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中国においては、日本とは異なり検索エンジンで商品を検索して購入するという習慣が少ないため、SEO対策などを行うといった日本での手法とは異なるやり方が必要となってきます。
中国では、各サービスのユーザーの規模が日本と比較して圧倒的に多いため、広告を出稿する場合に、費用だけが莫大にかかってしまい効果が上がらなかったという落とし穴も!?
こうした落とし穴を避けるために、今回は百度(Baidu)、小紅書RED、Weibo・WeChatといった中国独自メディア別に、効果的な集客方法や注意点などを解説させていただきます。
中国Web広告業界の現状について
2021年の中国経済は、前半は予想以上の好調な輸出により、他国よりも高い成長率を達成しました。しかし、後半には政府が大きなテーマとした「共同富裕」に向けた対策が次々に打ち出され、その副作用によって急速に経済成長が暗転しました。具体的に行われたのは、不動産の抑制や独占の禁止、高収入者の納税調査などです。
こういった締め付けの対策そのものに問題があったわけではないものの、急速な経済の暗転は、国民の不安を大きくしている現状にあります。中国政府はこの問題に気づいており、実質金利を下げるなどの安定化対策を打ち出したため、今後の共同富裕に向けた対策は、やや緩くなることが予想されます。
とはいえ、このような社会情勢や経済状況は広告やマーケティング業界には大きな影響となり、今後の事業展開を考える上で避けられない要素といえるでしょう。中国進出の際は世の中全体における動向を観察し続け、適切な戦略を立てることが欠かせません。
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中国Web広告業界の今後の展望
中国のWeb広告業界における今後の展望として、次のような要素が考えられます。
- 市場の飽和
- ロイヤリティー向上に戦略転換する企業の増加
- テクノロジー活用の加速
それぞれ解説しますので、事業展開の参考にしてください。
市場の飽和
「中国互聯網絡発展状況統計報告」によると、2021年6月時点で中国のインターネット利用者・Webサービス利用者は、10億人以上を超えています。
出典:中国互聯網絡発展状況統計報告
以前のように10%を超えるような大幅な成長は見込めないのが現状であり、中国のネットユーザー数は頭打ちしているといえます。
利益を追求する前に、規模を拡大することを優先するビジネスモデルは、現在は通用しにくくなっています。また、人口増加の減速や国の反トラスト政策などの要因からも逆風を受けており、近年報道されている大手IT企業のリストラ計画はその一例です。
業界全体において、2022年以降はネット関連企業はユーザー数などの規模拡大よりも、利益の確保に重点を置く質の向上を追求することが予想されます。
ロイヤリティー向上に戦略転換する企業の増加
近年、ネット市場の成長が鈍化していることから、企業は従来の広告戦略を転換する必要に迫られています。そこで注目されているのが、ロイヤリティー向上にフォーカスを当てた戦略です。
従来は、大量のユーザーに向けた広告を展開して単価を下げ、販売数を増やすことを目的としていました。しかし、ユーザーのニーズが多様化し、商品の購買行動も変化している現代では、より具体的なサービスや商品の良さが理解されるような広告コンテンツが求められています。
また、オンライン上でのコミュニケーションの発達やDX化により、商品作りのプロセスからユーザーのフィードバックが得られるようになりました。
例えば、「元気森林」はWeChatのプライベートドメインを運用しており、「元気森林」の会員に企画段階の商品に対する意見をもらいながら、商品開発を進めています。このプロセスにより、商品を効率的に開発できるだけでなく、既存会員のロイヤリティ向上や新規ユーザーの獲得につながっています。
テクノロジー活用の加速
テクノロジーの進化がますます速まり、今後はビジネスのあり方が変わっていくことが予測されます。その中でも特に注目されているのが、VR技術とライブ配信プラットフォームの発展です。
VR技術の進化により、アバターを活用したビジネスは増加傾向にあります。例えば、休日や休憩時間を取らず、複数同時並列でライブ動画を活用した商品宣伝を実現したり、顧客対応全般に対応したツールを活用したりできるでしょう。最近では、旅行小売業大手のDFSがアバターを使って商品をPRするなど、ビジネスの領域での活用が進んでいます。
ライブ配信プラットフォームにおいても、機能が向上することでビジネスにおける活用が期待されています。
例えば、WeChatでは次の3つの要素が強化されました。
- ライブ配信の紅包「おひねり」がWechatグループに直接送付できる
- ライブ配信の視聴予約機能・リマインド機能
- ライブ配信時の視聴データ分析機能
これにより、ライブ配信プラットフォームの中でも高い成長が期待されています。
中国の広告①中国百度(Baidu)
中国百度(Baidu)は、中国最大の検索エンジンサービスであり、中国版Googleと呼ばれています。百度(Baidu) のデスクトップ検索シェア率は中国国内で61.21%を占め、他の検索エンジンよりも圧倒的に高くなっています。
