目次
4年間でインバウンド客は約2倍以上に増えています(*)。
しかし、インバウンド需要をビジネスにもっと取り入れたいけど、何から始めればいいかわからないといった悩みを持つ事業者は意外と多いものです。
今回の記事では、近年のインバウンド客の特徴から、人気の観光地、インバウンド観光客が増えない地域の課題など網羅的にご紹介します。
インバウンド客に人気の観光地には、日本人がよく知る定番の観光地だけでなく、外国人目線で支持されるポイントが抑えられています。
近年のインバウンドの特徴を知り、インバウンドビジネスを加速していきましょう。
*:観光局|訪日外客数(年表)
観光業界におけるインバウンドとは?
インバウンドとは、英語で「inbound」とつづり、「外から中へ入る」といった意味を持つ形容詞です。
ビジネス用語やIT用語としても使われますが、観光業におけるインバウンドとは「訪日外国旅行」を指します。
2018年のインバウンド客は3119万人を超え、過去最高を記録しています。(*1)
タイや中国、ベトナムなどをはじめとするアジア諸国からのインバウンドが増加しています。
2018年の消費額は4.5兆円を超えこちらも過去最高を記録しています。国別でみると中国(15,370億円)や韓国(5,842億円)、台湾(5,839億円)が消費額のトップ3となっています。(*2)
中国は「爆買い」のイメージが強いですが、「爆買い」のブームが去った今日においても中国人訪日観光客の影響力は強いです。
*1:日本政府観光局「年別訪日外客数の推移」
*2:観光庁「2018年全国調査結果(速報)」
近年の観光インバウンド客の特徴
最近インバウンド客が日本観光で重視する特徴として、体験型の「コト消費」、日本的なものや体験、SNSでシェアしたくなるかどうかが挙げられます。
インバウンド客のニーズを上手く把握し、外国人観光客誘致に成功させましょう!
「モノ消費」から「コト消費」へ
インバウンド客といえば中国人観光客の「爆買い」をイメージする人も多いのでは?
しかし、近年のインバウンド客の傾向は「モノ消費」から「コト消費」に移っています。着物での写真撮影や、日本の四季を感じるなど、日本独自の体験を求めて日本を訪れるインバウンド客が増えています。
つまり、インバウンド客が求めるものが「商品」から「体験」に変わってきているということです。
こういった趣向変化の背景には、訪日外国人観光客のリピーターの増加があります。インバウンド客にはリピーターが多く、訪日外国人客の約6割がリピーターとなっています。(*)
数回日本を訪れてきた中で、日本で欲しい商品はおおよそ買いつくし、消費行動よりもリアルな日本文化に触れることで楽しさを見出す観光客もいます。そういった観光客は特に、商品や製品ではなく体験を求めていると言えるでしょう。
*:観光庁「平成29年訪日外国人消費動向調査【トピックス分析】」
日本的なものに魅力を感じる
「日本的なもの」「日本独特なもの」に対してインバウンド客は魅力を感じます。特に日本の伝統文化や自然、神社・寺院などに関心があるようです。
Trip Advisorの人気ランキングを見ても上位10位中、伏見稲荷神社を筆頭に、神社・寺院は6つランクインしています。
訪日外国人客には、日本的ならではの体感したいという需要は高いです。神社・寺院だけでなく、「原爆ドーム」のある広島平和記念公園や、ユニークな体験のできるアキバフクロウなどがランクインしています。
日本の伝統文化や自然など、日本独特の魅力をSNS経由でインバウンド客に伝える方法を知りたいですか?私たちの資料『訪日韓国人集客の鉄則 – NAVERブロガーで9年間成功し続けているノウハウ公開』で、具体的な戦略を学びましょう。ダウンロードは、こちらからどうぞ。
SNSでシェアしやすさ・見栄えの良さが鍵
歴史的な観光地や日本でしかできない体験など、見栄えがよく思わずSNSでシェアしたくなるコンテンツがインバウンド客には人気です。
実際に現地を訪れ写真や動画を撮りSNSでシェアする。その写真や動画を見た人が観光地に足を運ぶ。
人気観光地にはこうしたサイクルができています。
このサイクルが軌道に乗ると、こちらから広告出稿など行わずとも、自然とインバウンド客誘致に成功します。
