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訪日外国人観光客の行動パターンを解説!デジタルを活用したインバウンド集客のポイントとは

はじめに

LIFE PEPPERの吉田です!
インバウンド熱が全国的に盛り上がりを見せてから久しく、最近では著名な観光地以外でも外国人観光客を目にする機会が多くなりましたね。
飲食店や宿泊施設、小売店や観光スポットなど様々な業種業態の担当者さまが、インバウンド集客に興味を持つようになっていますが、「そもそも何から始めればいいのか」「どんな手法があるのかわからない」といった方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では訪日外国人観光客の行動パターン、つまり「どんなタイミングで、どのような手法で情報を調べ、何を基準に意思決定をするのか」を知ることで、各担当者さまが戦略に沿った適切な施策を実施できるようになっていただきたいと思います。

ぜひ最後まで熟読いただき、貴社のインバウンド集客に役立ててください!

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訪日外国人の行動パターンを理解する

国籍や性別、旅行スタイルなどの属性によっても変動しますが、一般的な訪日外国人の行動パターンは下記の図のようになります。

このように訪日外国人は1.認知→2.興味関心→3.検討→コンバージョン(訪問)と、大まかに分けて3つの段階を経て訪問に至ります。
※ 図内の行動(Google検索など)は一例です

インバウンド集客を考えるうえで重要なことの1つが「自分たちにはどこが足りていないのか」「どのフェーズの消費者に対しての施策なのか」を十分に検討することです。
例えばまだまだ外国人観光客に知られていないという段階であれば「まずは外国人に対しての認知度を高める」施策が必要ですし、外国人に知られてはいるけどなかなか訪問に至らないという段階では「その施設(飲食店や宿泊施設、観光スポット)を魅力的に感じさせ行ってみたいと思わせる」施策が求められます。
また認知度も興味関心もあったうえで訪問数を伸ばすのであれば「競合する施設よりも優れている点を訴求し訪問の動機を強く植え付ける」施策をするべきです。

まずは自分が関わる施設がどの段階にあるのかを考えてみたうえで、この先の記事を読んでみてください。

ここからは実際に3つの段階それぞれでどんな手法があるのか、どのように活用できるのかについてについて解説していきます。弊社はデジタルマーケティングの会社ですので、アナログな手法については簡易的なものに留めさせていただく点ご了承ください。

認知のフェーズでは何ができるか

これはインバウンドに限らず至極当たり前の話ではありますが、自分の施設の存在を知ってもらわないことには、訪日外国人を集客することはできません。
インバウンド集客の入り口である「認知」ではどういった手法があるのか、下記に紹介していきます。

①SNS広告

FacebookやInstagramなどのSNSが一気に普及したのはここ10年弱の話ですが、このSNSが友人同士のコミュニケーションだけでなく、インバウンド集客においても影響力を増しています。
訪日外国人を対象にした観光庁の調査(訪日外国人消費動向調査:平成29年暦年)によると、全体の21.4%が訪日観光で参考になった情報としてSNSを挙げており、「個人のブログ」に次ぐ2番目の情報源となっていることからも、インバウンド集客に有効活用できることが分かります。

特にインバウンドで有効なSNSはFacebook及びInstagramの2媒体です。
中国を除く全世界での利用率が非常に高いことに加え、国籍や性別、年代はもちろんのこと、趣味趣向などターゲットの設定を細かく行えることも魅力的です。
まだ自分たちのターゲットが決めきれていない事業者さんであれば広く浅く広告を配信し、クリック率やインプレッションなど反応が良かった属性をターゲットにするという、テストマーケティングとしても活用できます。

②インフルエンサー

最近よく聞くようになった「インフルエンサー」という言葉ですが、いくつか定義があるものの本記事では「影響力を持つ個人」として解説していきます。
インフルエンサーはInfluence(=影響)が語源になっていることからも分かるように、消費者の行動に影響を与える人のことです。利用している媒体も異なり、例えばブログを使っていれば「パワーブロガー」YouTubeで活躍している人であれば「YouTuber(ユーチューバー)」などと呼ばれています。

国籍よってインフルエンサーの媒体の傾向が異なり、例えば訪日外国人の多い台湾や韓国ではブロガーが圧倒的な影響力を持っています。先ほど紹介した調査(訪日外国人消費動向調査:平成29年暦年)では訪日韓国人の55.5%が、訪日台湾人の36.8%がブログが参考になったと回答しています。
インフルエンサーの影響力(ブログのPVやSNSのフォロワー数)などにより利用する際の価格が変動することが一般的です。

