News&Blog

【2022年最新】中国でライブコマースが人気の理由とは?市場規模や進め方を徹底解説

目次

今や中国のEC市場はライブコマースを抜きでは語れない程に、市場は拡大し活況を呈しています。ライブコマースからECサイトへの誘導効果は甚大なものです。

ECサイトの事業規模拡大のためには、ライブコマースとの連携は欠かせない要素です。記事内では、ライブコマースの市場規模や、実際の運営方法など詳細を紹介しています。あらたな事業展開に興味を持っている人は、ぜひ記事内容をご確認ください。

ライブコマースとは

ライブコマースはインターネットライブ配信を用いて商品紹介を行い、ECサイトでの購入を誘導するものです。

テレビショッピングに似ていますが、ライブ感や双方向のコミュニケーションツールを有している点に違いがあります。テレビショッピングに比べて、広告費など諸経費が抑えられるメリットもあります。

中国のライブコマース市場規模について

新型コロナウイルスの影響によって小売業界は大きなダメージを受けました。しかし、巣ごもり需要を受けて、中国のライブコマースユーザーは、大きく増加しています。

iReserchの調査によると、2020年は1兆元(17兆638億円)を超え、2025年には6兆元(100兆円)に達すると見られています。

日本のライブコマース市場との比較

日本のライブコマース市場は、中国を始めとする諸外国と比べるとまだまだ発展途上段階です。これからの発展に期待が集まっています。

デロイトの調査結果によると、中国のライブコマース市場規模は、2018年の段階で44億ドルを突破しました。

前年比132%の成長率は、まさにライブコマース市場の成長ピークと見ることも出来ます。アリババグループが運営する淘宝や天猫、京東でもすでにライブコマースを活用して大きな収益を上げています。

日本では2018年ころからライブコマースが導入され始めました。しかし、現時点で大きなトレンドになっていません。日本国内でライブコマースが定着するかはまだ未知数です。

なぜ中国でライブコマースが注目されているのか?

ライブコマースの魅力は、クーポン配布や共同購入による大幅な値下げです。合言葉や抽選によるサプライズ込の値下げ機能が充実しており、ライブコマースには、驚きとお得さを兼ね備えた強みがあります。

フォロワーとの信頼関係を大事にするインフルエンサーは、商品の素直な感想をユーザーへ伝えます。偽りのない生のレビューも、魅力の一つです。

ライブコマースで売れる商品は衣類が多くなっています。ライブコマースでインフルエンサーがそのまま着用して感想を伝えるため、イメージがしやすく購入に結びつきやすいのです。

画面上でライバーの体型が共有されれば、着用感のイメージがより鮮明になります。商品画像のみの通販よりも、購入に結びつきやすくなるのも納得の理由です。

ユーザーは、インフルエンサーやライバーにチャットやコメントを通じて、質問を投げかけることができます。

双方向でのコミュニケーションが活発にできる点は、ライブコマースの大きな強みです。

中国人がライブコマースで商品を購入する理由

ライブコマース活況の背景を考えると、中国人は以下のような理由でライブコマースを利用しているのではないでしょうか。

  • クーポンや共同購入を活用すると商品を安く購入できる
  • 信頼してるインフルエンサーが商品を解説してくれるので選ぶ手間を省ける
  • 加工ができないライブ配信で、ありのままの商品を確認して購入出来る
  • 臨場感のある買い物を楽しみながら体験できる

中国国内の広さや地域間格差を考えると、ライブコマースが根付きやすい土壌が整っています。これからも一定の需要を維持し続けるでしょう。

ライブコマースのメリット

商品の魅力が伝わりやすい

ライブコマースでは、表情や仕草などいろいろな手段を用いて商品を紹介できます。画像やテキストだけでは伝わりにくい商品の特徴も、ライブコマースを使えば比較的簡単に伝えることができます。

衣料品では、実際に着用しているイメージを伝えたり、商品の簡易的なレビューをつたえたりすることもできます。

双方向のコミュニケーションが魅力

ライブを見ている視聴者はコメント機能をつかってメッセージの送信が可能です。配信者はコメントを見ながらユーザーからの質問や、反響を確認しつつ、ライブ配信の内容を組み立てていきます。購入前と後のイメージが違うというトラブルはECサービスにありがちですが、ライブコマースを使うと、イメージ違いのトラブルを抑えることができるでしょう。

