「天下の台所」として古くから親しまれてきた大阪。USJや大阪城、御堂筋など観光スポットも多種多様で、大阪は食い倒れやお笑いなど独自の文化が栄えています。
大阪は国内だけでなく、中国、韓国、台湾など東アジアからのインバウンド観光客も多数訪れており、国内全体の3割以上の外国人観光客が押し寄せている人気都市です。
大阪に訪れる訪日客のうち中国が39.9%、韓国が20.9%、台湾が10.7%となっており、上位3カ国だけで約70%以上もの観光客を占めています(*)。
大阪で効果的なインバウンドビジネスを行うには、東アジアを中心とした外国人観光客への訴求が強いマーケティング戦略が鍵です。
インバウンド観光客に人気の大阪ですが、お店を構えているにもかかわらず、外国人観光客が思うように集客できず困っている方もいるのではないでしょうか?
この記事では大阪のインバウンド事情から、大阪でインバウンド集客を成功させるために必要なマーケティング施策について紹介します。
大阪でインバウンドマーケティングを成功させたい!という方はぜひ参考にしてくださいね。
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今インバウンド市場で大阪がアツい理由
日本では年々観光に訪れるインバウンド客が右肩上がりに増加しており、2018年には3119万人(*)と過去最高の数字を記録しています。
大阪は人気の高い観光地として注目されており、インバウンド客が大阪で消費した金額は1兆円を上回っています。今後も大阪をはじめとする西日本の訪日観光客数と消費金額は伸びていくと予想されています。
なぜ大阪がここまで注目されているのか?実際の来阪外客数の推移などのデータから読み取っていきましょう。
*:日本政府観光局「年別訪日外客数の推移」
国内全体の約36%のシェアを握っている
出典元:大阪府|観光統計調査
大阪府に訪れるインバウンド客は毎年増加しており、2014年は376万人、2018年には1142万人と5年間で3倍以上増えている事がわかります(*)。
これは日本全体に訪れる訪日客数(3119万人)の約36%を占める数字です。
注目すべきは来阪外客数が過去5年間毎年右肩上がりに成長を遂げている点です。
大阪に訪れる訪日客のうち中国が39.9%、韓国が20.9%、台湾が10.7%となっており、上位3カ国だけで約70%以上もの観光客を占めています。
このことから、東アジアを中心としたマーケティングがインバウンド客に効果的であると考えられます。
ではなぜ東アジアから訪れる観光客が多いのか、その理由についても紹介していきます。
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LCC就航数日本一の関西国際空港
出典先:LCC就航都市数[日本NO.1]の関空から海の向こうへ
大阪にある関西国際空港は国内でもLCCの就航都市数が日本一であり、この特徴がインバウンド客をつなげる大きな強みとなっています。
海外旅行する上でアクセスの良さというのは観光先を選ぶ上で大きな指標になります。交通機関1本で目的に到着出来るというのは、道中で迷わず、気軽に寝ることができるため、肉体的・精神的ハードルが下がります。
特に大阪に訪れる観光客の大部分を占めるアジア圏とのアクセスを高めるために、中国や韓国・台湾などは複数の空港に対応することで利便性を最大に引き出しています。
海外だけでも11カ国31都市を結ぶ航路が用意されており、成田空港の18都市、羽田空港の5都市を大きく上回っています。
もし大阪でインバウンドビジネスを検討している方はこれらの都市に住む観光客をターゲットとして戦略を考えることが重要と言えるでしょう。
国家戦略として特区民泊が制定された
大阪府はインバウンド客の増加に伴い、市内のホテルや旅館の客室稼働率が上昇しており、今後もさらなる訪日外国人の増加が見込まれています。
高まるインバウンド需要に対して、大阪では宿泊施設の不足や旅館業法に抵触する恐れのある低品質な民泊サービスの拡大による懸念が増加していました。
こうした状況を改善するため、2016年4月に国家戦略として大阪市全域が「国家戦略特区」として民泊条例が施工されました。
これによりホテルなどの運営に必要な旅館業法の認定手続にかかる手間とコストを下げることが可能になり、簡易的な民泊運営ができるようになりました。
制度開始直後は、宿泊期間の制限が最低7日~10日という長期滞在旅行客向けの規制があったため届け出をする事業者が少ない状況が続いていました。