③動画広告

YouTubeで動画を閲覧する際の冒頭に、本編とは関係のないCMが流れてきたご経験はありませんか?それが動画広告であり、YouTubeの場合はTrueViewと呼ばれています。
映像という強力なコンテンツで訴求できる点、また一定時間以上が経過しないと広告料金が課金されないという特徴があり、最近では観光地のPR動画を広告として配信する事業者も増えてきました。

広告料金を低額から始められるのが動画広告の魅力です。しかし広告素材のための「動画制作」に費用がかかることが多く、既に素材を持っている事業者さんにはオススメですが、広告のためだけに動画制作からはじめるというのは検討の余地があります。

④口コミサービス

日本で言う食べログのような体験にしたユーザーが点数や文章によって口コミを投稿するサービスです。
TripAdvisor(トリップアドバイザー)が有名で、特に英語圏(欧米圏)のユーザーが多く、アメリカなどの訪日外国人観光客は平均して30%ほどが参考にしている情報として挙げています。(訪日外国人消費動向調査:平成29年暦年)
無料で利用することもできるため、まずは正確な情報を登録するだけでも一定の効果が期待できます。TripAdvisorであれば飲食店だけでなく、宿泊施設や観光スポットでも利用できますので、多くの人が活用できる手法です。

⑤アドネットワーク

Googleディスプレイネットワーク(GDN)などに代表される広告手法で、ディスプレイネットワークに加盟している数多くのWEBサイトやアプリケーションに対して一括して広告を配信できます。
具体的に「この媒体に出稿したい」という指定ができないのですが、配信するWEBサイトのジャンルは指定できますので、広く多くの人に広告を配信していきたいという方には有効な手段の1つと言えます。

⑥純広告

WEBでの広告では古くからある手法で、先ほど紹介したアドネットワークとは異なり、特定のWEBサイトのバナー枠などに広告を出稿する手法です。1つのWEBサイトにのみ広告を出稿することになりますので、認知させたい施設と相性がバッチリ合うWEBサイトが見つかった人にはオススメの手法です。

またバナー枠への出稿だけでなく、WEBサイトの担当者に取材をしてもらい記事として広告を出す「記事広告」という方法もあり、より詳しく紹介することもできますが、バナー枠よりはインプレッションやクリック数が下がることが一般的です。

⑦【認知】どの手法に取り組めばいいのか

認知のフェーズだけでも6つの手法があり、それら全てを実施することは難しいと思います。
狙っていく国籍や属性、予算や目標達成のスケジュールなどによってオススメできる手法は異なるのですが、利用者の数や導入のコスト、利便性なども考えると①SNS広告と ④口コミサービスから始めるというのが定石です
ただ留意すべき点としては韓国や台湾などインフルエンサー(=ブロガー)が圧倒的な影響力を持っている市場を狙っていくのであれば、ブロガーを利用することはほぼ必須といっても過言ではありません。

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興味関心のフェーズでは何ができるか

自分の施設を知ってもらうフェーズの後には、知ってもらったものに興味関心を持ってもらい、好きになってもらう=行きたいと思ってもらうことが必要になります。

①リスティング広告

画像のように、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果へ出稿する手法です。
検索連動型広告とも呼ばれるように、ユーザーが検索したキーワードに対して広告を出稿しますので、認知のフェーズよりも訪問のニーズが高まっている状態の顧客候補にアプローチできます。
日本国内向けであればGoogleとYahoo!で十分ですが、インバウンドの場合は中国のBaiduや韓国のNAVERなど、狙うターゲットによりリスティング広告を出稿する媒体も異なるので注意が必要です。

②コンテンツ制作(多言語サイト・多言語動画)

知ってもらったユーザーに対して、その施設を好きになってもらうため「ここに行ったらどんな体験ができるのか」を分かりやすく・魅力的に伝えることが有効です。そのためにはWEBサイトや動画などを、狙っていくユーザーの言語に合わせて制作することが必要になります。
どちらもある程度コストがかかる施策になりますので、予算が限られる場合はランディングページ1枚から始めるという選択もあります。また、先ほど認知のフェーズで紹介したTripAdvisorなどのページを作り込むことで補うことも可能です。

③SNS運用

認知のフェーズで紹介したSNSの手法は「広告」でしたが、ここではInstagramやFacebookのアカウントを「運用」する手法になります。ユーザーと直接繋がりコミュニケーションをとることができるので、上手く運用できれば非常に強力な手法になります。ですが、1年に何度も訪日する人は限られており、かつ2度め3度めの訪日で自施設の近くに来る可能性が低くなっていくので、実はあまりオススメできない手法でもあります。