新しい顧客層を獲得できる

ライブコマースでは、店舗スタッフ以外に、インフルエンサーが商品を紹介することがよくあります。インフルエンサーがもつファンやフォロワーへ、ダイレクトにアプローチできるのは大きなメリットです。

ブランドのファンだけでなく、インフルエンサーのフォロワーやファンにもアプローチできるのは、新規顧客の獲得に大いに役立つでしょう。

ライブコマースを使うと近くに店舗がないユーザーにも訴求できるようになります。ライブ配信は、店舗内にいるような感覚で商品を紹介できるため、ECサイトへの集客も比較的容易に行なえます。

ライブコマースのデメリット

配信中のトラブルによるリスク

ライブ配信は、撮影したそのままの映像がリアルタイムに視聴者へ届く点が強みとなっています。一方で、通信や機材のトラブルによっていきなり配信を中止せざるを得ないケースもあります。

編集ができないライブ配信は、ありのままを伝えることで得る信用と同時に、編集できないリスクも負うことをよく意識しておきましょう。

画面外からの映り込みや発言のコンプライアンスには、十分に注意しなければいけません。NGワードなどをあらかじめ見えるところに、記載しておくのもよい対処法です。

配信者のスキル頼りになってしまう

ライブ配信では、配信者が時間を管理しながらライブ配信を進めます。配信スキルが未熟なうちは一つのコーナーに時間を掛けすぎてしまったり、逆に早く話が終わってしまい間が持たなかったりすることも。

事前のリハーサルや、時間割を記載した台本の用意、タイムキーパーの設置など、上手に信仰するための対策を建てておきましょう。

視聴者からのリアルタイムなコメントへの対応も身につけておきたいスキルの一つです。

ライブコマースのみでの集客が難しい

ライブコマースの集客力は、視聴者数に依存します。少ない視聴者数では、思うようなコンバーションを得ることは難しいでしょう。SNSを使ってライブ配信を行う場合、日頃からこまめな投稿でフォロワーを増やしたり、フォロワー数の多いインフルエンサーの起用を検討したりして、視聴者数を増やすための施策を考えることが重要です。

中国のライブコマースで人気のインフルエンサーについて

中国のライブコマース市場のトップランナーは、viya(薇娅)とAustin(李佳琦)です。2020年の1〜3月だけで売上額の合計は1,080億円に達しました。

viyaは商業宇宙開月期業と連携して、4,500万元(約7億円)の小型ロケットの販売に成功した実績を持っています。

Austin(李佳琦)は、わずか15分の間に1,500本の口紅の販売を成功させ、コスメに特化したライバーとしての地位を確立しています。

直近では、ライブ配信が中国政府によって突然遮断されたことでも話題となりました。

中国のライブコマースで使われているプラットフォーム

淘宝直播 Taobaoライブ

運営会社:アリババグループ

Taobaoアプリのダウンロード数:約8億

中国国内最大のオンラインセールスイベント「ダブル11」やライブ中にリンクをタップするだけで購入できるTmall機能が強みです。

抖音直播 TikTok

運営会社:北京微播视界科技有限公司

利用ユーザー:約5億人

日本やアメリカでも人気のTikTokには、ライブ機能が搭載されています。お気に入りのインフルエンサーと双方向のやり取りが出来る楽しさは、他には代えがたい体験です。

快手直播 KuaiSho

運営会社:北京快手科技有限公司

アプリダウンロード数:約7億人

中国のお笑い芸人や有名タレントも使用しているライブ配信プラットフォームです。配信者へのプレゼント機能を備えています。

小红书 REDライブ

運営会社:行吟信息科技(上海)有限公司

アプリダウンロード数:約3億人

小红书 REDはアマゾンとInstagramが合体したようなサイトです。ライブ配信とECサービスのシームレスな連携によって、売上を伸ばしつつあります。

斗鱼 DOUYU

運営会社:武汉斗鱼网络科技有限公

利用ユーザー数:約947万人

ゲーム実況を始めとしたエンターテイメントコンテンツに強い配信プラットフォームです。ゲーム実況用のプラットフォームとして、もっとも多くダウンロードされたアプリです。

bilibiliライブ

運営会社:哔哩哔哩(bilibili)