下記の記事ではインバウンド客に人気の3都市において、英語・韓国語・中国語(繁体字)でのインスタグラム分析を取り上げています。
各国によって特徴が異なり、新たな発見があるかもしれません。ぜひ合わせてご参照ください。
インバウンド人気観光地ランキング【厳選5選】
ではこれからインバウンド客に人気の観光地、上位5スポットをご紹介します。
このランキングは、訪日外国人による口コミサイト「Trip Advisor」のランキングを参考にしています。
1位:伏見稲荷大社
伏見稲荷大社は京都府伏見区に位置し、日本全国に3000を越える「お稲荷さん」の総本宮です。
朱色の鳥居が連なる幻想的な雰囲気に、特に外国人観光客からの支持が高く、金閣寺や清水寺などを有名観光スポットを抑え、堂々の一位に輝いた伏見稲荷大社。
伏見稲荷大社の近くには多くの着物レンタルショップがあります。インバウンド客には、着物を着て鳥居と共に写真を撮りSNSにアップするのが人気です。
伏見稲荷大社は地元の商店街と協力し、インバウンド対策に力を入れています。具体的には、5言語対応の多言語ホームページ、四季に合わせたインバウンド向けの告知、商店街の受け入れ環境作りをしています。
周辺の商店街も一体となり、商店街での英会話教室、無料Wi-Fi、3か国語の商店街マップなどインバウンドの受け入れ環境を整えています。
2位:アキバフクロウ
引用元:アキバフクロウ
アキバフクロウは秋葉原駅近くに位置する、多くの種類のフクロウと遊ぶことができるカフェです。アクセスの良さとユニークなコンセプトで多くのインバウンド客から人気を得ています。
旅行客の口コミサイトtrip advisorには、訪れたインバウンド客からの口コミが多数掲載されています。インバウンド客はtrip advisorなどに掲載された他の外国人観光客の口コミを参考にして日本を観光しています。
例えば、「フクロウは愛らしくて、フタッフはとてもフレンドリー!」「動物が好きな人や思い出に残る体験をした人には絶対おすすめ!」といった口コミがあり、インバウンド客からの人気が伺えますね。
予約システムも3か国語に対応しており、予約の際に言語によるストレスを感じません。アキバフクロウではInstagram活用が重視されており、SNS上で興味を持った観光客を取り込んでいます。
具体的には下記のような施策を基にInstagramを運営しているそうです。
- Instagramで1日2回フクロウの写真を投稿
- Facebookの投稿がTwitter、Instagramでも連動している
- Facebook上では英語や多言語でのコメントがあり、外国人に認知されている
- アキバフクロウを訪れた外国人がInstagramで投稿
- 語学が堪能なスタッフが外国人を対応
SNSで投稿した情報が外国人の間で認知され、新たなインバウンド客やリピーター創出に繋がっています。
3位:広島平和記念公園
広島平和記念公園は、ユネスコ世界遺産の「原爆ドーム」をはじめ、太平洋戦争時の被ばく時の状況や被爆者の遺品などが展示される「広島平和記念博物館」などが一体となった市民公園です。
戦争の恐ろしさや悲惨さを伝える遺産に毎年多くのインバウンド客はもちろんのこと、複数の世界的要人が訪れています。
2016年には当時アメリカの大統領であったオバマ大統領が訪れ、その年には過去最多の訪日外国人観光客が広島平和記念公園を訪れました。
観光インバウンド客向けの対策は、公式ウェブサイトの2言語対応(日本語・英語)・広島のピースツーリズムの提唱が挙げられます。
「ピースツーリズム」とは、観光客に平和記念公園や原爆ドームを始め、広島市内にある平和関連施設に訪れてもらうことで、平和について考え思いを馳せる取り組みです。
公式WEBサイトには、スマートフォンを片手に平和関連施設を周回できるルート案内が記載されています。(英語版はこちら)
こうした県をあげての取り組みによってインバウンドの取り込みに成功しています。
4位:嚴島神社
嚴島神社は広島県廿日市市の宮島にあり、1993年に世界遺産に登録された神社です。創立は593年頃とされ、平清盛にもゆかりがあると言われています。
