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日本を訪れる韓国人は非常に多く、2019年は10月末までの訪日外国人が1,962万人だったのに対し、韓国人は442万人と全体の22.5%にものぼります(*)。
しかし、日韓関係の悪化によって客数が伸び悩み始めており、彼らを誘致したい企業・自治体は頭を悩ませているでしょう。
この状況では、ターゲットに合わせたプロモーション選びがなおのこと大切になります。その上で、まず何よりも押さえてほしいのが、同国最大の検索エンジン・NAVERです。
利用者数が多い分たくさんのユーザーへアプローチできるため、韓国向けインバウンド対策では必須のツールです。詳しくは本文中で述べますが、NAVERで集客する方法は数種類あるので、それらの中から最適なものを選びましょう。
というわけで、本記事ではNAVER活用法を中心に、サービス概要や独特の仕組み、アカウント作成手順、活用事例などを解説します。韓国人集客の参考にしてみてください。
NAVERとは?韓国最大のインターネット検索エンジン
NAVERとは、韓国のNAVER Corporationが提供するポータル型検索エンジンのこと。日本では、同社のキュレーションサービス「NAVERまとめ」が有名ですね。
検索エンジンNAVERの”ポータル型”というのは、膨大な量のwebサイトをジャンル毎にカテゴリ分類する形式を指します。
キーワードを入力すると、Q&A・ニュース・人物・ショッピング・ブログといったカテゴリー別に、検索結果が整理されて出てくるわけです。
サイトの分類基準は厳格に決められているため、ユーザーは求める情報へ早くアクセスできるメリットがあります。
そんなNAVERがリリースされたのは、1998年。各国にて検索エンジンが群雄割拠した時代で、Googleも黎明期の段階です。この状況にあってNAVERは、利便性の高い検索インフラを韓国で早期に整備し、同国において確固たるブランドを確立しました。
その地位は今日も健在で、同国の検索エンジンシェア75.2%を誇るほど(*)。
韓国人4人中3人が利用しているわけで、アプローチできるユーザー数の多さから、同国向けwebマーケティングをするのであれば、最優先で押さえなければならないツールだと言えます。
*:BLOOM STREET/韓国のSEO対策と NAVERネイバーマーケティングの秘訣
Googleとは全くの別物!NAVER特有の仕組みを解説
ここでは、NAVER特有の仕組みについて解説します。
日本における検索エンジンのトップシェアGoogleと、韓国トップシェアのNAVERは、それぞれ根本的に異なるアルゴリズムです。よって、SEO対策やリスティング広告のノウハウも変わってきます。では見ていきましょう。
検索結果がカテゴリーごとに分類される
GoogleやYahoo!は、検索キーワードへの適合順にサイトを表示しますが、NAVERは検索結果をカテゴリー毎に表示します。
例えば、「日本 お土産 おすすめ(일본 기념품 추천)」と検索すると、以下のように結果が表示されます。
引用元:NAVER公式サイト
一番上にはGoogleなどと同様にリスティング広告が表示され、下に行くとブログや画像、動画といったカテゴリー毎の検索結果が表示されます。
どのカテゴリーが上位表示されるかは、検索されたキーワードによって変化します。NAVERで分類されるカテゴリーは、
・ブログ
・画像
・動画
・ショッピング
・Webサイト
・知識IN(Yahoo!知恵袋のような機能)
・マガジン(出版社のメディア記事)
などなど50種類以上。
また、Googleは1ページにつき10サイト表示するの対し、NAVERは各カテゴリーで4サイトしか表示しません。この上位4サイトから漏れると、閲覧率は激減します。よってNAVERでは、表示順争いがより熾烈な傾向にあるのです。
■ 検索結果におけるGoogleとの違い
✔ 検索結果はカテゴリー毎に表示
✔ 各カテゴリーの上位表示件数が少ない
詳しくは後述しますが、この違いはインバウンド対策にも影響を及ぼしますので、NAVER特有の取り組みが必要となります。
リスティング広告が強調して表示される
NAVERは、Google以上にリスティング広告を強調して表示します。
試しに、「iphone 修理(iphone 수리)」と検索してみましょう。
赤く囲った部分全て、リスティング広告です。背景は黄色く変えられており、ユーザーの目に留まりやすい設定となっています。
