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関西のインバウンド市場が熱い!2019年の動向と今後の課題、人気のセミナー情報などを徹底解説!

歴史的な建造物や町並みと、現代的な繁華街やショッピング施設が混在し、魅力的な観光資源に富む関西地方には、多くのインバウンド客が訪れています。

2018年10~12月期には、772万人の外国人旅行者のうち41.1%にものぼる、317万人が訪問(*)。全訪日客の半数近くが、何らかの形で関西に来ているのです。

このように関西のインバウンド市場が熱くなっている今、改めて現状を細かく見直し、課題を明確にしてみませんか?好調を維持するには、絶え間ない分析と改善が不可欠です。

そこで今回は、関西地方における2019年インバウンド市場の動向や課題を洗い出し、その後各府県ごとの現状を解説します。また、関西のインバウンド交流会やセミナー情報も併せてご紹介しますので、施策立案や情報交換の参考にしてみてください。

なお今回は、大阪・京都・兵庫・和歌山・奈良・滋賀の6府県を関西と定義して解説します。

*:三菱UFJリサーチ&コンサルティング/関西のインバウンド消費(2018 年 10-12 月期、2018 年暦年)

関西インバウンド客 2019年の動向

ここでは、今日の関西地方における外国人旅行者数とインバウンド消費額、そして今後の課題を解説します。

関西地方のインバウンド客数:右肩上がりに増加中

引用:近畿運輸局/関西の観光統計について~2019年8月分~

関西地方の訪日外国人旅行者数は、ここ数年右肩上がりです。上図のとおり、2014年は320万人だったのが、2016年は612万人に、2018年には720万人にまで増加しました(*)。

2019年に関しては、8月までの各月外国人客数すべてが前年を上回っています。このままのペースで推移すれば、2018年の訪問者数を超える見込みです。

特に増加率が高い国は、ベトナム:+56.7%、中国:+39.7%、フィリピン:+30.6%など、アジア・東南アジア圏が中心。欧米諸国に関しては、アメリカ:+21.4%、フランス:19.6%、ドイツ:14.8%と、アジア・東南アジア圏ほどではないものの増加傾向にあります。(*)

中国は以前からインバウンドの”お得意様”でしたが、今後は東南アジアと欧米豪の重要性も高まるでしょう。訪日客の国籍が多様化しているわけですね。

つまり、さまざまな嗜好・価値観の人々が訪れているとも言え、今後のプロモーションではピンポイントなターゲティングが一層重要になります。的を外すとスコアはゼロで終わるので、自社製品や近隣の観光資源と相性の良い客層を、徹底したリサーチから見極めましょう。

*:近畿運輸局/関西の観光統計について~2019年8月分~

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関西地方のインバウンド消費額:全体は大きく伸びているが、そうでない地域も

関西地方のインバウンド消費額は、東京や横浜などの首都圏かつ、主要な観光地がある関東よりも大きく伸びています。

2018年度の飲食や買い物などを含めた消費額は、1兆2,275億円にも及び、2017年度から+5.8%も増加しました(*1)。

要因は、大阪の繁華街やUSJ、京都・奈良の歴史スポットなどを起点とする消費の流れが上手く回っているからと考えられます。

今後は、カジノ統合型リゾート(IR)や2025年の万博を訪れる外国人に、地方の魅力もしっかりと発信し、消費の流動性を生み出すことが課題です。

*1:三菱UFJリサーチ&コンサルティング/関西のインバウンド消費(2018 年 10-12 月期、2018 年暦年)

課題は地方格差の大きさ

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング/関西のインバウンド消費(2019 年 1-3 月期)

関西地方が抱える課題は、消費額の地方格差です。

上図をご覧ください。これは、2019年1~3月学期の外国人消費額です。

大阪や京都といった人気都市ほど、金額が高くなっています。

ところが和歌山県や兵庫県、奈良県は前年比からマイナスです。滋賀県は僅かにプラスですが、そもそも実数が17.3億円と6府県中ワースト2位の消費額でした。

原因は、情報発信不足や受入態勢の不備不足などが挙げられます。

したがって今後は、積極的なプロモーションと観光インフラ整備がカギとなるでしょう。大阪や京都といったメジャー地域から、いかにして外国人の流動性を作るか、企業と自治体が一丸で取り組むべき課題です。

