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中国の主要検索エンジン完全網羅!百度(バイドゥ)・360(サンリュー)などを紹介

越境ECが勢いを増し、Webマーケティングがますます重要性を増している昨今、中国進出を考えるなら検索エンジンやインターネットに関する情報収集は欠かせません。

しかし中国のインターネット事情は闇に包まれていることで有名です。

中国では、政府の「グレートファイアウォール」によって様々なサービスが規制されているからです。

中国の人口は約13億8000万人で、日本の約11倍にものぼります。中国進出を成功させることができれば、日本国内よりはるかに広いマーケットに対して自社の商品・サービスをアピールできるでしょう。

中国進出を成功させたことで、飛躍的に発展した企業も数多く存在します。

この記事では、中国への海外進出を考えている企業向けに、中国の検索エンジンに関する最新動向を解説します。

中国進出を考えるならまず中国で利用される検索エンジンへの理解を深めることが大切です。

今回は中国の主要な検索エンジンの特徴・利用状況を最新データをもとに解説しますので、ぜひ参考にしてください。

中国検索エンジンに適用されているグレートファイアウォールとは

「グレートファイアウォール」とは、中国全土に敷かれているインターネット検閲・ブロックシステム「金盾(きんじゅん)」のことを指します。

この機能を「万里の長城」になぞらえ「グレート・ファイアウォール」と呼ばれています。

「金盾」は中国政府の将来的な情報電子化に向けて、1993年に計画された国家政策「金字工程」の一部です。導入自体は1999年から開始されましたが、基本的な検閲システムとしての稼働開始は2003年からです。

なお香港とマカオの両特別行政区については中国本土とは法体系が異なるため、グレートファイアウォールは適用されておりません。

中国検索エンジンのシェア【2023年最新】

中国では「グレートファイアウォール」と呼ばれる政府の規制により、一般的にはGoogle・Youtube・Facebook・LINEなどのサービスは利用できません。

そのため、中国には独自のサービスが数多く存在します。中国でよく利用されている検索エンジンのランキングは下記の通りです。

【モバイル版】過去1年間の中国の検索エンジンシェア(22年4月~23年3月)

1️位:Baidu(84.8%)

2位:Shenma(3.73%)

3位:YANDEX(2.73%)

4位:bing(2.53%)

5位:Haosou(2.29%)

参照:Mobile Search Engine Market Share China(Apr 2022 – Mar 2023)

【デスクトップ版】過去1年間の中国の検索エンジンシェア(22年4月~23年3月)

1️位:Baidu(40.53%)

2位:bing(25.31%)

3位:Sogou(20.91%)

4位:Haosou(6.69%)

5位:Google(5.81%)

参照:Desktop Search Engine Market Share China(Apr 2022 – Mar 2023)

中国国内では「百度(バイドゥ)」が8割近くの圧倒的なシェアを誇ります。

後に続く「神马(シェンマ)」はモバイルに特化しており、「360搜索」はPCでの検索に強いという違いがあります。

今回は中国検索エンジン最大手の「百度」を筆頭に、「神马(シェンマ)」・「360搜索(サンリューリンソウスオ)」・「搜狗(ソゴウ)」をご紹介します。

中国の検索エンジン①百度(Baidu)

まず中国で約8割の圧倒的シェアを誇る検索エンジン「百度(バイドゥ)」について解説します。

中国でSEO対策をするなら、百度の検索上位を目指す必要があります。

百度を効果的に活用するには、リスティング広告の活用や、SNSを活用したインフルエンサーマーケティングも重要です。百度の特徴を知り、自社のビジネスに活かしましょう。

中国最大の検索エンジン百度とは?

鮮度の高いオリジナル情報を配信したり、Webサイトの表示速度を上げると上位表示されやすい。

2000年に設立された百度はGoogleと同様、企業名であると同時に自社の核となるサービス名(検索エンジン名)でもあります。

百度の一番の特徴は、中国語に特化した検索エンジンであるということです。

百度を利用するインターネットユーザーは2016年末時点で 7 億 3000 万人を超えています。「百度」は、自社製品・サービスの情報を中国に向けて配信したければ、避けては通れない検索エンジンといえます。

関連リンク:https://lifepepper.co.jp/china/qa-baidu-seo/

検索エンジンにとどまらない百度の特徴

百度は世界で最も多くの中国語のWeb サイトを保有し、中国語に焦点を当てています。利用できるのは簡体字の中国語のみで、中国語のwebサイトを優先して表示します。

百度はGoogleと同様、検索エンジン以外にクラウドサービス・地図・音楽・動画プラットフォーム・翻訳・百度百科(Wikipedia の中国版)など多くのサービスを提供しています。