例えば、音楽の曲名を検索するとすぐにMP3ファイルのリンクが表示されるなど、検索→行動が非常に短くなるように検索結果がチューニングされています。したがって、すぐに何かが欲しい、と思っている消費者に対して広告を届けやすいという特徴があります。
参考: Desktop Search Engine Market Share China
百度(Baidu)への広告出稿方法
百度(Baidu)は日本からでも広告出稿が可能です。また、広告出稿が可能なサービスも複数あり、それぞれ紹介させていただきます。百度(Baidu)の日本法人を通じて出稿が可能です。
百度(Baidu )では、用途に応じて、以下のような広告メニューを選択できます。
リスティング広告
百度(Baidu) リスティング広告は Google と同じく検索結果画面に表示される検索連動型広告です。Google のリスティング広告と異なる点は、検索結果画面内の広告スペースに画像や動画の表示が可能であるということです。
アドネットワーク広告
アドネットワーク広告は、 PC やモバイル端末、百度グループの Ctrip(携程)、iQiyi(愛奇芸)など60万以上の専門サイトにバナーやテキストを配信が可能な DSP広告です。
Ctrip(携程)はトリップアドバイザーのような旅行口コミサイト、iQiyi (愛奇芸)は、テンセントビデオ、優酷(Youku)と並ぶ中国3大動画サイトの1つと言われている動画サイトです。
インフィード広告
インフィード広告は百度(Baidu)検索アプリ「⼿机百度」などのタイムライン内に掲載する広告です。
画像・テキストだけでなく、動画広告も出稿できます。
ブランドリンク広告
ブランドリンク広告は、 百度(Baidu )特有の広告です。指定した企業名やブランド名などをユーザーが百度(Baidu)で検索した際に、連動して表示される期間保証型の検索広告です。
テキスト・画像・動画ですによって、自社のブランド認知を広げたい場合に有効な広告となっています。
百度(Baidu)広告を掲載するときの注意点
百度(Baidu)広告を出稿する場合は、いくつか事前に準備が必要な注意点があります。
1.中国語ランディングページを準備する
日本のサーバーにあるホームページでも問題はありませんが、日本語サイトは広告出稿することができません。日本から広告を出稿する場合は、中国語のサイトを事前に用意する必要があります。
2.中国工信部へ出稿サイトの事前登録を行う
中国では行政機関である工信部がウェブサイトを一元管理しています。違法とみなされたウェブサイトは、接続規制を受けたり遮断されたりします。違法とされないためには、中国工信部への事前登録が必要となります。
百度(Baidu)の効果的な広告戦略に関する詳細は、弊社資料にて豊富な事例とともにご紹介しています。詳しくはこちらからダウンロードしてください。
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中国の広告②インフルエンサー活用の小紅書RED
小紅書REDは中国におけるSNSベースの口コミ&ECサービスです。
洋服や化粧品、旅行など様々なカテゴリーが存在しており、そこでユーザーは商品やサービスに対する口コミを自由に書くことができます。投稿はInstagramのように写真をメインに、そこにテキストが記載される形式です。写真内にタグを挿入することができ、そのタグから商品の購入ページへの導線を作ることができます。
ユーザー数は1億人に達し(2018年5月現在)、月間アクティブユーザー数は前年比300%増の3000万人を突破しました。そのうち、90後(1990年代生まれ)と95後(1995年代生まれ)が最も多いユーザー層です。
2018年に入り、小紅書はマスメディアを使った露出を開始しました。月間ユニーク訪問者数は前年同月比で3月には38.4%と大幅に増加している、今大注目のECサービスです。
口コミは中国で最も有効な集客方法
小紅書REDで投稿された口コミは(小紅書REDでは、ノートと呼ばれる)、新しく買った良い製品の使い心地や、海外旅行の攻略法(遊ぶ場所やホテルの情報)など情報は多岐に渡ります。これらのノートがシェアされることで、商品やサービスの情報が拡散されていきます。
中国の広告③Weiboのアカウント運用
weibo.com
Weiboは中国版Twitterのようなサービスで、ユーザー数は7億人、1日のアクティブユーザー数は1.39憶人と中国では活発に使われています。中国で効果的な広告運用を検討中の方はぜひ抑えておきたいSNSです。
その90%はモバイルからのログインされ、利用者の男女比はほぼ50%ずつで、所得の高い大卒以上のユーザーと若年層が大半を占めています。
Weibo広告の種類
Weiboでは、主に3つのタイプの広告を掲載することができます。自社のブランドに合う方法を選び、それぞれのタイプで戦略を立てることが重要です。
Weibo広告①ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、ユーザーが広告をクリックすると、広告主のWebサイトに飛ぶ形式を採用したものです。Weiboにおいて最も有効な広告タイプと考えられ、モバイルにもPCにも最適化されています。
