーから「アメリカ流」で戦うことを腹に決めてチームの体制を整えることが必要です。

現地の人と上手く協力関係を結んでいる

何といっても一番大切なのは、現地の人と上手く協力することです。
アメリカで成功する企業は、日本人同士で固まるのではなくアメリカ人と良いコミュニケーションを取り、上手く協力して組織を作り上げています。
アメリカ人と一言でいっても、バックグラウンドは様々です。
共通の価値観がない前提で、現地の人たちと深い信頼関係を結び一緒に仕事をしていくためにはコミュニケーションをしっかりと取ることが大切になります。
例えば、アメリカでは日本でお馴染みの居酒屋と言うものはなく、ホームパーティーやバーで親睦を深めると言うのが一般的です。
居酒屋と大きく違う点は、席に居座ることは一切なくスタンディングで会話を進めます。なので、目が会った瞬間初対面の方達とも会話がすぐ始まります。
また、たくさんの人と話すきっかけにはなりますが、その反面話す時間が短くなりがちなので、いかに短時間で自分を覚えてもらい、連絡先を交換するかというのが重要になります。
では、現地の人たちと信頼関係を築き、良いコミュニケーションを取るためには何が必要になるのでしょうか?
まずは、ビジネス上でのコミュニケーションスタイルを変える工夫をしましょう。
上司は部下に命令をするのが仕事ではなく、部下の成果を上げるための方法を考えるのが仕事です。
アメリカでは、ビジネスシーンにおいてもフラットなコミュニケーションが普通です。
日本人が普通にやっているコミュニケーションも、もしかしたら失礼や差別に当たるかもしれません。日本のコミュニケーションスタイルを見直し、アメリカではどんなコミュニケーションが好感を持たれるのか考えましょう。
いざ現場でコミュニケーションをする際に不安にならないためにも、具体的にどんな会話や行動をすれば信頼関係を築けるか予め考えておくのは得策です。
例えば、家族や趣味の話は、基本的に誰とでも共有できて盛り上がるのでおすすめです。
彼らとの共通の話題を探して、打ち解けていきましょう。
日本人は一般的に自ら話しかけるのが苦手と言われますが、恥ずかしさを捨ててどんどん周囲の人へ積極的にコミュニケーションを取っていくことが大事です。
そういった主体的なコミュニケショーンが、良いチームビルディングに繋がり、ビジネスを成功へと導きます。
また、アメリカではSNSのビジネス使用目的率が他国に比べてとても高いです。私たちも知っているようなFacebookもビジネスでの人脈形成目的に使っているアメリカ人が多くFacebookのメッセージでリクルートが来ることもあります。
そして、ビジネスでの取引を目的としたLinkedInというアプリはアメリカのビジネスSNSでは利用者数が多くアメリカに進出するのであればマストで使うべきでしょう。

アメリカビジネスで成功させるために必要な施策


上記では、アメリカで成功する企業と失敗する企業の特徴をご紹介しました。
それではこれから、具体的にアメリカで成功するためには必要な施策を考えていきたいと思います。

Webマーケティングに力を入れる


アメリカは日本と比べ25倍も広大な土地があるため、移動に時間がかかります。
なので、オンラインを前提にビジネスを作っている企業も多く、オンライン上で行うWeb会議なども盛んに行われています。
ビジネスマンが積極的にインターネットを使用しているため、Webマーケティングでのアプローチが効率的です。
その一方で、日本に比べるアメリカの方が競合も多いですし、なにより日本人と価値観が違います。
アメリカビジネスに知識がない日本人がWebマーケティングを行っても高い確率で失敗します。
難易度のアメリカでWebマーケティングを成功させるためには、現地のWebマーケターを採用するか海外Webマーケティングに詳しい業者に頼むことをおすすめします。
現地人採用や業者に外注するのはお金はかかりますが、成果が出た時のリターンはかなり大きいので、試してみる価値はあると思います。