また詳細は後述しますが、NAVERではSEO対策が効かず、企業や店舗の公式サイトはアクセスされにくい特長があります。そのため韓国人ユーザーは、リスティング広告を経由してサイトを訪問するようになりました。
加えて、NAVERのリスティング広告は表示件数が多く、最大20件を掲載。この件数の多さも、韓国人ユーザーがリスティングを頻繁に閲覧する理由となっています。
ユーザーがリスティング広告をよくクリックするなら、企業側もリスティング広告を積極的に利用すべきですよね。
■ リスティング広告におけるGoogleとの違い
✔ 背景が黄色く変えられている
✔ 表示件数が多く、最大20件が掲載される
韓国人向けのインバウンド対策には、NAVERのリスティング広告が非常に有効です。ぜひ活用してみましょう。
NAVERでのマーケティング活動を成功させるための詳細なナビゲーションが必要なら、「訪日韓国人集客の鉄則 – NAVERブロガーで9年間成功し続けているノウハウ公開」資料をダウンロードして、成功への一歩を踏み出しましょう。[こちらからダウンロード]
NAVERアカウントの作成方法!専門業者に任せるのも手
ここでは、NAVERのアカウント作成方法について解説します。
まずは、NAVER公式サイトにアクセスしましょう。なおサイトの日本語表示はできませんが、右上から英語に変えられます。今回は英語版で話を進めますね。
アクセスしたら、右下の[Sign up]と書かれたところから登録を進めていきましょう。[Sign up]をクリックすると、以下の同意書の画面が表示されるので、各項目に「✔」を入れます。
全てにチェックを入れたら[Confirm]をクリック。
次のページでは上から、
● ユーザー名
● パスワード
● 名前
● 生年月日
● 性別
● メールアドレス
● 電話番号
の基本情報を入力します。
一番下の電話番号は、最初の[0]を取って記入してください。(例:080-1234-5678 ⇒ 80-1234-5678)
その後[Send Code]を押すと、電話番号宛にランダムな数字(認証番号)が送られてくるので、[Enter verification code]の欄へそれを記入し、[Sign Up]をクリックすれば登録完了です。
さほど難しい手順ではないものの、全て英語か韓国語表記なので、不安があれば専門業者に依頼するのもおススメです。
NAVERを使ったインバウンド対策の方法
実際のインバウンド戦略構築には、より具体的なアプローチが求められます。成功を後押しするため、「訪日韓国人集客の鉄則」資料を参照して、確かな戦略を立てましょう。さっそく資料をご覧になるには、[ここをクリック]
続いては、NAVERを使ったインバウンド対策の方法について解説します。Googleでは有効でも、NAVERでは効果がない手法もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
リスティング広告
まずは、NAVERにおける活用優先度が高い、リスティング広告です。
前述の通りNAVERリスティング広告には、
● 背景が黄色く、ユーザーの目に留まりやすい
● 表示件数が多く、最大20件が掲載される
といった特性があります。
韓国人ユーザーは調べごとの際、まずリスティング広告をチェックします。だからこそ、彼らの行動パターンに合わせ、ターゲットが検索しそうなキーワードに対して広告を打つべきなのです。
では掲載に際し、どのようなポイントに注意すれば良いのか。NAVERリスティング広告の特長から見てみましょう。
①最大45文字の広告文
検索結果画面にできる広告文は、最大で45文字。2つ程度のベネフィットを詰め込める長さがあります。充分すぎるアピール機会であり、ABテストを通じて広告文の完成度を高めるのが重要です。
②完全一致方式による広告出稿
NAVERの広告出稿では、完全一致方式が採用されています。完全一致方式とは、広告主が指定したキーワードと、ユーザが検索したキーワードが完全に一致した時だけ広告が表示される仕組みです。
したがって、膨大なキーワードの組み合わせや言い回しを登録しなければなりません。ピンポイントなキーワードに至るまで、クリック率の変化などを検証できるので、細かい作業にはなりますが、忍耐強く分析し、改善していきましょう。
上記2つの特長により、高い効果を出すには細かい作業が必要となります。必要に応じて外部専門家の助言を受けながら、トライ&エラーを重ねるのが肝心です。
NAVERブログ
リスティング広告と並んで有効な施策が、NAVERブログです。