ディスプレイ広告は主に検索ページやWeiboのホームページ、ユーザーのニュースフィード上に表示されます。金額はページ上の表示位置、サイズ、関連キーワードによって異なります。
Weibo広告②検索機能上でのプロモーション
ディスプレイ広告は外部リンクにトラフィックを生むための方法でしたが、検索プロモーションはWeiboアカウント自体への集客を狙うものです。
Weiboには、カウントやポスト、ファンページを検索するための機能があります。
この検索エンジン上で、ターゲットキーワードにおいて自社アカウントを上位表示できれば、フォロワー獲得に大きな効果をもたらすでしょう。
Weiboの検索結果には「ホットトピックス」や「トレンディングディスカッション」も掲載されているため、このような項目と並んで表示されることは、自社アカウントの認知度アップに寄与することでしょう。
Weibo広告③インフィード広告
インフィード広告とは、コンテンツとコンテンツの間に自然な形で表示される広告のことです。ユーザーの視認性や購読の流れを妨げない広告として注目を集めています。
性別や年齢、地域、趣味などのセグメントを細かく行えるのがインフィード広告のメリットです。ねらったターゲットに的確に配信することができます。
中国の広告③WeChatのアカウント運用
WeChat
WeChatは 約9億人ものユーザー数を誇る、中国版LINEです。こちらも中国では主要のSNSであり、広告を上手く活用することで大規模な集客が期待できるでしょう。
個人間でのメッセージアプリとして立ち上げ当初から多くの利用者に支持されています。WeChatPayのような決済システムなど、WeChatから派生する様々なサービスも利用可能です。
WeChat広告の種類
WeChat広告には大きく分けて「朋友圈广告(モーメンツ広告)」と「公众号广告(公式アカウント広告)」があります。それぞれご紹介いたします。
朋友圈广告(モーメンツ広告)
「朋友圈广告(モーメンツ広告)」は、モーメンツ(タイムライン)上に表示される広告です。制限はあるものの、通常の投稿のように、写真を付けたりなどできます。Facebookのニュースフィードに表示される広告と言えるでしょう。
WeChatでもFacebookと同様に友達の近況が投稿され、その投稿の一つとして出るのが、モーメンツ広告で、モーメンツ写真広告と、モーメンツビデオ広告があります。
モーメンツ写真広告は、最大6枚の写真を載せることができます。モーメンツビデオ広告の場合、最大300秒以内のビデオを設置する事が可能です。
最低出稿金額は5万元、特にコア都市とされる北京と上海でインプレッションが最も高くなっています。広州、深セン、杭州を含む20の主要都市、一般都市となるにつれ、インプレッション単価が安くなります。
年齢、性別、地域、iOS、Androidといったデバイスなどの24の大分類と、その内の183の小分類でターゲットを絞ることができます。
公众号广告(公式アカウント広告)
「公众号广告(公式アカウント広告)」は、2万人以上のフォロワーのいる(又は、条件付きで1万フォロワー以上いる)公式アカウントが出す記事の下部に表示される広告です。
目的に応じ、色々な広告形態を選ぶことができるのが公式アカウント広告の嬉しい点です。具体的には通常のバナーの他、写真とテキストでブランド・商品訴求を行うもの、ゲームをダウンロードさせるものなど、多種多様な広告形態があります。
公式アカウント広告の場合、CPCで最低0.5元~ですが、入札状況により価格が変わってきます。モーメンツ広告同様、年齢、地域といったターゲティングが可能ですが、公式アカウント広告ではインタレストカテゴリーの大分類は17のみとなっています。
また、公式アカウントでは広告の他に自社の投稿をタイムラインに投稿することができ、Wechatユーザーは公式アカウントをフォローすることで投稿をまとめて閲覧することが可能です。
中国向けSNS WeChat(微信)・Weibo(微博)活用サービス
中国大手プラットフォームを横断!「Eternity X 」
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以上、様々な媒体/プラットフォーム/SNSをご紹介してきましたが、複雑な中国独自の生態系に関して、ご理解いただけたでしょうか?ご覧いただいたもののほか、中国版 Tic toc 「抖音(ドゥイン)」を要するバイトバンス社のアプリや、「馬蜂窩(マーフォンウォー))、「大衆点評」など、ともかく中国においては有効な一打を打つことが戦略になります。
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まとめ
これまで中国の広告における主要なメディアを軸にご紹介してきました。
メディア別に効果的な広告手法が異なってきますので、それぞれのメディアに合わせた広告を活用し中国ビジネスを加速できたらいいですね。
中国における広告の費用対効果は、以前と比較して高くなっています。しかし広告を出せば集客できる、といった感覚では成果を出すのは難しいのが現状です。
細かい運用を依頼できる外部パートナーに依頼することも選択肢として有用ですので、よろしければご検討ください。
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