利用ユーザー数:約3億人

ゲーム実況を始めとして、個人ユーザーによく使われているライブ配信プラットフォームです。配信者と視聴者のコミニュケーションが取りやすい特徴があります。

微信ライブ

運営会社:Tencent

利用ユーザー数:約11億人

Wechatにライブ配信機能が追加されました。ユーザー数の多さは圧倒的です。商品のプロモーションに特化した機能が搭載されており、成果を出しやすくなっています。

虎牙直播(Huya)

運営会社:JOYY

利用ユーザー数:8,190万人

ゲーム実況が人気のライブ配信プラットフォームです。世界タイトル級のゲーマーを集めて大規模なeスポーツの大会を独占配信しています。

その他ライブコマースに活用できるサービス

You Tube

You Tubeは世界最大級の動画配信プラットフォームです。2019年以降は、動画の下部に商品の広告を表示できるようになりました。

ライブコマースにも対応しており、ビジネス利用も過不足無く対応できます。

Facebook

FacebookはSNSの中でも、ブランドや法人のアカウントが多い点が特徴的です。Facebook上で商品を販売できる「Facebook Shops」が用意されており、ライブコマースへの対応も可能です。

Instagram

Instagramは写真や動画をメインとしたSNSです。ビジュアルをメインとしたプラットフォームなので、商品の紹介など、物品販売との親和性の高さが特徴的です。インスタグラマーと呼ばれる配信者によって、ライブ配信が盛んに行われています。

LINE LIVE

LINE LIVEはメッセージアプリを運営するLINEが提供するプラットフォームです。LINEには多くのユーザーを抱えている強みがあり、LINE LIVEへの集客のしやすさにもつながっています。

ライブTV

ライブTVはauPAYマーケット内に設けられたライブ配信機能です。KDDIグループが提供しているPontaポイントやauポイントとの連携によって、auユーザーを中心にユーザーを増やしつつあります。

HandsUP

HandsUPは、17LIVEが提供するライブ配信プラットフォームです。17LIVEをよりライブコマースに最適化したアプリで、ビジネス利用もしやすくなっています。

SHOPROOM

SHOPROOMは、SHOWROOMが提供するライブ配信プラットフォームです。SHOWROOMの流れを受けて、アイドルの配信が多くを締めています。ユーザーの年齢層が低い点に特徴があります。

中国のライブコマース成功事例

中国で成功を収めたライブコマース戦略について、2例ピックアップしました。

12 日間のイベントでダウンジャケット 300万着の販売を達成

中国で1998年に創業したアパレルブランドの「百思寒(BAISIHAN)」が抱える課題は、取り扱うグースファウンキルトの認知度が低い点でした。

認知度アップのためにECサイトへの出稿など、さまざまな手を尽くしましたが、売上が安定せず、認知度アップには至りません。

認知度アップをかけたライブコマース戦略では、商品の選出や特別クーポンの配布、コミュニケーションを重視した内容を目指します。

結果として、ライブコマースは成功し、1日のライブ配信で300万着のダウンジャケットを売り上げ、2万人以上のファンを獲得するに至りました。

15分で15,000本の口紅の売り上げに成功

ライブ配信にインフルエンサーを起用し、爆発的な売り上げを目指すことも可能です。

コスメ系インフルエンサーとして活躍している李佳琦(Austin)は、2時間のライブストリームセッションの間に、380本ものリップスティックを試した配信では、15分の間に、15,000本の販売に成功した実績をもっています。

ロレアルの化粧品販売員であった経歴を活かして、販売手法をそのままライブコマースで活用できたことが成功のポイントです。

商品に対する深い知識と理解度によって、顧客に支持されたことから爆発的な売り上げを記録することができました。

中国でのライブコマースの進め方

中国のライブコマースを円滑にすすめるための方法を順番に解説します。

商品の選定

市場規模が拡大しても、消費者のニーズに商品がマッチしていなければ販売もママになりません。

日本で人気の商品が中国でも売れるとは限りません。あらためて商品の選定をおこなうことはとても重要です。可能であれば、現地においてテストマーケティングを行うのも良い方法です。

