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中国ではYouTubeが見れない?視聴方法や中国版YouTubeなどを紹介

スマホの普及や通信性能の向上により、動画プロモーションの重要性は高まる一方です。そして、世界で最も普及したプラットフォーム・YouTubeは、広告やPR動画を打つ場所として真っ先に検討しますよね。

ただ、中国においては例外です。共産党政府がYouTubeへのアクセスを遮断しており、同国本土からは視聴できないからです。ある手段で見るには見られるものの、いつ規制されるかわからず、これを頼りにマーケティングするのは望ましくありません。

そこで注目したいのが、中国独自の動画サイト。これなら本土でも問題なく見られますし、日本企業もプロモーションできます。

本記事では、中国でYouTubeが見れない理由と見る方法を解説した後、中国版YouTubeといえるサービスを紹介します。中国進出を検討中の企業が、現地事情を掴むための参考にしてみてください。

なぜ?中国でYouTubeが見れない・禁止されている理由

中国でYouTubeが見られないのは、冒頭で述べたとおり、政府がサービスを遮断しているからです。

「グレートファイアウォール」という検閲システムを聞いたことのある方は多いはず。香港・マカオを除く同国のWebに張り巡らされたこの”壁”が、国内外のサイト監視・ブロックしています。監視対象は多岐に渡り、一例は下記のとおりです。

・反共産主義のサイト
・政治的なものを含むニュースサイト
・宗教サイト
・香港デモ
・天安門事件
・中国の歴史問題

これらを見るに、検閲の目的は、政府に都合の悪い情報の遮断が考えられますね。ほかには、海外サービスを締め出すことによる自国企業育成です。

いずれにせよ、グレートファイアウォールの存在は厄介なもので、もちろんマーケティングにも影響するのを覚えておきましょう。

中国本土の人でもYouTubeにアクセスする方法

実は、中国本土の人でも、「VPN」を使用すればYouTubeにアクセス可能です。VPNとはいったい何なのか、解説していきます。

VPNとは

VPNとは、Virtual Private Networkの頭文字をとった言葉で、直訳すると「仮想専用回線」です。通常のネット回線の中に、VPNユーザー専用の仮想回線を設けます。

一般的なネット接続は、「中国本土→中国のサーバー→グレートファイアウォール→Webサイト」と、中国国内のサーバーを利用するため、グレートファイアウォールの対象です。

しかしVPNは、「中国本土→国外のVPNサーバー→Webサイト」と、国外の専用サーバーを介して仮想回線を敷きます。これにより、グレートファイアウォールは遠隔地点から接続していると判断。また、VPNの信号は高度に暗号化されており、検閲をすり抜けることができるのです。

コロナ禍によりVPNの大規制中

コロナ禍により、VPNは今、厳しく規制されています。

きっかけは、中国で1人の医師が、新型コロナウイルスの感染拡大に警鐘を鳴らす発言をネット上で行ったことです。当局はこの医師をデマを流したと処分しましたが、結果、新型肺炎が拡大し、医師も死亡。政府が情報統制を行ったこと、初期対応を誤り感染を拡大させたことに対し、国民は不満を爆発させました。

以降、彼らは海外の情報に信頼感を高めるように。そして検閲を回避するためにVPNの使用が増加したため、政府が大規模な規制を敷いたのです。

当面、VPNの規制緩和は期待でないでしょう。

中国版YouTube!代わりになるWebサービスは?

中国版YouTubeに代わるプラットフォームについての詳細な情報は、『2度と戻らない’中国人の爆買い’と4年強の日本旅行難から開放された韓国人の’爆買い現象の新トレンド』というお役立ち資料で更に深掘りしています。こちらからダウンロードしてご覧ください。

中国には、中国版YouTubeともいわれる動画視聴サービスがいくつかあります。海外の動画サイト全般が規制されている中国では、その代わりとなる独自のサービスが普及しているのです。

今後、中国へ動画コンテンツを届けるなら、以下のサイトは押さえておきましょう。

Youku

画像:Youku公式サイト

「Youku(优酷/ヨウク)」は、中国三大動画配信サービスのうちのひとつで、元祖中国版YouTubeとしても有名です。

2020年3月の月間アクティブユーザー数(MAU)は3.86億人。10〜20代の若年層のユーザーが多い、中国の動画配信アプリ第3位の人気サービスです(*)。

YouTuberのような存在もいて、彼らの動画からWebのトレンドを知ることができるほか、彼らに商品をPRしてもらうプロモーションも可能です。若い世代をターゲットとしたマーケティングに活用できますね。