NAVERブログとは、NAVER提供のフォーマットに沿って作成されるブログで、Word Pressのようなテンプレートを使って構築します。
韓国では、Webサイトよりもブログの方がたくさん閲覧され、検索ユーザーの40%がNAVERブログをコンスタントに見ています。というのも韓国人は、行動・購入の前に口コミやレビュー、体験談などを高頻度でチェックするからです。
では、企業側はどんな記事を書けば良いのでしょうか。それは、読者に役立つ情報を提供する記事です。
例えば、
・商品の使い方やアレンジ方法
・ブランドストーリー
・Q&A
・製品のアップデート情報
・イベントの情報やレポート
・お客様の声
・業界ニュース
・アンケート
・専門用語や知識の解説
などなど、テーマは膨大にあります。
上記のような内容を発信して、企業・ブランドに興味を持ってもらうわけです。そして、情報やノウハウなどを出し惜しみせず提供し続ければ、より強い興味をもってくれて、いずれは熱狂的ファンになってくれます。
そうなれば、企業側が多くの予算をかけた売り込みをしなくても、自然に購入したいと思ってくれるでしょう。
ただし、記事閲覧→ファン化→購買のステップを踏んでもらうには、それなりの時間がかかります。加えてNAVERの仕組み上、長期間にわたり一貫したテーマで運用しなければ、ブログは上位表示されません。
ブログが非常に有用であるのは間違いありませんが、効果が現れるまで時間がかかるため、コツコツ取り組む必要があることを理解しておきましょう。
もし、ブログで即効性のある効果を求めるなら、インフルエンサーのように強い影響力を持った人にアピール記事の執筆をお願いするのがおすすめです。
いずれにせよ、WebサイトよりもNAVERブログの方が閲覧してもらいやすいため、ぜひ活用したいところですね。
NAVERカフェ
続いては、NAVERカフェ(NAVER카페)について解説します。
NAVERカフェとは、興味のあるコミュニティへ登録後、会員同士で情報交換ができるサイトです。「ブログは見ないけど、NAVERカフェは利用する」というユーザもいるほどの人気を集めています。
以下がNAVERカフェのトップページです。
赤く囲っている部分は左から、
● テーマ (주제별)
● 地域別 (지역별)
● ランキング (랭킹)
● 代表カフェ (대표카페)
● 私のニュース (내소식)
● チャット (채팅)
の順番でカテゴリー分けされています。
そして、テーマ(주제별)のカテゴリーを開くと、ゲーム(게임)や漫画/アニメ(만화/애니)、放送/芸能(방송/연예)などのジャンルが見つかりました。
非常に細かいジャンルに分かれており、「日本旅行が好き」や「日本にいる留学生」といったカフェもあります。
企業が活用する場合は、紹介したい商品・サービスにマッチしたカフェを見つけて、そこでリスティング広告などを掲載するといった方法があります。日本に興味のある韓国人が集まるカフェなら、強い興味を示してくれるでしょう。
SEO対策
Google一強の日本ではSEO対策が有効ですが、NAVERでは、検索エンジンの仕組み上SEO対策が通用しません。
先に述べたとおり、NAVERはユーザビリティ向上のために、全てのコンテンツをカテゴリー別に分類しています。
例えば、「○○の使い方」や「○○の値段」と調べれば、知識INというカテゴリーを優先的に表示。「○○おすすめ」と調べれば、NAVERブログのカテゴリーを上の方に表示します。そのため、上位に掲載されないカテゴリーは露出が激減するのです。
企業やブランドのサイトは、”Webサイト”というカテゴリに属します。しかし、このカテゴリが上位表示されるのは、ユーザーが企業名やサイト名を直接検索したときだけ。
少しでもキーワードがズレてしまうと別カテゴリの表示優先度に負けてしまうため、対GoogleのようなSEO対策を施しても、ほとんど効果がありません。
よってNAVERで集客するなら、企業サイトのSEO対策よりも、閲覧率の高いブログやリスティング広告の方が優先度は高くなります。
インフルエンサー起用
NAVERでは、webサイトよりもブログの方が見てもらえるのは上述のとおり。よってインフルエンサーを起用し、彼ら所有のブログで宣伝してもらうのも、効果的な施策となります。
そもそもNAVERは、特定のテーマで持続的・長期的にコンテンツを更新しているブログを上位表示する仕組みです。記事の内容が薄かったり、短期間しか運用していなかったりすると、上位表示は難しいでしょう。
ただし、今から自社ブログを育てるのも大事です。時間がかかるとは言え、永続的な集客装置になるので。