また最近では、Googleと同様に自動運転技術などAI戦略にも力を入れ始めています。2018年には「阿波羅(アポロ)2.0」という自動運転プラットフォームを発表しました。スマートスピーカーの開発にも注力しています。

圧倒的シェアを誇るからこそ、百度でのリスティング広告には大きな効果があります。百度は検索順位の変動も激しいことから、リスティング広告を活用しながら効果的にプロモーションし、認知度を向上させていくことがポイントです。

百度で掲載できる広告の種類

百度に出稿できる広告には、次の4つの種類があります。

  • リスティング広告
  • アドネットワーク広告
  • インフィード広告
  • ブランドリンク広告

それぞれの特徴を解説しますので、確認していきましょう。

リスティング広告

百度リスティング広告は、Baidu.comで検索結果画面に表示される検索結果連動型広告であり、日本で言うGoogleリスティング広告と似ています。

あらかじめキーワードを指定して広告を登録でき、ユーザーが百度にて同じキーワードで検索した際に、検索結果画面に掲載されます。クリック数に応じて料金が発生するクリック課金制であるため、検索結果画面に広告が表示されただけで課金されることはありません。

百度リスティング広告は、商材の潜在顧客や見込み客に対して効果的なプロモーションといえます。

アドネットワーク広告

百度アドネットワーク広告とは、百度が運営するPCやモバイル、動画サイト、アプリなどに掲載できる広告のことです。

広告出稿の際は、リスティング広告と同じ「クリック課金制」と表示回数で料金が発生する「imp課金制」のいずれかを選択できます。アドネットワーク広告は1日で180億回表示されるため、より多くのユーザーにアプローチしたい場合に向いているでしょう。

ターゲットを絞った広告配信にも対応しており、年齢・性別・興味などを指定したプロモーションが可能です。イメージとしては、Facebook広告と似ているでしょう。

インフィード広告

百度インフィード広告は、百度アプリを利用しているユーザーに配信できる広告です。

百度の検索アプリである「手机百度」や掲示板サービスアプリの「百度贴吧」、モバイルブラウザアプリの「⼿百度浏览器」などへ広告配信が可能です。

アプリのフィード内に掲載されるため、広告らしさを消しつつユーザーへ訴求できることがメリットといえます。越境ECやインバウンド消費で日本製品を求めているユーザーへの訴求力が高く、適切なターゲティングによって効果的に活用できるでしょう。

ブランドリンク広告

百度ブランドリンク広告とは、自社のブランド名で検索した際に、ユーザーの検索結果画面のファーストビューを占められる広告です。

競合店舗が同じブランド名で広告を出しても、ブランドリンク広告が優先的に上位表示されるため、ブランドの認知向上や興味の引き付けに効果的です。また、テキストやバナーのほかに動画も利用でき、クリック率は40%超えと非常に訴求力の高い広告手段であるといえます。

課金方式は期間保証型になるため、他の広告とは料金の発生方法が異なる点を押さえておきましょう。

【中国検索エンジン最大手】百度で検索順位を上げる方法

まず百度上に表示されるには「WEBサイト登録申請」「サイトインデックス依頼」という2つの手続きが必要です。

単純に中国語のコンテンツを配信するだけでは、百度の検索結果に表示されないので注意しましょう。この点が百度参入の難易度を高めていますが、この壁を突破すれば大きなビジネスチャンスが広がっているといえます。

「質より鮮度が重視される」「オリジナル単語を含める」「webサイトの表示速度をあげる」といった工夫により、百度での検索順位を上げることができます。

弊社LIFE PEPPERでは、中国人観光客向け観光アプリのリサーチ・ブランディング・プロモーションを一貫してサポートした実績があります。

中国のインターネット事情に精通していることから、インフルエンサーを活用した効果的な動画プロモーションを行いました。SNSで動画がシェアされた結果、再生回数は400万以上となり、目標ダウンロード数を達成できプロジェクトを成功させました。

専門の業者を活用することで、中国で効果的なWebマーケティングを展開することは十分可能といえます。

中国の検索エンジン②神马(シェンマ)

画像引用元:神马(シェンマ)公式ページ

続いて、最近急激にシェアを拡大しつつあるモバイル特化の検索エンジン「神马(シェンマ)」について解説していきます。

中国では百度が圧倒的シェアを誇るとはいえ、他の検索エンジンもについても知っておいて損はありません。

検索エンジンごとの違いや特徴を理解し、最も適した方法で中国進出を果たすことが大切です。

急成長中の検索エンジン神马とは?