脱完璧主義!アメリカのお客さんを喜ばせるコミュニケーションに集中


アメリカビジネスの成功は、英語力と比例している、というイメージが先行してしまっている方も多いのではないでしょうか。
確かに、英語力はとても大切です。アメリカに行って全く英語が通じず、苦労したと話すビジネスパーソンは数多く存在します。
アメリカに行く前にある程度英語力は固めて行った方が当然良いでしょう。
しかし、英語力よりも大切なのは、お客さんを喜ばせようとする姿勢です。
交渉・プレゼン・サービスを企画する際に皆でディスカッションする時、上手く英語を話すことよりもお客さんを喜ばせる方法に100%向き合うべきです。
そして、そのお客さんとはアメリカ人です。
アメリカ人を自社のサービスでどうやって喜んでもらえるのか、を日本人通しで妄想を語るのではなく現地の人も巻き込み、現地の感覚を活用してリアルに考える事が大切です。

アメリカの習慣や考え方に適応する

アメリカで仕事をするということは、アメリカ人の仲間を持ち、アメリカ人と取引をするこいうことです。彼らの信頼を得ることが非常に大切です。
そのために、生活習慣から商習慣、考え方に至るまで「アメリカ流」に寄り添うことは重要です。いくつか具体例を挙げてご紹介します。
例えばアメリカ人のビジネスマンの多くは朝型の生活習慣を送っています。アメリカ人と一緒に働くと、多くのビジネスマンが朝型であることに気が付きます。現地で働く時に、仲間の多くが朝早く起きてジムに行くような習慣があるのであれば、そこに交じるのも良いでしょう。
また残業に対する考え方も異なっており、残業が良いとは必ずしも見なされていません。
日本では残業する事が「真面目に取り組んでいる」と見られることもありますが、
アメリカでは成果主義のため残業を長くやっているとだらだらと時間のかかるできないビジネスマンとして見られてしまいます。
アメリカは家族を大切にする習慣が根付いています。
アメリカ人の多くが家族との時間を大切にしており、クリスマスなどイベント時はもちろんのこと、夜ご飯は家族揃って食べるのが慣習となっている家庭も多いでしょう。
このように、生活の様々な切り口で日本とは違いがあります。
彼らが生活の中で大切にしているものが何かを汲み取り、それに寄り添いましょう。
取引先や仲間のアメリカ人の信頼を勝ち取って行くことが、良いコミュニケーションに繋がり、ビジネスの成功に繋がります。

地域・人種ごとの商習慣を理解する

アメリカは地域ごとに人口や人種が分かれており、それぞれの商習慣に合わせて適したサービスを提供していくことが欠かせません。また、人口や家族構成も年々変わり続けており、人種や州によって増減の幅が異なります。

売り出していきたい商品やサービスを求めているターゲットが必ずしも都市部に集まっているとは限らず、地域について事前にリサーチした上で事業を展開することがポイントです。

また、多様な人種が集中している都市はカリフォルニア州に多く、U.S.NewsのAmerica’s Most Racially Diverse Big Citieによると、トップ10のうちの大半をカリフォルニア州が占めています。

若者がターゲットな場合は価値観を合わせる

ターゲットの世代に合わせてアプローチ方法を変えていく必要があり、特に若者がターゲットである場合は価値観を合わせることが欠かせません。

若者が生活している現在の環境は、今までの価値観と異なる場合が多々あるでしょう。そのため、これからの時代の価値観に合わせて、マーケティングを進めていくことがポイントです。

ターゲットとして「ミレニアル世代」と「Gen-Z世代」に分けられることがあるため、それぞれの違いについて理解したうえで、マーケティングを進めていきましょう。次の項にて、それぞれの世代の傾向を解説します。

ミレニアル世代の傾向

ミレニアル世代とは、1980年から1995年に生まれた世代の人たちを指し、社会的や専門的な地位を求める傾向にあります。

買い物の傾向としては、実店舗で商品を探し、実際にはオンラインで購入する人が多いようです。

Gen-Z世代の傾向

Gen-Z世代とは、1995年以降に生まれた世代の人たちを指し、多様性を重視する価値観を持っている傾向にあります。

買い物をする際は、SNSなどで情報収集した上で、コスパを重視して購入を決定するようです。

収入格差・富裕層セグメントを把握する

アメリカでは、高所得者層と中所得者層から低所得者層の収入格差が大きくなっており、高所得者層の年収が増加したのに対して中所得者層の年収は減少、低所得者層は今までと変わらない結果になっています。