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関西インバウンド客 県別の現状と課題、展望

続いては、6府県ごとの現状と課題、展望について述べていきます。細かい状況整理の参考になれば幸いです。

大阪府:関西トップのインバウンド客数!ライバルは東京

大阪府は関西最多のインバウンド客数を誇り、訪問率を見ても38.7%と全国2位を記録しています(*1)。

活況の裏にあるのは、何年も前から続く様々な誘致施策です。話題となった事例として、大阪の日本橋駅近くに位置する黒門市場をご紹介します。

黒門市場では、2008年9月に発生したリーマンショックのあおりを受け、軒を連ねるどの店も売上が伸び悩んでいました。一方、当時のインバウンド市場は、ビザ緩和やLCC就航などをきっかけに盛り上がりはじめた時期です。起死回生を狙う黒門市場は、外国人観光客に目を付けました。

そこで以下のような対策を行い、外国人も楽しみやすい場所にしたのです。

  • アンケートを実施して顧客目線の強化・改善
  • SNS解説や無料Wi-Fiスポットの整備、HPの多言語対応
  • メニューの多言語化や、外国語を話せるスタッフを増員
  • 料理を串に刺して提供し、商店街内にテーブルを多数設置するなど、”食い倒れの街・大阪”を満喫できる環境作り

この結果、黒門市場を訪れる3万人のお客さんのうち、約80%が外国人というスポットに生まれ変わりました(*2)。今ではインバウンド対策成功モデルとして、全国各地で参考にされています。

一方、大阪府も官民一体で対策を進めており、受け入れ体制と情報発信を強化中です。(*3)

目下の課題としては、2020年東京オリンピックの際、東京へ訪日外国人観光客が集中することに対抗できるプロモーション作りが挙げられます。競技観戦後の人々を誘導できるかがカギですね。

*1:日本政府観光局/訪日旅行について調べる
*2:日本政府観光局/インバウンドをバネにした「市場の底力」黒門市場商店街振興組合(大阪府大阪市)
*3:大阪府ホームページ/大阪における観光客受入環境の現状と課題

大阪のインバウンド需要が増加中!外国人観光客が集まる5つのポイント

京都府:昔ながらの風景が大人気!ただし消費は大阪の半分以下

歴史を感じさせる町並みや寺社仏閣など、古都の風情あふれる京都府。”ザ・日本”を体験できるとあって外国人人気が非常に高く、訪問率は25.9%と全国4位を誇ります(*1)。

とりわけウケが良いのは、千本鳥居が有名な伏見稲荷大社です。無数に立ち並ぶ鳥居は「SNS映え」が抜群だと、好評を博しています。また、ここは以前から近くの商店街と一丸で外国人集客に取り組んでおり、

● ホームページ多言語化
● 季節イベントのPR
● 商店街に訪日外国人向け観光案内所を設置
● 英語・中国語の対応の商店街マップ作成

などの対策を講じた結果、大手旅行予約サイト・トリップアドバイザーの「旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の観光スポット ランキング 2018」で1位に選ばれました(*2)。

では、京都府全体の動向はどうなのでしょうか。

残念ながら、訪問率こそ大阪に13%差と迫る勢いですが、消費に関しては2倍以上も離される結果となっています。

原因の1つは、京都観光のメインである寺社仏閣が夕方には閉まってしまい、それ以降の時間を過ごすコンテンツが整っていないこと。夜になると外国人観光客は、遊べる場所が豊富な大阪へと流れてしまいます。

もちろん祇園などには魅力的な歓楽街がありますが、これだけで観光客を増やすのは難しいようです。加えて、2019年現在の宿泊施設の少なさも、夕方以降の滞在型消費が伸び悩む原因と考えられます(*3)。

今後は、夜でも遊べるコンテンツや宿泊施設の充実が、消費額アップのカギとなるでしょう。

*1:日本政府観光局/訪日旅行について調べる
*2:どこいく?×トリップアドバイザー/旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の観光スポット ランキング 2018
*3:京都市情報館/京都市宿泊施設拡充・誘致方針(仮称)

兵庫県:食や世界遺産が有名!課題は宿泊地による消費

兵庫県には、日本で初めてユネスコ世界文化遺産に登録された姫路城があります。白鷺城とも呼ばれる白く美しい建造物は、兵庫県の大看板としてインバウンド客からも好評。訪問率は5.5%で全国11位です(*1)。

直近の誘致策としては、2019年3月、ひょうごツーリズム協会が中国最大のSNS「WeChat」に公式アカウントを開設。そこでは、兵庫の魅力である神戸ビーフや灘の酒、世界遺産・姫路城、城崎温泉、松葉ガニなどをアピールしています(*2)。

神戸側と日本海側、それぞれで全く異なる観光資源を抱える兵庫県は、インバウンドにおいても高いポテンシャルを秘めているはずです。上記のプロモーションがどれほどの成果を出すか、期待がかかりますね。

しかし、まだまだホテル・旅館やレストラン、買い物スポットなどは不足しており、消費を促す仕組みが整っていないため、今後は一層のの増設とアピールが必要です。

*1:日本政府観光局/訪日旅行について調べる
*2:CROSSC BLOG/ひょうごツーリズム協会がWeChat公式アカウントを開設 中国人目線の現地体験取材コンテンツを配信、初年度目標達成率200%超へ ~兵庫県公式WeChatを開始~

インバウンドに人気の観光地!人気の理由と選ばれる理由とは?