しかし2017年1月に最低滞在日数が最低2泊3日まで引き下げられたことで、特化民泊の数は規制緩和前の12件から、2018年3月時点で669件と急激な伸びを示しています。
この数字の伸びからも分かる通り、大阪のインバウンド市場が今後も拡大することに期待している事業者は多く、国を挙げて大阪を盛り上げようとしている意気込みを感じます。
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インバウンド客が大阪に求めるポイント5選
大阪にはいくつものインバウンド客を呼び込むための環境が揃っており、以下のような3つの大きな強みを持っていることが分かりました。
- 国内全体のインバウンド客シェアの約36%を握っている
- LCC就航都市日本一の関西国際空港がある
- 国家戦略として特化民泊制度の施行
インバウンド客が大阪に訪れる目的は「日本的」なもの以外にもショッピング、グルメ、観光、文化体験など人や国によってもニーズはバラバラです。
ここでは外国人観光客が何を求めて大阪に来訪するのか、インバウンド客目線のニーズについて紹介していきます。
1.「食い倒れの街」で満喫する日本のグルメ
「食い倒れの街」大阪が観光客を魅了しているポイントは、なんと言っても「グルメ」です。
大阪観光局の調査によると、訪問地に大阪を選んだ理由として第1位の観光に次いで、2位が食事が魅力的と37%の観光客が回答(*1)。
主要な観光地を巡った後に、キタ、ミナミ、天満、鶴橋、新世界、天王寺周辺のグルメエリアを回るコースが定番となっています。
日本人の間では「天下の台所」として有名なグルメスポットですが、それは海外でも同じようです。アメリカのニューヨーク・タイムズ誌も大阪を以下のように紹介しています。
「京都を⽇本の精神、東京を⽇本の⼼臓とすれば、⼤阪は⽇本の飽くなき⾷欲だ」(*2)
大阪で観光客に食べられているものは日本全国で人気の高いラーメン、寿司をはじめ、TOP10の中にはお好み焼き、たこ焼きもランクインしており、大阪の名物を熟知した上で足を運んでいることが分かります。
ミナミは裏なんば、天満駅や福島駅近くの居酒屋エリア、鶴橋の焼肉、新世界の串カツ、裏天王寺の居酒屋エリアは特におすすめで日本人以外にも多くの観光客に愛されています。
多くのグルメがあることで、ついつい飲み食いしすぎてしまい「食い倒れ」してしまうという誘惑が大阪にはあるのです。
*1:大阪観光局/平成30年度第1期 関西国際空港 外国人動向調査結果
*2:New York Times/52 Places to Go in 2017
2.グルメと一緒にショッピングも楽しむ
出典先:大阪観光局/平成30年度第1期 関西国際空港 外国人動向調査結果
現地の消費にはグルメだけでなくショッピングも含まれています。
大阪の商業施設には家電、ファッション、化粧品、生活グッズ、アニメグッズなど日本のカルチャーを楽しめる買い物スポットが近い距離に集まっています。
特に人気の高い道頓堀や新世界では免税店も増加しており、都市全体のインバウンド対応が急速に進んでいます。今後は梅田北エリア、天王寺北エリア、京橋周辺などの再開発により、ショッピングの街としての存在感もより大きくなっていくはずです。
一方で観光庁の「訪日外国人消費動向調査」(*)によると、旅行者一人あたりの2017年の平均支出額は153,921円となっており、2011年の130,819円と比較すると、伸び率は鈍化しています。
また大阪だけで見てみると2017年の訪阪観光客の平均旅行消費額は106,645円となっており、全国平均を大きく下回っている事がわかります。
しかし逆に考えれば、まだまだ大阪に訪れる観光客からの消費額には大きな伸びしろがあると考えることができます。
太客でもある中国人観光客から買い物以外の消費額を増やすには、近年のトレンドである「モノ消費」から「コト消費」に移行していく事が大切です。
「モノ消費」から「コト消費」に移行している背景には、消費者の行動変化があります。海外旅行をする層は、経済的に成熟しており、身の回りにモノがあふれている状態です。
今や、彼らの興味は日本にしか無い楽しさ・スリル・快適さといった欲求を、非日常的な体験によって味わいたいと思っています。インバウンド事業で成功させるヒントがここに眠っていると言えるでしょう。
インバウンド消費は「買い物」から「体験」へ。訪日外国人をひきつける秘けつとは?