もし即効性を求めるのなら、インフルエンサーにアピール記事を書いてもらうのが有効です。以下の条件に当てはまるインフルエンサーを探してください。
✔ 特定のテーマに絞っている
✔ 長期的に運営をしている
✔ 有名で影響力がある
✔ 想定顧客の属性と噛み合っている
良いインフルエンサーを見つけられれば、短期間で効果的なインバウンド対策が実現できます。ぜひ活用を検討してみてください。
NAVERを使ったインバウンド対策の事例
ここでは、NAVERを使ったインバウンド対策の事例を解説します。
具体例を見ると運用のイメージが湧きやすくなるはずです。参考にどうぞ。
有名ブロガープロモーションで韓国人客誘致!レンタカー・株式会社パムの事例
1つめに、レンタカー予約サービスの株式会社パムが、韓国人が来日前に参考にするブログを活用して、プロモーションに成功した事例をご紹介します。
近年は、レンタカーで観光地を巡る外国人観光客が増えました。中でも利用者数の増加が目立ったのは韓国人です。韓国人におけるレンタカーの需要増加に気が付いた同社は、さらに利用者数を増やすためにプロモーションを行いました。
実施したのは、有名ブロガーにNAVERブログ上でアピール記事を書いてもらう方法です。レンタカー利用層に合わせて女性・ファミリー向けのブロガーを数人選び、「日本をレンタカーで楽しむ」という内容で執筆依頼を出したとのこと。
記事が配信されてしばらくすると、「NAVERの地域+レンタカー」のキーワードで上位表示されるようになり、同社の認知度向上とともに利用率もアップしました。
韓国ではブログの閲覧率が高いため、有名ブロガーなどのインフルエンサー起用はかなり有効だと分かる事例ですね。
ただし、宣伝色を強く出してしまったり、自社の想定顧客と接点が少ないブロガーを選んでしまったりすると、失敗する可能が高くなります。
広告塔候補者の日頃の投稿内容、ライフスタイル、価値観などを、ブログやSNSで念入りに調べなければなりません。ブロガーとの人脈を求めるなら、外部専門家に相談するのもおすすめです。
有名ブロガーを起用して商品・サービスの魅力をPR!北九州市・福岡市内企業の事例
続いては、北九州市・福岡市の飲食店やアミューズメント施設など6社が打ったブログプロモーション事例をご紹介します。
両市は地理的に韓国と近く、もともと同国の観光客が多く訪れていました。そして、近年はLCC増便などを受けてさらに増加していたため、両市内の6社が一層の誘致を目指すことに。
外部専門家へ相談したところ、3人の有名ブロガーによるプロモーションが提案され、さっそくこの施策を実行しました。
ブログ記事では、商品やサービスの魅力に加え、キャンペーンやプレゼントの情報なども併せてアピールし、お得で楽しい体験を訴求したそうです。
その結果、ブログの公開から1ヶ月弱で、
● 「福岡・北九州・旅行」などのキーワードで検索順位1位
● 毎日コンスタントに韓国人客が来店するように
● 自社単独プロモーションに比べ5倍の反響を獲得
などなど、各社大盛況の結果を収められました。
1つめの事例と同じく、韓国ではブログが大きな影響力を持っていると分かりますね。有名ブロガーたちインフルエンサーは、自社だけではリーチできない層にまで情報を届けてくれるので、より強い訴求効果をもたらしてくれます。
もちろん予算次第にはなるものの、積極的にブログプロモーションを検討したいところです。ただどちらにせよ、自社ブログの運営はやっておきましょう。
参照:株式会社IW/【2018年5月】韓国人パワーブロガーを招聘して、北九州市・福岡市内企業をPR!!
まとめ
今回はNAVERを使ったインバウンド対策について、特有の仕組みや活用法、活用事例などを交えながら解説しました。
韓国人誘致には、NAVER攻略が欠かせません。広告やブログなど、たくさんあるアピール方法の中から、自社やターゲットに合うものを選びましょう。
ただし、Googleとは違った特性を持つため、NAVER特化のノウハウが必要です。この点を理解し、ターゲットに響くプロモーションを的確に打った企業・自治体は、しっかりと成果を出せています。
ぜひ本記事を参考に、韓国人客誘致にチャレンジしてみてください。
この記事を読まれて、NAVERを用いたマーケティング戦略にご興味をお持ちですか?より深い理解のためにも、「訪日韓国人集客の鉄則 – NAVERブロガーで9年間成功し続けているノウハウ公開」の資料をダウンロードしてください。[無料ダウンロードはこちらから]
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