滋賀県:世界に誇る琵琶湖が名所!魅力発信が課題

滋賀県には、日本最大の面積と貯水量を誇る琵琶湖があり、これを見る目的で訪れる外国人もいるほどです。しかし、全国的な訪問率は0.6%で33位と低迷(*1)。関西だけで見ても、他の5府県から遅れを取っています。

そこで、全国に営業拠点を構える「キャンピングカー株式会社」が誘致策を講じました。

同社は、2018年に「滋賀キャンピングカーレンタルセンター」をオープンし、もともと外国人に有名だった琵琶湖周辺でキャンプが楽しめると京都府内でPR。その結果、京都観光に訪れていたインバウンド客が、滋賀県の魅力を知って流入してきました(*2)。

滋賀県には、琵琶湖の他にも比叡山や彦根城など、美しい自然を満喫できる場所が数多く存在します。しかし、県全体での情報発信が足りていません。

客数も消費も伸びる余地は多分にあるので、今後の取り組み次第といったところです。

*1:日本政府観光局/訪日旅行について調べる
*2:Camping car/ジャパンキャンピングカーレンタルセンター 滋賀県長浜市に待望の新拠点オープン! ~近畿、東海地方のインバウンド強化として~

奈良県:日本一を誇る歴史建造物の数!消費を増やすことが課題

奈良公園の鹿の他、歴史的価値が高い建造物や仏像、宝物などを多く抱える奈良県。京都とはまた違った古都の雰囲気を感じられるとあって、外国人観光客からの人気は上々で、訪問率7.3%と全国10位につけています(*1)。

2018年には、新たな試みとしてインバウンド客向けの英語版パンフレット「Inner Journeys-Nara’s Temples and Shrines-」を5,000部制作。歴史ある奈良県の神社仏閣を紹介すると共に、朝のお参りと勤行体験の告知など、有名どころから穴場的コンテンツまでを余さずアピールしています。(*2)

このように、客数も誘致策も順調な反面、消費額は悩ましいほどに低迷中です。2019年1~3月期の外国人観光客1人あたりの消費単価は、0.7万円と6府県で最下位でした(*3)。

原因は、奈良県が京都府以上に神社仏閣巡りへ依存しているからです。また観光エリアが狭く、観光客はしばらく散策した後、京都や大阪へ移動してしまいます。加えて、奈良県はホテル・旅館の客室総数が9,197室と、全国最下位(*4)。これらの要因が、消費低迷を招いているのです。

よって現状打破のためには、県内に長く滞在してもらうのが最優先事項となります。宿泊施設の増築、明日香・吉野・奈良といった奈良市周辺以外のスポットのアピール、夜でも楽しめるコンテンツの開発など、考えられる施策は多岐にわたるので今後に期待ですね。

*1:日本政府観光局/訪日旅行について調べる
*2:奈良県製政・経済記者クラブ/特別な社寺情報が満載!!「祈りの回廊」2018年秋冬版パンフレットを発行
*3:三菱UFJリサーチ&コンサルティング/関西のインバウンド消費(2019 年 1-3 月期)
*4:観光経済新聞/旅館・ホテルの営業施設・客室数

和歌山県:日本人に馴染みはないが外国人には大人気!免税店の増加が課題

日本人からすると観光地のイメージがあまりない和歌山県ですが、インバウンド関連で見ると訪問率・訪問数共に全国平均を超えています。訪問率は1.2%で全国22位です(*1)。

同県には、香港人が多く訪れる傾向にあります。香港人は食へのこだわりが強く、旅行の目的にも食べ物がよく絡みます。そして、この属性へいち早く対応したのが和歌山県でした。

香港人が訪れやすいよう、中国語表記の案内やメニューを出したり、現地に合わせて食事ボリュームを増やしたり、分煙を徹底したりといった取り組みを県全体で進めたのです(*2)。加えて、ミカンや柿など日本有数のフルーツの産地であることを武器に、香港人向け果物狩りツアーを企画して香港特化の誘致作戦に注力しています。