3.大阪城やUSJなどの観光地・テーマパーク巡り
大阪は国内でも特に多くの観光スポットに溢れています。大阪城、USD、あべのハルカス、通天閣など国内でも認知度の高い観光地があり、外国人観光客からも注目を集めています。
旅行客は観光時間が限られているため、ショッピングと合わせて近場に複数の観光スポットを訪れることができる大阪は観光客のニーズを十分に叶えられます。
大阪観光局の2018年の調査(*1)によると外国人訪問者数ランキングは、1位から順に道頓堀、大阪城、USJ、日本橋、黒門市場となっています。
中でも黒門市場は利用客の80%が外国人旅行者と言われています。
しかし人気の観光スポットに観光客が密集している一方で、箕面の滝のようなインバウンド隠れスポットもまだまだ存在する大阪。外国人訪問者数はトップである道頓堀の数十分の一しかないものの、インバウンド客の満足度が非常に高い場所です。
こうした隠れた人気スポットの掘り起こしとPRが、今後の課題の1つになるでしょう。
インバウンド客誘致で成功した事例の中には、商品そのものではなく、「体験」を提供するお店や施設があり、この「体験」こそ現在のインバウンド対策で重要なカギになっています。
現在、隠れインバウンドスポットとして注目を集めているのは、観光客の満足度も高いオリジナルのカップヌードル作りを提供する「カップヌードルミュージアム」です。体験した外国人の87%が他の人にもおすすめしたい(*)と答えています。
カップヌードルは世界80か国以上で販売されていますが、食べるのではなく自作となれば、意味合いが異なります。カップヌードルを自作するという非日常的な「体験」に、外国人は価値を見出しており、高評価につながっています。
この様に外国人の視点で考えた時に、日本人の視点とは異なる価値がうまれるケースは数多くあります。
*:大阪観光局/平成30年度第1期 関西国際空港 外国人動向調査結果
4.ナイトクルーズなどの夜景堪能ツアー
大阪に訪れたインバウンド客の満足度89%という驚異的な数字を叩き出しているのは、夜景スポット巡りなどのナイトツアーです。
ナイトツアーには大きく分けて2種類あり、梅田スカイビルの空中庭園展望台を巡るバスツアー・工場夜景ツアーに分かれています。
朝から時間に余裕のある方なら、通天閣や大阪城などを自由に散策することができますが、夕方以降は主要な観光スポットは全て閉まってしまいます。もし、京都や奈良などの近隣の観光スポットから夜に大阪入りした方にはナイトツアーがお勧めのツアーと言えます。
限られた時間の中で、大阪の2大主要観光スポットを満喫出来る神姫バスツアーズ ハートツアーでは『通天閣&串カツの新世界・空中庭園展望台を巡るツアー』を提供しています。
古き良き大阪を満喫出来る「新世界」をバスで訪れた後は、世界を代表する20の建造物にも選ばれた梅田スカイビルにある空中庭園展望台から夜景を楽しむバススアーです。
現地では自由行動で目的地に迷わず確実に行ける上に、2000円という安さもあってインバウンド客からの人気が非常に高いです。
また大阪堺市にある堺泉北臨海工業地帯を満喫出来る工場夜景ツアーもおすすめです。
広大な工業地帯で東燃ゼネラル、コスモ石油、JXエネルギー、大阪国際石油精製などの製油所が立地しています。
船の上から白色や黄色などの照明に照らされた、金属の巨大建造物がゴウゴウと音を立てて動く姿はまるでSFや非現実的な世界のようで日本以外にも多くの工場夜景ファンを魅了しています。
他にも、船で道頓堀川を堪能するナイトクルーズ「とんぼりリバークルーズ」では普段味わうことのできない川からの眺望を20分間でサクッと楽しめるガイド付きのミニクルーズです。
時間の短さや乗船料金の安さ(大人900円/子供400円税込み)で観光プランに組み込みやすく、予約なしでも当日乗船することが出来る手軽さも魅力です。
このように、短い時間で楽しめる、料金が安い、観光プランに組み込みやすいという要素を満たしているナイトツアーは、利用者からも高い評価と満足度を得ていると言えます。
5.奈良・京都を旅行する拠点として
大阪は奈良、京都と隣接しており、日中は奈良・京都を観光し、夜には大阪でグルメやショッピングを楽しむという観光客も多数存在します。
大阪は宿泊施設はもちろんのこと、飲食店も充実しているため非常に便利です。
奈良も京都も、寺社仏閣・史跡・景勝地など、観光地として見て回る場所には事欠きません。インバウンド客にも好評で、訪問者数の伸び率は両府県ともに全国トップクラスです。
しかし奈良・京都の両府県に共通して宿泊先不足が問題になっています。宿が近くにないと、終電の時間などを気にしてしまい、思いっきり羽を伸ばせないものです。また、飲食店の数や種類も、大阪に比べるとどうしても少なくなってしまいます。