配信者やインフルエンサーの選定

商品を宣伝する場合、インフルエンサーを起用する方法もあります。視聴者の年齢層や、性別、客単価など総合的に見て、最適なインフルエンサーの選考を行いましょう。

中国では、商品の内容と同じく、誰から買うか?という点も重要視されています。運用にピッタリのインフルエンサーを選ぶようにしましょう。

配信プラットフォームの選定

配信プラットフォームには、それぞれに強みがあります。例えば、若者を中心に多くの人へ幅広く届けたい場合は、Tik Tok、女性向けのコスメならRED、アニメや漫画が好きなユーザーに向けてはbilibiliなど、適材適所に使い分けることで、より高い成果を望めるでしょう。

購入動線の整備

視聴者がスムーズに購入にたどり着けるように、リンクの設置を抜かり無く準備しておきましょう。アプリによっては、1回タップするだけで購入できるものもあります。

動線が用意されていない場合、自分でうまく設置しておく必要があります。せっかくのチャンスを逃さずに捉えましょう。

中国でのライブコマースを成功させるには

異国の地でライブコマースを成功させるために、抑えておきたい重要なポイントをピックアップしました。

お互いのコミュニケーションを大事にする

ライブ配信中は視聴者から多くのコメントを受け付けることができます。商品についての疑問や、LIVEへの要望など、多くの質問に対応することでユーザーの購入を後押しできるのです。

実店舗での接客の延長と考え、積極的なコミュニケーションを取りにいきましょう。

視聴者が楽しめるコンテンツを用意する

リアルタイムで配信されるライブコマースは、アーカイブや動画と違って早送りができません。したがって、面白くないと判断された配信は簡単に離脱されてしまいます。

視聴者を飽きさせないように、話し方を工夫したり、ビジュアル要素を多く取り入れたりと、配信内容に工夫が必要です。

商品やサービスに関して知識を持つ人が配信する

ライブコマースの成功には、視聴者を飽きさせないトークスキルだけでなく、深い商品への知識も必要です。視聴者からの疑問に即座に応えなければ、購買意欲が削がれてしまう可能性があります。

商品の魅力を的確に伝えられる配信者の選定は重要なポイントです。

中国のトレンドや生活スタイルを把握する

中国ではどんなものが流行っているのか、生活に根ざしている必需品はなにか、など基本的な情報を抑えておく必要があります。

トレンドや生活スタイルは、商品選定やキャンペーン内容など、さまざまな決定事項に役立つ情報です。

マーケティングを行い、的確に把握しておきましょう。

支援会社への依頼を検討する

海外のマーケティングを自力で成功へ導くには、多くの労力を必要とします。自社での展開が難しいと感じたら、支援会社への依頼も有効な手段です。

現地の情報を多くもっている会社では、テストマーケティングを行うことができ、失敗確率を抑えることが可能です。

関連リンク:中国で越境ECを展開する際に覚えておきたいポイント

中国のインフルエンサー施策ならLIFE PEPPERへご相談を

LIFE PEPPERは、多くの企業をサポートし確かな成果をあげてきました。

創業から6年間の間に支援してきた企業は600社以上。中には海外マーケティングを駆使して、事業を拡大した企業もあります。

50名の社員のうち、約60%が2言語以上に精通する帰国子女やバイリンガルの外国人で固められており、現地でのローカライズにも適切に取り組むことができます。

今まで蓄積されたノウハウにより、50の提供サービスを組み合わせた提案も可能です。海外のマーケットを開拓し、あたらしいビジネスチャンスを獲得したいと考えている人は、ぜひLIFE PEPPERへご相談ください。

まとめ

中国ではライブコマースが隆盛を極め、爆発的な売り上げを記録するインフルエンサーが現れるようになりました。

ライブコマースは、商品をまとめて買う機会が少なかった郊外の中国人にも訴求でき、全土で大きな反響を呼んでいます。

中国のライブコマース市場は拡大の一途で、今後もあらたなビジネスムーブメントを巻き起こしつつ、大きなトレンドを形成するでしょう。

Category Category

中国の関連記事