アメリカに向けたマーケティングをする際は、富裕層のセグメントについて把握し適切にアプローチしていくことで、利益の最大化に繋がるでしょう。そのため、市場について事前にリサーチしておき、ビジネスチャンスを見極めていくことがポイントです。

以下より、富裕層やミリオネアーのセグメントが分布している都市についてそれぞれ紹介していきます。

富裕層セグメントの都市

投資できる資産が3,000万ドル以上ある人は、超富裕層と呼ばれており、世界265,490人のうち半数が北欧で生活しています。

超富裕層の居住都市はニューヨーク市が最も多く、次いでロサンゼルス、シカゴ、サンフランシスコなどが挙げられます。

ミリオネアーセグメントの都市

ミリオネアーとは、純資産が100万ドル以上ある人のことを指し、アメリカではニュージャージー州やメリーランド州、コネチカット州などに住んでいる人が多い傾向にあります。

高所得者が住む都市ではなく、一般的な街に分布していることが特徴です。

地域を絞ったターゲティングにはDMAを活用する

DMA(Designated Market Area)とは、マーケティングリサーチを行っているニールセン社によって測定されているローカルテレビのエリア区分であり、アメリカ国内に全210のDMAがあります。

DMAはターゲット選定に活用でき、無料で簡単に利用できることが特徴です。また、Google Adsのキャンペーンを使って州別にターゲットを絞れますが、それでは範囲が広すぎるといった場合は、DMAを使うことで特定の地域にキャンペーンを打てます。

また、郵便番号や都市別にターゲットを絞るのであれば、通勤などで地域間を移動する場合に効果が弱くなってしまいますが、DMAであれば解決できます。

DMAの主な活用例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 地方のテレビ市場で広告を出稿する
  • ローカルのテレビ市場をセグメントごとに分析する
  • 複数のメディアでローカル広告を出稿する

このように活用することで、ターゲットの実生活に適したマーケティングを行えるでしょう。

マイクロインフルエンサー・ナノインフルエンサーを起用する

インフルエンサーには種類があり、それぞれの違いを理解して起用していくことが大切です。

主なインフルエンサーの種類は4つあり、以下のように特徴が異なります。

  • トップインフルエンサー:フォロワー50万人以上
  • メガ(マクロ)インフルエンサー:フォロワー数十万(50万人以下)
  • マイクロインフルエンサー:フォロワー1万人〜10万人
  • ナノインフルエンサー:フォロワー千人〜1万人

トップインフルエンサーを起用すれば大きな効果を得られると思いがちですが、トップインフルエンサーは芸能人やタレントレベルであることも多く、多額の費用が必要になってしまいます。

また、メガインフルエンサーも同様に高い影響力を持つものの、フォロワー数が多く一般ユーザーにとって遠い存在に感じてしまいかねません。

そこで、マイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーを起用することで、一般のユーザーにとって親近感がありながらも、その影響力を活かしてPRしてもらえるでしょう。

顧客とギブアンドテイクの関係を築く

ギブアンドテイクとは、直訳すると「与える&受け取る」となり、英語圏においては「公平な関係」「意見や情報を交換する」といった意味合いで使われます。また、日本の場合は「与える代わりに何かをもらう」という意味で使われています。

アメリカに限らず、ビジネスで大切なのは信頼関係です。信頼関係がなければ商品やサービスを購入してもらうことはできません。

マーケティングで顧客との信頼関係を確保するためには、ギブアンドテイクの関係を築くことが大きなポイントになります。仕事において利他的にコミュニケーションを取り、顧客に対してギブする精神を忘れないことが大切です。

また、ギブアンドテイクの関係を作る上での注意点として、相手からの見返りを期待しないことが挙げられます。ギブアンドテイクで何かを得られるのは、自分から与え続けた結果、予測していないタイミングで起こることがほとんどです。