神马は、中国版アマゾンといわれるアリババと中国モバイルブラウザ大手UC優視(UCウェブ)が協働で設立した合弁会社が、スマホユーザー向けに2013年から提供を始めた検索エンジンです。

神马は新興の検索エンジンで、ここ数年で急激にシェアを拡大しています。神马はモバイルに特化することで、モバイルユーザーの満足度をあげるデザインやシステムを開発しました。

ちなみに神马は中国語で「什么(なに?)」という意味の言葉とよく似た発音の言葉です。

モバイル特化の神马の特徴は?

神马の2017年年末時点の総ユーザー数は5億人超といわれています。神马では買い物・ニュース・マップなどのサービスを、他のアプリを開くことなく操作できるのが魅力です。

また検索すると検索結果が突然表示されるのではなく、上位カテゴリが表示されるのも神马の特徴です。

PCより画面の小さいモバイルユーザーが、ストレスなく目的のページにたどり着くことができる工夫が神马には凝らされています。

神马を活用するメリットと今後の可能性

中国のモバイルブラウザ大手UC優視(UCウェブ)の発表によると、モバイルの検索回数がPCの検索回数を上回っているとのこと。

このことからも、中国に向けて今後Webマーケティングを行うなら、モバイルは無視できない媒体といえるでしょう。

百度は現在圧倒的な大手ですが、モバイルユーザーへの発信を重視する場合、百度とあわせて神马の活用を検討することをおすすめします。

中国の検索エンジン③360搜索(サンリューリンソウスオ)

画像引用元:360搜索(サンリューリンソウスオ)公式

続いてPCで百度に続くシェアを誇る、「360搜索(サンリューリンソウスオ)」について解説していきます。

PCに強い検索エンジン360搜索とは?

360捜索も神马と同様に近年急成長してきた検索エンジンです。360捜索はPCでのシェアが高いものの、現状ではモバイルではあまり利用されていません。

360捜索では、「この検索エンジンを利用すればウィルスに感染しにくい」というブランディングを行い、シェアを拡大しています。

360捜索はもともとPCに導入するウィルス対策ソフト「奇虎360」を提供していました。そのそのシェアを伸ばす過程で利用者拡大に伴い、検索エンジンも立ち上げたという背景があります。そのため、PCでのシェアが高くなっています。

360捜索で広告を出すメリット

360捜索は百度と比べると広告の競合が少ないといえます。そのため360捜索で広告を出稿することで、一定のユーザーの流入が期待できます。

百度で広告を出してもあまり効果が実感できなかった方は、一度360捜索の広告も検討してみることをおすすめします。

360捜索の検索順位を上げる方法はまだ明確にはわかっていませんが、ユーザー目線のコンテンツ作成が評価されると予想されます。

360捜索は他社サービスの安全性に関して言及するなど、「ユーザー第一」の姿勢を大切にしているからです。

360捜索で広告を出す時の注意点

360捜索はPCでは百度に次ぐシェアを誇るとはいえ、検索ボリュームは決して多いとはいえません。

360捜索で広告を出す時には、検索ボリュームをよく分析し、精度の高い方法でマーケティングをする必要があります。

またリスティング広告の効果測定がしにくいというデメリットもあります。

360捜索を活用してwebマーケティングを行うなら、こういったデメリットについて専門家に相談し、ターゲット層を明確にしたうえで効果的な戦略を練っていきましょう。

中国の検索エンジン④搜狗(ソゴウ)

画像引用元:搜狗(ソゴウ)公式ページ

最後に、PC&モバイルのランキングで4位を獲得した「搜狗(ソゴウ)」について解説します。

百度とシェア獲得競争をする搜狗とは?

搜狗はPCでのシェアが第4位4.3%、モバイルでのシェアが第3位2.87%です。搜狗はこれまでも百度とシェア獲得競争を繰り広げてきました。

圧倒的シェアを誇るのは百度ですが、搜狗は毎年少しずつ百度のシェアを削りとっています。この2社の戦いに、最近新興の神马と360捜索が加わった形です。

搜狗はデスクトップとモバイルの入力方式ソフトウェアの開発を事業としてスタートしました。利用者数が増えたことから、検索エンジンにも注力し始めたという経緯があります。

SNS連携が搜狗の特徴

搜狗の特徴は、中国で人気のSNSである「WeChat(微信)」と連携していることです。WeChatでは搜狗がデフォルトの検索エンジンとなっています。

中国をはじめアジア地域ではSNSの利用が非常に活発です。この背景には、商品やサービスの信頼性をはかるのに、口コミ情報が重視されるからです。

そのため中国の市場に向けて自社の商品・サービスのプロモーションを行うなら、検索エンジンの理解だけでなくSNSの活用が必須項目です。

インフルエンサーを起用してSNSで効果的に商品・サービスを紹介すれば、シェアされることで一気に認知度が向上するでしょう。

百度とあわせてSNSと連携している搜狗をうまく活用することで、商品・サービスを効果的にアピールすることができると考えられます。

関連リンク:https://lifepepper.co.jp/china/sogou/

搜狗の今後の展開は?