各府県の宿泊者数を比較すると以下のようになります(*)。
このように訪問者数と宿泊者数を並べてみると、大阪府だけが訪問者数と宿泊者数が逆転している状態となっており、宿泊するためだけに訪れているという人が多いです。
大阪が奈良、京都の観光客の受け皿として上手く機能しており、周辺府県を観光する拠点になっているのです。特区民泊の増加や電車で時間をかけずに移動できるのも拠点化の理由でしょう。
ただ、インバウンド向けの夜間市場(ナイトタイムエコノミー)は大阪でもまだまだ発展途上です。ナイトツアーやバー、居酒屋はありますが、夜もやっている劇場、美術館、テーマパーク、スパなどのエンターテイメントが少なく、今後の課題となっています。
*:観光庁「訪日外国人消費動向調査 2016年の年間値の推計」
大阪のインバウンド対策!訪日外国人を増やす施策5つ
多くのインバウンド客が訪れている観光客をお店に足を運んでもらうためには、工夫や施策が必要になります。ここではインバウンド集客に必要な施策についていくつか解説していきます。
1.現地の外国語案内やウェブサイトの多言語対応
海外に一度は旅行したことは経験したことがあるかもしれませんが、現地の案内看板や観光先の公式サイトを見て英語や中国語で書かれていて困った経験はありませんか?
同様に日本に訪れるインバウンド客も日本語で書かれている案内看板やウェブサイトは読むことができず、客足を遠ざけてしまう危険性があります。
インバウンド客を効果的に取り込むためにも、まずはウェブサイトの多言語化(英語・中国語・韓国語)はほぼ必須と言えます。日本に訪れる前に現地で情報に触れてもらい、観光ルートに取り込んでもらう事が大切です。
実際に足を運んでくれたインバウンド客のために、多言語対応した案内看板を設置することで、満足度向上や消費行動促進に繋げます。
実際に大阪城公園の公式サイトをチェックしてみると、英語・中国語・韓国語の3ヶ国語に対応しています。
ウェブ上からダウンロード出来るガイドブックや案内マップも多言語対応しているため、足を運ぶ前にアクセスまでの時間、観光地周辺の情報などを具体的に知ることができます。
2.無料Wi-Fiスポットの設置で利便性アップ
最近ではWi-Fiが繋がるかどうかでお店を探す人も多くなっており、無料Wi-Fiスポット設置は、欠かせない要素になっています。その上、先述のSNS・口コミサイト活用においても効果的です。
美味しそうな食べ物、素敵な服、日本ならではの工芸品、美しい寺社仏閣、風情を感じられる宿。こういったものに出会った感動と興奮を、その場でSNSへ投稿し、シェアする人はたくさんいます。滞在中にSNSで検索し、情報を得て来店するケースは珍しくないのです。
また待ち時間もお客様が退屈せずに過ごすことが出来るため、追加の購買に繋がりやすいという利点もあります。
お客様が満足する体験を提供するには、時代に合わせたお店づくりが必要です。
Wi-fiスポット設置は 初期費用2~3万円、維持費月額で数千円と手軽にできます。
大阪府はOsaka Free Wi-Fiを導入し、府内5,000箇所で展開を進めているものの、カバーしきれていない場所もまだまだ多いのが現状です。まだ無料Wi-Fiを設置されていない方はこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。
3.リスティング広告出稿などウェブ集客に力を入れる
店舗への集客を促すには、まずウェブ上で認知してもらうことが大切です。
いくら多言語対応や無料Wi-Fiの対応を進めても、ウェブ上での認知が薄ければ、インバウンド客が足を運んでくれることはありません。
インバウンド客に旅行前から注目してもらうためには、リスティング広告出稿などのウェブ集客に力を入れるようにしましょう。
韓国でのシェア獲得に悩んでいるレンタカー会社では、年間600社以上の訪日外国人集客・海外マーケティングの戦略支援相談実績のあるLIFE PEPPERのアドバイスにより海外向けにブログを通したマーケティングを実施しました。
その結果、3ヶ月で利用者を5倍にした実績を叩き出すことに成功しました。
このサービスについて詳しく知りたい方は無料相談を受け付けているので、ぜひお気軽にご相談ください。
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大阪インバウンド対策の成功事例
ここではインバウンド客誘致に成功した、黒門市場、千日前道具屋筋商店街の事例2点をご紹介ます。
先述したインバウンド客を誘致する施策に活かす、アイデアの種があるかも知れません。ぜひ参考にしてみてください。
インバウンドゴールデンルートとは?今後注目の新インバウンドルートもご紹介!