そのため、顧客には見返りを求めず、さまざまな情報を発信していきましょう。

日本企業のアメリカビジネス成功事例

ここで、日本人がアメリカでビジネスを成功させている例をご紹介します。

新興企業向けに社員の福利厚生サービスを展開するFOND社(元Anyperk社)


FOND
2011年にサンフランシスコで創業されたAnyperk社は、Yコンビネーター出身の福山太郎氏が立ち上げた、アメリカの福利厚生アウトソーシングサービスです。2017年より社名をFONDに変更しました。
アメリカでトップシェアを獲得しており、福山氏はシリコンバレーで一番有名な日本人という話も聞くほど、アメリカで影響力を持った人物です。
FOND社は、2017年時点で既に1000社以上の大企業に導入されており、その中にはSalesforceやVirginなどの大企業も含むそうです。
アメリカにおいて、特にIT界隈では人材獲得競争が激しいです。
そのため人材を会社に呼び続けてもらうために福利厚生は日本よりも重要視されているといいます。
そのような環境の中、FOND社が提供するサービスは、導入している企業の社員が様々な福利厚生を受けられるというものです。
850以上もの特典・割引きをうけられ、その中には携帯電話料金といった生活のベースとなる部分の割引きサービスもあれば、映画鑑賞といったレジャー領域の割引き特典もあります。
このような福利厚生を準備している会社は、転職者にとって魅力的に映るはずです。
自社への転職にオプションを付けて、優秀な人材を獲得したいという現地の企業のニーズに応えたサービスなのです。
さらに、Yコンビネーターで叩き込まれた無駄遣いしない経営方法で、アメリカにあった競合の会社を追い抜きトップに躍り出ています。
単純に日本にある福利厚生の事業をアメリカでやったというものではなく、アメリカ人が喜ぶことをフォーカスして考えた事業の進め方はとても参考になります。

アメリカでも大成功を収めたフリマアプリのメルカリ

フリマアプリのメルカリは、実はアメリカでも大成功を収めている企業です。
2016年の7月時点に、iOS App Store のショッピングカテゴリで1位を獲得しています。
メルカリはアメリカの市場調査や競合調査を念入りに行い、デザインに関しても現地にフィットするようにかなり精査を行なっているといいます。
特にWebマーケティングにおける施策が功を奏し、アメリカで成功を収めることができました。
先程ご紹介したFOND社は、アメリカでビジネスを始めるというプロセスで始まっていますが、メルカリは日本で成功しアメリカ進出をした会社です。
日本で成功しているからといって日本のやり方とプロダクトをそのまま出すのではなく、
アメリカという市場に合わせてチーム個々人が高い精度でアメリカの市場のインサイトを探りにいっている姿勢は、アメリカ進出を企てている企業のお手本になると言えるでしょう。
メルカリのアメリカにおけるやり方はとても参考になる部分が多く、これからアメリカに進出したい日本にいる企業の方は特に、ぜひ参考にしてほしい事例です。
海外Webマーケティングで重要なリスティング広告徹底解説

まとめ


ここまでアメリカにおいて成功/失敗する日本企業の特徴から、成功するために必要なことを説明してきました。
アメリカでビジネスを行うにあたり、何が成功・失敗の要因になり得るかイメージを持って頂けたら嬉しいです。
一番大事なことは、「日本のやり方のままで良いと思わない」ということです。
「日本のものだから売れる」というイメージや、「アメリカでは物珍しいから売れる」といった思い込みは捨てましょう。
日本で成功していたとしても、アメリカでゼロから事業を立ち上げる気持ちで望むくらいゼロベースでマーケットのインサイトを取りに行くチーム体制を整えることが重要です。「郷に従え」という言葉がある通り、その土地にはその土地に合った売り方というものがあります。その土地のニーズに合わせた商法をしっかりとリサーチすることが成功するための近道です。
最後にご紹介した2社の例を参考に、アメリカビジネスに切り込んで行ってください。

Category Category

海外全般・英語圏の関連記事