④SEO

SEOとはサーチエンジンオプティマイゼーションの略称で、「検索結果に対しての最適化=狙ったキーワードで上位表示させる」ということになります。
先ほど紹介したリスティング広告ではお金を払っての上位表示でしたが、このSEOではWEBサイト内のコンテンツを充実させることで費用をかけずに上位表示させることができます。

費用をかけず、というと聞こえは良いのですが、「自社内で有益なコンテンツを多言語で展開する」ということを考えると、時間がかかったり外注することになったりと、結局コストがかかってしまう危険性もあります。
また検索エンジンのアルゴリズムは日々変化していきますので、コンテンツを作って終わりではなく、継続した改善も必要になります。

⑤インフルエンサー

先ほど認知のフェーズでもご紹介しましたが、インフルエンサーは興味関心フェーズでも有効な手法です。
インフルエンサーの投稿は検索エンジン、YouTube、Instagramなどそれぞれの媒体で上位表示されることが多いので、上記にあるSEOなどと同じ効果を期待することもできます。
SEO的な効果を狙う場合は、インフルエンサーの投稿(記事、動画、SNS投稿)に含まれるキーワードをしっかりとディレクションする必要があります。ですのでインフルエンサーに来てもらって取材で終わりではなく、インフルエンサー本人にプロモーションの目的や狙いたいキーワードをしっかりと伝えるようにしましょう。

⑥【興味関心】どの手法に取り組めばいいのか

興味関心でもいくつかの選択肢がありますので、ここでもターゲットや予算などの戦略によって手法を選ぶ必要があります。自社内で運用する体力があれば④SEOなどもオススメですが、多くの施設さまがそのような運用は難しいと思いますので、信頼できる企業に①リスティング広告を外注したり⑤インフルエンサーを活用することからスタートすると良いでしょう。
またフェーズを問わず、デジタルマーケティングをするためには、ターゲットの言語に合わせた②コンテンツ制作がほぼ必須といえます。

検討のフェーズでは何ができるか

自分の施設を知ってもらい、かつ好きになってもらった消費者に対して、「最後のひと押し」として訪問を決定してもらうためのフェーズ(検討)の手法を下記に紹介します。

①口コミ

この記事を読んでいる皆さんも、旅先のレストランやホテルを決める際に「口コミを参考にする」「口コミがないところは敬遠しがち」という方が多いのではないでしょうか?
インバウンドでもこれと同じような傾向があり、口コミがあるものとないものでは訪問率に大きな違いが出てしまいます。
友人や親族同士での口コミは勿論ですが、認知のフェーズで紹介した「口コミサービス」を積極的に活用することも重要になります。来店した訪日外国人観光客にTripAdvisorへの投稿を促したり、メールアドレスを取得できればTripAdvisorの無料機能を利用してメールマガジン形式で口コミをお願いすることもできます。

またインフルエンサーの記事や動画なども第3者の意見として広義の口コミにあたります。
口コミは検討フェーズでは最も重要な施策ですので、積極的に取り組んでみてください。

②LPO

先ほどはSEO(サーチエンジンオプティマイゼーション)がありましたが、LPOはランディングページオプティマイゼーション、つまり広告やインフルエンサーの記事からの遷移先を最適化するという施策です。
施設の概要を示した文言、魅力を伝える写真、地図の見せ方などを試行錯誤しながら、集客したい外国人に合わせて改善する手法です。

ある程度の工数とコストがかかりますので、認知や興味関心のフェーズで色々と取り組み一定の成果が出てきたところで、更に集客数を増やすための施策として検討することがオススメです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
このようにインバウンド集客には様々な手法があり、自分の施設のフェーズに合わせて戦略的に取り組む必要があります。まだまだ成功例が少なく、本格的な施策を打ち出せている事業者さんも少ないインバウンド業界。
紹介させていただいたような施策に挑戦し、たくさんの外国人を集客していきましょう!

最後まで記事をご覧いただきありがとうございます。より深い理解を得るために、当社が提供する事例集含む3点資料セットを無料でダウンロードして、ご自身の施策に生かす参考になさってください。ダウンロードはこちらから。

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この記事を書いた人

株式会社 LIFE PEPPER
取締役
吉田 典広
大手ナショナルクライアントへの営業・広報活動を中心にセールスの責任者を務めつつ、インバウンド消費の分析及びクライアントのグローバル戦略立案を担当。クライアントは国や自治体との案件実績多数。

 

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