お客様の80%が外国人!食の商店街・黒門市場
日本橋駅の近くに位置し、147店舗が連なる巨大商店街・黒門市場。1日に訪れる客数3万人のうち、なんと80%が外国人です(*1)。
黒門市場はもともと高級食材をメインに扱う商店が多いことで有名で、「食い倒れの街」へ食材を供給する重要な役割を果たしていました。
しかしリーマンショックに端を発した不況のあおりを受け状況が一変。どの店舗も業績が悪化し、このままではシャッター街になってしまうかも知れない危機的状況に陥ったのです。
起死回生のアイデアをひねり出す中、黒門市場の店主たちはインバウンド客誘致に目を向けました。リーマンショックが落ち着きはじめた2011年のことで、円安やビザ緩和・関空へのLCC就航などが重なり、外国人観光客が急増したタイミングです。
そんな黒門市場がとったインバウンド対策として、以下の三つの施策を行いました。
- SNS開設や無料Wi-fiスポット整備、HPの多言語対応
- 食の商店街・黒門市場を満喫してもらうための取り組み
- アンケート調査を実施し顧客目線を強化する取り組み
黒門市場を満喫してもらうため、食べ歩きする方のために食材を串へ刺して提供、じっくり味わいたい方向けにテーブル席の用意、外国人観光客を案内する和服姿のコンシェルジュを配置といった工夫を実施しました。
またアンケート調査を実施しインバウンド客の感想や要望を聞き出し、商店街全体をブラッシュアップする取り組みも継続的に行われています。
こうした活動を店舗が一丸で行った結果、インバウンド客にとって魅力的なスポットに生まれ変わり、かつての活況を取り戻しました。満足度も非常に高くなり、リピーターの増加に繋がりました。
黒門市場が行った上記の施策のうち、取り組みやすいのはアンケート調査ではないでしょうか。お客様が求めるものを知るには、お客様に直接聞くのが最も確実です。
SNSや口コミサイトの評判とあわせて、お客様の感想を活用しインバウンド客誘致に役立てましょう。
*:日本政府観光局/インバウンド事例
【訪日外国人向け街頭アンケート・インバウンド調査を依頼する】
小さな老舗の商店街へ外国人が殺到!千日前道具屋筋商店街
調理器具、厨房器具など、プロ用の専門器具を販売する商店が連なる千日前道具屋筋商店街。全長160mほどの老舗商店街ですが、外国人が殺到しています。
Made in Japan、日本ならではの食器・金物は、外国人の興味を惹きやすい商品が並ぶ商店街。あるお店では、数万~数十万円もする包丁が、なんと1日で20~30本売れています。他の店舗にも、プロ・個人を問わず絶え間なくインバウンド客が来店します。
ニッチなニーズに堂々と応えるべく、プロフェッショナル御用達の商品を取り揃えた千日前道具屋筋商店街。
希少性とSNS開設・HPの多言語化・商店街全域でのWi-fiスポット整備などWebマーケティングやインバウンド受け入れ体制の充実を図りました。
他に特筆すべきは免税決済の導入で、消費税の負担がなく外国人観光客にとってありがたい取り組みですね。
こうした施策が功を奏し、インバウンド客がひっきりなしに訪れる人気商店街となったのです。
参照記事:東洋経済オンライン/訪日客が殺到!老舗商店街のスゴい「仕掛け」
まとめ
今後の日本はラグビーW杯、万博、IR(カジノ統合型リゾート)をはじめとした観光資源が目白押しです。東京オリンピックにあわせて長期滞在し、大阪を旅行する人も多くいるでしょう。
これらイベントをきっかけに訪日したインバウンド客を満足させる基盤が整ってきており、リピートも相当数を見込める状況にあります。
現在の大阪インバウンド市場には、事業を成長させるチャンスがたくさん埋まっているのです。インバウンド対策にチャレンジするのであれば、今すぐにでも始めていきましょう。