*:QuestMobile/QuestMobile2020中国移动互联网春季大报告           

iQiyi

画像:iQiyi公式サイト

「iQiyi(愛奇芸/アイチーイー)」は、中国で一番人気のサイトです。2020年3月のMAUは5.72億人で、幅広い年齢層のユーザーに利用されています(*)。

日本の化粧品ブランド「エテュセ」が、独身の日にあわせてインフルエンサーとのコラボ動画をQiyiで配信した結果、255万回再生・売上260億円アップを記録した事例も。ユーザーの目に留まる機会が多い分、広告の訴求効果も高いのが分かりますね。

ちなみにQiyiの動画視聴前広告は、もともとは中国企業だけが流せていたのですが、2018年より日本の企業もOKに。無料会員は動画広告をスキップできないため、より多くの人に広告を見てもらえます。

*:QuestMobile/QuestMobile2020中国移动互联网春季大报告

テンセントビデオ

画像:テンセントビデオ公式サイト

「テンセントビデオ(騰訊視頻)」は、中国で2番目に人気のサイトです。

2020年3月のMAUは5.36億人で、主に若い世代向けのドラマ・スポーツ情報・ファッション・音楽などを配信。独占配信のエンターテインメント番組が多いのも特徴です。(*)

Qiyiに並ぶ規模のサービスなので、こちらもぜひ活用したいところ。マクドナルドのアニメ動画が1,700万回再生を記録し、同社の好感度が51%も上昇したといった事例があります。

*:QuestMobile/QuestMobile2020中国移动互联网春季大报告

bilibili

画像:bilibili公式サイト

「bilibili(哔哩哔哩/ビリビリ)」は中国版ニコニコ動画とも呼ばれる、10〜20代の若者に人気の動画サービスで、とくにゲームやアニメに関心を持つ人たちから支持されています。

主な特徴は「弾幕」と「投げ銭」。

弾幕は、動画上に直接コメントが表示される機能。動画を盛り上げたり、ユーザー同士で交流できたりして、他サイトとは違った角度で動画を楽しめます。投げ銭は、動画配信者を金銭で評価する機能。配信する側は投げ銭を増やそうと動画のクオリティを上げる工夫をし、ユーザーはそれを応援できるため、bilibili全体が盛り上がるのです。

他サイトとの差別化をはかった独自路線で固定ユーザーが多く、中国の若い世代をターゲットとしたPR動画や広告におすすめです。

Douyin・Kuaishouなどのショートムービーアプリも!

近年、中国ではショートムービーアプリの需要も高まっています。

人気なのは、MAU5.18億人の「Douyin(抖音/ドウイン)」と、MAU4.43億人の「Kuaisyou(快手/クァイショウ)」。ユーザーは若年層が中心です。(*)

ショートムービーということで、15〜60秒の間にメッセージを盛り込むため、飽きずに最後まで見てもらえる可能性が高いのがメリットといえます。マーケティングにおいては、KOLと呼ばれるインフルエンサーを活用するのが流行中ですね。

また、中国では「ショートムービー+(プラス)」という、ショートムービーとビジネスを掛け合わせる手法が普及しています。たとえば、動画上に設置されたECサイトへのリンクボタンにより、ユーザーが視聴画面から簡単に商品購入サイトへ移動して購入できるDouyinのシステムなど。このように、エンターテインメントの要素に、宣伝・拡散・ECも付け加えたツールは、多くの企業のプロモーションにも利用されており、今後の成長も期待されています。

今後のマーケティングには、動画配信サービスとともに、ショートムービーを活用した対策も必須になってくるでしょう。

*:QuestMobile/QuestMobile2020中国移动互联网春季大报告  

まとめ

今回は、中国でYouTubeが視聴できない理由と、代わりになる同国独自の動画サービスをご紹介してきました。

企業にとっては、PR動画や広告を打つだけでなく、トレンド情報や口コミを知るツールにもなる動画配信サイト。中国で効果的なマーケティングを行っていくのであれば、中国版YouTubeは外せません。

本記事が、現地の動画事情を知るうえで参考になれば幸いです。

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