これらの取り組みによって香港人誘致に成功している和歌山県は、地方のインバウンド対策の成功例として紹介される機会も多々あるほど

しかしインバウンド消費額は、全国で38位とまだまだ成長途中です(*3)。原因は、香港人以外の外国人観光客が少なく、免税店も201店舗で全国38位と少ないため(*4)、消費パターンに多様性がないからと考えられます。

今後は、香港人以外の誘致を促す対策を講じると共に、免税店を中心とした買い物スポットを増やすのがカギとなるでしょう。

*1:日本政府観光局/訪日旅行について調べる
*2:和歌山県/和歌山県の観光戦略(外国人観光客誘致)
*3:inbound insight/【最新・訪日消費】都道府県・国籍別訪日外国人消費ランキングレポート
*4:国土交通省観光庁/都道府県別消費税免税店数(2019年4月1日現在)について

交流会やセミナーでインバウンドの情報交換を!

最後は、関西インバウンドの交流会やセミナー情報をご紹介します。

有益な情報を得られるだけでなく、同じ悩みや目標を持つ方と情報交換もできる場なので、積極的に参加してみましょう。

関西有数のビジネスマッチング展示会!関西インバウンド交流会

引用元:関西インバウンド交流会2020公式サイト

まずは、インバウンド事業者向けビジネスマッチング展示会の、関西インバウンド交流会2020をご紹介します。

この展示会は、一般財団法人関西観光本部株式会社テレビ大阪エクスプロが開催。課題解決に役立つ情報の提供や、協業のマッチングサポートなどが受けられます。

実施予定の企画コーナーは以下のとおり。

● 多言語対応ゾーン:翻訳端末、WEB翻訳サービス、リアルタイム翻訳サービスなど
● ムスリム対応ゾーン:ムスリム向け製品、ムスリム事業者全般、食品、化粧品など
● 飲食・外食支援ゾーン:多言語対応サービス、外国語研修システム、厨房設備など
● PR・集客支援ゾーン:企画・コンサルティング事業者、VR、位置情報システムなど
● 宿泊施設支援ゾーン:民泊運営・管理事業者、決済システム、アメニティ関連など
● 両替・リテール・決済サービス対策ゾーン:キャッシュレス、決済関連システムなど
● インバウンド対策・防犯・防災対策ゾーン:防犯・防災向け多言語対応ツールなど

ブースを出展するのは、飲食店や土産物屋、ホテル・宿泊施設、翻訳・通訳、アプリ開発企業などなど、インバウンド事業に従事する70社以上です。様々な企画に触れることで、自社の悩みを解決するきっかけがきっと見つかるでしょう。

開催概要は以下のとおり。

関西インバウンド交流会2020」は、目標来場者数を2,000名としています。大勢の人が集まるため、人脈作りや情報交換の場として有効です。ぜひ足を運んでみてください。

関西インバウンド交流会2020」の詳細はこちら

LIFE PEPPERもセミナーを随時開催中!

用元:LIFE PEPPER公式サイト

当ブログ運営の「LIFE PEPPER」は、インバウンド・海外マーケティングにまつわるセミナーを随時開催中です。

年間600件の相談実績を有し、世界各国に向けたプロモーション支援を手掛ける弊社のノウハウを、余すことなくお伝えします。成果へ直結する情報に焦点を当てていますので、きっと有益な収穫があるはずです。

なお年内は、以下のテーマで開催予定です(2019年11月21日時点)。

● 2019/11/27 『とりあえずの中国SNS…』から抜け出す!中国対策効率化セミナー
● 2019/12/02 中国・東南アジアグローバル新時代〜越境ECとインバウンドの繋げ方〜

各回、無料で参加していただけます。課題解決の糸口を見つけるために、ぜひお越しください。

LIFE PEPPER主催のセミナー情報はこちら

まとめ

今回は、関西のインバウンド動向や交流会・セミナー情報をご紹介しました。

関西のインバウンド市場は、年々加熱中です。しかし地域ごとに見てみると、誘致に成功しているところと、そうでないところがあって、格差が大きくなりつつあります。

この差を埋め、関西全体を盛り上げるには、観光ルートの整備・現地消費の促進・受け入れ体制の増強・情報発信の強化といった様々な課題を、各府県が官民一体でクリアしなければなりません。

企業のインバウンド対策に補助金を出す自治体もありますので、一度調べてみるのも良いでしょう。

LIFE PEPPER では、海外マーケティングに役立つ基礎知識やノウハウをまとめ、50種類以上のお役立ち資料を公開しています。

ご興味のある方は、以下リンクからダウンロードしてご活用ください。

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