搜狗の2017年の発表によると、純利益は前年より54%アップしており、順調に成長を続けています。

搜狗は今後AIに力を入れていくとともに、検索エンジンでは「ダイレクトアンサー」の精度をあげていくとしています。

具体的にはAIによって行うユーザーの趣味嗜好を分析によって、Webマーケティング広告にも積極的に取り組んでいく方針が示されています。

また「ダイレクトアンサー」とは、特定のキーワードで検索した時、検索結果のページ上部に表示される検索エンジンによる直接回答です。

AI技術の進歩やダイレクトアンサーにより利用ユーザーが増えれば、それだけ搜狗でWebマーケティングをする効果も大きくなるでしょう。

中国の市場に対して自社の商品・サービスをアピールしたいなら、百度だけでなく搜狗の動向にも注目しておくと安心です。

中国の検索エンジン⑤Bing

Bingは、マイクロソフト社が提供している検索エンジンです。中国はGoogleやYahoo!などへのアクセス制限がありますが、Bingは利用可能な中でも数少ない、アメリカ発の検索エンジンです。

過去には中国でBingの利用が一時停止されたり、自動提案機能の推奨アルゴリズム機能が停止されたりしたため、中国国内でBingに制限がかかったのではという声も挙がっていました。

しかし、現在は問題なく利用でき、他の検索エンジンと同じように情報にはアクセス制限がかかっているものの、グレートファイアウォールによるネット制限が厳しい中国においては海外発の検索エンジンとして活用されています。

Bingは2016年以降にビジネス特化型SNSのLinkedInをはじめとするIT関連の企業を買収し、シェアを拡大しています。

中国の検索エンジン⑥hao123

hao123は中国のBaidu社が提供しているオンラインナビゲーションであり、高品質なURLとリソースがまとめられています。

月間アクティブユーザー数は650万人と規模が大きく、ビデオ・ゲーム・音楽・小説などのカテゴライズされたコンテンツを楽しめることが特徴です。

タイムリーにオンラインコンテンツを見つけられるとして中国ユーザーに注目されているhao123ですが、日本では次のような報告が見られており、インストールすると端末の利便性が下がってしまうという声もありました。

  • 使用しているブラウザの設定が自動的に変更される
  • 検索内容が勝手に収集されている
  • 本来表示されない場所に広告が表示される
  • フリーソフトのインストールと同時に付属してくる
  • 簡単にアンインストールできない

実際はhao123は大手企業が運営するポータルサイトのため危険性は低いと評価されているようですが、利用の際は注意しておくと良いかもしれません。

百度リスティング広告運用ならLIFE PEPPER

ここまで、百度や神马、360搜索、搜狗など中国の4大検索エンジンについて解説してきました。中国の検索エンジンシェア1位の百度で、「少ない予算でもっとも購入・来店意欲の高い見込み客」に広告を配信したいとお考えなら、LIFE PEPPERにご相談ください。百度のリスティング広告運用は、Googleとは違って代理店を通じてアカウントの開設や審査が必要となっているので、LIFE PEPPERが誠心誠意サポートさせていただきます。

まとめ

中国の検索エンジンでは、百度が圧倒的なシェアを誇るため、まずは百度を活用して海外進出を成功させることが重要です。

また中国のインターネット事情は変化が激しいため、他の検索エンジンの動向情報を手に入れながら積極的に活用していくことをおすすめします。

中国に自社の商品・サービスをプロモーションするなら、検索エンジンでの上位表示だけでなく、リスティング広告やSNSマーケティングの活用が不可欠です。複数の方法を組み合わせることで、認知度が向上し最大の成果が得られるでしょう。

今はWebサイトや広告1つで、中国人のインターネットユーザーに自社製品・サービスをアピールすることが可能です。

中国を初めとして、海外Webマーケティングを効果的に施行するなら、専門家のアドバイスを受けることが大切です。

自社製品・サービスの特徴から、どのようなプロモーションが適切かを検討し、国民性を理解した効果的な訴求活動をしましょう

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