JR広島駅から山陽本線宮島口駅まで約25分、そこからフェリーで約10分で宮島に到着します。
嚴島神社と言えば、何と言っても海に浮かぶ鳥居が特徴で、満潮時に海に浮かぶ嚴島神社を見に来る観光客も多いです。
海に浮かぶ鳥居、周辺の紅葉、宮島に住む野生の鹿…。日本を感じさせる観光地としての魅力は尽きません。
嚴島神社が行うインバウンド向け対策は、7か国語対応の観光サイト・無料Wi-Fi・外貨両替所が行われています。
5位:東大寺
「大仏」で有名な奈良県にある東大寺は、奈良時代に聖武天皇によって建立され、1998年に世界遺産に登録されました。
京都や大阪からのアクセスが特段良いわけではないですが、大仏を一目見ようと毎日多くのインバウンド客が東大寺を訪れています。
東大寺では鹿との触れ合いも魅力の一つ。鹿や大仏の写真を撮ってInstagramなどのSNSに投稿する人も多いです。
東大寺の公式サイトは日本語・英語の2言語に対応しており、インバウンド客向けにイベント・アクセス情報を配信しています。
6位以下も、清水寺、新宿御苑、金閣寺、箱根彫刻の森美術館、高野山と続きます。
東京・京都・大阪からのアクセスが良く、日本的なものがインバウンドに支持されています。富士山がランクインしていないのは意外ですね。
インバウンド観光客が増えない地域の課題
インバウンド客の増えない地域の課題は、多言語対応や無料Wi-Fi設置がされていなかったり、知名度の低さをWEB上でもカバー出来ていない点などが挙げられます。
いずれも訪日するインバウンド客が不便に感じるという点で共通しているでしょう。ではこれから詳しく見ていきます。
多言語対応やWi-Fiの準備ができてない
インバウンド客が増えない観光地は、外国語での観光情報や無料Wi-Fiが用意されておらず、外国人観光客が不便に感じるポイントがある場合が多いです。
インバウンド客から人気の観光地ではほぼ例外なく、公式サイトやSNSを多言語で発信し無料Wi-Fiを完備しています。場所によっては外貨両替所の設備が整っている観光地もあります。
観光地では、近年国公認の観光案内所が設置されています。
観光案内所ではローカル情報の収集や訪日外国人の案内をします。英語を中心として多言語での観光案内を行うため、困った際に気軽に立ち寄れるとインバウンド客から好評です。
多言語への対応や無料Wi-Fiで、外国人が快適に日本観光できる環境を整えましょう。
観光地自体の知名度が低く、WEB訴求も控えめ
観光地自体の知名度が低い上に、多言語WEBサイトやSNS活用なども控えめな地域はインバウンド客は一向に増えません。
多くのインバウンド客はSNSや口コミを参考にして観光スケジュールを立てます。そのためブログやSNSを活用し、効果的なマーケティングを行う必要があります。
先ほどもご説明しましたが、SNS活用によってインバウンド集客に成功しているアキバフクロウが好例です。外国人にも人気の動物コンテンツとSNSの活用によって、2018年度trip advisorによる観光地人気ランキングで2位に選ばれています。
厳島神社や東大寺のような有名な観光地ではなくても、外国人の求めるコンテンツを提供しSNSや口コミで評判になれば多くのインバウンド客が訪れる観光地になります。
まとめ
今回はインバウンド観光客に人気の観光地についてご紹介しました。インバウンド観光客から人気の高い観光地にはこのような共通点があります。
- 「モノ消費」から「コト消費」へ
- 日本的なものを求める
- SNSでシェアしたくなるものが人気
以上のポイントを踏まえつつ、インバウンド市場で一歩先を行くためには、さらなる情報が必要です。『訪日韓国人集客の鉄則 – NAVERブロガーで9年間成功し続けているノウハウ公開』には、成功するための秘訣が満載です。今すぐこちらからダウンロードして、インバウンドマーケティングの質を高めましょう。
インバウンド観光客は訪日前に観光情報だけでなく、SNSや口コミを参考にしています。SNSで発信されるものや良い口コミを得た観光地には自然と人気が集まります。
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